自社アプリに実店舗の情報をすべて集約!アプリにデータ連携するとよいことがたくさん
自社アプリを使った施策の精度を向上させるためには、いかにデータを収集して活用できるかが重要となってきます。データ活用のためには、データを他のシステムから連携させて利用することも必要です。
データ連携はAPIといった技術によって可能となりますが、自店舗だけでは実現できないケースもあります。外部の手も借りながら上手くデータを連携させてアプリを運用していきましょう。
今回は自店舗アプリに情報を集約してデータ連携させることのメリットなどを解説します。
目次
アプリにデータを集約!データ連携とは
ここではアプリの場合データ連携とは何を指すのか、などを解説していきます。
データ連携とはさまざまなデータを集約すること
データ連携とは必要なシステムに、他システムのデータをつなげて調査・分析できるようにすること、またはその機能を指します。
アプリにおいては、データ連携が分析において重要です。アプリ内から取得できるデータにプラスして既存の顧客データを収集・いっしょに調査することで、
- 過去どんな購買があり現在はどうなっているか
- 連携した既存データを含めて売上はどのくらい成長しているのか
- アプリを含めてどの経路からのEC利用・および来店が多いのか
といったことがより詳しく分かるようになり、正確な対応策を練られるようになります。
また、情報を集約して一括で1つのダッシュボードで管理することで、複数のツールをまたがずに分析ができるようになります。分析に時間が取られて施策を練る時間がない、などのリスクを減らして、より重要な作業へ時間を回せるようになるでしょう。
ただしデータ連携を行う際は、
- データ連携すべきデータを選定する
- データ連携だけで満足しない
といった点に注意しましょう。
自社のデータが膨大な場合、すべてのデータを連携させても活用できないリスクがあります。アプリマーケティングにかかわるデータだけを収集した方がよいです。
また、データ連携だけでなく活用も考えて作業を行わないと、ただ分析できるデータが増加しただけで終わりになってしまいます。
API連携でアプリとデータ連携が可能
アプリとデータ連携を行う際は、一般的にAPIを利用します。APIというのは「アプリケーションプログラミングインターフェース」の略称であり、外部のシステムから一部の機能を自社システムへ連携させて利用する際に使われる技術です。
たとえば、
- SNSログイン
- 外部マップの読み込み
- ECカート
などの機能にAPIが使われており、活用されています。
多くのAPIはその仕組みを理解した上で知識・スキルがあれば簡単に連携ができますが、中には連携手順が若干面倒なケースもあり、初心者だと対応ができないときもあります。そのため、API連携をスキルや実績のある業者へ委託するケースも多いです。
API連携を行う際は、
- きちんとデータ連携がAPIによって実現できているか
- 指定のAPI連携にアプリが対応しているか
- APIの更新等ができるようになっているか
などを気にしておく必要があります。
データ連携したつもりでも、コードエラーなどで連携が失敗するかもしれません。その場合はエラーメッセージなどで原因を把握して対応する必要があります。
また指定のAPI連携ができないケースもあるでしょう。自分の使っているアプリ開発プラットフォームなどが自社システムのデータ連携へ対応できるのか事前に確認しておきましょう。
さらにAPI連携の内容はずっと同じというわけではありません。セキュリティ等の観点から見直されることもあり、コード内容が変更になるケースもあります。その場合は変更を反映させる必要があるので、定期的に更新エラー等が起こっていないか確認しましょう。
API連携の仕組み
API連携の仕組みを簡単に解説します。
- 指定されたAPIコードを利用者がシステム内へ組み込む
- インターネットを介してAPIの連携システムへアクセス
- 提供者のルールに沿って指定の機能を呼び出す
利用者はまずAPI用コードを用意してシステムへ組み込みます。そしてコードが読み込まれるとリクエストが発生して、提供者側のサーバーへ通知されます。通知されたサーバーは提供者が定めたルールに応じて、指定の機能をレスポンスで返して使えるようにするまでが基本的な手順です。
APIは無料で気軽に使えるケースが多い反面、利用できる機能は提供側が決めるので外部システムのデータを何でも引き出せるわけではありません。利用時はどこまでできるのかを把握した上で使いましょう。
APIの連携が難しいと感じる場合は、アプリ開発プラットフォームなどが提供している連携サポートサービスを活用してデータ連携を行うと楽です。
自社アプリにデータを集約するメリット
API等を介して自社アプリと他のデータを連携させることで、次のようなメリットが発生します。
Webサイトのデータをアプリへ直接反映させられる
たとえば、「WebView機能」により、Webサイトの予約ページなどを自社アプリ上で表示させたとします。ユーザーからしたらアプリ内でWebサイトを開いているので(WebView機能だとWebブラウザーが別途立ち上がらないので知らないとアプリの機能に見える)、意識することはないかもしれませんが実際にはアプリと予約ページはリンクしていません。
これによってどんな弊害が起きるかというと、予約ページ上で入力された性別や年齢・過去の予約データなどをアプリに直接反映させることができません。調査するには予約ページのデータを後ほど連携させて利用する必要があります。
API等でデータ連携ができていると、予約ページのデータとアプリ内のデータをすぐ連結させることができます。よりスムーズな施策運用のためにも、データ連携は不可欠です。
またデータ連携を行うことで、デジタル会員証の場合、
- 会員番号
- バーコード
- ランク
といった各データをアプリ内へ反映させて表示することができるようになります。
データ分析で高度なマーケティング・施策立案が可能に
自社アプリに外部データを連携させると、詳しい分析がはかどります。今まで調査できなかった内容を多角的に分析することで、思いつかなかったような視点が浮かぶこともあるでしょう。
