アプリとサブスク(サブスクリプション)の連携で相乗効果を狙う!安定した収益を得るために
実店舗経営に今、組織を含めた大規模なデジタル改革である「DX」が求められています。
- ペーパーレスを実現してデジタルでデータを管理する
- 各システムを連携させて無駄な業務を削減
- 必要な業務に人材を集中させてサービスの質を上げられる環境を作る
といったさまざまなDXに関する取組が見られますが、「サブスク(サブスクリプション)」を導入してビジネスモデルの根幹に据える、というのも最近増えています。
サブスクには自社の業種に合っているか、長い目で見据えて収益が取れるように戦略を練られるかといった課題もありますが、クリアできれば自店舗にとって安定した収益を稼げる有効な手段となるのがポイントです。
今回はDXのサブスク編として、サブスクの概要やメリット、そしてアプリと連携させるメリットや方法などをご紹介していきます。
目次
サブスク(サブスクリプション)とは?
サブスク(サブスクリプション)とはもともと雑誌の定期購読などを指す言葉でしたが、最近では他ビジネスモデルにも拡大して耳にする機会が増えてきました。
サブスクとは「月額や年額といった定期的な課金タイミングを設けて、継続して稼ぐことのできるビジネスモデル」のことです。
現代は、
ものをただ消費して使うモノ消費
↓
ものを借りて体験まで楽しむコト消費
へと消費活動がシフトしつつあります。その中で、
- 音楽、動画の聴き放題
- 見放題
- 自動車のカーシェアリング
- コーヒーや料理の飲み放題、食べ放題
といった定期課金を行う代わりに、期間中のサービス利用を自由に行うことのできるサブスクサービスの活用が増えているのがポイントです。
飲食店といった業種はサブスクと相性がよく、すでに有名な居酒屋やレストランなどがサブスクを導入して顧客の継続引き込みへ成功しています。
サブスクの導入メリット!新規獲得・リピーター増加どちらにも効果ありト
サブスクを実店舗のサービスへ導入すると、次のようなメリットがあります。
顧客の新規来店ハードルを下げられる可能性がある
サブスクを導入すると、新規顧客獲得チャンスも増加します。
なぜならば、「今まであのお店は価格が高かったから来店できなかった・・・」といった顧客へ新しい来店チャンスを提供できるからです。
新規顧客へ導入デメリット以上にメリットを伝えるためには、サブスクの価格をお値打ちと思わせる工夫が必要になります。利益が取れないレベルにまで安くする必要はありません。
しかし「月3回別々にサービスを利用するよりも、サブスクに契約して3回サービス利用し放題にしたほうがお得!」といったように「サブスク契約したほうがお得感がある」という印象を持たせると効果が出やすくなるでしょう。
ニーズがあったのにコスト面で来店を渋っていた顧客を引き込める点で、サブスクは優秀なビジネスモデルだと言えます。
顧客の継続来店へつながる
サブスクは解約も可能ですが、基本的に継続して利用するサービスになります。
ですから顧客としては「同じお店へ何度も来店したほうがお得」だという心理が起きやすくなるのがポイントです。
再来店へつながるフック作りは店舗経営を安定させるために重要ですが、上手く軌道へ乗せるのは簡単ではありません。そこでサブスクをフックとして何度も来店したいという体験を提供することで、ロイヤリティを上げて自店舗のリピーターを増やしてみましょう。
また閑散期になりがちな時期でもサービス特典を工夫すれば、集客を増やして収益のチャンスを創出できる点も魅力になっています。
買い切りではない分長期的な利益になりやすい
従来のコト消費のベースになっていた買い切り型のモデルは、すぐ収益を回収できる代わりに収益が安定しないといったデメリットがありました。
対してサブスクの場合投資へのリターンを回収するのに時間は掛かりますが、顧客のLTV(顧客生涯価値)を伸ばせれば買い切り型よりも長期的に、そして総合的により稼げる可能性があるのがメリットです。
サブスクの売上計算方法にはいろいろありますが、簡単にすると「サブスクの現契約数×プランの月額・年額費」で計算可能です。プランを複数用意していればプラン別に計算する必要はありますが、買い切り型のビジネスモデルより比較的にシンプルに売り上げ計算が可能です。
このため、
- 指定期間にどれだけ売上を稼げるか
- 採算を取るためにはどのくらいの価格設定にすればよいのか
といった想定が立てやすい点もポイントになっています。
顧客と接点を継続的に持てるのでデータが集まりやすい
サブスクは買い切り型と比較して、マーケティング面でもメリットがあります。
