アプリ導入後の鉄板運用
IT業界では「ツールを導入して安心してしまう」という事例がよく発生してしまいます。ツールを使うのは人間であり、上手く使えないと目的を達成できないことが抜けてしまうのが問題です。
どんな万能ツールでも使えなければコストが掛かるだけで役に立ちません。自店舗のアプリを導入する際も導入後の販促や運用まで見据えて施策を練っていく必要があります。
今回はアプリマーケティングに関して不安を抱えている方向けに、アプリを導入後に行うべきことや適切な販促・運用方法、そして実際の事例もご紹介していきます。
アプリを導入後、まず行うべきことは?
アプリを導入してマーケティングをスタートできるようになったら、まず次のようなことを実行しましょう。
使ってもらうための販促/プロモーション運用
アプリをリリースしても、使ってくれるお客様がいなくては意味がありません。このためアプリのリリース前後でプロモーションを行い、認知度を高めて利用へつなげていく必要があります。
アプリ市場では日々さまざまな業種や規模の企業、あるいは個人がアプリを提供開始しています。アプリストアにただ自店舗に関するアプリを設置しただけで集客するのは難しいです。
- 店舗内でお客様へインストールしてくれるよう声を掛ける
- 店舗内にアプリを紹介したポスターや配布カードを用意する
- 公式サイトやSNSなどでアプリリリースの宣伝を行う
といった手法が考えられます。最初に認知度を高めて利用者を増やすことで、お客様の利用に関するよい評判を広めてさらなる利用者促進にもつなげることが可能です。
運用・オペレーション方法を確認する
運用やオペレーションについては、まずリリース前後で費用感を把握しておく必要があります。アプリにおいては
- 提供するためのサーバー費用
- システムの保守費用
- 各コンテンツの制作費用
などが発生します。
アプリで利益を挙げるためには各コストを見据えた上で、それ以上の収益が挙がるようにプロモーションを行いましょう。
また運用方法について、
- どんなコンテンツを用意して発信していくのか
- トラブルが起きた場合誰がどうやって対応するのか
- データは誰が分析して改善点洗い出しを行うのか
といった具体的な運用体制を固めておくことも必要です。
目標計画を設定する
アプリをリリースする前の目標計画設定は重要です。アプリの立ち上げ当初は、
- インストール数
- アクティブユーザー数
といった直接の利用に関する指標を重視しましょう。インストール数やアクティブユーザー数が増えなくてはアプリをリリースした意味がありません。
また
- プッシュ配信の開封率
- クーポン利用
といった指標までよく確認して目標値に実数が到達しているか、また目標を達成した、あるいは達成できなかった理由は何なのかなどを考えてみましょう。
継続すべき販促・運用とは?
ここからはアプリ提供において継続する必要があるプロモーションおよび運用について解説を行っていきます。
インセンティブ付与も活用しよう!プロモーションのポイント
継続すべきプロモーションの手法は以下の通りです。
ちなみにプロモーションにおいては、
- 会員制度を設けてスタンプやポイント数に応じて特典を付与
- 初回限定無料クーポンをプレゼント
といったアプリダウンロード・インストール特典を強調することも重要になります。アプリの特徴は一度に伝えきれないので、まずはお客様が興味を持ちやすいインセンティブで釣ってから詳細を確認できるようにしてみてください。
Webサイトを活用する
Webサイトを活用するのは、アプリの宣伝において有効な手法の1つです。
Webサイトにはいくつか種類があります。
- 総合的に情報をまとめたWebサイト
- LPとして特定の商品やサービス訴求に特化したサイト
通常のWebサイトの場合は、トップ画面にスライド画像としてアプリ情報を掲載してクリック・タップしてもらうといった手法が考えられます。ただしそもそも「SEO対策」を行い上位掲載されなければ誰も見てくれないので注意しましょう。
上手くクリック・タップが発生しなかった場合に表示位置や見た目を変えるといった工夫も必要です。
またLPを使ってアプリだけの情報を紹介して、インストールを促す方法も考えられます。
LPを使う場合SEO対策で上位表示するのが難しくなるので、バナー広告などの広告手法で流入先を作っておくのがポイントになります。
リスティング広告を活用する
Googleといった検索エンジンには、アプリのリスティング広告を掲載可能です。具体的には他の検索結果に混じって、アプリの紹介とインストールを促すボタンが検索結果上に表示されます。