ちなみに、今はAIを分析に活用して人間以外の視点を取り入れることもあります。気になる方はそういった分析プラットフォームを探して活用できないか考えてみてもいいかもしれません。
またデータ分析や連携などによって、高度な施策立案も可能になります。
実際にあるチャットツールの話になりますが、そのチャットツールは、
- Googleフォームでアンケートを回収
- Googleスプレッドシートに結果を出力
- チャット内で共有メンバーに結果を表示
という工程を簡単にできるようになっています。
アプリでもこういった新機能の創出などを行い施策を立案することで、よりマーケティングが強化されて売上増加などへ貢献できるでしょう。
データが散らばらずサイロ化しなくなる
ビッグデータの活用が叫ばれている中、問題になっているのがその管理方法です。各システムにデータが散らばっているとサイロ化によって活用するのが難しくなります。分断されたままのシステム・データは活用に好ましくありません。
API連携等によって各システムデータが横断的にアプリ内で活用できるようになることで、効率的なデータ管理・運用へつなげられます。サイロ化を解消してDX化を進めるためにも、アプリを介したデータ連携および活用は効果的です。
システムがブラックボックス化してデータが取り出せなくなるようになる前に、連携を済ませておきましょう。
自社アプリにおけるデータ連携の活用法
ここからは実際に、自社アプリにおけるデータ連携の活用事例を紹介します。
POSレジ
専用機器上でお客様が購入した商品のデータを顧客データと一緒に取得・保管ができるPOSレジでは、よくAPI連携が用いられます。
アプリの住所・顧客の興味がある項目などを、POSレジの販売データと組み合わせることで、
- アプリで判明した今まで店舗では分からなかったおすすめ商品ジャンルの発掘や通知
- POSレジのデータを基にしたよく買う商品のセール情報などを発信する
といったことが可能になるでしょう。
また、デジタル会員証をアプリ内で表示してPOSレジと連携させて使うことで、既存のPOSレジ連携カードが必要なくなりコストが削減されるのも魅力です。
ただし、デジタル化の際はポイントの引継ぎなどができるように気を付けながら対応を行う必要があります。
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予約システム
たとえば予約用のWebサイトページが用意されており、そこにお客様が情報を入力して来店を待つ状態になったとします。気軽に予約できる分、お客様が忘れてキャンセルする、といった事象も起こることもあるでしょう。
予約システムのページとアプリを連携し、予約をアプリでも認識することで「予約の時間5分前にプッシュ通知で忘れないように通知する」といった使い方ができるようになります。
また、「空席ができたときにプッシュ通知で配信を行う」といったことも可能です。予約のキャンセル率を減らしてより有効にシステムを活用するためにも、アプリと各システムのデータ連携が有効になってきます。
ただしアプリのプッシュ通知をOFFにされてしまわないように、通知の頻度などを工夫して便利だと思わせる仕組みを普段から作らないと意味はありません。プッシュ通知でタッチポイントを持てるからと言ってむやみに通知することは控えましょう。
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テイクアウト
飲食店専用のテイクアウトシステムにおいても、アプリとデータ連携することでさまざまなことが実現できます。
たとえばテイクアウトの内容をアプリへ反映させて、注文完了時に内容をプッシュ通知で配信して確かめてもらう、といった施策が可能です。
また、テイクアウトするメニューができ上がったらその旨をプッシュ通知で教えて取りに来てもらう、といったこともできるでしょう。
こういった機能は「UberEats」といった大手テイクアウト関連サービスでも利用されており、自店舗でも使えるようにしておくと顧客体験度が向上しそうです。
利用しているテイクアウトシステムでAPI連携等が利用できるか確かめてから運用を始めてみてください。
宅配・デリバリー
自店舗で宅配サービスを提供しているときも、アプリとデータ連携しておくと便利です。
たとえば宅配サービスにおいて配達が決定した際に、その旨の通知をプッシュ通知にてアプリ配信ができます。また配達完了直前や完了時に配達方法や配達完了日時などを通知することも可能です。こういった機能はAmazonといったサービスでも使われており、同じようなことが自社アプリでもできるとより便利だと感じてもらえる場面が増えるかと思います。
テイクアウトシステムと同じく、利用しているシステムがAPI連携等に対応しているのか確認してから導入してみましょう。
店舗アプリDX版 raitenなら各データを連携可能
弊社が提供している「店舗アプリDX版 raiten」では、APIを介したデータ連携に対応しております。
具体的には、
- ポイントカードへの情報表示
- 予約Webページとの連携
- テイクアウトページとの連携
- デリバリー・オーダーページとの連携
- ECサイトとの連携
- サブスクリプションサービスとの連動
といったさまざまな場面でAPI連携を活用することができます。
API連携自体はオプションとなりますが、連携によって、
- ポイント数といった情報に応じたプッシュ通知配信
- 会員証へのランク情報等の反映
- ECサービスのログイン情報保持
といったことができるようになり、お客様がより便利にアプリを使えるようになるでしょう。
API連携の料金は「初期費用10万円~、月額費用10万円」です。気になる方はぜひ弊社へご相談くださいませ。
まとめ
今回は自社アプリに情報を集約してデータ連携させることのメリットなどを解説しました。
自社アプリに各システムのデータ連携を行うことで、会員証への情報反映や予約情報のプッシュ通知配信、といったことができるようになりアプリ施策の幅が広がります。
もし既存システムを利用しつつアプリも利用する体制になっている場合は、ぜひAPI連携等を駆使してデータ連携を行う方針を検討してみてください。
データ連携の際は自社が使っているアプリ開発プラットフォームがしっかり連携に対応しているのか、またどのくらい対応できるのかなどを事前に確認してから作業を行いましょう。