2023.01.17

アプリでOMOって?オフラインとオンラインをつなげられるアプリの有用性

「OMO」は「O2O」に代わる、というよりはO2Oの先にある概念と言えます。オンラインとオフラインを双方向に連携させて相乗効果を狙うことで、シームレスな購買体験へつなげるなどの施策のことです。

OMOの実現にはアプリの活用も重要となってきます。実店舗での販促にも適したアプリをオンラインと連携できれば、OMOの状態を実現しやすくなるでしょう。

今回はOMOやOMOマーケティングとは何か、O2Oとの違いも解説しながら実例なども紹介します。

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OMOやOMOマーケティングとは?分かりやすく解説

まずは、OMOの概念やOMOマーケティングを解説していきます。

OMO・OMOマーケティングとはオンラインとオフラインを融合する考え方

OMOとは「Online Merges with Offline」の略称です。もともとは「将来的なオンラインとオフラインを区別しない、新しい購買体験等」を表す概念ですが、これをマーケティングへ応用して販促を行うことを「OMOマーケティング」と呼んでいます。

オンラインとオフラインの統合は、一方方向だけの通信では達成できません。

たとえば、

  • 店舗内でインターネットでのECのみで使えるアプリのインストールを促す
  • SNSで店舗情報を発信して来店してもらう

といった施策は統合がされておらず、片方だけの通信となるのでOMOではありません。

OMOとは最終的にオンラインとオフラインのつなぎ目をなくせるような、

  • アプリインストールを促し、店舗でも商品を受け取れるEC機能を利用してもらう
  • 店舗・EC双方でそのまま使えるポイントを付与して使ってもらう

といった施策を行い、オンラインでもオフラインでも変わらない購買体験が実現できるように持っていくのがOMOマーケティングです。

OMOが普及し始めた背景

OMOが普及したのは、まず私たちユーザーが実店舗・EC間での区別を自然と意識しなくなったことが要因です。

以前は実店舗での購買が主流であり、ECはニッチな市場でした。これがインターネットの発達やスマートフォンなどの普及で変化して、今ではEC市場のほうが活気を帯びています。

ECの取りそろえる商品も拡大しており、従来は実店舗でしか購入できなかった生鮮食品もECで購入できるようになりました。

そのような中でユーザーは「実店舗は実店舗、ECはECで分けて購買する」のではなく、「商品の特典や価格などで比較を行い、実店舗・ECにかかわらずお得なほうで購買する」という考えに変わってきたのです。

つまり実店舗とECが同じ範囲で比較されるようになったということ。

このような中で、店舗が実店舗とECを区別して施策を行うのは非効率でしょう。両者を統合しながら双方向へ施策がつながるように工夫し、ユーザーが違和感なく購買できるように体験を作っていくのが重要となったのです。

OMOはこういった背景から今や当たり前になりつつある点を覚えておきましょう。

またOMOはすでに実店舗・ECを両方運営している店舗にとって、経営的なメリットももたらしてくれます。

たとえば一環として在庫を共有して実店舗・EC間で一括化すれば、在庫切れを感知していち早く対策を取りやすくなります。在庫が区別されていると管理の手間が増えてすぐ在庫切れ等に気付くのも難しいです。

OMOとO2Oの違い

OMOマーケティングの前段階と言えるのがO2Oです。

O2Oは「オンラインの施策によってオフラインの来店へつなげるような方法」の総称であり、そこから同時にオフラインからオンラインの購買へつなげるような双方向性までは考えません。

オンラインのコンテンツによって来店が促進されれば、成功したことになります。

たとえば、

  • SNSでクーポン情報を配信する
  • 自店舗アプリでデジタルスタンプ・ポイントカードを提示できるようにする

といった施策が代表例です。

OMOが広まる前まではO2Oマーケティングが主流でしたが、今では決定打に欠ける施策となりつつあります。単調にオンラインからオフラインに流すだけでは、十分な売上を確保できる可能性が以前より少なくなっているからでしょう。