商品やサービスを購入されたらそこで関係が終了してしまうのではなく、解約されない限り継続的にタッチポイントを持てるからです。
継続してタッチポイントを持っているということは、その期間中さまざまなデータを集めてマーケティングに利用できます。
たとえばサブスクサービス内での回遊行動を基に、
- どのくらいサービスを閲覧しているのか
- どんなメニューに興味がありそうか
- 月に何回サービスを利用しているのか
といったデータを収集、興味がありそうなサービスのレコメンドや上位サービスへのアップセルなどの戦略を実行可能です。
またサブスクによって事前に、
- 名前
- 住所
- 年齢
といった個人情報を入力してもらいマーケティングに使えればパーソナルな戦略を実行しやすくなります。ただし聞き過ぎると離脱のリスクもあるため、必要な情報だけを申込時に尋ねるようにしておきましょう。
おすすめのサブスクツール!概要と費用をご紹介
ここからは気になる導入・利用費も含めた、おすすめのサブスク構築用ツールをご紹介していきます。
TAKETIN
クレジットカードベースのサブスクサービスを導入できるツールです。
- MasterCard
- VISA
- JCB
といった主要ブランドへ対応したサブスクサービスを簡単に構築可能になっています。
- 基本的な設定は済んでいるので、最短5分でサービスを開始できる
- サブスク用のフォローメールテンプレートなどが利用可能
- 適したセグメントを行いながらアプローチができる
といった機能を搭載しているのがポイントです。
また「ISMS」を取得しているのでセキュリティ管理にも厳しく、顧客の「サブスクを使うと個人情報が漏洩しないか心配・・・」といった不安を払しょくできるのも魅力になっています。
【 基本情報 】
・初期費用:パーソナル:3万円
ビジネス:5万円
プレミアム:5万円
・月額固定費:パーソナル:9,800円
ビジネス:1万9,800円
プレミアム:2万9,800円
Favyサブスク
グルメメディアを提供している「FAVY」では、サブスク含めさまざまなサービスを提供しています。SNSで記事が拡散される仕組みができているので、多店舗と比較されずに集客がしやすいメリットがあります。
他にも、
- プロライターが店舗情報内の紹介文を魅力あるものに仕立ててくれる
- 直営店を持っている強みを活かしてサービスのテストや改善を行っている
- 見込み客へダイレクトにお得なお知らせを配信可能
といった特徴があり、集客におけるさまざまな場面で利用可能です。
サブスクに関しては初期費用0円で、導入などのサポートが受けられるので安心して利用開始できます。
【 基本情報 】
・初期費用:無料
・月額費用:ライト:7,000円
ベーシック:1万5,000円
プレミアム:3万円~
Scalebase
サブスクにおける管理の複雑さを解消できるツールです。
- 価格変更が難しい
- プランやオプションが増えて管理が面倒
- 決済手段追加や保守コストなどが高い
といったサブスクの悩みを解決してくれます。
- 定額課金だけでなく従量制にも対応している
- 契約情報からアップセルやクロスセル、チャーンなどを把握可能
- リアルタイムでMRRといった指標を可視化、分析ができる
といった特徴があります。
またSaaSや会計システムといった他ツールとも簡単に連携が可能であり、DXに寄与しやすい点もメリットです。
【 基本情報 】
・初期費用:お問い合わせください
・月額費用:お問い合わせください
Subsphere(サブスフィア)
「NTTグループ」が提供するサブスクツールです。20年以上のサブスクノウハウがツールに集約されています。
自社だけで情報収集からサブスクを立ち上げるといったプロセスを一気貫通で行える可能性は、2%です。しかしSubsphereではコンサルタントがシステム設計といった各プロセスを総合サポートしてくれるので、確実にサブスクを立ち上げ可能になっています。
※2%のデータは「 ベイカレント・コンサルティング」のデータを参考に記載
- 商品・顧客などのバックオフィスデータを簡単に管理できる
- オンラインストア・マイページなどの目に見えるフロントエンドも管理可能
- 仕入・販売パートナーの管理も商流管理として実行できる
といった特徴が強みです。また、
- 請求業務などのDX化に役立つTypeA
- サブスクへビジネスモデルを大きく転換したい方向けのTypeB
といった目的ごとに合わせた2プランが提供されているのも特徴になっています。
【 基本情報 】
・初期費用:TypeA:400万円~
TypeB:150万円~
・月額費用:TypeA:20万円~
TypeB:15万円~
サブスクとアプリを連携するメリットとは?
