自社アプリ作成のメリットと費用相場|企業がアプリ導入で成功するコツ
業種全般
自社アプリは販促ツールとして有効な手段であり、今では大企業に限らず中小企業でも活用されるようになりました。いろいろな販促機能をデジタル化して集客へ利用したり、情報の伝達速度を強化して適切な情報発信へつなげたりと、使い道は多岐に渡ります。
またWebサイトといった販促ツールと組み合わせることで販促力がさらに強化されるのも、自社アプリのメリットです。
一方で「開発費が高そう」「作ったあとに使われないのではないか」という不安から、検討を止めてしまう企業も少なくありません。実際、アプリ導入がうまくいくかどうかは開発の技術力ではなく、何のために作るのかを決められているかどうかで大きく変わります。
近年はアプリプラットフォームの普及によって、初期費用を大きく抑えたまま自社アプリを持てるようになりました。数百万円単位の投資が前提だった時代とは条件が変わっており、中小企業でも十分に検討できる選択肢になっています。
この記事は自社アプリの作成意義や代表的な機能、費用相場といった作成の際必要な情報をまとめてご紹介します。
自社アプリとは
自社アプリは企業が自社や経営店舗に関する情報を発信するためのアプリです。広い定義では社内で従業員向けにマニュアルやコラムなどを発信して満足度向上といった目標を達成するために使われる、社内ポータルアプリもこれに含まれます。
ただし今回は一般顧客に対して販促情報を提供してマーケティング力を高める、店舗アプリ・販促アプリに関して解説します。
自社アプリにはさまざまな開発方法がありますが、中小企業が開発を行うときはアプリプラットフォームを使ったやり方が採用されやすいです。中小企業がアプリを開発・提供しやすくなったのもアプリプラットフォームが影響しています。こちらについては後ほど開発費用相場とともに解説します。
よく比較されるのが、SNSアカウントやポータルサイトへの掲載です。これらは店舗を知らない人へ情報を広げる力に優れていますが、届ける相手を自社側で指定できず、蓄積された顧客情報も運営側の保有物という制約があります。
自社アプリはその逆で、新規顧客を集める力は強くないものの、一度接点を持った顧客とつながり続ける力に優れます。入口としてSNSやポータルサイト、受け皿として自社アプリという組み合わせで考えると、それぞれの役割を無駄なく使えます。
なお自社アプリには、スマートフォンにインストールして使うネイティブアプリと、ブラウザ上でアプリのように動くPWAがあります。プッシュ通知や動作の軽さを重視するならネイティブアプリ、インストールの手間を省いて幅広く使ってもらいたい場合はPWAという選び方が基本です。両方を同時に用意できるサービスもあります。
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自社アプリを作成する3つのメリット
先述した通り、近年、大企業だけでなく中小企業でも自社アプリを作成するようになりました。自社アプリを作成する企業が増えたのは、次のような理由があるからです。
顧客をロイヤリティ化できる
顧客のロイヤリティを向上させてリピーターにすることで、企業・店舗は安定した売上を確保しながら継続的な売上成長にもつなげることができます。新規顧客を囲い込んでその場の売上を確保するだけでは、その後も購買につながるか分からず不透明性が残ってしまいますし、結果的にその後の売上につながらず成長についても達成できないかもしれません。
新規顧客を囲い込んだ後にアプリをインストールしてもらい、お得な情報を発信したり必要な情報をリアルタイムに提供したりすることで、ロイヤリティが向上して継続的に囲い込みをすることが可能です。
新規顧客の囲い込みに成功していてもその後の購買継続につながっていない企業・店舗には、アプリを使ったロイヤリティ施策がおすすめです。
ロイヤリティを高めるうえで効きやすいのが、来店回数や購買金額に応じたランク制度です。顧客が自分の状態を認識できるようになり、次の段階を目指す動機が生まれます。あと1回で条件を満たすという状態が画面に表示されていれば、来店の後押しにもなります。
設計する際は達成のハードルを下げることを意識してください。最初の特典に届くまでが遠すぎると、多くの顧客が途中で離脱します。3回目や5回目に小さな特典を置き、早い段階で得をしたという体験を届けるほうが継続につながります。
関連記事:リピート強化で売上アップ!会員ランクを活用した顧客の囲い込み方とは?
