アプリのセグメントプッシュ通知で開封率を上げる!来店間隔に応じた配信のコツ

業種全般
公開日:2023.01.05 更新日:2026.08.17
アプリのセグメントプッシュ通知の肝!来店の回数・購入頻度・地域をどう活用する?

Webマーケティングにおいては、「セグメント」という概念が重要になってきます。セグメントによって属性ごとにユーザーを分けて通知配信等を行うことで、一人ひとりに合った情報配信が可能です。

相性のよい情報を適切なタイミングで送信することで、アプリのロイヤリティ向上やアクティブ率上昇などにつながります。アプリのセグメントプッシュ通知とは何か、その概要や活用事例などをご紹介します。

あわせて、来店間隔をもとにしたセグメント設計、開封率と許諾率の目安、配信後の効果測定とA/Bテスト、行動データを扱う際の法的な前提も取り上げます。

とくに来店間隔は、店舗アプリでもっとも成果につながりやすい切り口です。設計の手順まで具体的に整理しているので、参考にしてみてください。

アプリのセグメントプッシュ通知とは

まずはアプリのセグメントプッシュ通知の概要を解説します。

セグメントとはグルーピングのこと

セグメントとは、そもそも「ユーザー属性に応じてグループ分けを行い、区別を行うこと」を指しています。そしてアプリにおけるセグメントプッシュ通知とは、「ユーザーをグループに分けて、グループごとに別のプッシュ通知を配信すること」です。

  • アプリの起動回数
  • 利用スマートフォン
  • 店舗への来店回数
  • ECの利用回数
  • 居住地域
  • 職業
  • 年代・年齢

ユーザーにも上記のような属性の違いがあり、1つ違うだけでも欲しい情報や趣味・趣向が大きく異なる可能性があります。こういった属性の違いに応じてセグメントし、グループ分けを行った上でプッシュ通知を配信するのがセグメントプッシュ通知です。

押さえておきたいのが、セグメント配信とパーソナライズ配信は別物という点です。セグメント配信は「20代女性」「月2回以上来店」といったグループ単位で内容を変える方法を指します。

一方のパーソナライズ配信は、名前の差し込みやポイント残高の表示など、個人単位で内容を変える方法です。実務では、まずセグメントで大きく分け、そのなかで個人の情報を差し込むという順番で組み合わせます。

セグメントしたほうがよい理由

プッシュ通知の開封率が上がる:たとえば、20代男性に40代女性向けの情報を送ってしまう、30代女性なのに10代男性用のコンテンツ紹介の通知がアプリで発信される、といった状況を想定してみてください。「関係ない情報だ」「迷惑なコンテンツだ」と通知が来た時点で思われることでしょう。

このように適していない情報を配信してしまうことは、下手をすれば詐欺勧誘関連の広告が表示されるのと同じくらいに嫌悪感を抱かれるというリスクがあります。セグメントを行うことで、20代男性にはそれ向けの情報を、といった情報を出し分けることが可能です。結果的に情報のミスマッチを防ぎ、プッシュ通知が来た後の開封率も上がります。

売上向上につながる:たとえば、定期的に商品を購入する必要がある場合を想定します。前回の購入日時をもとにセグメントすることで、そのお客様の買い替えの時期に「商品の買い替え時期が近づいている」という情報を発信することも可能です。セールストークの内容がセグメントされたお客様の状況と一致することで、効率よくプッシュ通知経由でフックを作って商品新規購入や継続サービスの契約などへつなげることができるでしょう。

アプリの削除を防げる:間違った情報やそのお客様に関係ない情報を何度も届けてしまうと、ユーザーがアプリを削除する動きも強まってきます。セグメントを行わないで適当に配信するのと、セグメントを行ってから配信を行ったのとでは、削除の確率に大きく差がでます。セグメントを行うことで有益なアプリだという印象をユーザーへ与えることができ、継続的なアクティブ率の維持・向上および、プッシュ通知の積極的な受取も実現できるようになるでしょう。

プッシュ通知配信以外でも役立つ:セグメントはプッシュ通知で利用するだけのものではありません。たとえばセグメントごとにニーズを考えることで、セグメント対象となったお客様に向けた新商品・サービスを立案しやすくなります。またメールやWeb広告の出し分けに関しても、セグメントの概念が役立つでしょう。

補足すると、配信対象を絞ると配信数は減りますが、開封数そのものは増えるケースが少なくありません。全員に送って多くの人に無視されるより、対象を半分に絞って反応してもらうほうが結果につながります。