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OMOとオムニチャネルの違い

OMOの状態を実現するために必要な考えが「オムニチャネル」です。

「すべての経路」といった意味を持つオムニチャネルでは、オンライン・オフラインを問わずあらゆる経路を通して購買を促進することが目的となっています。

  • 実店舗
  • ECサイト
  • 紙チラシ
  • アプリ
  • SNS

といったさまざまな経路で適切な発信を行うことで、オムニチャネルは促進されます。

先ほど解説した在庫の共有といった施策も、オムニチャネルの実例です。オムニチャネルを促進してシームレスな状態を実現すれば、OMOへ一歩近づけます。

OMOとオムニチャネルはまったく違う範囲を指す言葉ではなく、共通している部分も多いので覚えておきましょう。

OMOが企業にもたらすメリット

OMOの実現を行うと次のようなメリットがあります。

多様な顧客データが収集できる

OMOによって多様な顧客データを収集し、マーケティングへ活用できるようになります。

たとえば、

  • 回遊行動
  • よく見られたコンテンツ
  • ECでの購買回数

といったオンラインのデータだけでなく、

  • ユーザーの店舗内での移動履歴
  • 来店者の予測年齢
  • 経営している店舗のうち、クーポン等がよく使われた店舗の確認

といったオフラインのデータも統合して収集・管理することでより正確で多様的な分析が実現します。

従来はオフラインのデータを集めるのには限界がありましたが、

  • アプリの普及によってデジタルクーポンの付与回数等も計測できるように
  • センサーの低廉化や多様化によって店舗内の顧客行動も可視化できるように

といった変化によってオフラインのデータもオンラインで収集しやすくなりました。

オンラインとオフラインのデータを区別せずに同時に運用することで、「オンラインでECをよく使っているこの人は、店舗ではあまり購買しないので来店を促進すると効果があるかもしれない」といったことも予測できるようになります。

指標を決めながら効率よく分析・施策立案を行ってみると良いでしょう。

LTV(顧客生涯価値)を最大化できる

オンラインだけ、オフラインだけの購買行動ではいつか売上成長に限界が来ます。

オンラインでの購買行動が頭打ちになった時、オンライン施策のみで売上を増加させるには新商品を開発して売り込むといった行動が必要となりますが簡単ではありません。

OMOではオンラインでもオフラインでも同じように商品を買って体験できるようになっています。

つまり、「今までオフラインで購買してこなかった顧客へ来店してもらえるように工夫を行う」といったこともできるようになり、施策が多角化します。結果的に売上増加のための対策も増やせますし、売上が頭打ちになりにくくなるでしょう。ぜひLTVの成長・維持にも適したOMOマーケティングを検討してみてください。

またオンラインでもオフラインでも違和感なくスムーズに買えれば、そうでないところよりも顧客は自店舗を選んでくれるようになります。ブランド力の維持・向上にもOMOは必要不可欠となりつつあると言えるでしょう。

DX化の促進

OMOの促進は確実に「DX化」へとつながります。

在庫共有や実店舗・ECを問わない購買体験の提供はどの範囲にもデジタルが適用されており、より気持ちのよい購買体験へとつながります。これは経営基盤までもデジタル化して経済成長等を促進させようという、政府のDX化計画の理念にもかなっています。

詳しく説明すると、DX化の本格的な実現には社内の作業工程や経営理念までもデジタル基準にして動くようにする必要がありますが、OMOはその足掛かりとなるでしょう。

ぜひOMOをステップにしてDX化まで実現できないか検討してみてください。

OMO施策にアプリが欠かせない理由

OMO施策にはアプリの利用が欠かせません。それは次のような理由が関係しているからです。

スマートフォンでユーザーとのタッチポイントを増やせる

現在ユーザーのインターネット行動の中心はスマートフォンになりました。政府のデータでは固定電話より今や普及しており、スマートフォンとアプリは非常に相性がよい組み合わせです。

たとえばプッシュ通知で必要なタイミングに応じて、クーポン発信やキャンペーン情報の伝達などが実現できます。今までアナログなタッチポイントしか持ってこなかった店舗では、よりその重要性を認識できるでしょう。

