自社アプリは意外とハードルが高くない。導入前にこれだけは押さえておこう
昨今の状況変化により、多くの企業で自社アプリを制作して活用しようという動きが増えています。従来は制作ハードルが高かった自社アプリですが、現在ではハードルが下がり簡単に自社のアプリを用意できるようになりました。
ただし簡単になったとはいえ、導入前にいくつか押さえておくべきポイントはあります。注意点を確認してアプリを確実に制作・活用できるように準備をしておきましょう。
この記事では自社アプリの概要やメリット・注意点などを解説します。
目次
自社アプリとは?導入する企業が増えている理由
まずは「自社アプリ」とはなんなのか、その概要を解説します。
自社アプリとは
自社アプリとは「自社に関係する情報を対象者へ配信するためのアプリ」です。提供する企業によっては「店舗アプリ」や「販促アプリ」とも呼ばれる場合があります。
自社アプリはその名の通り、自社専用で開発したアプリのことを指します。そのため、自社の情報のみを占有して通知できるのが大きなメリットです。
ちなみに自社アプリには下記のような機能が搭載されていることが多いです。
- 最新情報の通知
- セグメントに合わせた個別情報の配信
- SNSやブログ等との連携
- 商品・サービスの紹介カタログ
- 蓄積データの分析
他にも自社の業種や提供商品・サービスによって追加される機能は異なります。事前に必要な機能を定義して組み込めるようにしておくことが重要になってくるでしょう。
ポータルアプリとの違い
自社に関する情報を掲載する際、専用のアプリを制作するのではなくポータルアプリを使うケースもあります。
ポータルアプリとは「さまざまな企業・店舗の情報をまとめて紹介するためのアプリ」です。
たとえば、グルメジャンルであればレストランの情報をまとめたポータルアプリ、外注業者紹介であれば業者情報をまとめたアプリが存在します。自社の業種等に沿ったアプリと契約して情報を掲載することで高い宣伝効果を見込むことも可能です。
ただし、ポータルアプリにはコスト面で大きなデメリットがあります。また競合が多いので宣伝するのが大変、デザイン面で柔軟性が少ない、といった弱点もあります。自社専用アプリだと、このような弱点を解消できるので、総合的に比較すると自社専用のアプリの方がおすすめです。
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自社アプリを導入する企業は年々増加
現在アプリ業界では、次のような変化が起こっています。
- スマートフォンの普及率が増加している
- アプリ導入に関するコストやハードルが下がっている
- コロナ禍といった影響でアプリの必要性が上がっている
まずスマートフォンの普及率が固定電話を超えました。それだけ普及しているスマートフォンに訴求ができるアプリを使わないほうが非効率だと言えるかもしれません。
またアプリ導入に関しては今まで外注してフルスクラッチ等で開発する必要がありましたが、開発コストが高いのがネックでした。しかし、アプリプラットフォームの登場によって、専門知識がなくても直感的に操作を行いアプリを開発できるようになりました。結果的にアプリ導入で必要だったコストや技術面でのハードルが下がり、中小規模の企業・店舗でもアプリ導入の事例が増えています。
さらにコロナ禍でデジタル関連の施策を推進する企業・店舗が増えており、デジタル化の基点としてアプリの活用を考えるケースも増加しています。アプリであればさまざまなコンテンツを一括してスマートフォンで表示・利用できるため、デジタル施策のメインコンテンツとして有効です。
自社アプリを導入するメリット
ここではポータルアプリとも比較しながら、自社アプリのメリットをご紹介します。
長期的な運用コストの削減
ポータルアプリを利用する場合、運用コストを自社で調整するのは難しいです。もともと料金は割高な設定ですが、それに加えて企業成長を目指して露出量を増やそうとするとさらに料金が増加してしまいます。
対して自社専用のアプリの場合は、導入前後で料金が発生しますがポータルアプリと比較して割安で済みます。さらに企業成長に関してアプリ施策を強化する際も、料金を調整しやすいのがメリットです。
長期的な視点で見ると、ポータルアプリをメインに集客するよりも自社アプリをメインに集客したほうがコスト面では有利だと言えるでしょう。
デザイン・機能のオリジナリティーが高い
ポータルアプリを利用する場合、デザインや機能に関してはすでに用意されているものを使うしかありません。デザインは競合と差別化できず、「この機能を追加したい」と思っても簡単には実行できないのがデメリットです。