配信数を成果と混同しないことが大切です。数を打つ発想から、届ける相手を選ぶ発想へ切り替えてみてください。

セグメントの種類とは

続いては、セグメントの種類について解説していきます。

行動変数

行動変数とは主にお客様の購買パターンのことで、たとえば購入タイミング、購入した状況、購入の回数などに応じてセグメントする方法です。お客様の行動に応じて、広告やキャンペーン情報の紹介などのタイミング・頻度を調整できるようになります。

4つの変数のなかで、もっとも反応率が変わるのがこの行動変数です。年代や性別といった属性より、直近の行動のほうが今の関心を正確に表すためです。

店舗アプリの場合、最終来店日と来店回数の2項目さえあれば行動ベースのセグメントは組めます。まずはここから始めるのが現実的です。

人口動態変数

人口動態変数はお客様の個人情報のことで、たとえば年齢、性別、職業、家族構成といった項目に応じてセグメントを行います。各項目に関しては細かい年齢や職業などをヒアリングするパターンもありますが、ヒアリング元の情報を集め過ぎようとするとアプリ離脱の原因にもなりかねません。そこで大体の年齢や職業のみを聞くなど、必要ない項目は削除して聞かないようにすることも多いです。

登録項目を絞る判断で迷ったら、その項目を使った配信を実際に行うかを基準にしてください。使わない項目を取得しても、離脱率を上げるだけで運用には役立ちません。

地理的変数

地理的変数はお客様の地理関係の情報で、たとえば国、地域、天気、文化などを収集してセグメントへ活用します。地域の天候等に応じて販売方法が変化する商材を宣伝する際は、地理的変数に応じたセグメントが役立つでしょう。また越境ECといった分野でも、環境を考えて販売を行う地理的変数は役立ちます。

多店舗を展開している場合に効くのが、お気に入り店舗の登録です。居住地より、実際によく使う店舗のほうが配信の精度は上がります。登録してもらう導線を用意しておきましょう。

心理的変数

心理的変数とはお客様の感情、たとえば性格、現在の課題と感じていること、価値観といった情報を基にセグメントを行う手法です。データ化しにくいパーソナリティへ迫る情報を取得することで、より一人ひとりに合わせたマーケティングを行うことができます。また心理的変数は、商品開発の際にもユーザーニーズを明確にするためにも使えます。

心理的変数は取得が難しい領域ですが、アプリ内のアンケートや好みのジャンル登録で代替できます。「よく買うカテゴリ」を選んでもらうだけでも、配信の出し分けには十分機能します。

4つの変数を組み合わせる考え方

実務では、4つの変数を単独で使うより組み合わせたほうが精度が上がります。ただし、掛け合わせるほど対象人数は減っていきます。

目安として、1つのセグメントが会員全体の1割を下回ると配信の効果が測りにくくなります。反応の差が偶然なのか施策の効果なのか判断できなくなるためです。

始めるなら、行動変数を軸に2つまで掛け合わせるのが扱いやすい形です。「1か月以上来店なし × A店をお気に入り登録」といった程度で十分に成果は変わります。

関連記事:アプリのセグメント配信でリピート集客効果とロイヤリティを向上。手順やユーザー属性も解説

関連記事:顧客管理アプリ(CRM)おすすめ11選|機能・料金・選び方を徹底比較

来店間隔をもとにしたセグメント設計

店舗アプリのセグメント配信で、もっとも成果につながりやすいのが来店間隔を軸にした設計です。ここを押さえておくと、他の切り口も組み立てやすくなります。

来店間隔とは何か、来店回数との違い

来店間隔とは、前回の来店から次の来店までにかかった日数のことです。来店周期とも呼ばれます。

似た指標に来店回数がありますが、意味は異なります。来店回数は累計の実績、来店間隔は行動のリズムを表します。

たとえば「年10回来店」の顧客が2人いても、片方は毎月1回のペース、もう片方は3か月間に集中して来ていた、ということがあります。回数だけを見ていると、この違いに気づけません。

配信のタイミングを決めるうえで役に立つのは、回数より間隔です。次にいつ来るかが読めれば、その直前に声をかけられます。

自店の平均来店間隔を出す

設計の出発点になるのが、自店の平均来店間隔です。会員ごとに前回と今回の来店日の差を出し、その平均をとるだけで算出できます。

注意したいのが、全体の平均だけで判断しないことです。週1回来る常連と年1回の来店客が混ざると、平均は実態からずれます。

そこで、来店回数の多い層と少ない層に分けてから平均を出すと、実態に近い数字が得られます。「3回以上来店した人の平均間隔」を基準にすると、リピーターの行動リズムがつかめます。

