アプリとWebサイトの違いとは?アプリ最大のメリットはリピーターを生み出せること
アプリとWebサイトはどちらもインターネット上で利用開始する点は同じですが、基本的な使い方やその役割は異なります。現在では双方の機能差などを埋める技術が開発・検証されてはいますが、アプリだけ・Webサイトだけで集客を効率化するには依然として限界があります。
双方の特性を理解しながら上手く使い分けることが重要なのは昔から変わりません。
開発プラットフォームを利用しながら効率よくアプリ開発を行い、アプリ・Webサイトを連携させましょう。
今回はアプリとWebサイトの違いやその比較・役割などを解説します。
目次
アプリとWebサイトの定義とは?
まずはアプリとWebサイトの定義の違いを解説します。
アプリとはスマートフォン上で動作する専用のプログラム・システム
アプリ(ネイティブアプリ)とは「スマートフォン上で動作する専用のプログラム・システム」を指します。
具体的には、アプリストアや公式サイトなどからプログラムをインストールし、スマートフォンへ保存・適宜呼び出して使われるもので、インストール後はスマートフォン画面へ起動アイコンが自動で追加されます。
上記のような形で利用するアプリは「ネイティブアプリ」と呼ばれるアプリです。スマートフォンにデータが入るため、ユーザーへさまざまなメリットをもたらします。ネイティブアプリはアプリ専用言語だけでなく、HTMLといったWebサイト用言語も使いながら開発されることも多いです。
従来は1からプログラムを開発するフルスクラッチなどが開発の主流でしたが、現在では気軽に自社開発が行える開発プラットフォームが増えました。そのためローコード・ノーコード市場ではアプリ開発プラットフォームの需要が上がっており、中小企業・店舗の利用場面も増えています。
クロスプラットフォーム(複数のアプリ動作環境を想定すること)も開発プラットフォームによって気軽に実現できるので、開発のコストだけでなく手間も最低限に減らすことができます。
WebサイトとはWebページから構成されるコンテンツの総称
Webサイトとは「Webブラウザーから読み込んで利用する、Webページから構成されるコンテンツの総称」です。複数のWebページが同じ場所(URL)に保存されており、ユーザーによってWebブラウザー経由で呼び出されることによって機能します。
ちなみに、1ページだけのWebサイトも存在しており、その中でも商品・サービスの宣伝目的の強いページはLPと呼ばれることもあります。
Webサイトは、アプリと違ってインストールの必要はありません。キャッシュと呼ばれるWebページのコピーがダウンロードされて利用されることはありますが、頻繁に通信を行いながらページを読み込んでいきます。
これが最初から大部分のコンテンツがスマートフォンへデータ保存されているアプリと違う点です。Webサイトは多くの場合、HTMLやCSSといった基本要素にJavaScriptといった動的な言語を混ぜながら構築していきます。
Webサイトに関してはすでに多くの開発プラットフォームが出ており、無料で利用できる場合も多いです。フルスクラッチで開発するタイプもありますが、現在ではそこまでする必要性は少なくなったと言えるでしょう。
ちなみに機能を使うことで、アプリにWebサイトを呼び出してアプリ内で閲覧することが可能です。そのため、連携を考えてアプリとWebサイトが同時運用されているケースも少なくありません。
アプリとWebサイトの違い!複数の面から詳しく比較
ここからはアプリとWebサイトの違いをさまざまな側面から比較していきます。
インストールの有無
先述したように、アプリはすでにスマートフォンへインストールされた状態で利用されます。
メリットとしては、ローカル環境でもある程度使える点が挙げられます。ローカル環境ではインターネットが使えないので、コンテンツがオフラインで利用できないと利用することはできません。大部分のデータがすでにスマートフォン上にあるアプリでは、オンラインでしか使えない機能以外はそのまま使うことが可能です。
デメリットとしては、初めて利用する際に時間が掛かる点が挙げられます。