自社専用アプリを導入すれば、細かいデザイン・機能調整まで実現できます。
たとえばアプリプラットフォームを利用する場合はデザインテンプレートから選択し、必要な部分を調整することでオリジナリティの高いデザインを準備することが可能です。また機能面に関しても、必要な機能を操作画面から選んで順次アプリへ組み込むこともできます。
デザインや機能で制限が多いとマーケティングしにくい場合は、自社専用アプリを用意することを検討してみましょう。
自社情報が埋もれることがない
ポータルアプリの場合、競合店舗の情報も多く、自社の情報が埋もれてしまうリスクが高いです。競合店舗と同じアプリを共有して自社のページを用意しているため、アプリの集客母数が多くても自社のページにまで行きつく方はそこまで多くありません。その上でコストパフォーマンスを考えると、コストに対して集客数が確保できるとは限らないでしょう。
対して自社専用アプリのケースでは、インストールさえされれば自社の情報だけを必要なタイミングで通知できます。
ポータルアプリと比較すると情報をスムーズに届けやすく、また競合とバッティングして顧客が離脱してしまうリスクもありません。最初にインストールされるまでの道筋を検討して準備する必要はありますが、継続的なブランディングの面ではポータルアプリより有利になるのがメリットです。
自社アプリを作るためのステップとポイント
続いては自社アプリを検討して用意する際に、どんなステップで動けばよいのか、注意点とともに解説します。
自社の課題・目標を整理する
まずは自社アプリでどんな課題や目標がベースとなるのかを考えていきます。
コンセプトがはっきりしていないアプリ制作は失敗しやすいので、この最初のステップを担当者やプロジェクトメンバーなどが時間を掛けて検討することでアプリの制作精度やマーケティングの成功確率を上げるとこが可能です。
- オフラインの集客経路だけでは不安なのでオンライン経由での集客経路を強化したい
- ブランド力がいまいちなので継続したブランド認知を成功させたい
- 売上が低下しているので実店舗・EC両面での売上を強化したい
といったように課題をベースとして目標を決定し、それに沿ってアプリのデザイン・機能等を設計して実現できるように調整してみてください。
自社アプリ導入の目的を決める
続いては自社アプリ導入によってどんな目的を達成したいのかを確認していきます。
- アプリでオンライン経由の集客数を前年度比20%上昇させたい
- ブランドの認知度を前年度比30%上昇させたい
- アプリ経由で実店舗・EC合計の売上を前四半期より10%上昇させたい
といったように、数値付きで前のステップも基にして細かい目的決めができると後のステップまでスムーズに実行可能です。
ただし「半年で売上を2倍にする」といった明らかに高すぎる目標は達成するのが難しいので、アプリ制作初心者でもスムーズに達成できそうな内容を検討してみてください。
必要なデザイン・機能を決める
目的を決めたら、自社専用アプリに必要なデザイン・機能を決定していきます。
デザイン面に関しては、ターゲットユーザーの年齢や性別、自社の業種や取扱商品・サービス等を意識して決めていきましょう。すでに自社のブランドデザインが決まっている場合はそれに合わせたほうがよいですが、これから認知を始めていく場合はここまでしっかり検討した方がよいです。
また機能面に関しては、目標等に沿った内容にする必要があります。たとえば集客数増加であればクーポン配布やプッシュ通知の活用を積極的に行うとよいでしょう。また認知度拡大であれば自社のブランド記事の発信やターゲットユーザーに合わせた新着情報の紹介などを行うと効果的です。さらに売上強化であれば共通ポイントを用意して、実店舗・EC両方で使えるようにするといった施策が考えられます。
ただし、デザイン・機能については開発方法によっても実現具合が異なります。アプリプラットフォームを使う場合は実現できないデザイン・機能があることを頭に入れておきましょう。
スケジュールや予算を決める
デザインや機能を決めたら、スケジュールや予算を決めていきます。
アプリの開発では、主に次のような工程が発生します。
- 基本設計の調整
- プログラミング
- デザインや機能の検証
- アプリストアでの公開準備
デザインや機能の複雑さ・量によっても工程を完了させられる時間は異なってきますが、2か月や3か月ほどかかるケースも珍しくありません。
自社がどれくらいのタイミングでアプリをマーケティングへ利用し始めたいのかも加味してスケジュールを決定してみてください。
また予算については開発方法をフルスクラッチやハーフスクラッチなどにする場合、費用が高額になる点に注意しましょう。