この数字が出たら、記録して毎月追いましょう。平均来店間隔が短くなっていれば、施策が効いていると判断できます。

間隔に応じた4つの配信タイミング

平均来店間隔をもとに、配信のタイミングを4段階で設計します。仮に平均が30日の店舗を例にします。

1つ目が、来店直後(1〜3日)です。お礼のメッセージと、次回使える特典を届けます。もっとも記憶が新しい時期で、次の来店を予定に入れてもらいやすいタイミングです。

2つ目が、間隔の8割前後(24日目あたり)です。そろそろ来店を考え始める時期にあたります。ここで新商品やイベントの案内を送ると、来店の後押しになります。

3つ目が、間隔を超えた直後(35日目あたり)です。いつものペースから遅れている状態なので、期限付きの特典で背中を押します。

4つ目が、間隔の1.5〜2倍(45〜60日目)です。離脱の可能性が高い段階です。ここでは強めの特典を用意し、復帰のきっかけをつくります。

この4段階は、すべて自動配信で設定できます。一度組んでおけば担当者の手を離れるため、運用の負担を増やさずに続けられるのが利点です。

業種別の来店間隔の目安

自店の数字を出す前の参考として、業種ごとの目安を挙げておきます。あくまで一般的な傾向であり、最終的には自店のデータで判断してください

飲食店は、業態によって幅が大きい領域です。ランチ利用が中心なら数日〜1週間、ディナーや専門店なら数週間〜1か月程度が目安になります。

美容室・サロンは、施術内容から周期が読みやすい業種です。カットで1〜2か月、カラーで1〜2か月といった形で、専門家として次回の時期を提示できます。

小売・スーパーは、日用品が中心なら数日〜1週間、専門店なら1〜3か月と差が出ます。温浴施設やレジャーは1〜3か月程度と長めになり、天候の影響も受けます。

間隔が長い業種ほど忘れられやすいため、間の期間にも接点を持つ設計が必要になります。販促以外の情報を挟むなどの工夫を検討しましょう。

関連記事:継続率(リテンションレート)とは?計算方法とアプリの継続率を上げる施策を解説

セグメントプッシュ通知の参考になる活用事例を幅広くご紹介

ここからは、アプリのセグメントプッシュ通知の参考になる活用事例をご紹介します。

基本情報をもとにセグメント

年代や性別:某PCメーカーは、普及が始まったノートPC関連の市場セグメントを工夫しました。具体的には一般にまで広まり始めた市場からあえて従来のビジネス用途を切り取り、重量ダウンやバッテリーの持ち向上、セキュリティ強化などへ特化した開発を行うなどです。自社商品の強みと合ったユーザーをセグメントで見つけたことで成功につながりました。セグメントプッシュ通知を行う際も、このように攻めたセグメントを行い若いビジネスマン向けの情報、中年主婦向けの情報といったように方向性をガラッと変えた情報を送信すると効果的かもしれません。

地域:アプリユーザーの対象地域が、「東北」と「関東」といったように複数の地域に分かれているとします。東北は寒いですが、関東はそうでもないです。そのため、東北では暖房といった商材がおすすめですし、関東ではそれ以外の商材を販売すると成功する可能性は上がります。このように地域ごとに販売すべきもの・宣伝すべきものが変わってこないか確認してからセグメントを行い、プッシュ通知配信内容を変えてみるとよいでしょう。

基本情報だけでセグメントする際に注意したいのが、推測に頼りすぎないことです。年代や性別から興味を決めつけると、実際の関心とずれることがあります。

配信後の開封率を属性ごとに確認し、想定と違う層が反応していないかを見ておきましょう。想定外の層に需要が見つかることも珍しくありません。

顧客の行動をもとにセグメント

来店回数:たとえば「来店回数が週数回ある」「月に1回ほどしか来店していない」といった違いがあることを想定してみます。来店回数が週数回あるような場合は、来店頻度が多いのでプッシュ通知でお得な情報をどんどん送信しても嫌がられないかもしれません。しかし、月に1回ほどしか来店していないようなロイヤリティの低いお客様は、1日に何度も情報を送られると離脱するリスクがあります。

