アプリマーケティングで取得できるデータ|データ活用でカスタマーサクセスを実現
現在スマホはお客様とのタッチポイントとして重要な役割を果たしています。実店舗においてスマホを通して上手くマーケティングができるかどうかは、店舗経営の成功のカギを握っていると言ってもよいでしょう。
スマホでアプローチする際役立つのが自店舗のアプリです。自店舗のアプリでマーケティングを行えば、さまざまなデータを集めながら活用して効率よく集客ができるようになるのでおすすめです。
今回はアプリマーケティングを検討している店舗関係者の方向けに、アプリを通して取得できる具体的なデータの種類や実際の活用方法などを解説していきます。
顧客接点としてアプリの重要性
まずは政府などが公表している資料から、顧客接点としてアプリがどれほど重要なのかを解説していきます。
スマートフォン普及率は8割越え、世代別にみても10代から50代までで9割以上の普及率になっている
総務省は毎年、情報通信の現状や政策の動向などを「情報通信白書」としてまとめて一般公開しています。その最新版である令和2年版によると、スマートフォンの世帯所有率は2019年度83.4%です。
[box class=”white_box” title=””]・2010年:9.7%・2015年:72%[/box]
という数値からも分かるように、5年ほどで所有率が1割から7割を超え10年ほどで8割以上の世帯が所有しているインフラと化しました。
2019年度の
[box class=”white_box” title=””]・固定電話:69%・パソコン:69.1%
・タブレット:37.4%[/box]
といった他機器の普及率と比較しても、数値が高いことは明確です。
「簡単に持ち運べる上にインターネットも利用可能で、しかも電話としても使える」という高い利便性が普及を後押ししました。最近では安く入手できるエントリーモデルから1つグレードが上のミドルモデル、そして高級志向のハイエンドモデルまで幅広い値段や機能の機種が登場しており、ユーザーのニーズ多様化に対応しているのもポイントです。
また内閣府が景気動向を判断するために行っている「消費動向調査」では、2020年度(2020年3月末時点)の世代別スマートフォン普及率は
[box class=”white_box” title=””]・29歳以下:単身世帯97.8%、2人以上世帯96.5%・30代:単身世帯97%、2人以上世帯97.4%
・40代:単身世帯86%、2人以上世帯98.1%
・50代:単身世帯76.9%、2人以上世帯95.5%
・60代:単身世帯68.4%、2人以上世帯88.6%
・70代以上:単身世帯40.8%、2人以上世帯65.5%[/box]
という結果になりました。
単身・2人以上関係なく、30代までのスマートフォン普及率は9割を超えています。また40・50代でも2人世帯の普及率は9割を超えており、単身世帯でも7割や8割とそれなりの普及率をほこっているのもポイントです。
また60代以上になると従来型の携帯電話の普及率が未だ高くスマートフォンの普及率は他世代より下がっていますが、将来的には従来型の携帯電話が使っている3Gの電波が停波します。
[box class=”white_box” title=””]・ドコモ:2026年3月末まで・au:2022年3月末まで
・ソフトバンク:2024年1月下旬まで[/box]
つまり60代以上もスマートフォンへ切り替える必要が出てくるので、2022年度以降は高年齢層でもスマートフォンの普及率が向上するでしょう。
「自店舗は60代以上の高齢層が多い」という店舗でも、将来を考えて今の内にマーケティングの基礎を身に付けて実行しておいたほうがよいと言えます。
スマートフォン利用時間は平均2~3時間、店舗向けアプリの利用率は50代男性が最も高い
モバイル機器に関する調査で有名な「MMD研究所」は、15歳~59歳の男女に対してアンケートを行い「2019年版:スマートフォン利用者実態調査」を発表しています。
それによると全体のスマートフォン利用時間平均は2~3時間が最も多く、10代は3~4時間と回答した方が最も多い結果となりました。
やはりスマートフォンを使い慣れている10代の利用時間が多めなものの、それ以外の世代も平均2~3時間はスマートフォンに触れてアプリ起動やインターネット検索などをしている実態が浮き彫りになっています。
また「NTTコミュニケーションズ」では、アプリジャンル別のアプリ利用率について調査を行っています。結果としては調査対象者の57%が店舗向けアプリを利用していることが判明しました。また以外にも50代の男性が68%と、最も多く店舗向けアプリを利用している実態も分かっています。
