2023.01.05

アプリのセグメントプッシュ通知の肝!来店の回数・購入頻度・地域をどう活用する?

Webマーケティングにおいては、「セグメント」という概念が重要になってきます。セグメントによって属性ごとにユーザーを分けて通知配信等を行うことで、一人ひとりに合った情報配信が可能です。

相性のよい情報を適切なタイミングで送信することで、アプリのロイヤリティ向上やアクティブ率上昇などにつながります。

アプリのセグメントプッシュ通知とは何か、その概要や活用事例などをご紹介します。

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アプリのセグメントプッシュ通知とは

まずはアプリのセグメントプッシュ通知の概要を解説します。

セグメントとはグルーピングのこと

セグメントとは、そもそも「ユーザー属性に応じてグループ分けを行い、区別を行うこと」を指しています。

そしてアプリにおけるセグメントプッシュ通知とは、「ユーザーをグループに分けて、グループごとに別のプッシュ通知を配信すること」です。

  • アプリの起動回数
  • 利用スマートフォン
  • 店舗への来店回数
  • ECの利用回数
  • 居住地域
  • 職業
  • 年代・年齢

ユーザーにも上記のような属性の違いがあり、1つ違うだけでも欲しい情報や趣味・趣向が大きく異なる可能性があります。

こういった属性の違いに応じてセグメントし、グループ分けを行った上でプッシュ通知を配信するのがセグメントプッシュ通知です。

セグメントしたほうがよい理由

セグメントを行う理由は、次の通りです。

プッシュ通知の開封率が上がる

たとえば、

  • 20代男性に40代女性向けの情報を送ってしまう
  • 30代女性なのに、10代男性用のコンテンツ紹介の通知がアプリで発信される

といった状況を想定してみてください。

  • 関係ない情報だ
  • 迷惑なコンテンツだ

と通知が来た時点で思われることでしょう。

このように適していない情報を配信してしまうことは、下手をすれば詐欺勧誘関連の広告が表示されるのと同じくらいに嫌悪感を抱かれるというリスクがあります。

セグメントを行うことで、20代男性にはそれ向けの情報を、といった情報を出し分けることが可能です。結果的に情報のミスマッチを防ぎ、プッシュ通知が来た後の開封率も上がります。

売上向上につながる

たとえば、定期的に商品を購入する必要がある場合を想定します。前回の購入日時をもとにセグメントすることで、そのお客様の買い替えの時期に「商品の買い替え時期が近づいている」という情報を発信することも可能です。

セールストークの内容がセグメントされたお客様の状況と一致することで、効率よくプッシュ通知経由でフックを作って商品新規購入や継続サービスの契約などへつなげることができるでしょう。

アプリの削除を防げる

間違った情報やそのお客様に関係ない情報を何度も届けてしまうと、ユーザーがアプリを削除する動きも強まってきます。セグメントを行わないで適当に配信するのと、セグメントを行ってから配信を行ったのとでは、削除の確率に大きく差がでます。

セグメントを行うことで有益なアプリだという印象をユーザーへ与えることができ、継続的なアクティブ率の維持・向上および、プッシュ通知の積極的な受取も実現できるようになるでしょう。

セグメントを的確に行うことで、アプリのパフォーマンスを最大限にまで高めることが可能です。最初は作業を面倒くさく感じるかもしれませんが、慣れてくると効率的にセグメントでグループ分けできるようになるでしょう。

プッシュ通知配信以外でも役立つ

セグメントはプッシュ通知で利用するだけのものでははありません。

たとえばセグメントごとにニーズを考えることで、セグメント対象となったお客様に向けた新商品・サービスを立案しやすくなります。またメールやWeb広告の出し分けに関しても、セグメントの概念が役立つでしょう。