来店頻度の多いお客様には限定イベントも含めてさまざまな情報を送る、来店頻度の低いお客様にはおかえりクーポンといった休眠掘り起こしの特典を通知で送る、といった使い分けによってマーケティング効率が上がる可能性があります。

購入金額:購入金額によってセグメントを行う方法もあります。たとえば「購入金額が1回平均で1万円」「購入金額が1回平均で1,000円」といったセグメントの違いを想像してみてください。購入金額が1万円のお客様は、高い商品をおすすめされても嫌がられない可能性が高いので、機能性が高いブランド商品を用意して売り込んでもよいでしょう。

購入金額が1,000円の場合は、いきなり高い商品をアピールされても食指が伸びないかもしれません。そこで自社商品の魅力が分かる低額の関連商品等をアピールして、少しずつロイヤリティや購入金額を増やせるようにするとよいです。実際は他の属性まで加味して考える必要がありますが、購入金額などを参考にするとセグメントの切り口が見えてくることがあります。

最終アプリ起動日:最終アプリ起動日を起点にセグメントを行うケースもあります。最終アプリ起動日が、「1日前」と「2か月前」といったケースを想定します。1日前のお客様は頻繁にアプリを起動している可能性が高いです。ロイヤリティの高いお客様と判断し、さらにロイヤリティが高まるプログラムの紹介やキャンペーンの通知などを送っても問題ないでしょう。

ただし2か月もアプリを起動していないお客様には、最悪の場合アプリを削除しているケースも考えられます。もしアプリを削除されている場合は、リテンション広告でメリットをアピールして再インストールを促進するとよいです。また、未削除の場合は、プッシュ通知でリテンション用のイベント・クーポン情報の送信を行い再起動のきっかけを作ってみましょう。

行動をもとにセグメントする際は、基準を固定日数ではなく自店の平均から決めるようにしましょう。一律で「2か月」とするより、前章で求めた平均来店間隔の倍数で設定するほうが精度が上がります。

あわせて、分類と送る内容をセットで決めておくことも大切です。分けただけで内容が同じでは、手間が増えるだけで効果は変わりません。

関連記事:「うざい」と思われない!ユーザーに喜ばれるプッシュ通知の活用法

関連記事:店舗アプリの導入効果とは?メリット・デメリットと成功事例を解説

関連記事:会員ランクの成功事例5選|リピート率を高める特典設計とランクアップの仕組み

プッシュ通知の開封率と許諾率

セグメント配信の効果を判断するには、数値の目安を知っておく必要があります。開封率と許諾率という2つの指標を押さえておきましょう。

開封率の平均と計算方法

開封率は、通知をタップしてアプリを開いた割合を示します。計算式は次のとおりです。

開封率(%)= 通知をタップして起動した数 ÷ 配信した数 × 100

水準としては、メールマガジンの開封率が10%前後とされるのに対し、プッシュ通知は30〜40%程度といわれます。ただしこれは全業種をならした数値で、業種や配信内容によって幅があります。

計算する際に決めておきたいのが、分母を何にするかです。配信した総数を分母にするのか、通知を許可している人の数を分母にするのかで数字は大きく変わります。

社内で定義を統一し、期間をまたいでも変えないようにしておきましょう。他社の平均と比べるより、自社の推移を追うほうが実務では役に立ちます

許諾率が開封率の前提になる

見落とされがちなのが許諾率です。アプリをインストールした人のうち、通知の受信を許可した人の割合を指し、オプトイン率とも呼ばれます。

ここが低いと、文面をどれだけ磨いても届く総数は増えません。開封率が30%でも、許諾率が20%なら会員全体に対して届いているのは6%です。

開封率と許諾率を掛け合わせた数字が、実際の到達範囲になります。改善の優先順位を決めるときは、どちらの伸びしろが大きいかで判断しましょう。

なお、iOSは以前から初回に許可を求める仕様で、Androidも13以降は同様になりました。いずれも一度拒否されると設定画面から手動で戻してもらうしかないため、聞くタイミングの設計が重要になります。

許諾率を上げる3つの工夫

1つ目が、許可を求めるタイミングを遅らせることです。起動直後にいきなり求めると、何のための通知か分からないまま拒否されます。クーポンの受け取りやポイントの付与など、価値が伝わった場面で聞くと許可率は変わります。

2つ目が、事前に説明を挟むことです。OSの許可ダイアログを出す前に、自社の画面で「限定クーポンをお届けします」といった案内を表示します。ここで断られた人にはOSのダイアログを出さないようにしておけば、拒否の履歴を残さずに済みます。