アプリと言えば若い方が使うイメージを持っている方もいらっしゃるかもしれませんが、
店舗アプリにおいては50代男性を始めとしてさまざまな年代のユーザーが利用しています。セグメントした上でターゲットユーザーに向けた店舗アプリを配信できれば、来店数やリピーター数増加などに大きな効果があるでしょう。
スマートフォンの普及率、アプリの利用時間などは年々増加傾向にあるので、アプリを通じた顧客との関係作りに多くの企業が可能性を見出しています。
アプリで取得できるマーケティングデータとは
アプリで取得できるデータはさまざまです。ここでは代表的な取得可能データの一覧を確認していきましょう。
性別や年代
POSレジには客層ボタンと言って、お客様の性別や年代などを店員側が判断して入力するボタンが取り付けられているモデルもあります。しかしあくまで店員側の独自判断になるので、入力された情報の正確性は高いとは言えません。
しかし店舗アプリを制作して配布すれば、会員登録画面を設けて初期設定時に入力してもらえることが可能です。
アプリユーザーが性別や年代といったデータを入力してから使えるようにすれば、後々「アプリを使っている20代の男性がこの商品を購入した」というように入力されたデータに基づいた精度の高いデータ収集が可能になります。
居住エリア
店舗アプリを使えば、お客様がどの地域に住んでいるかの確認も簡単です。
たとえば「思ったより遠くの地域から来ているケースが多い」という場合は、付近住民の新規獲得も重要になってくるでしょう。また逆にお客様の全体的な居住エリアが小さくまとめっている場合は、広げるためにどうすればよいか考えてみると効果的です。
また居住地域の性質に合わせた情報を発信しやすくなるのもメリットになります。
現在地
自店舗のアプリとGPSを組み合わせれば、お客様が店舗の付近にいるか確認できるようになります。付近にいると確認できた際に本日のセールやクーポンといった情報を発信すると、来店効率が向上します。
「店舗にチェックインすればポイントをプレゼント」といったインセンティブを付与する特典を追加すれば、来店に対するお客様のハードルを下げることも可能です。
来店店舗
店舗アプリ経由で来店された店舗の把握も可能です。
たとえば「店舗Aは上手く集客できているが、店舗Bは集客効率が微妙だ」というように店舗ごとの来店パフォーマンスを計測しやすくなります。また店舗ごとの顧客属性を分析して、どんな施策を店舗ごとに行って収益を維持・向上させてよけばよいのかも判断しやすくなるでしょう。
来店頻度
業種ごとにアプリで取るべき施策は多少変わってきますが、来店頻度はどの業種でも重要な指標です。お客様の来店頻度が低い場合は、リピーターが上手く創出できていない状況だと把握できます。
店舗アプリを使えばお客様がいつ、どのくらいの頻度で来店しているかを数値で判断できるようになります。
頻度の低いお客様に対しては利用を促すためのセール情報やクーポンの配信などを行う必要があるでしょう。
その上で来店頻度が改善され、リピーターになってくれたかも把握していきましょう。
ダウンロード数
アプリを「Google Play」や「App Store」といった各アプリストアへ配信すれば、アプリストアで検索を掛けている方も集客できるようになります。特にiPhoneといったiOS端末の場合はアプリの配布にApp Storeが必須です(AndroidではGoogle Play以外のアプリ配布も可能)。
アプリストアへアプリを配布すれば、アプリのダウンロード数を把握できます。
ダウンロード数によって自店舗のアプリが目標通りにダウンロードされているかパフォーマンスの確認が可能です。
ただしダウンロードしたまま使わなくなってしまうお客様も増えていくので、ダウンロード数だけ見ても本当のアプリのパフォーマンスは把握できません。
ダウンロード数を確認する際は、必ずアクティブ数もいっしょに確認しましょう。
アクティブ数
アクティブ数は「アプリをダウンロードしたユーザーが実際どれくらいアプリを使っているか」を表しています。日別や週別、月別や年別などさまざまな指標でアクティブ数を把握することで利用者の傾向が見えてくるのがポイントです。
アクティブ数が低い場合は、「利用を忘れていませんか」などとしてメッセージを送りクーポンを配布するといった施策でアクティブ数を上げやすくなります。
お客様の来店頻度が多くなる業種では日別や週別、ある程度空くケースが多い業種では週別や月別などでアプリのパフォーマンスを確認してみると効果的です。