業務の効率化・DX化が進む
アプリにあらゆる施策を集約することで、業務がアプリ経由でできるようになり業務が効率化します。たとえばチラシについては印刷といった工程を挟まなくてもすぐアプリで発信ができるようになりますし、クーポンについても同様に印刷を複数枚行わなくてもアプリで情報発信するだけで済むようになります。
また分析作業についてもオフラインで今までやっていた工程をアプリでデジタル化してダッシュボードで確認することで、一気に業務効率化が狙えるのもポイントです。こうした工程省略などをアプリで達成することで、将来的にはDX化を達成することもできるでしょう。
現在では「2025年の壁」という、2025年までに日本企業がDXを達成できないと最大12兆円の経済損失が国内で発生するという課題も指摘されています。2025年の壁を意識しながら社内・店内で発生している課題をどうやってアプリで解決できるのか考えてデジタル基盤で動ける環境を構築することで、DXが達成できます。
この課題は一般に「2025年の壁」と呼ばれますが、出典上の正式な表現は「2025年の崖」です。経済産業省「DXレポート ~ITシステム『2025年の崖』の克服とDXの本格的な展開~」では、既存システムの複雑化やブラックボックス化を克服できない場合、2025年以降に最大で年間12兆円という現在の約3倍の経済損失が生じる可能性があると指摘されています。
重要なのは、この課題が大企業だけの話ではないという点です。紙の台帳やエクセルで顧客管理を続けている店舗も、データが担当者の手元に閉じていて全体で活用できないという意味では同じ構造を抱えています。
アプリの導入は、そうした状態から抜け出す最初の一歩になります。会計時に会員証を提示してもらうだけで来店履歴が自動的に記録される仕組みを作れば、集計作業そのものが不要になり、蓄積されたデータをそのまま施策の判断材料に使えるようになります。
関連記事:アプリで業務も顧客もつながる時代へ!小売店DXがもたらす5つの変化
販促コストを下げられる
アプリを利用することで、販促コストも削減することが可能です。たとえばチラシにおいては元データだけを用意すればすぐ配布ができるようになるので、印刷設備や紙・インクなどが不要になります。
また会員証やポイントカードを発行して配布していたところでは、アプリで発行や利用をデジタル化することで発行するために必要だった設備を使わないで済むようになります。これによって発行代金が掛からなくなり、大幅なコスト削減が可能です。
さらに来店予約やテイクアウトなどについてモバイルオーダーシステムを作成すると、アプリで注文や決済といった作業ができるようになるので従業員が対応する必要がなくなり、その分コストが削減されて従業員は他の作業へ時間を回せるようになります。
アプリを作成すると初期費用や月額費用などが気になりますが、バランスを考えてコスト管理ができるアプリを作成することで最大限のコスト削減効果を得ることができるでしょう。
コスト構造の違いにも注目してください。紙のチラシやDMは配布するたびに費用が発生しますが、アプリからの配信は会員数が増えても1件あたりの追加コストがほとんど変わりません。顧客数が増えるほど1人あたりの販促コストが下がっていく構造になっています。
効果測定の面でも差があります。紙の販促は配った枚数は分かっても誰が使ったのかまでは追えません。デジタルであれば配信数・開封数・利用数がそのまま記録として残るため、次にどこを改善すべきかを数字で判断できます。
関連記事:店舗DXとは?今さら聞けない基礎知識や実践方法、成功するために欠かせない考え方
顧客データを自社の資産として蓄積できる
メリットとして見落とされやすいのが、顧客データが自社に残るという点です。誰が・いつ・どれくらいの頻度で購入しているのかという情報は、次の施策を考えるうえで欠かせません。
従来は常連客の顔や好みをスタッフの記憶に頼って管理してきた企業も多いはずです。この方法は担当者が変わった瞬間に引き継げなくなり、店舗数が増えるほど共有も難しくなります。データとして残しておけば、誰が対応しても同じ水準の提案ができる状態を保てます。
アプリでは来店頻度、利用金額、クーポンの利用状況、会員ランクといった情報が自動的に積み上がります。これらを組み合わせれば、常連になりつつある顧客と離れかけている顧客を数字で見分けられるようになり、それぞれに合った内容を配信できます。