3つ目が、通知の種類を選べるようにすることです。すべてかゼロかの二択にせず、セール情報は不要でもポイントの期限だけは知りたいという人を取りこぼさない設計にしておきましょう。

セグメント配信で開封率はどう変わるか

セグメント配信の効果を判断する際は、一斉配信との比較が必要です。同じ内容を全員に送った場合と、対象を絞って送った場合で開封率を比べます。

注意したいのが、配信数が減るぶん開封数の絶対値は下がる場合があるという点です。開封率だけを見て成功と判断せず、来店数やクーポン利用数まで含めて評価しましょう。

あわせて確認したいのが、通知をオフにされた割合です。関係のない通知が減れば、オフ率も下がります。ここが改善していれば、セグメント配信が効いている証拠になります。

関連記事:プッシュ通知の開封率の平均は?開封率を上げる方法と配信時の注意点を解説

関連記事:プッシュ通知の効果とデメリット|逆効果になるNG例と許諾率を上げるコツを解説

セグメントプッシュ以外の通知方法

セグメントに応じてプッシュ通知を行う以外にも、次のような方法でプッシュ通知を活用できます。

位置情報を使ったプッシュ通知

地理情報として、ユーザーのリアルタイム位置をチェックしてプッシュ通知を行う方法があります。たとえば自社のチェーン店が付近にあると判断できた場合に、指定の位置情報を有しているユーザーへ向けてセール情報などを発信すると、来店につながるかもしれません。

ただし地下鉄にいるといった状況では正確な位置が出ないことに加え、GPSを使うと数メートル単位で位置にずれが出ることがあるので注意しましょう。間違った位置情報の相手へプッシュ通知を送信するリスクがある、付近の店舗情報を指し示す際にずれが出るかもしれない、といったケースに気を付けながら活用してみてください。GPSがOFFになっていないと使えないので、アプリインストールなどのタイミングで位置情報をONにしてもらえるように設定画面を出すとよいでしょう。

位置情報を使う際は、通知の許可とは別に端末側の許可が必要になる点も押さえておきましょう。「近くの店舗の情報をお届けします」と価値を先に伝えてから求めると、承諾率が上がります。

あわせて、常時取得する設定は電池の消費につながるため、使いどころを絞って設計することが大切です。

ビーコンを使ったプッシュ通知

店舗内に備え付けた「ビーコン」という発信装置を、プッシュ通知に利用するケースもあります。ビーコンを使ったプッシュ通知は、大手IT企業が大手チェーンと組んで配信検証を行っていたりと注目度も高いです。

中小規模の店舗でもビーコンを提供している企業と契約することで、ビーコンを店内へ設置できます。店舗の近くや指定の棚へ近づいたユーザーへ適した情報を発信することで、その場でクーポンを配信したりおすすめ商品をレコメンドしたりすることが可能に。ただしビーコンは、本当に付近にいるユーザーにしか反応できません。配信範囲が極狭になるので、他の配信方法と区別しながら通知を行った方がよいです。また、ビーコンを有効にするためには、ユーザーへBluetooth機能をONにしてもらう必要があります。

ビーコンの利点は、GPSでは精度が出にくい屋内で使える点にあります。商業施設内や地下の店舗では、GPSより確実に来店を検知できます。

活用しやすいのが、来店の記録そのものです。通知を送るだけでなく、ビーコンで来店を自動記録すれば、前章で扱った来店間隔のデータが手作業なしで貯まります。

▼合わせて読みたい:ビーコンを使った位置情報マーケティングとは?

自動で配信するオート通知

オート通知は「ローカル通知」とも呼ばれる方法であり、一定期間アプリ起動していないお客様へ情報を伝達する、定期イベント開催を通知する、ポイントカード・スタンプカードの期限切れを通知する、といった方法で使われます。その場で通知内容を作成して発信する必要がないので、定型的に何度も使い回すような通知に対して有効です。ただし、内容を更新しないと誤った情報が通知されるリスクもあるので、注意しましょう。