アプリとサブスクは相性がよいコンテンツです。
継続的にタッチポイントを持てるという点でアプリとサブスクの特徴が一致している点が1つ理由として挙げられます。
具体的には連携すると、以下のようなメリットでビジネスを加速させられるでしょう。
アプリ内で申込から決済までを完了可能
サブスクをもしWebコンテンツを通さずに実行しようとすると、
- 店舗で申し込みを受付
- 情報を聞く
- 決済手段を聞いて定期的に決済へ来てもらう
といった煩雑な仕組みになってしまいます。仕組みをシンプルにすればより利用してくれる顧客が増えるでしょう。
そこでアプリを活用してみましょう。
アプリをサブスクと連携させれば、上記のプロセスをすべて顧客はアプリ上で完結させられます。自動引き落としなどの設定も簡単です。
また好きなタイミングでアプリを立ち上げて申し込みができる安心感も提供できます。
サブスクへ誘導する仕組みを作って再来店率向上などへつなげられる
サブスクにおいては単にサービスを提供するだけでなく、認知や検討へと顧客をシフトさせて利用してもらう導線を作ることも重要です。
アプリであれば、
- プッシュ通知の配信
- 新着情報の強調表示
- メニューを通しての情報表示
といった手段で簡単にサブスクの販促が可能になっています。
顧客がどのように情報に触れて説明を見れば、サブスク利用へつながるかをきちんと設計してアプリへ落とし込めれば、スムーズに新規顧客の獲得やリピーター増加などを達成できるでしょう。
Webサイト上でもサブスクの契約増加施策は取れますが、プッシュ通知といった手法で積極的にタッチポイントを作ることができるのはアプリならではです
購買データを取得してビッグデータとして管理・分析できる
アプリを通して、
- 名前
- 住所
- 性別
- 年齢
- 地域
といったサブスク内各個人情報を取得、ビッグデータとして管理ができれば大きな武器となります。
さまざまなデータを大量に取得、つまりサブスクの契約者を増やしてさまざまなデータを取得できる状態を構築できれば、さらにデータの精度や粒度は上がっていくでしょう。
アプリプラットフォームの中には、分析機能をあらかじめ備えているサービスもあります。分析機能を基に立案したさまざまな施策は、データに基づいた確実な施策としてあなたの店舗売上向上などへ寄与してくれるでしょう。
分析を基にクーポンプレゼントといった施策を実行可能
分析を基にした施策としては、たとえば、
- 来店頻度が通常の顧客より2倍ほどある方へ特別なクーポンをプレゼント
- 1か月近くサブスクの利用が止まっている顧客へ、リテンション情報を送信
- サブスクの利用頻度が高い顧客へ、さらに便利な上位プランを提案
といった手法が考えられます。一概に「こういったセグメント情報を持っているからこういった施策を取れば確実に成功する」とは言えませんが、分析からどんな課題や成功チャンスが見えるかを見据える力があれば施策の成功確率は上昇するでしょう。
リピーター確保の機能に優れているアプリをサブスク施策へ使えば、考え付いた施策の実現も簡単です。
店舗アプリDXならサブスクとの連携も簡単!3つの方法を紹介
アプリ制作プラットフォーム「店舗アプリDX版 raiten」とサブスクを連携させるには、次の3つの方法があります。
アプリメニューにサブスクのURLを設置してリンクを貼る
アプリの固定メニューなどにサブスクサービスのURLをリンクとして貼る方法です。サブスクをビジネスの基幹として考えている場合は、トップページのグローバルメニューなど目立つ部分へ貼ることをお勧めします。
【メリット】
遷移先のURLをアプリメニューに設置するだけなので手間が掛からない
個人情報はサブスク側で取得するので管理するリスクがない
【デメリット】
アプリ側の情報をサブスク側に連携、反映させることができない
通常の購買データのみをサブスクシステム側で取得できる
パラメーター設置し、サブスクシステムと連携
専用のパラメーターを設置してサブスクシステムへデータを渡す方法です。URLを単に直貼りするより深い連携が可能となります。
【メリット】
raitenアプリ基本機能に含まれているので、追加開発が必要がない
設置方法もヘルプページで詳細説明があるので自力で連携が可能
アプリのユーザーID・会員証番号・ニックネームなどをサブスクへ紐づけ可能
【デメリット】
連携される内容はユーザーID・会員証番号・ニックネームのみ
API開発で連携したいデータをカスタマイズして紐づける
【メリット】
連携したいデータをAPI開発することで、連携させたいデータを選んでアプリ側やシステム側に表示することが可能
【デメリット】 API連携開発が必要なので実装に時間が掛かり、アプリリリースに影響が出る 開発コストが掛かるので予算と相談する必要もある
まとめ
今回はサブスクの概要やメリット、そしてアプリと連携させるメリットや具体的な連携方法までご紹介してきました。
サブスクは新しいビジネスモデルである分導入している店舗もまだ少なく、今のうちに取り入れて施策を実行すると差別化ができます。
目的に合わせたさまざまなサブスクツールが提供中なので、ぜひ自店舗の課題を洗い出した上でどうやってサブスクで解決できるのか、そして解決に使えるツールがどれなのかを選んでみてください。
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