アプリの容量が多いとそれだけインストールに時間が掛かりますし、通信容量も消費するのでスマートフォン(アプリストア)の仕様では「Wi-Fi接続時にのみインストールする」が基本設定となっていることが多いです。
ちなみに、現在では一部機能のみを素早くインストールして利用できるようにすることで、データ消費を抑えながらアプリをお試しで使えるような機能がスマートフォンへ搭載されるケースも増えました。
一方Webサイトは、基本はページごとに適宜ダウンロードを行わなければいけません。キャッシュがない状態だと都度1ページ1ページ読み込む必要があります。
メリットとしては通信容量をそこまで消費しないこと。1ページ1ページのデータ容量はそこまで大きくないので、途中でページ閲覧をやめたりするとあまり容量を消費しません。スマートフォンの仕様でも、Wi-Fi環境がなくてもWebサイトは普通にスマートフォン回線で閲覧できるようになっています。
逆に都度通信しないと閲覧できないので、オフライン環境では利用しにくいのがデメリットです。現在ではこのようなデメリットを解決できる「PWA」が広まりつつありますが、まだ普及には時間が掛かるでしょう。
読み込み速度
アプリは最初からスマートフォンへ常駐しているので、逐一インターネット環境からサーバーへアクセスして、欲しいページを呼び出す必要性がありません。ローカルからデータを呼び出すのが基本になるので、読み込み速度が速いです。
もちろんアプリの構築方法やコンテンツ数などによってアクセスのしやすさは変わりますが、スムーズにコンテンツを利用できるのでスマートフォンでの情報発信に適しています。
ただし、容量を圧迫しないように構築を行わないと、スマートフォンのストレージを圧迫して読み込み速度を結果的に低下させてしまうリスクも・・・。
Webサイトはキャッシュがない限りインターネット環境で逐一サーバーとの通信が必要です。その分アプリよりコンテンツを読み込む際にタイムロスが起こり、読み込み速度が低下します。読み込み速度はWebサイトの動作がいくら軽快になっていても、通信環境の品質低下などで簡単に起こってしまうので運営側だけで対策を行うのは難しいです。
アプリのほうがWebサイトよりユーザー体験から見ると満足度を与えやすい、と言われているのはこういった読み込み速度の事情も働いています。
ローカル機能
アプリは最初から、スマートフォンの各種機能へアクセスできる仕様になっています。
各種機能とは、
- カメラ
- プッシュ通知伝達
- 位置情報センサー
といったものです。
こういった機能へアクセスして利用できる仕組みにすることで、
- カメラで撮影した写真をそのまま加工する
- プッシュ通知を適したタイミングで発信する
- 位置情報によってユーザーの来店を感知する
といった機能をアプリへ搭載することが可能です。
結果的にアプリのユーザー体験をリッチにできるのでコンテンツの評価を上げられます。
Webサイトでも上記のようなローカル機能へアクセスすることはできますが、機能の多様性などを考えると、さまざまな機能を搭載しやすいアプリよりは自由度が低いです。いちいちページを読み込みながら各種機能を使うのが面倒な場面もあります。
更新方法
アプリは更新する際に、審査へ通す必要があります。なぜなら、アプリはアプリストアへアップロードして利用できるようにするのが基本だからです。公式サイトへ自社アプリのデータリンクを貼って直接ダウンロードできるようにするケースもありますが、セキュリティといった面から導入している企業は多くありません。
OS更新といったタイミングでは、更新をしないとアプリがまったく機能しなくなるリスクもあります。このため事前にアプリストアやスマートフォンOSといった要素の最新情報を仕入れて反映させる必要があるため注意が必要です。
Webサイトの場合は特に審査へ通す必要がないので、構築してサーバーへアップロード、公開設定をすればいつでも閲覧できるようになります。もちろんアプリのようにOS更新といったタイミングでアップデートする必要性は出てきますが、一部のスマートフォンOSアップデートなどによって機能がまったく動作しなくなるリスクは少ないです。
自社Webサイトだけじゃなく自社アプリも導入したほうがいい理由
自社Webサイトだけではなく自社アプリも導入したほうがよいのは、次のような理由があるからです。