来店間隔をもとにした配信は、このオート通知で実現します。「前回来店から◯日経過」という条件を設定しておけば、対象者に自動で届きます。

運用を続けるコツは、自動配信の比率を上げることです。手動で送るのは月に数回の企画ものだけ、という状態を目指すと、担当者が変わっても止まりません。

位置情報や行動データを使う際の法的な前提

セグメント配信は行動データを扱う施策のため、法令面の確認が欠かせません。押さえておきたいのは2点です。

1つ目が、利用目的の特定と公表です。個人情報保護法では、個人情報の利用目的をできる限り特定し、あらかじめ公表するか本人に通知することが求められています。

個人情報保護委員会のガイドラインでは、購買履歴や閲覧履歴を分析して趣味嗜好に応じた案内に利用する場合、その旨を具体的に記載する必要があるとされています。「サービスの提供のため」といった抽象的な記載では足りません。

出典:個人情報保護委員会「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編)」 https://www.ppc.go.jp/personalinfo/legal/guidelines_tsusoku/

2つ目が、外部送信規律への対応です。2023年6月に施行された改正電気通信事業法では、アプリが利用者の端末に記録された情報を外部へ送信する際、その内容と送信先について確認の機会を与える義務が定められました。

出典:総務省「外部送信規律(電気通信消費者情報コーナー)」 https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/d_syohi/gaibusoushin_kiritsu.html

分析ツールや広告用のSDKを組み込んでいる場合は対象になり得ます。セグメント配信を始める前に、プライバシーポリシーの記載が実際の運用と合っているかを確認しておきましょう。

関連記事:アプリ予約×プッシュ通知で予約忘れ防止!リマインド機能の活用法

配信後の効果測定とA/Bテスト

セグメントは、一度組んで終わりではありません。配信結果を見ながら調整することで精度が上がっていきます。

見ておきたい4つの指標

1つ目が、開封率です。文面と配信タイミングの良し悪しを判断する指標になります。2つ目が、クーポンの利用率です。開封された後に行動につながったかを表します。

3つ目が、配信後の来店数です。最終的な成果にあたる数字で、通知を送らなかった層と比べると効果を切り分けられます。

4つ目が、通知のオフ率です。配信が過剰になっている兆候を早めに掴めます。アンインストール率より早く動くため、警戒指標として有効です。

この4つを、セグメント別に記録しておきましょう。どのグループで反応が出て、どこが反応していないかが見えると、次の配信の精度が上がります。

A/Bテストの進め方

A/Bテストの基本は、比べる条件を1つだけ変えることです。文面と配信時間を同時に変えると、どちらが効いたのか判断できません。

試す順番としては、影響の大きいものから入ります。配信先の絞り込み、配信時間、タイトルの文言という順で検証すると、早い段階で成果が出やすくなります。

会員数が数百人規模の場合、1回のテストでは差が偶然かどうか分かりません。複数回繰り返して傾向を見るようにしましょう。

関連記事:プッシュ通知のパーソナライズ成功法則!売上を上げる5つの鉄則

セグメントプッシュ通知機能を使いたいなら「店舗アプリ」

店舗アプリDX版 raitenでは、セグメントプッシュ通知も簡単にアプリへ搭載できます。クーポン情報やスタンプ付与情報、キャンペーン情報などを適宜セグメント配信することでお客様へアピールする際の効率を上げることが可能です。

他にもフルデザインでのアプリ制作機能や、APIを使った導入済み他システムとの連携機能なども搭載しております。機能詳細が気になる方はぜひこちらからお問い合わせくださいませ。

来店履歴が蓄積されるため、来店間隔に応じた自動配信も設定できます。「最終来店日から◯日経過」という条件を組んでおけば、担当者が個別に確認しなくても声をかけ続けられます。

ノーコードで構築できるため、専門知識がなくても店舗側で運用を完結できるのも特徴です。導入から運用までは専任の担当者が伴走します。

まとめ

今回はアプリのセグメントプッシュ通知の概要・種類や活用事例などをご紹介しました。セグメント作業自体はアプリのプッシュ通知に限らず、さまざまなマーケティングにおいて基本となります。覚えておくとマーケティング全般の効率が上がりますし、正しい情報伝達が可能です。

またセグメントを行う際は地域や購入状況といった各種類に合わせて属性分けを行い、ときには各種類を組み合わせながらターゲティングすべきグループや通知内容の分け方などを検討してみてください。

あわせて、来店間隔をもとにしたセグメント設計、開封率と許諾率の目安、効果測定とA/Bテスト、行動データを扱う際の法的な前提も取り上げました。

まずは自店の平均来店間隔を出すことが出発点になります。その数字をもとに4段階の配信タイミングを設計し、自動配信に組み込むところから始めてみてください。

そのうえで、開封率とオフ率を毎月確認しながら、セグメントの切り方を少しずつ調整していきましょう。

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