Webサイトをアプリ化するメリット・デメリット、目的次第でアプリ化すべきかは変わる?
AmazonやYahoo!ニュースなど、似たようなレイアウトでWebサイトとアプリが両方運用されているサービスは多くあります。一見手間がかかるだけのように感じますが、なぜWebサイトとアプリを両方運用するのでしょうか?
それはWebサイトとアプリはそれぞれ特徴やメリットが違っており、両方運用することで多くのメリットを得られるからです。
では、全てのWebサイトをアプリ化した方が良いのかと言うと、それは違います。既存のWebサイトをアプリ化する場合、目的によっても必要性が変わってくるので注意しましょう。
Webサイトのアプリ化の概要や実行するメリットなどをご紹介します。
※この記事の「アプリ化」とは、アプリストアで配信される「ネイティブアプリ」化することを前提に説明します
目次
Webサイトのアプリ化とは?Webサイトとアプリの違い
Webサイトのアプリ化とは、「既存のWebサイトをベースにアプリを制作して配信すること」です。
特に下記のようなジャンルでは、Webサイトを基にしてアプリが制作されています。
- ECサイト
- ニュースサイト
- 情報ポータルサイト
情報の発信頻度が高い場合や、より利便性を追求した方がいい場合などでアプリ化を検討する企業が多いです。スマートフォンでのタッチポイントが獲得できることで、よりマーケティング効果を得られます。
まずは、Webサイトとアプリの違いについて解説します。
Webサイトとアプリの違い
Webサイトとアプリの違いは、大きく下記3つの点があります。
- デザイン
- 機能性
- 配信先
まずデザイン面では、アプリの方がスタイリッシュに見えます。通常のWebサイトだと上部にURL欄が表示され画面が圧迫されているケースがありますが、しかしアプリの場合基本的にはURL欄というものが存在せず、画面いっぱいに情報を表示できるからです。
機能性では、通常のWebサイトだと使えない機能をアプリでは使えます。この差異はこの後説明するPWAで解消されつつありますが、完全に埋まるのには時間が掛かるでしょう。依然としてわざわざアプリ化をして機能を利用しようとする企業は多いです。
配信先は、Webサイトは検索エンジン、ネイティブアプリはアプリストアとなります。Webサイトでは主にGoogle、ネイティブアプリでは主にGoogle Play、App Storeを視野に入れてコンテンツを配信する必要があります。
PWAなら簡単にアプリ化できる?
現在注目されているWebサイト制作技術に、「PWA」というものがあります。これはWebサイトにアプリ的な機能を追加したWebアプリを進化させたバージョンです。
具体的には従来Webアプリで使えなかった、
- プッシュ通知配信
- アイコンの自動追加
- オフラインでのページ閲覧
といった機能がJavaScriptという言語を活用することで利用できるようになりました。Web回りの知識・技術があればすぐに作成を実行できるので、ネイティブアプリで必要となるノウハウは不要です。
ただしあくまでWebサイトということに変わりはないので、アプリストアでは配信できません。また検索エンジンの仕様変更に影響されるといったことまで考えると、一概にPWAにすればネイティブアプリを作らなくても大丈夫とは言えないでしょう。
自社・自店舗の施策に沿ってどのコンテンツを用意するか決めるのが重要です。
Webサイトをアプリ化するメリット
ここからは、Webサイトをアプリ化するメリットを解説します。
プッシュ通知でスマートフォンにダイレクト通知ができる
通常のWebサイトの場合、プッシュ通知を活用することができません。
Webサイトをアプリ化するとその工程の中でプッシュ通知機能を組み込むことができるので、集客力を強化することが可能です。
プッシュ通知は、
- セール情報を送信する
- 1日限定のクーポンを配布する
- 残りポイント数や有効期限等を通知する
といったように、アプリでさまざまな機能を提供する場合その利用促進や、利用機会の損失防止などを実施できる汎用性の高い機能です。
スマートフォン上でバイブレーションやアイコンバッチといった方法で通知されるため、開封率が高く実店舗等の集客ではメールマーケティングでメールでフォローする以上の効果を発揮することも多くなっています。
さらに通知をタップするだけで該当のアプリ画面が開くので、いちいちアプリから該当の情報画面を確認することなくすぐ内容を確認できる点もメリットです。ただし現在ではプッシュ通知の許可画面をあらかじめ出さないとプライバシー違反になる可能性があるので、制作時にチェックができる画面を出す機能を追加することを忘れないでおきましょう。