このようにセグメントは、プッシュ通知以外の作業でも活用できます。覚えておくと長期的にマーケティングを活性化できるのでノウハウを蓄積しておきましょう。

セグメントの種類とは

続いては、セグメントの種類について解説していきます。

行動変数

行動変数とは主にお客様の購買パターンのことで、たとえば、

  • 購入タイミング
  • 購入した状況
  • 購入の回数

などに応じてセグメントする方法です。

お客様の行動に応じて、広告やキャンペーン情報の紹介などのタイミング・頻度を調整できるようになります。

人口動態変数

人口動態変数はお客様の個人情報のことで、たとえば、

  • 年齢、性別
  • 職業
  • 家族構成

といった項目に応じてセグメントを行います。

各項目に関しては細かい年齢や職業などをヒアリングするパターンもありますが、ヒアリング元の情報を集め過ぎようとするとアプリ離脱の原因にもなりかねません。そこで大体の年齢や職業のみを聞くなど、必要ない項目は削除して聞かないようにすることも多いです。

地理的変数

地理的変数はお客様の地理関係の情報で、たとえば、

  • 国、地域
  • 天気
  • 文化

などを収集してセグメントへ活用します。

地域の天候等に応じて販売方法が変化する商材を宣伝する際は、地理的変数に応じたセグメントが役立つでしょう。また越境ECといった分野でも、環境を考えて販売を行う地理的変数は役立ちます。

心理的変数

心理的変数とはお客様の感情、たとえば

  • 性格
  • 現在の課題と感じていること
  • 価値観

といった情報を基にセグメントを行う手法です。

データ化しにくいパーソナリティへ迫る情報を取得することで、より一人ひとりに合わせたマーケティングを行うことができます。

また心理的変数は、商品開発の際にもユーザーニーズを明確にするためにも使えます。

セグメントプッシュ通知の参考になる活用事例を幅広くご紹介

ここからは、アプリのセグメントプッシュ通知の参考になる活用事例をご紹介します。

基本情報をもとにセグメント

まずは基本情報を基にセグメントする具体例をご紹介します。

年代や性別

某PCメーカーは、普及が始まったノートPC関連の市場セグメントを工夫しました。具体的には一般にまで広まり始めた市場からあえて従来のビジネス用途を切り取り、重量ダウンやバッテリーの持ち向上、セキュリティ強化などへ特化した開発を行うなどです。

自社商品の強みと合ったユーザーをセグメントで見つけたことで成功につながりました。

セグメントプッシュ通知を行う際も、このように攻めたセグメントを行い若いビジネスマン向けの情報、中年主婦向けの情報といったように方向性をガラッと変えた情報を送信すると効果的かもしれません。

地域

アプリユーザーの対象地域が、「東北」と「関東」といったように複数の地域に分かれているとします。

東北は寒いですが、関東はそうでもないです。そのため、東北では暖房といった商材がおすすめですし、関東ではそれ以外の商材を販売すると成功する可能性は上がります。

このように地域ごとに販売すべきもの・宣伝すべきものが変わってこないか確認してからセグメントを行い、プッシュ通知配信内容を変えてみるとよいでしょう。

顧客の行動をもとにセグメント

ここでご紹介するのは、顧客の行動を基にセグメントする方法の事例です。

来店回数

たとえば、

  • 来店回数が週数回ある
  • 月に1回ほどしか来店していない

といった違いがあることを想定してみます。

来店回数が週数回あるような場合は、来店頻度が多いのでプッシュ通知でお得な情報をどんどん送信しても嫌がられないかもしれません。

しかし、月に1回ほどしか来店していないようなロイヤリティの低いお客様は、1日に何度も情報を送られると離脱するリスクがあります。

  • 来店頻度の多いお客様には限定イベントも含めてさまざまな情報を送る
  • 来店頻度の低いお客様にはおかえりクーポン、といった休眠掘り起こしの特典を通知で送る

といった使い分けによってマーケティング効率が上がる可能性があります。

購入金額

購入金額によってセグメントを行う方法もあります。

たとえば、

  • 購入金額が1回平均で1万円
  • 購入金額が1回平均で1,000円

といったセグメントの違いを想像してみてください。

購入金額が1万円のお客様は、高い商品をおすすめされても嫌がられない可能性が高いので、機能性が高いブランド商品を用意して売り込んでもよいでしょう。

購入金額が1,000円の場合は、いきなり高い商品をアピールされても食指が伸びないかもしれません。そこで自社商品の魅力が分かる低額の関連商品等をアピールして、少しずつロイヤリティや購入金額を増やせるようにするとよいです。