ポータルサイトやSNSに蓄積される情報は、あくまで運営側の保有物です。掲載やアカウント運用をやめた時点で使えなくなる可能性があるため、長く事業を続けるほど自社で保有できる形の価値が高まります。
自社アプリを作成する際の注意点
ここからは自社アプリを作成する際の注意点をご紹介します。
費用対効果があっているか
アプリを有効活用するには、まず費用対効果が見合っているかを確認するのが重要です。たとえば現在販促コストが月額20万円発生しているとして、アプリを作成することで月額25万円になってしまっては意味がありません。月額10万円といったレベルにまで抑えられないと有効活用できなくなります。
店舗内の課題やコスト概要について把握した上でアプリを使うことでどれくらいコスト削減が達成できるのか数値で比較することで、本当に役立つアプリを作成することができるようになるでしょう。
コスト削減だけでなく、売上側からも回収ラインを計算しておくと判断しやすくなります。たとえば客単価が3000円の店舗で月額費用が3万円なら、月に10組の追加来店で採算が取れるという計算になります。
この数字を先に出しておけば、導入後の評価を感覚に頼らずに済みます。既存のポータルサイトへの掲載料や紙の印刷費と置き換える形で検討すれば、追加の持ち出しを抑えながら移行することも可能です。
自社アプリを開発する目的を明確にする
自社アプリを開発する際には、目的について明確化することも重要です。たとえば、オペレーションを最適化して従業員負担を削減したい、従来の施策のコストを削減して売上アップへつなげたい、施策のデジタル化を促進してゆくゆくはDXを達成したいといった目的が考えられます。
複数目標がある場合は優先順位を付けて、最も達成意義がある目標を実現できるアプリを探してみるとスムーズな作成ができるでしょう。
目的を決めたら、達成できたかどうかを測る指標もあわせて用意してください。指標がないと、施策が効いたのか判断できないまま運用だけが続いてしまいます。
指標は多く持つ必要はありません。ダウンロード数、来店頻度、クーポン利用率、休眠率の4つ程度に絞り、確認する頻度と担当者まで決めておけば、無理なく定点観測を続けられます。
アプリリリース後の運用まで考えておく
アプリリリース後も効果測定をしたり機能追加をしたりといった運用作業が継続的に発生します。このため自社で運用をする場合は、簡単に各工程を実現できるようなアプリを制作することが重要です。
アプリプラットフォームを作成する場合はどのプラットフォームでも運用が自社でできることを強調しているはずです。ただし運用方法が変わってくるため、最も自社に適した機能を持っており運用がしやすいアプリにできるようにしましょう。
管理画面を実際に操作する担当者が扱えるかどうかも見ておいてください。機能が豊富でも設定が複雑すぎると、一部の人しか触れない状態になり、その人が異動した瞬間に運用が止まります。無料相談やデモの機会があれば、現場の担当者にも触ってもらうと判断しやすくなります。
配信の頻度や内容をあらかじめ決めておくことも有効です。月に何回配信するのか、どのタイミングで結果を確認するのかを決めておけば、担当者が変わっても同じ水準で運用を続けられます。
ダウンロードを増やす導線を用意する
見落とされやすいのが、アプリを配布する導線です。どれだけ機能が充実していても、顧客の手元に入っていなければ施策は始まりません。リリース直後に力を入れるべきなのは、来店客や既存顧客へ確実に案内する仕組みづくりです。
レジ横のPOP、卓上の案内、QRコード付きのショップカード、既存のメールマガジンやSNSでの告知など、接点を複数用意しておきます。あわせてスタッフからの声かけを統一しておくと、案内漏れを防げます。
案内の際は、その場で得られる利点を一言で伝えられるようにしておきましょう。「アプリを入れると便利です」ではなく「今すぐ登録いただくと本日のお会計から使えるクーポンをお渡しします」と伝えるほうが、登録率は大きく変わります。
自社アプリ作成の費用相場
ここからは自社アプリの各開発方法と、費用相場について解説します。
自社でフルスクラッチ開発