どうしてもスクラッチ系統でないと開発できない機能がある場合は別ですが、そうでない場合は極力アプリプラットフォームを開発に利用したほうが予算を少なめに調整しやすいです。
自社アプリ開発会社を決める
続いては自社アプリを開発してくれる会社を決めていきます。
先ほど説明した通り開発には、
- スクラッチを介した外注
- アプリプラットフォームによる内製
といった方法があります。
自社でスクラッチ開発するのは難しいので、基本的には上記2つから選択することが多いです。
会社によってはスクラッチ開発とアプリプラットフォームをどちらも提供している会社もありますし、スクラッチ開発のみ、あるいはアプリプラットフォームのみの場合もあります。すでにどの方法で開発すべきか決定できていれば、どちらかの開発方法に絞って業者を検索して選定できるので負担は減るでしょう。
開発業者を探す際は実績や搭載できるデザイン・機能などを公式サイトやレビューサイトなどで確認してみてください。そして必要な場合は個別に問い合わせてみましょう。料金面での業者比較を行う際は見積りを要求して、予算規模等をすぐ確認できるようにしておくとなおよいです。
自社アプリ開発会社を決める際のポイント
自社アプリ開発会社を決定する際は、次のポイントを押さえておきましょう。
必要な機能・デザインが実装できるか
まず必要な機能・デザインが実装できるかを確認してみてください。
スクラッチ開発の場合は制限なく機能やデザインを実装できますが、完全に実装するにはかなりの料金が必要なケースもあります。アプリプラットフォームの場合は残念ながらスクラッチより柔軟度は低いので、実装できない機能やデザインが多少出てくるでしょう。
アプリマーケティングを成功させるために、あらかじめ優先順位を付けて機能やデザインを設計することは重要です。必ず、優先順位の高い機能やデザインをすべて搭載できるかを確認しておきましょう。
費用は妥当か
アプリ開発費用は、下記のような項目で決まります。
- 開発担当者の人件費
- 開発期間
- サーバー代
- 初期費用
- プラットフォームの月額・年額費用
- その他オプション費
会社によってどの項目が費用として発生するのか、また運用コストがどれくらい増加するのかは変わるため、自社の状況に合わせてどの項目が費用として発生するのかは確認しておきましょう。
業者によっては自社の希望に沿っておらず、無駄な費用が発生するケースもあるので比較・選定時に外せるようにしておくと余計なコストもかかりません。
サポートは充実しているか
アプリ開発に関して初心者の場合は、サポート面もよく確認しておく必要があります。
サポートとしては次のようなサービスが提供されています。
- 電話・メール等でのトラブル対応
- 初期導入時の担当者付きサポート
- アプリ設計や目標に応じたマーケティングアドバイス
- APIといったオプション機能の組み込み対応
上記のようなサービスから必要なものを選定して、オプションとして開発プランに加えるとよりアプリが使いやすくなるでしょう。
ただしオプション費として追加で費用が発生するケースもあるので、必要なサポートだけ受けられるようにしておいた方がよいです。
実績が十分で自社の業種と合っているか
いくらよい開発業者やプラットフォームを選定できても、自社の業種と合っていないと制作は難航します。また実績が不十分だと慣れない分、不安要素も多いでしょう。
そこで業者の選定時に、その得意としている業種や実績内容等を確認しておくとよいです。
たとえばグルメ特化、アパレル特化といった内容が書いてある場合は自社の業種と一致している場合は有力な選択肢になりますが、そうでない場合は選択肢から外してもよいでしょう。
また実績に関しては、
- 会社ごとの課題
- アプリ導入で達成できたこと
- クライアントが感じる業者の強み
などを掲載している会社だと、参考にしやすいです。
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まとめ
今回は自社アプリのメリットや開発時の注意点などを解説しました。
自社専用のアプリを開発して提供することで、ポータルアプリを利用するよりも高いマーケティング効果を見込みやすくなります。開発時には業者の選定からじっくり行い、スムーズに機能・デザインを搭載して公開ができるように準備しておきましょう。
短期間でアプリを開発して公開したい場合は、アプリプラットフォームの利用がおすすめです。
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