実際は他の属性まで加味して考える必要がありますが、購入金額などを参考にするとセグメントの切り口が見えてくることがあります。

最終アプリ起動日

最終アプリ起動日を起点にセグメントを行うケースもあります。

最終アプリ起動日が、「1日前」と「2か月前」といったケースを想定します。

1日前のお客様は頻繁にアプリを起動している可能性が高いです。ロイヤリティの高いお客様と判断し、さらにロイヤリティが高まるプログラムの紹介やキャンペーンの通知などを送っても問題ないでしょう。

ただし2か月もアプリを起動していないお客様には、最悪の場合アプリを削除しているケースも考えられます。

もしアプリを削除されている場合は、リテンション広告でメリットをアピールして再インストールを促進するとよいです。また、未削除の場合は、プッシュ通知でリテンション用のイベント・クーポン情報の送信を行い再起動のきっかけを作ってみましょう。

セグメントプッシュ以外の通知方法

セグメントに応じてプッシュ通知を行う以外にも、次のような方法でプッシュ通知を活用できます。

位置情報を使ったプッシュ通知

地理情報として、ユーザーのリアルタイム位置をチェックしてプッシュ通知を行う方法があります。

たとえば自社のチェーン店が付近にあると判断できた場合に、指定の位置情報を有しているユーザーへ向けてセール情報などを発信すると、来店につながるかもしれません。

ただし地下鉄にいるといった状況では正確な位置が出ないことに加え、GPSを使うと数メートル単位で位置にずれが出ることがあるので注意しましょう。

  • 間違った位置情報の相手へプッシュ通知を送信するリスクがある
  • 付近の店舗情報を指し示す際にずれが出るかもしれない

といったケースに気を付けながら、活用してみてください。

GPSがOFFになっていないと使えないので、アプリインストールなどのタイミングで位置情報をONにしてもらえるように設定画面を出すとよいでしょう。

ビーコンを使ったプッシュ通知

店舗内に備え付けた「ビーコン」という発信装置を、プッシュ通知に利用するケースもあります。

ビーコンを使ったプッシュ通知は、大手IT企業が大手チェーンと組んで配信検証を行っていたりと注目度も高いです。

中小規模の店舗でもビーコンを提供している企業と契約することで、ビーコンを店内へ設置できます。店舗の近くや指定の棚へ近づいたユーザーへ適した情報を発信することで、その場でクーポンを配信したりおすすめ商品をレコメンドしたりすることが可能に。

ただしビーコンは、本当に付近にいるユーザーにしか反応できません。配信範囲が極狭になるので、他の配信方法と区別しながら通知を行った方がよいです。

また、ビーコンを有効にするためには、ユーザーへBluetooth機能をONにしてもらう必要があります。

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自動で配信するオート通知

オート通知は「ローカル通知」とも呼ばれる方法であり、

  • 一定期間アプリ起動していないお客様へ情報を伝達する
  • 定期イベント開催を通知する
  • ポイントカード・スタンプカードの期限切れを通知する

といった方法で使われます。

その場で通知内容を作成して発信する必要がないので、定型的に何度も使い回すような通知に対して有効です。

ただし、内容を更新しないと誤った情報が通知されるリスクもあるので、注意しましょう。

セグメントプッシュ通知機能を使いたいなら「店舗アプリ」

店舗アプリDX版 raitenでは、セグメントプッシュ通知も簡単にアプリへ搭載できます。

クーポン情報やスタンプ付与情報、キャンペーン情報などを適宜セグメント配信することでお客様へアピールする際の効率を上げることが可能です。

他にもフルデザインでのアプリ制作機能や、APIを使った導入済み他システムとの連携機能なども搭載しております。

機能詳細が気になる方はぜひこちらからお問い合わせくださいませ。

まとめ

今回はアプリのセグメントプッシュ通知の概要・種類や活用事例などをご紹介しました。

セグメント作業自体はアプリのプッシュ通知に限らず、さまざまなマーケティングにおいて基本となります。覚えておくとマーケティング全般の効率が上がりますし、正しい情報伝達が可能です。

またセグメントを行う際は地域や購入状況といった各種類に合わせて属性分けを行い、ときには各種類を組み合わせながらターゲティングすべきグループや通知内容の分け方などを検討してみてください。

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