自社で1からフルスクラッチ開発を行う方法です。自社の技術力があればシステム部門を作って開発を行い、独自性の高いアプリを開発することができます。
ただし費用に関しては、最も高額になる可能性があり、状況によっては3,000万円以上の費用が発生するリスクもあるので注意しておいてください。そもそも中小規模の企業ではアプリ開発の技術力がないことも多いので、自社でプログラミングコードを使って内製してアプリ開発するのは有効な方法とは言えません。
金額だけでなく、開発期間も判断材料になります。要件定義から設計、実装、テスト、審査提出までを踏むと半年から1年程度かかるのが一般的で、その間は施策を動かせません。機会損失まで含めて考えると、負担はさらに大きくなります。
外部に開発を委託
アプリ開発の技術力がない場合、外部企業へ開発を委託して代わりに作ってもらう方法があります。この方法は、従来基本的なアプリ開発方法として定着していました。独自性の高いアプリを希望通りのスケジュールで提供できるケースも多いです。
ただし内製してフルスクラッチ開発するほどではないかもしれませんが、高額な依頼料金が発生します。費用相場としては300万円や1,000万円といったところです。予算がない場合は無理に外部開発を委託しないほうが無難でしょう。
委託する場合に確認しておきたいのが、リリース後の修正対応がどこまで含まれるのかという点です。文言の変更やクーポン画像の差し替えといった軽微な作業まで都度見積もりになると、運用のたびに費用と時間がかかります。
自社で更新できる範囲がどこまでかを契約前に確認しておけば、想定外の追加費用を避けられます。
アプリプラットフォームを利用
中小企業の場合、フルスクラッチ開発ではなくアプリプラットフォームを利用して開発することで先述したコスト面などの課題を解消可能です。プログラミングコードを使わないノーコードや、ほとんど使わないで済むローコード方式で簡単にアプリを制作可能になっています。
費用相場としても他2つの方法より圧倒的に安くできます。事例としては初期費用が10万円、月額利用料金が1店舗で2万円といったように低額です。他2つの方法と比べてケタ自体が少ないため、気軽にアプリ開発を実現できます。
アプリ開発の手軽さとコストの安さを両立したい方には、断然アプリプラットフォームの利用をおすすめします。
多くの企業にとって重要なのは、独自性の高いアプリをつくることではなく会員証・ポイント・クーポン・通知という基本機能を確実に回すことです。これらはどのプラットフォームにも標準で用意されており、独自開発しても差が出にくい部分でもあります。
まずは必要な機能を絞り込んで始め、運用しながら足りない部分を足していく進め方であれば、投資額を抑えたまま効果を確かめられます。
開発費用以外にかかるコストも確認する
費用を比較するときは、開発費だけでなく継続的に発生する費用まで含めて計算してください。アプリを公開し続けるには、いくつかの固定的なコストがかかります。
代表的なのがアプリストアの開発者アカウント費用です。iOS向けは年額での登録費用が必要で、Android向けは初回のみの登録費用がかかります。金額は改定されることがあるため、検討時点の公式情報を確認しておくと安心です。
さらに、OSのバージョンアップに合わせた改修や不具合対応といった保守費用も発生します。スマートフォンのOSは毎年更新されるため、放置すると動作しなくなるリスクがあります。委託先やプラットフォームが対応してくれるのか、別料金なのかは必ず確認しておきましょう。
見落とされやすいのが運用にかかる人件費です。配信内容を考え、クーポンを設定し、結果を確認する作業には時間がかかります。月に何時間を割く想定なのかまで含めて計算すると、実際の負担が見えてきます。
関連記事:アプリ開発の費用相場はいくら?内訳・人月の計算方法とコストを抑える方法を解説
補助金の活用も検討する
導入コストを抑える方法として、国や自治体の補助金を活用する選択肢もあります。業務効率化やデジタル化を目的としたITツールの導入は補助の対象になりやすく、アプリプラットフォームの初期費用や利用料が対象となるケースもあります。
ただし補助金には申請期間や条件が細かく設定されており、事業計画書の作成も必要になります。申請から交付決定まで数か月かかることも多いため、導入したい時期から逆算してスケジュールを組むことが大切です。