検索する手間が必要ない
Webサイトだけでマーケティングをしているとユーザーは、
- キーワードで検索する
- お気に入りブックマークからアクセスする
といった手間を掛ける必要があります。リピーター促進の際はこういったひと手間を削減するだけでも集客力に影響が出てくるので、できるだけ削減した方が良いです。またキーワードで検索すると自社と似たサイトが出てきてしまってユーザーが混乱してしまうリスクがあるので、こういった面倒もなくせるとなお良いとされています。
アプリであれば最初にインストールする手間は発生しますが、それ以降は検索・アクセスの手間が掛かりません。
スマートフォンのホーム画面にアクセス用のバッチが常駐するので、いつでもユーザーは1タップで情報を確認することができます。1工程でアクセスができるので集客力は工場するでしょう。
ちなみに、Webサイトでも、アイコンを追加する機能をWebブラウザーアプリで使えばホーム画面にアイコンバッチのようなものが追加され、そこからすぐ該当のページへアクセスが可能です。しかし、アイコン追加の手間が少々面倒なのと、何よりURLが通信暗号化(HTTPS化)したりといった事象が起こると機能しなくなる可能性があります。アプリでアイコンを自動追加する形式にしたほうがやはり便利です。
継続的なタッチポイントを創出できる
アプリを作ってバッチアイコンとしてユーザーのスマートフォンに常駐できれば、アイコンのデザイン経由でまず自社・自店舗のアピールができます。
ホーム画面をふと閲覧するだけで内容が入ってくるので、継続的にブランド想起ができるのは地味かもしれませんが大きなメリットです。
またアプリ内の新着通知やプッシュ通知などを使うことで、新鮮な情報を必要なときにすぐ届けられるのも大きなメリットです。
情報配信の鮮度や頻度が落ちてしまうとユーザーが離脱する可能性も高くなりますが、アプリでは鮮度・頻度とも確保しながら情報配信がしやすいのでタッチポイントを増やせます。
ちなみに、通常のWebサイトはオンラインで情報を受け取りながらページを表示するので読み込みに時間が掛かることがあります。そうなるとユーザーが情報を閲覧できるタイミングが限定的になりますし、離脱するリスクも高まってしまうのがネックです。
アプリの場合基本情報はすでにスマートフォン内へインストールされています。
オフラインでも情報の閲覧・機能の利用はできるのでユーザビリティを損なわず、場所を選ばないで使えるのでタッチポイントを安定して確保できる点もメリットです。
既存のWebサイトをアプリ化するのでコストが低い
Webサイトをアプリ化することを考えた場合、アプリのオリジナリティは出しにくいかもしれませんが、コストの面では1からアプリを作るよりも有利です。
たとえば多機能なECサイトを1から外注して制作することを想定すると、数百万円といったコストが導入時に発生する可能性があります。運用時にも継続してコストが発生することを考えると、なるべく導入時の費用を安くしたいですよね。
既存のWebサイトをアプリ化する場合、基本のデザインや機能といった部分は流用が可能です。
上手くWebサイトのデザイン・機能を活かしながらアプリ化を進めていくことで、フルスクラッチといった形式でアプリを制作するよりもスピーディーに、そして低コストでアプリを制作することが可能となります。
さらに低コスト化を推し進めたい場合は、アプリプラットフォームの活用もおすすめです。アプリプラットフォームでは内製しながら自社のアプリを制作することが可能であり、外注するよりもコストが抑えられます。ただし既存Webサイトのデザイン・機能面でのオリジナリティが極めて高い場合は再現しきれない部分も出てくる可能性があるのでその点は注意しておきましょう。
Webサイトとアプリで併用して集客ができる
Webサイトとアプリを同時に運用すると、併用して集客が可能となります。
代表的なものとしては下記のような施策です。
- Webサイト上で新規顧客を獲得する
- 獲得以降はアプリを使ってもらいリピーター化を促進する
- Webサイトとアプリで一部機能を分けることで差別化して集客する
Webサイトをアプリ化した上でWebサイトも残しておくと、似たようなコンテンツが2つ用意されている状況になりますが、そもそもコンテンツ配信先が違うので差別化は可能です。また機能もアプリ化に伴い変更して提供できるので、上手く使い分けられるように調整してみましょう。
