2021.04.28

アプリでマーケティングオートメーション

アナログな手法でユーザーデータを収集して分析、そしてマーケティング施策へ活用するのには膨大な手間と時間が掛かります。本音を言うと施策の立案や課題の洗い出しなどに時間を掛けたいのに、それ以外の作業に時間を取られて上手くマーケティングができていない事例も珍しくありません。

アプリを活用しながらデータ収集や分析を行えば余計な手間が掛かりません。マーケティング作業を自動化する「MA(マーケティングオートメーション)」ツールとしてもアプリは機能してくれます。

今回はマーケティングにおける作業を自動化して効率化したいという方へ、マーケティングオートメーションとは何か、実際の利用方法や将来的に実装される可能性のある機能などを踏まえて解説を行っていきます。

 

マーケティングオートメーションとは?そのメリットを解説

 

マーケティングオートメーションとは「マーケティングにおけるデータ収集や分析、施策実行などを自動化すること、あるいは自動化するためのツール」を表します。

現代のマーケティングは、昔のように「よいものを作ればとりあえず売れる」というパターンにはなっていません。消費者のニーズは多様化しており、ニーズに合わない商品やサービスは市場に埋もれてシェアを獲得できないのが課題です。

商品やサービスの売り込みを成功させるには、1人1人のユーザー属性を把握して分析を行い、適切な情報を発信して自然に集客ができる体制作りが必要不可欠です。しかし

  • 紙でユーザーの購買行動を把握する
  • 紙のクーポンを配布する

といった昔ながらのマーケティングでは1人1人のニーズを素早く把握して施策へつなげるのが難しいのがデメリットになっています。

マーケティングオートメーションでは、マーケティングで時間の掛かりがちな各作業をプログラムによって自動化して簡略化可能なのがポイントです。

リアルタイムにユーザーのニーズを把握して、時間を掛けるべき作業へ集中して取り組めるようになります。

その他マーケティングオートメーションを活用すると次のようなメリットがあります。

 

顧客の育成がしやすくなる

マーケティングオートメーションにはお客様の情報に合わせたパーソナライズ配信ができる機能が搭載されています。

たとえば

  • 購買前に離脱した
  • 購買直後である
  • 購買後購入しなくなってからしばらく経過している

といった購買状況(ステップ)に合わせてコンテンツを自動で配信可能です。

あるいは

  • 20代男性、サラリーマン
  • 30代女性、独身
  • 10代男性、学生

といった属性に応じてターゲティングを行い、内容を変えたコンテンツを配信するのも容易になっています。

アナログな手法で各お客様の購買状況やユーザー属性を判断して適切なコンテンツを配信するのは骨が折れます。

マーケティングオートメーションにより顧客状況を一括管理することで確実なパーソナライズマーケティングが可能です。

 

マーケティング施策の分析が一元化されて簡単になる

たとえば複数店舗を経営しているチェーン形態の場合、各店舗のデータを1つにまとめながら分析を行うのは難しいです。全体のデータを集約して分析を行う作業も、各店舗ごとにデータを出して特性をつかむ作業も両方必要です。

マーケティングオートメーションを活用すると、マーケティング施策のもとになるデータをシステム上で一元化できます。一元化されたデータはフィルタリングが可能であり、

  • 店舗全体の売上や顧客変動はどうなっているか
  • 各店舗ごとのユーザー属性はどうなっているのか

といったさまざまな分析がグラフィカルにできるようになるのでデータの把握が簡単です。

データの統合や分析には膨大な時間が掛かります。

複数のツールをまたぎながら分析を行っていると効率が悪いですが、ツールによって一元化を行うことでツールの利用がまとめられるので作業時間削減が可能です。

 

PDCAのスピードがアップする

マーケティングにおいて市場がデジタルによって流動的になっている現在では、従来ゆっくり回していた「PDCAサイクル」をよりテンポよく素早く回せるかがポイントになっています。細かくPDCAサイクルを積み重ねることで施策の確度も上がり適切なマーケティングを常に実行できるからです。

マーケティングオートメーションでは

  • 記事コンテンツの配信
  • クーポンの配布
  • スタンプカードの提供

といった各マーケティング施策を一元化して管理できます。

そして各施策のパフォーマンスを調べてデータ化し、課題の洗い出しおよび次の施策立案へ簡単に活用できるようになるのがメリットです。

 

アプリでのマーケティングオートメーション利用方法

 

ここからはアプリをマーケティングオートメーションツールとして利用する方法をご紹介していきます。

 

アプリ各種機能概要

 