また、採択されるとは限らない点にも注意が必要です。補助金が下りることを前提にした計画にせず、自己資金でも実行できる範囲で検討しておくと安全に進められます。制度の内容は年度ごとに変わるため、申請前に最新の公募要領を確認してください。
関連記事:アプリ開発にはIT補助金を使おう!利用できる補助金一覧と注意点まとめ
自社アプリを作成する方法
自社アプリを作成する際は、いきなり開発に進むのではなく、目的整理から運用開始までの流れを把握しておくことが重要です。事前に全体像を理解しておくことで、無駄なコストや機能過多を防ぎ、実用性の高いアプリを作成しやすくなります。
ここでは、自社アプリ作成の基本的なステップを3つに分けて解説します。
要件定義・目的整理
まず行うべきなのが、自社アプリを作成する目的の明確化です。「来店頻度を高めたい」「販促コストを削減したい」「業務を効率化したい」など、アプリを導入する理由を具体的に整理します。
この段階で、誰に使ってもらうアプリなのか、どんな課題を解決したいのか、成功の判断基準は何かといった点を明確にしておくことで、後工程での機能選定や費用判断がスムーズになります。
この段階で機能を盛り込みすぎないことも大切です。使われない機能が増えるほど画面は複雑になり、顧客が目的の操作にたどり着けなくなります。最初に載せる機能は3つから4つに絞るくらいがちょうどよく、必要になった段階で追加していく形が現実的です。
現場のスタッフに意見を聞いておくことも有効です。レジ前でどのような手間が発生しているのか、顧客からどんな質問が多いのかといった情報は、優先すべき機能を判断する材料になります。
開発方法の選定
目的が整理できたら、次に自社に合った開発方法を選定します。自社アプリの開発方法には、フルスクラッチ開発、外部委託、アプリプラットフォームの利用など、複数の選択肢があります。
それぞれ費用や開発期間、運用負担が異なるため、予算・社内の運用体制・必要な機能の範囲を踏まえたうえで、現実的に運用できる方法を選ぶことが重要です。
比較する際は、既存システムとの連携可否も確認しておいてください。POSレジや予約システム、ECサイトを使っている場合、それらと会員情報がつながるかどうかで運用の手間が大きく変わります。手作業での入力が発生する形だと、忙しい時間帯に運用が止まってしまいます。
同じ業種での導入実績があるかどうかも判断材料になります。似た課題を扱った経験があるサービスであれば、運用の相談もしやすくなります。
リリース・運用開始
アプリはリリースして終わりではなく、運用を通じて効果を高めていくことが前提となります。リリース後は、利用状況や反応を確認しながら、プッシュ通知やクーポン配信などの施策を継続的に改善していく必要があります。
また、運用が属人化しないよう、誰が更新・配信を行うのか、効果測定はどの指標で行うのかといった体制を事前に決めておくことで、長期的に成果につながる自社アプリ運用が可能になります。
リリース直後は、まずダウンロード数を伸ばす期間と位置づけるとよいでしょう。会員が一定数に届かないうちは配信しても反応が読み取れず、施策の良し悪しを判断できません。
検証を行う際は、一度に複数の要素を変えないことがコツです。配信時間だけを変える、特典内容だけを変えるといった形で条件を絞れば、何が効いたのかを正しく判断できます。
自社アプリに欠かせない代表的な機能
自社アプリには、さまざまな機能が搭載できます。大手企業では独自性の高い機能を搭載することで競合と差別化して、販促に利用している企業も多いです。
ただし今からアプリを作成しようとしている中小企業では、無理に独自性のある機能を提供する必要はありません。アプリで上手く従来の施策をデジタル化するだけでも相応の効果が得られますし、独自性の高い機能についても追加すれば後から利用できるようになります。
最初は最低限必要な機能について理解しておき、優先的に開発するようにすることにしましょう。下記は最低限必要と思われる、どの店舗アプリにも搭載されているような項目の一覧です。
プッシュ通知