キーワード選定ができていれば、特定のキーワードで検索したユーザーをスムーズにアプリインストールへ誘導できます。
動画広告を活用する
「アプリの利用イメージを動きで伝えたい」という方は、動画広告を駆使してプロモーションを行うのも手です。
代表的な「Youtube広告」では動画再生中などに広告を挟んで表示できるようになっています。
また動画中に静止画広告を表示することも可能です。目的に応じて運用すると動画広告のコストを適正化しながらプロモーションを行えるようになります。
バナー広告を活用する
バナー広告は古いと考える方もいらっしゃるでしょうが、以前として有効な広告手法であることに変わりはありません。
アプリをプロモーションする際にもバナー広告がよく利用されています。
バナー広告を配信する際は
- 性別
- 年代
- 地域
- 趣味
などの情報で広告表示するユーザーをセグメントして、狙ったユーザーへピンポイントにアプリの紹介ができるように運用を行ってみてください。
SNSを活用する
- LINE
などのアカウントを運用している場合は、SNSもアプリプロモーションの手段として利用してみましょう。
- アプリの説明を入れた投稿を行う
- 広告を発信してアプリインストールを促すボタンを表示する
- プッシュ通知を行いアプリのリリースなどを知らせる
といった手法で集客が可能です。
アプリ上からSNSへのリンクや投稿内容を紹介する、またSNS側でもアプリの紹介を定期的に行いインストールを促すといった相互施策により、プロモーションのパフォーマンスは向上します。
アプリストア広告を活用する
アプリストアでは広告として、ユーザーの検索条件に合致するようなアプリを通常検索結果といっしょに表示するサービスが提供されています。
広告識別子などを使ってターゲティングするタイプではなくユーザーの検索キーワードに応じて広告を表示できるので、Cookie規制が厳しくなるであろう将来的にも使えるプロモーション手法です。
キーワードの調整や分析などを行う必要はありますが、運用を行いながらアプリの利用者を増加させていきましょう。
アプリ最適化(ASO)を行う
「Google Play」や「App Store」といったアプリストアで行う最適化対策を「ASO」と呼びます。
ASOではSEOと同じように検索結果に自社コンテンツ(アプリ)が上位表示されるように対策を行っていきます。自然検索結果において、狙ったキーワードで自店舗のアプリが安定して表示されるようになれば成功です。
アプリストア広告も効果的ですが、バナー広告と同じく費用が掛かるのがネックです。
ASOにより自然検索結果を最適化できれば、有料広告に頼らないアプリストア上でのプロモーションが可能になります。
店舗内でプロモーションを行う
アプリリリース直後と同じように、既存の来店してくれたお客様へ向けてアプリの存在を知らせる方法も重要です。
来店して自店舗への熱意が高くなっているお客様へ効率よくアプリの利用を促せるメリットがあります。
- 店内ポスターを使って大きくアプリの特徴を説明する
- ダウンロードのできるQRコードなどが掲載された名刺型チラシを配布する
- 卓上POPでアプリの伝えたい部分を簡潔に説明
などの手法が考えられるでしょう。
アプリの管理画面を確認しよう!運用におけるコツ
アプリの運用を効率よく行うためには、管理画面を理解してスムーズに利用できるように操作に慣れておく必要があります。自店舗のアプリ管理画面では次のような機能を利用可能です(弊社アプリ「raiten」をベースに説明していきます)。
コンテンツのレイアウト作成
アプリプラットフォームを使っている場合、コンテンツのレイアウト作成は簡単です。
- トップ画面のスライダー画像配置
- SNSリンクの作成
- ドロワーメニューの作成
など、コーディングやプログラミングなどを行うと時間が掛かってしまう部分をドラッグ&ドロップといった直感的な操作で作り込めます。
ただしアプリプラットフォームからどの操作をどう実行すればよいか覚える必要はあるので注意しましょう。
プッシュ通知の作成
プッシュ通知の作成も簡単です。
- 時間設定
- 画像やリンクを付けた配信
- 初回ダウンロードといったタイミングに合わせた自動配信
- 年齢や性別でセグメントしたプッシュ配信
などの操作ができるようになっています。
ただしプッシュ通知は文字通りこちらからプッシュして相手へ送ります。相手が望んだ情報でないと嫌がられてアプリのプッシュ通知OFFやアンインストールなど悪影響を引き起こしかねません。
開封率やクーポン利用率を見て上手く情報が伝わっているか確認し、さらなる利用率向上を運用の中で目指していってください。