Webサイトをアプリ化すべき?それぞれの役割を理解しよう
ここからはWebサイトとアプリの役割に関する違いを解説します。それぞれの違いを理解することで、使い分ける重要性がより明確にわかるでしょう。
新規顧客獲得にはWebサイトが有効
Webサイトは、検索エンジンで情報を調べているユーザーとタッチポイントが持てるコンテンツです。
自社・自店舗のことを知ってもらうためにはまず興味がありそうな顧客を選定して集客する必要がありますが、検索エンジンを使ったマーケティングだとキーワードベースでユーザーを絞り込んで集客できます。このキーワードベースのターゲティングという考え方は現在進んでいるCookie規制などの影響を受けないので、安定した集客が可能なのもメリットです。
よって、新規顧客を継続して増加させたい場合は、Webサイトを活用した情報発信が有効となります。
まだWebサイトを所有していない場合はアプリを制作するよりも、Webサイト制作を優先させたほうがよいでしょう。アプリは配信先がアプリストアに限られており、検索エンジンのようにさまざまな情報を調べる場ではなくインストールするアプリを選定する場でしかないので、新規顧客の集客に向いていないからです。
リピート来店を増やすならアプリが有効
Webサイトは新規顧客獲得には向いていますが、それ以降のリピーター集客にはあまり適していません。アクセスの手間が再閲覧のたびに掛かることを想定すると、その工程で離脱してしまう顧客もいるからです。
アプリの場合アプリストアからインストールされてしまえば、ユーザーは検索の手間がなくなりいつでも気軽に情報を確認できます。
先ほども説明しましたが、継続的なタッチポイントを持ちやすい分、新規顧客のファン化やリピート促進といった効果を見込みやすいのはアプリならではのメリットです。
よって、新規顧客獲得以降の収益拡大を考える場合は、アプリを用意することをおすすめします。
アプリを利用してくれるユーザーはWebサイトを閲覧するユーザーよりも少ないかもしれませんが、自社・自店舗にとって収益効率の高い顧客をリピーターにしやすいのでWebサイト単独のマーケティングよりも総合的なコストが削減される可能性まで見込めるでしょう。
Webサイトとアプリを使い分ける意義とは?
Webサイトとアプリはターゲットとしている顧客や使える機能、配信先などが違うので使い分けながら併用できると相乗効果が獲得できます。
ただし、アプリを1から制作してWebサイトと連携させるのはコスト面等で難しいと感じる方も多いのではないでしょうか。
Webサイトをアプリ化するという考え方だとコストが減少するので、両コンテンツを使い分けるマーケティングの実現確率が上がります。運用方針や担当者人数、開発・運用スケジュールなどをある程度思い描き文章化してから、各コンテンツ作成に取り組んでみてください。
Webサイトをアプリ化するなら「店舗アプリDX」
アプリを制作する際、考えられるニーズとして下記が挙げられます。
- WebサイトがないのでまずWebサイトから作りたい
- Webサイトをアプリ化する方法が分からない
- なるべくコストを抑えてWebサイトのアプリ化を成功させたい
こういったニーズをまとめて解決できるのが弊社が提供するアプリプラットフォーム「店舗アプリDX版 raiten」です。
アプリと同時にPWAも流用しながら作成できるので、Webサイトを持っていない方でも最新のWebアプリをネイティブアプリと同時運用してマーケティングが実現可能です。
またWebサイトをアプリ化する際に直感的な操作をすればよいだけなので、すぐ制作が完了し、コストもフルスクラッチといった方法より掛かりません。内製でコンテンツ内容を調整できるのも多くの企業さまに選ばれているポイントです。
気になる方は、ぜひお気軽にお問い合わせくださいませ。
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まとめ
今回はWebサイトのアプリ化の概要や実行するメリットなどをご紹介しました。
Webサイトをわざわざアプリ化するのは、下記のような理由があるからです。
- アプリならではの機能を使いたい
- 配信先が違うので差別化して情報発信したい
現在Web回りの技術も進化しており、PWAといったネイティブアプリのようなコンテンツも登場しています。しかし、細かい違いまで考えるとどれかに統一しようとするのではなく、Webサイトとアプリを併用できるようにした方がより効果を得られるでしょう。
ぜひWebサイトとアプリの違いを理解して、マーケティングへ活かせるようにしてみてください。