プッシュ通知は優先的に活用していきたい機能です。任意のタイミングで情報を発信できるようになることで、さまざまなメリットを得られます。たとえばセグメントを行いターゲットユーザーの年齢・性別・地域・趣味といった項目でグループ分けを行うことで、それぞれのグループに適した情報を個別に提供できるようになります。
こういったパーソナライズ施策を行うことで不適切な情報を発信するリスクがなくなり、常に有用な情報を発信できるようになるのがメリットです。またイベントやポイントについて開催日時・失効期限などをリマインド通知することで機会損失へつなげることもできます。
顧客囲い込みがでる機会を逃さないようにすることで、確実な企業成長へつなげることが可能です。さらに地理情報を活用することで店舗付近のお客様に1日限定クーポンを発信してその場で使ってもらう、といった施策も実行できるようになります。
配信の頻度は追跡対象に含めてください。通知が多すぎると通知の許可を切られたりアプリを削除されたりするリスクが高まります。開封率と併せて通知オフ率やアンインストール率も確認し、顧客が負担に感じない範囲を見極めることが長期的な成果につながります。
文面は短くまとめ、1通につき伝える内容を1つに絞るのが基本です。複数の情報を詰め込むと、通知一覧に表示される冒頭部分で内容が伝わらなくなってしまいます。
関連記事:プッシュ通知のパーソナライズ成功法則!売上を上げる5つの鉄則
会員システム
会員証についても自社アプリを使うことでデジタル化することができます。紙の会員証にしてしまうと更新するたびにコストが掛かってしまいます。
たとえば会員ランクに応じて色を変えたりしてカードをいちいち配布していても、それぞれのカードを用意するのにコストが掛かるので思った以上にコストがかかってしまったというケースもあるでしょう。また会員証を提示し忘れ機会損失が発生してしまうリスクもあります。
デジタル会員証にすることで、上記のような課題を解決することが可能です。更新に関してもアプリ上でデータを最新バージョンにするだけで済みます。また会員ランクについてもデザインをすぐ更新することが可能です。これによって従来のカード発行コストが減少するとともに、手軽に更新することができます。
また会員証がスマホに入っているのでユーザー側も提示しやすく、提示率が向上して機会損失が発生してしまうリスクを低減することも可能です。店舗内でスマホを使ってもらえるように声掛けをすることで提示率は自然と上がっていくでしょう。
会員登録の項目を欲張りすぎないことも大切です。入力項目が多いほど途中離脱が増えるため、最初は氏名と生年月、性別程度に絞ると登録率を保てます。誕生月クーポンを配るために生年月を入力してもらうなど、顧客側に利点がある形で情報提供を促す設計にしてください。
ポイントシステム
会員証といっしょに提供されることが多いのがポイントシステムです。ポイントシステムについては今まで設備を店内で用意して紙やプラスチックカードを配布して更新やステータス確認を行うのが基本でした。ただし従来の方法だと配布代や更新の手間などが問題になってきます。
ポイントシステムとアプリを連携させてデジタルポイントカードを発行できるようになると、さまざまなメリットが得られます。たとえば店内にカードリーダーなどを用意する必要がなくなり、顧客はバーコードを提示したりしてすぐにポイントカードを利用できるようになるでしょう。
また紙やプラスチックカード発行に伴うコストが削減されて、更新についてもアプリですぐできるのですぐポイントの合計や失効期限などが簡単に把握できるようになります。デジタルポイントカードのコスト削減や機会損失減少といったメリットを販促へ活かしてみましょう。
ポイントの付与率を決める際は、原価とのバランスを先に計算しておいてください。還元率が高すぎると利用は増えても利益が残らず、低すぎると貯める動機が生まれません。付与率と使用率の両方を追いかけながら調整することで、適切な水準が見えてきます。
クーポン配信
クーポン配信についてもアプリ経由で行うことで従来の問題を解決することが可能です。従来のチラシ等にクーポンを付けて使ってもらう方式では、クーポンの取り忘れや使い忘れが多発するリスクがありました。
せっかく作ったクーポンをなるべく活用してもらうには、アプリで配信を行って期限内に使ってもらえるような工夫をすると有効です。クーポンをアプリで使えるようになるので提示率も増加します。