スマートフォン経由でのタッチポイントを増やすことでオフラインの施策にもオンラインの施策を連携させやすくなり、OMOを促進することにつながります。

実店舗関連のデータを収集可能

アプリがOMOの実現に向いているのは、実店舗にスマートフォンを持っていくユーザーが非常に多い点にもあります。実店舗のデータを収集するにはアプリがもってこいです。

たとえばデジタル会員証を発行できるようにして、会計時に提示してもらえるようにポイントを付与します。

そして店舗ではポイントを付与する代わりに、会員証にある、

  • 年齢
  • 趣味
  • よく寄る店舗
  • 購買回数、ランク

といった情報を分析ダッシュボードと連携させることが可能です。

今まではアナログな店舗データしか収集してこなかった場合は、アプリ経由で情報を連携させて収集することで実店舗での購買データまで簡単に集められるようになります。

各種センサーを基にした施策創出が可能

アプリで「位置情報」や「ビーコン」といったセンサーを活用することで、施策の幅が広がります。

たとえば位置情報を認識して来店のタイミングを感知することで、来店ごとにスタンプを付与して特典と交換できるようにすることも可能です。またビーコンで店舗周辺の顧客へ情報を発信、来店のフックを作ることもできます。

このようにアプリは、センサーを媒介にした施策の実行にも活用できるコンテンツなのです。

OMO施策の成功事例を紹介

ここからは実際に、OMO施策の成功事例をご紹介していきます。

モバイルオーダー

国内の大手ファーストフードチェーンやカフェでは、続々とモバイルオーダーの提供が始まりました。

モバイルオーダーの提供タイプはさまざまであり、Webサイトにページを設けたり、アプリに機能を追加したりして実現されています。

モバイルオーダーには、

  • 事前にスマートフォン・PCなどからメニューを注文できる
  • 指定の席・受取口で受取が可能でスムーズ
  • キャッシュレス決済で事前決済ができて便利

といった特徴があり、コロナ禍でも混雑しないお店作りを行うのにも役立っています。

また店内でも従業員の工数削減や効率化へ役立てられており、OMOおよびDX化へつながるようなコンテンツとなっているのもポイントです。

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試着やタグへの活用

中国のある実店舗・ECの大手企業は、自社経営のスポーツ用品店にOMO用の設備を導入しています。

このスポーツ用品店では人の顔をスキャンして、アパレル品のデータを重ね合わせることで試着を仮想的に行えるようなモニターが装備されています。試着の面倒さや試着室の混みを回避できる画期的な仕組みです。

また店内にはビッグデータを基におすすめの商品を提示してくれるスマートスクリーンや、読み取るとEC内で商品をスムーズに買えるタグも用意されています。中国は日本よりIT化が進んでいる面も多いですが、その一例として覚えておきたい事例です。

無人店舗

あるアメリカに本社を置く有名EC企業では、アメリカのシアトル等で検証目的の実店舗を開設しました。

この店舗では完全無人化がコンセプトとなっており、現在日本でも進んでいるレジ自動化といった施策からさらに進んだ仕組みを構築しています。

具体的にはカメラやセンサーなどを使いユーザーのかご入れ行動や会計行動などを感知、不正が起こっていないか確認しながら買い物を済ませられるような仕組みです。

無人店舗の利用には専用アプリが役立てられており、この中のデータと無人店舗の購買データを組み合わせて分析を行い、顧客体験を向上させるのも目標となっています。

まとめ

今回はOMOマーケティングとは何か、O2Oとの違いも解説しながら実例なども紹介しました。

OMOは今や珍しいものではなくなっています。この先のDX化にもつながる重要な概念なので、ぜひOMOマーケティングを取り入れながら実店舗とECの統合を図って売上改善などへつなげてみてください。

弊社アプリ開発プラットフォーム「店舗アプリDX版 raiten」では、OMOマーケティングに活用できる自店舗アプリを構築可能です。初心者でもサポートを受けながらアプリ制作ができるので、気になる方はぜひご相談くださいませ。

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