アプリ自体には次のような機能が実装されています。

 

自動プッシュ配信

プッシュ通知の配信はアプリの華とも言える重要な機能です。適切なタイミングでプッシュ通知を配信することで高い開封率を維持しながら、その後の集客へつなげられるようになります。

  • 細心のセールやイベント情報を配信する
  • インストール促進のため無料クーポンなど豪華な特典をプッシュ配信する
  • アプリを起動しないでしばらく経過したお客様へリテンションメッセージを送る

といった使い方によって効率よくターゲットへアプローチが可能です。

またインストール特典クーポンといった内容がある程度決まっている通知に関しては、あらかじめテンプレートを作成しておいて活用すれば短時間でメッセージの配信が完了します。性別や年代といった情報を基にセグメントを行って自動配信へ活かしましょう。

 

クーポン

クーポンの自動配信もアプリの強みです。

従来紙でクーポン配布していた場合は印刷コストを削減できますし、利用率改善にもつながります。

  • 誕生日クーポンを配布してプレミアム感を出す
  • 来店後リピート促進のため、お礼や次回使えるクーポンを配信する
  • お得意様に指定金額以上購入で割引されるクーポンを配布する

といったユーザー状況や属性に合わせたクーポンを配布できるように設定することで、効率よくクーポンが利用される環境を構築可能です。

 

スタンプ特典

デジタルスタンプの提示機能もアプリに実装可能です。

紙でスタンプカードを配布している場合は

  1. スタンプを押す
  2. 指定の個数が集まったら特典を受け渡す

といった手順が必要でした。

しかしデジタルスタンプの場合は

  1. スタンプを押す
  2. 指定の個数が集まったら特典クーポンなどが自動配信される

といった手順で特典の付与を自動化できます。スムーズに特典を受け取れるのでお客様の手間が掛かりませんし、店員側でもお客様のスタンプ状況を確認して特典を受け渡す手間がなくなるので負担が減るでしょう。

 

ユーザーデータ

アプリでは

  • 登録時のユーザー名
  • 性別
  • 誕生日
  • 登録した日時
  • 利用OS

といった基本情報をアプリインストール時に取得できます。

細かい情報を聞きすぎると離脱される心配もあるので、実際に施策を回しながら本当に必要なデータを見極めて登録時聞けるようにしておくと安心です。

 

分析データ

ユーザーの個別情報以外にも

  • アプリ全体のインストール数や月間アクティブ数
  • プッシュ通知の配信数や開封率、既読数
  • クーポンの利用枚数
  • スタンプの配布数
  • 月間の商品、サービスの売上ランキング

といった情報を集約して収集、分析が可能です。

複数の情報を集めようとすれば集めようとするほど、担当者には負担が掛かってしまうので軽減できるようにしておく必要があります。

アプリを使えば簡単な設定だけで必要なデータを集め、グラフや数値で分析を行えるのがポイントです。

各データを活用しながら効率よく分析を行うことで、「ユーザーに対して意味のない通知や特典の配布を行ってしまう」といったトラブルの防止もできます。

 

外部ツール概要

 

アプリ単独でもいろいろなマーケティングオートメーションが実現できますが、外部ツールを連携させるとさらに高度なオートメーションが可能になります。

 

GoogleAnalyticsで分析の内容を細かくする

「GoogleAnalytics」はWebサイトだけでなく、アプリにも連携させて分析が可能です。

アプリ単独で分析を行うよりも機能が拡張されて、自店舗が望む形での分析がしやすくなるのがポイントになっています。

ただしGoogleAnalyticsに慣れるのは簡単ではないので、分析初心者の場合はまずアプリの分析機能に慣れてからGoogleAnalyticsを使いこなせるようにしてみるとよいでしょう。

 

Googleフォームでアンケート送信を自動化

Googleは「Googleフォーム」というアンケートツールを提供しています。手順に沿って設問を入力していくだけで、簡単にシンプルで回答しやすいアンケートフォームを作成可能です。

アンケートを紙で提供して回収するのは面倒ですが、Googleフォームによって回答を得られるようにすれば、インターネット上で設問への回答とデータ送信が完結するので楽です。

さらに集まったデータを分析ツールで解析して、ユーザーの心情にまで迫ったデータ解読ができるようになるのもポイントになっています。

 

決済システム導入でユーザー利便性向上

今アプリ機能として需要が高まっているのは、決済システムです。事前にアプリから決済を済ませて商品やサービスを購入できる体制を構築すれば、今話題になっている「サブスクリプションサービス」の提供も実現できます。