またプッシュ通知を組み合わせることでクーポン発行時にすぐ連絡したり、期限間近になった際は残り期限とともに利用を促すメッセージを送ったりすることも可能です。こういったプッシュ通知との連携を意識することで、さらに有効なクーポン施策が打てるようになるのも覚えておきましょう。
有効期限の長さにも配慮してください。期限が長すぎると後回しにされて忘れられ、短すぎると使う前に切れてしまいます。来店周期に合わせて2週間から1か月程度に設定するのが目安です。
値引き一辺倒にしないことも大切です。特定商品の無料提供、サイズアップ、新商品の先行案内といった値引き以外の特典なら利益を守りながら特別感を出せます。
関連記事:デジタルクーポンとは?種類・紙との違い・アプリで配信するメリットや活用のコツを解説
自社ニュースの発信
自社ニュースについては、新規店舗の開店、オフラインイベントの開催、新商品の発売、限定キャンペーンの開催といったさまざまな種類があります。
ニュースの発信については上手く情報をまとめて管理し・発信する体制を構築することが重要です。アプリによってそれが簡単に達成され、情報の伝達忘れといったニュース発信での問題を解決することが可能となっています。
また詳細については公式サイトでといった誘導を行うことで、他メディアへのアクセス数を増加させたりといったことも可能です。プッシュ通知を活用することでリアルタイム・確実にニュース情報を届けられる点も覚えておきたいところです。
スタンプカード
来店回数そのものを目的にできるのがスタンプカードです。1回の来店で1つスタンプが押され、規定数に達すると特典が受け取れる仕組みは分かりやすく、あと何回で特典に届くのかが目に見えることで来店の動機づけになります。
アプリ上で管理すれば、押し忘れや紛失といった紙特有の課題がなくなります。台紙を印刷する費用も不要になり、スタッフがスタンプを探す手間も省けるため、レジ周りの負担が軽くなる点も見逃せません。
複数店舗を運営している場合は、店舗を巡ってスタンプを集める企画も実施できます。普段は行かない店舗へ足を運ぶきっかけになり、来店機会そのものを増やせます。特典の内容を季節ごとに変えれば、同じ仕組みでも飽きられにくくなります。
アンケート・分析機能
顧客の声を集める仕組みも用意しておきたい機能のひとつです。来店後や購入後のタイミングでアンケートを配信すれば、満足度や改善点を継続的に把握できます。
回答してくれた方にクーポンを付与する設計にすれば回収率が上がり、同時に次の来店きっかけも作れます。集まった意見を実際の商品構成や接客に反映し、その結果を伝えることで、意見が届く企業という印象が定着します。
分析画面では、単月の数字だけで判断しないことがポイントです。前月比や前年同月比と並べて確認すれば、季節要因なのか施策の効果なのかを切り分けられます。CSV形式で出力できるサービスであれば、既存の分析ツールと組み合わせた運用もしやすくなります。
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企業がアプリ導入を成功させるコツ
小さく始めて改善を重ねる
アプリ導入で失敗しやすいのは、最初から完璧な形を目指してしまうケースです。機能を盛り込むほど開発費も運用負担も増え、リリースまでの期間も延びていきます。
現実的なのは、会員証とクーポン配信という最小限の構成から始めることです。この2つだけでも、顧客との接点を持ち、来店を促す仕組みは成立します。運用に慣れてきた段階でスタンプやセグメント配信を追加していけば、無理なく広げられます。
自動配信の設定も同様です。誕生月の配信と、一定期間来店がない顧客への配信という2つから始めれば、少ない手間で効果を確認できます。反応を見ながらパターンを増やしていくほうが、結果的に精度の高い運用に落ち着きます。
社内の運用体制を先に決めておく
アプリは日々の運用で成果が積み上がる仕組みです。そのため、誰が何を担当するのかを導入前に決めておくことが欠かせません。配信内容を考える人、実際に設定する人、結果を確認する人が曖昧なままだと、運用は自然に止まります。
複数店舗を運営している場合は、本部と店舗の役割分担も整理しておきましょう。配信は本部が担い、店舗はダウンロードの案内と会員証の提示を促すという形にすれば、現場の負担を抑えられます。