自社アプリの方が自社Webサイトよりも埋もれにくい
自社アプリでは一度インストールされると、さまざまな情報をこちらから発信できます。Webサイトの場合はPWAといった構築手法でない限り、積極的にこちらから情報を発信して、実際にみてもらうことは難しいです。待ちの姿勢になってしまうことがデメリットだと言えるでしょう。
アプリを使えば攻めの姿勢で施策を実行できるので、結果的に自社Webサイトよりも目立ちやすく・埋もれにくい状況を作り出すことができます。ユーザーに注意喚起しやすいメリットを活かすことで、さまざまな施策を導入して検証可能です。
自社アプリと自社Webサイトの相乗効果を見込める
現在ではアプリ・Webサイト双方の開発コストが低下しており、両方を運営して集客する企業も増えてきました。
しかし両方が運営されているのは、コストが安くなったからだけではありません。
- Webサイトからアプリへのリンクを貼って流入数を増やす
- アプリからWebView機能でWebサイトを読みこんでコンテンツを共用する
- 新規顧客をまずWebサイトで確保してから、アプリへ上手く誘導してリピーター化
といった連携によって、双方の閲覧数や機能の利用数が増えて相乗効果が見込めるようになったからです。
Webサイトのコンテンツをアプリ側へも組み込んで、ハイブリッドアプリという形で開発を進める事例もあります。どうやって連携するのか施策も含めて検討を行い、開発・運用を行うとより効率的な集客が実現するでしょう。
ユーザーとのタッチポイントを増やしやすい
アプリでは、
- プッシュ通知でセール情報やキャンペーンを告知する
- 位置情報で来店を検知してスタンプを自動付与する
- アイコンバッジで最新情報が来ていることを伝える
といった各種伝達方法によって起動するきっかけを作り出すことができます。
WebサイトはWebブラウザーでアクセスしてもらうのを待つのが基本ですが、それだとタッチポイントが少なく、色々と工夫する必要が出てきます。最初からタッチポイントが豊富なアプリならば、Webサイトのようにタッチポイントが不足する事態を避けやすくなるでしょう。
アプリとWebサイトそれぞれの役割・使い分け方
アプリとWebサイトでは役割が違います。それぞれの役割を理解して施策へ上手く取り込みましょう。
アプリの役割|リピーター化の促進に効果的
アプリは自社店舗の認知後、リピーター化を促進するのに効果的です。アプリだけでは最初の認知を行うのが難しいですが、一度認知されて使われる状況を作れば後はタッチポイントが継続的にできるのでリピーター化の施策を継続投入しやすくなります。
気軽にクーポン発券や最新情報確認などをスマートフォンから行えるのは、スマートフォン内で常駐しているアプリだからこそのメリットです。情報の発信頻度も考えながら上手く立ち回ることで、リピーターを増やすことができるでしょう。
Webサイトの役割|認知度をあげて集客のきっかけをつくる
Webサイトは認知が低い状態でも、タッチポイントを持てる可能性が高いです。
SEO対策などを行うことで、質のよいページがふとしたきっかけで検索している人の目に留まるケースがあります。そこから認知度を上げてアピールを行うようにすれば効率よく集客のきっかけを作ることができるでしょう。
ただしその後の継続的な商品・サービス利用実現のためには、いちいちアクセスしないといけないWebサイトだけでは力不足のケースが出てきます。
アプリへ誘導することで、認知後のマーケティング施策を上手く実行しやすくなるでしょう。
最初の認知やブランド力向上はWebサイトで、さらにその後のリピーター化はアプリでと使い分けることで、集客成功へ一歩近づくことができます。
まとめ
今回はアプリとWebサイトの違いやその比較・役割などを解説しました。
アプリにもWebサイトにもメリットとデメリットがあります。アプリのリピーター化がしやすい点とWebサイトの認知度向上に使える点を上手く考えながら、双方を組み合わせてみるとよいでしょう。
また、開発の際は各種開発プラットフォームでコスト削減や開発効率向上などを行い、施策をスムーズに回るようにすると効果的です。
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