サブスクリプションサービスを利用すると長期間でコストを回収する必要が出てきますが、その分安定した収益を見込んで長期的な収益増加へつなげられるのがポイントです。

サブスクリプションサービスを提供できる業種の形態は限られていませんが、現在ではWebサービスや飲食店での利用が盛んになっています。

 

予約システムで顧客取りこぼしを防ぐ

予約システムは、言わば24時間365日接客を行ってくる受付係です。アプリがインターネットに接続していれば、日時や内容などを指定するだけで簡単に予約が完了します。美容室といった業態で特に活用されているシステムです。

電話や口頭で予約を受け付けると管理が大変です。情報共有に失敗して二重予約や予約忘れなどの事態が発生する危険もあります。

お客様から不満を買わないようにするためにも、予約システムを導入してスムーズな予約体制を構築しましょう。

従業員が予約を頭で覚えておいて共有する手間もなくなって作業に集中しやすくなるのもメリットです。

 

モバイルオーダーでコロナ対策も含めたオペレーション効率化

「モバイルオーダー」は、店内での複雑なオペレーションを減らすためのツールとしても注目されています。モバイル端末でメニューの注文や決済などを完了させられるシステムです。

モバイルオーダーをアプリへ導入すると、お客様は時間の掛かるメニューの指定をじっくり時間を掛けて行うことができます。また決済を事前に完了できる仕組みにしておけば、後は受け取りに行くだけなので手間が掛かりませんしキャンセル防止にもつながります。

店舗側としては、まずコロナ対策になるのがメリットです。

お客様とのやり取りをアプリによって簡略化できるので、接触が最低限に済みます。

またお客様から注文を受けた後余裕をもってメニューの用意をしやすい、オペレーションの負担が減って他の作業に集中できるとといった点もメリットです。

 

AIが補助してくれる!?今後想定されるマーケティングオートメーション機能

 

将来的には次のようなマーケティングオートメーション機能がアプリにも実装される可能性があります。一般に普及すればよりマーケティングが面白くなるでしょう。

 

レコメンド機能

レコメンドは「Amazon」といったECサービスではすでに実装されています。ユーザーの注文状況などに応じておすすめの商品を通知する機能です。

自店舗のアプリにレコメンド機能が実装されれば、自動でユーザーの好みに応じた商品やサービスを提示して購入へとつなげられます。

おすすめの商品やサービスを推測して通知するのは難しい面もあるので、システムで自動化されると負担が減るでしょう。

 

AI機能

AIは「RPA(ロボットによる作業自動化)」においてデジタルレイバーを作ったり、「OCR(画像データから文字を抜き出す技術)」の精度向上に使われたりとさまざまな分野で活躍しています。レコメンド機能もAIあっての機能です。

自店舗アプリにAIが実装されると、「AIチャットボットによりお客様の悩みを聞き出せる」といった機能を使えるようになります。すでに「ユニクロ」では「UNIQLO IQ」として、コーディネートなどをサポートするAIがアプリ内で稼働中です。

AIの可能性は未知数であり、人のアイデアによって使い方は変わってきます。アプリではどのように活用できるのか思考をトレーニングしておくと役に立つかもしれません。

 

オートアプリ作成

現代ではまったくコードを必要としない「ノーコード」、あるいは一部だけコードを使う「ローコード」を使ったアプリ開発が人気を呼んでいます。

アプリの作成は1から自分で行うと技術と時間が必要です。また外部に委託して1から作成を行うと(フルスクラッチを行うと)、コストが膨大になってしまいます。

しかしアプリプラットフォームを活用した上でノーコード、ローコードベースのアプリ開発を行えば技術は特に必要ありませんし、時間やコストも削減されて効率よくアプリを作成可能です。

またAIを活用して、「手順に沿って設問に回答していくだけで自動でアプリが完成する」といったシステムが開発される可能性もあります。

 

まとめ

 

今回はマーケティングオートメーションとは何か、そしてアプリを使った実践方法などをご紹介してきました。

マーケティングオートメーションを活用すれば、アナログな手法から脱却してデジタルな効率のよい手法へ切り替えてマーケティングを実行できます。

アプリを利用する際はぜひ既存の施策をアプリへ一元化できるように努めてみてください。

弊社アプリプラットフォームサービス「店舗アプリDX版 raiten」では、マーケティングオートメーションを実践できるアプリをノーコード開発できます。気になる方はぜひ下記から詳細をご覧ください。

お問い合わせURL:https://tenpoapp.com/raiten/

 

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