あわせて、集めたデータをどう活用したのかを店舗へ共有する習慣をつくってください。「先月の配信で来店が何件増えた」といった結果が伝わると、現場の協力度が上がり、声かけの質そのものが改善されていきます。
成果が出るまでには一定の期間が必要です。ダウンロード数が積み上がるまでは反応が読み取りにくいため、少なくとも半年程度は継続する前提で計画を立てておくと、途中で判断を誤らずに済みます。
関連記事:美容サロンこそ自社アプリを活用すべき!お客様との距離を縮める方法
自社アプリを作成するなら「店舗アプリ」
自社アプリを作成する場合は、弊社が提供するアプリプラットフォーム「店舗アプリDX版 raiten」がおすすめです。プッシュ通知やクーポン配布といった基本的な機能をすべて搭載したアプリを短期間で開発可能です。
コストについても初期・運用費ともに低額なので安心して作成できます。また運用方法のサポートなども行っているので初心者でも確実にアプリを運用できるでしょう。気になる方はぜひ弊社へご連絡くださいませ。
販促に使う機能と、来店状況を確認する分析画面が同じ管理画面にまとまっているため、データを見てから施策を実行するまでが1つの画面で完結します。専門知識がなくても操作でき、複数店舗を運営している場合でも店舗ごとの状況を比較しながら運用を進められます。
関連記事:入れた方がいいお店アプリは?店舗アプリの成功事例と人気機能ランキングを解説
自社アプリ作成による成功事例
自社アプリは、目的に沿って設計・運用することで、集客や業務効率化などさまざまな成果につなげることができます。ここでは、自社アプリ導入によって実際に効果を上げている企業・店舗の代表的な事例を紹介します。
エコール・クリオロ株式会社 様の導入事例
エコール・クリオロ株式会社 様では、再来店率の低迷や販促コストの増加、顧客情報を十分に活用できていない点が課題となっていました。紙のクーポンや会員証を中心とした従来の販促施策では、効果測定が難しく、継続的な来店促進につなげにくい状況が続いていたといいます。
そこで「店舗アプリ」を導入し、クーポンや会員証をデジタル化。来店時にスマートフォンで簡単に利用できる仕組みを整えることで、顧客の利便性を高めると同時に、再来店を自然に促す導線を構築しました。
その結果、クーポン活用による再来店率の向上に加え、紙媒体の削減による販促コスト削減を実現。さらに、アプリ上で取得できる顧客データを活用することで、これまで十分に行えていなかったマーケティング施策の改善にもつながっています。
この事例で参考になるのは、新しい施策を増やしたのではなく、すでに行っていた販促をデジタルに置き換えたという点です。紙で配っていたクーポンと会員証をアプリに移しただけでも、効果測定ができるようになり、コストも下がっています。
自社で何から着手すべきか迷う場合も、現在行っている販促のうちコストがかかっているものや効果が測れていないものから置き換えていくと、無理なく成果につなげやすくなります。
まとめ
今回は自社アプリの作成意義や代表的な機能、費用相場といった作成の際必要な情報をまとめてご紹介しました。アプリ作成によってオペレーションの最適化やコスト削減などを達成できます。
開発方法としては低額でスピーディーな開発・運用のできるアプリプラットフォームがおすすめです。費用対効果や目標設定、運用方法などを事前に検討することでアプリ作成の成功確率が上がります。
ぜひ自社にあったサービスを見つけて、自社アプリを作成してみてください。
アプリ導入の成否を分けるのは、開発の規模ではなく運用を続けられるかどうかです。まずは自社の販促でコストがかかっている部分と、データが残っていない部分を洗い出してみてください。そこが自社アプリで置き換えられる領域であり、最初に着手すべき場所になります。
参考:経済産業省「DXレポート ~ITシステム『2025年の崖』の克服とDXの本格的な展開~」
この記事を監修した人
店舗アプリ公式。累計1,000社以上の導入実績を誇る店舗アプリ構築プラットフォーム。 単なる集客に留まらず、リピーター創出による売上最大化を得意としている。
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