プッシュ通知の作成スタンプカードの作成
アプリプラットフォームではスタンプカードの作成もすぐできます。
スタンプカードのデジタル配布は紙のスタンプカード印刷コストを削減できる、スタンプカードの利用者を増やせるなどのメリットがあります。リピーター増加のためにも必要です。
- デザインを作りこんでブランディングする
- スタンプ個数や特典を適正化する
- 有効期限を長過ぎず短過ぎない期間にする
といった工夫を運用の中で行っていきましょう。
分析データの確認
分析データの確認は、アプリの運用において最も肝となる部分です。分析データを基に改善案を立案しないとマーケティング効果が得られません。
アプリプラットフォームでは
- ユーザーのアプリ利用率
- プッシュ通知の配信状況
- クーポン、スタンプの利用状況
といったさまざまなデータがグラフ付きで表示されます。
事前に設定した目標値にデータが行き付いているか確認し、「ここをこうすれば後20%は改善できるはず」といった数値を伴った確信を得られるかが1つ分析において鍵です。
販促事例・運用事例
ここからはアプリの販促事例及び運用事例をご紹介していきます。
販促事例
販促事例では以下のようなアプリが参考になります。
メルカリ
「メルカリ」はフリマアプリを広めた立役者です。
- 20~34歳の女性に人気のあるタレントをCMに採用
- アプリでできることを説明する映像を発信
- Twitterなどでキャンペーンを開催して集客
といった組み合わせで見事利用者を増加させました。
現在では決済サービス「メルペイ」も手掛けており、今後の展開がどうなるのか注目です。
コカ・コーラ
「コラ・コーラ」はドリンクが自販機でお得に購入できるスタンプアプリ「コーク・オン」をリリース中です。
コーク・オンではテレビCMやYoutubeCMなども活用しつつ、
- 指定製品購入でスタンプ2倍
- ミニゲーム参加でスタンププレゼント
- 抽選でドリンクチケットプレゼント
といったプロモーションを積極的に行っています。
アプリがアクティブになりやすい仕組みを作っているよい事例と言えます。
トラベルジェイピー
「トラベルジェイピー」は旅行比較サイトとして有名です。
トラベルジェイピーではInstagram上で広告を打っています。「○○へ行くならば○○円~」といったように、直球でサービスの特徴を伝えられるフレーズをシンプルに入れ込んでいるのがポイントです。結果的にアプリインストール2.2倍といった成果へつなげています。
旅行サービスのような風景で訴求できるアプリと、Instagramの相性がよいことがよく分かる事例です。
運用事例
運用事例は次の通りです。
丸亀製麺
海外にも展開を行っている「丸亀製麺」では、アプリ内でレシート記載のQRコードを読み取る、といった条件でゲットできるクーポンを配信しています。
ユーザー登録をしなくても気軽にクーポンが使えるのが魅力的ですが、レシート読み込みによって購買情報とクーポン情報が連携され、細かい分析へつなげられたのも大きいです。
お客様にQRコードを読み取ってもらう仕組みにしたことで、店員側の負担軽減につながったのもポイントになります。
スターバックス
コーヒーチェーンの「スターバックス」では、「STARBUCKS REWARDS」というポイント制度をアプリで提供しています。
STARBUCKS REWARDSでは限定商品の購入やイベントへの参加などさまざまなインセンティブを受けられるようになっています。
また「スターバックス カード」で購入を行うと「Star」が貯まり商品と交換可能です。
さらにスターバックスでは「モバイルオーダー&ペイ」というモバイルオーダーシステムを導入していますが、そこでもスムーズにスターバックス カードで支払いを行ってStarが貯まるようになっているのもポイントになっています。
まとめ
今回はアプリを導入後に行うべきことや適切な販促・運用方法、そして実際の事例もご紹介してきました。
アプリ運用においては直後のプロモーションや、継続したプロモーション、運用が必須です。アプリをリリースしてからが本番という意識を持って、各コンテンツを使ったプロモーションを行いましょう。
アプリの管理画面に慣れてスムーズにコンテンツ作成・分析ができるようになっておくのもポイントです。
弊社アプリ制作サービス「raiten」では、アプリマーケティング初心者でも気軽にアプリを制作してリリース、運用を行えるようになっています。まずは下記から詳細を確認してみてください。
お問い合わせURL:https://tenpoapp.com/raiten/