店舗アプリでは、来店頻度に応じて自由に来店後の何日後に自動でプッシュ通知配信することが可能で運用をオート化しております。
クーポン利用数
クーポンが利用されるたびに数を計測して、ツール上に表示することも可能です。
クーポンを使うと店舗のお得感を出せるだけでなく、セグメントに合わせて定期的に配布することでリピーターの創出にも効果があります。利用数が低い状態は紙のクーポンが放置されて使われていない状況と同じですが、店舗アプリの場合プッシュ通知を活用して利用率を上げやすいのがポイントです。
クーポンの利用数を追っていって、施策のパフォーマンスを計測しましょう。
プッシュ通知CTR
店舗アプリ上ではプッシュ通知を活用すると、お客様が最新情報やクーポンなどを見逃さずに済むので来店してくれやすくなります。ただしセグメントに合っていない、フリークエンシー(頻度)が多いといった条件に当てはまってしまうと通知の効果が下がりアプリからの離脱も誘発してしまうのが弱点です。
このためプッシュ通知のCTR(クリックされた割合)も冷静に分析して追っていく必要があります。
CTRが思ったより低ければ、セグメント設定や配信頻度などを見直してテストを行う必要があります。
定性データ
アプリ上でアンケートを実施することにより、自動計測だけでは把握しにくい「定性データ(人の感情に関係する、数値化が難しいデータ)」を始めとしたより詳細なユーザーデータを取得可能です。
ユーザー要望も捉えるためにアンケートも活用しながらアプリ利用者の動向を探ってみてください。
アンケートの項目はスマホ上で回答されることを想定して多過ぎず、少な過ぎないように調整しましょう。また回答しやすいようにチェック方式を活用する、自動補正入力機能を実装するといった細かい気配りも必要です。
顧客ニーズとマーケティングデータ活用でCSを向上
ここからは店舗アプリから取得したデータを使って、CSを向上させる方法などをご紹介していきます。
データを基にセグメントを行い情報配信を最適化する
まずは性別や年代、来店頻度などの各データを基にセグメントを行っていきます。
- 30代の男性、家庭持ちでなるべく費用を節約したい
- 60代の男性、品質重視で高い商品もよく購入する
といったようにセグメントを分けていき、ターゲットごとに適切な情報を配信できるようにするのが基本です。
セグメントが間違っていると施策がずれて効果的ではなくなるので、注意深く設定していきましょう。またセグメントがいつも同じとは限らないので、定期的に見直してアップデート行うのも忘れないでください。
来店頻度の高いユーザーへ特別な情報やクーポンを配信する
セグメントを行った上で来店頻度の高いユーザーを把握できたら、そのユーザーに対しては特別な施策を行います。人間は誰でも特別扱いされるとよい気持ちになりますが、マーケティングの場合ロイヤリティの高いお客様を特別扱いしてさらにリピート率を上げていけると効率よく収益を向上させられるのがポイントです。
- 会員限定の優待セールを行う
- 会員限定のグッズがもらえるクーポンを配布する
といった施策を取りながら、パフォーマンスの高かった配信を見つけて次の情報配信へ活かしましょう。
アンケートを利用してミステリーショッパーを行う、回答者へクーポンを付与する
ミステリーショッパーはユーザーにインセンティブを付与する代わりに、店舗にこっそり寄ってもらって接客満足度などをアンケート回答してもらう手法です。ミステリーショッパーをアプリ内から応募できるようにして、後日アプリ上で感想をアンケートで取得できるようにすると導線がスムーズです。
ミステリーショッパーの結果によって各店舗が満足度の高い経営ができているか判断できるようになります。
また追加して欲しい商品を聞いてフィードバックするといった手法も取ることが可能です。店舗アプリでは、ミステリーショッパーとの連携も可能です。
まとめ
今回はアプリ上で取得できるデータの種類や活用方法などをご紹介してきました。
スマートフォンの普及率は上昇傾向にあり、また3G停波の影響から将来的には高齢の方でもスマートフォンを使うのが当たり前になる可能性が高いです。今の内にスマートフォンでアプリを配信して、来店数やリピーター数などを増加させられるようにデータを駆使できるようになると生き残りも図りやすくなります。
弊社ではリーズナブルに店舗用アプリを開発できるサービスを提供中です。ご興味のある方はぜひ下記からお問い合わせをお願い致します。
お問い合わせURL:https://tenpoapp.com/raiten/