アプリ開発の費用相場はいくら?内訳・人月の計算方法とコストを抑える方法を解説

業種全般
公開日:2022.09.05 更新日:2026.08.21
自社アプリの開発費用はいくらかかる?費用相場とコストを抑える開発方法を解説

自社アプリを開発する際、コストの把握と管理は避けて通れません。開発スキルがない場合は外注するケースも多く、さまざまな種類の費用が発生するため、事前に相場や内訳を理解しておくことが重要です。

本記事では、アプリ開発にかかる費用の内訳と相場、人月による計算方法、運用開始後にかかる保守費用、そしてコストを抑えるための方法まで解説します。

アプリ開発の費用は、同じような機能でも依頼先や開発方式によって10倍以上の差が生じることがあります。相場が幅広く見えるのは、この前提が整理されていないためです。

そこで本記事では、金額の内訳に加えて、フルスクラッチ・ノーコード・ハイブリッドといった開発方式ごとの費用感や、見積もりを比較する際の確認項目、補助金を使って負担を減らす方法もあわせて解説します。

自社にとって必要な水準を見極められれば、過剰な投資も、安さだけで選んで失敗するリスクも避けられます。

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    開発方式で費用は大きく変わる

    費用の話に入る前に、どの方式で作るかによって金額の桁が変わるという点を押さえておきましょう。同じ「会員証とクーポンが使えるアプリ」でも、方式次第で数十万円にも数千万円にもなります。

    開発方式

    初期費用の目安

    特徴

    フルスクラッチ開発

    300万〜2,000万円以上

    ゼロから設計。自由度は最も高いが期間と費用がかかる

    ハイブリッド開発

    100万〜500万円程度

    共通の枠組みを使い一部を独自開発。中間的な選択肢

    ノーコード・SaaS型

    初期0〜30万円+月額1万〜10万円程度

    用意された機能を組み合わせる。短期間・低コストで開始できる

     

    フルスクラッチ開発が向いているケース

    独自の予約ロジックや基幹システムとの複雑な連携など、既存のサービスでは実現できない要件がある場合に選ぶ方式です。設計から作り込むため、要件を細部まで反映できます。

    一方で、要件定義から公開までに半年から1年以上かかることも珍しくありません。リリース後の改修にも都度費用が発生するため、中長期で投資を続けられる体制が前提になります。

    ノーコード・SaaS型が向いているケース

    会員証、スタンプ、クーポン、プッシュ通知といった店舗で使う機能が一通り揃っていれば足りる場合は、この方式が現実的です。月額制で利用でき、OSのアップデート対応も含まれることが多いのが利点です。

    制約としては、用意された機能の範囲を大きく超えるカスタマイズが難しい点が挙げられます。ただし多くの店舗ではこの範囲で運用が成り立つため、まず小さく始めて効果を確かめるという進め方に適しています。

    関連記事:ローコードとノーコードの違いとは?メリットや選び方を徹底比較

    アプリ開発費用の内訳

    人件費・開発期間・固定費・オプション費で構成される

    アプリ開発の費用は、主に「人件費」「開発期間」「固定費」「オプション費」の4つで構成されます。

    このうち全体の7〜8割を占めるのが人件費です。つまり費用を抑えるということは、実質的に「関わる人数と期間をどう減らすか」という話に置き換えられます。

    人件費

    人件費は、ディレクター、戦略立案者、エンジニア、UI/UXデザイナーなど複数の担当者に支払う費用です。アプリ開発の各工程(要件定義、設計、プログラミング、検証、リリース)にそれぞれの担当者が関与するため、担当者のスキルが高く人数が多いほど費用は増加します。ただし安ければよいというものではなく、少ないリソースで大規模なアプリを開発しようとすると頓挫するリスクがあるため、開発したいアプリの種類や規模に対して適切な体制を持つ業者に依頼することが重要です。

    見積書を見る際は、どの職種が何人月ずつ計上されているかを確認しましょう。総額だけでは高いか安いか判断できませんが、内訳が見えれば他社と比較できるようになります。

    開発期間(人月)

    開発期間は費用に直結する要素で、アプリ開発費用は「担当者の作業単価×開発期間」で算出される「人月」という単位で計算されます。シンプルなユーティリティアプリであればそこまで開発期間はかかりませんが、複雑な決済システムを持つECアプリや3D・VR技術を多用したゲームアプリでは1〜2年かかることもあり、開発期間が長ければその分人件費も膨らみます。あらかじめどのくらい開発期間が必要なのかを業者側へ確認しておきましょう。

    人月とは、1人が1か月稼働した場合の作業量を表す単位です。「3人月」であれば、1人で3か月、または3人で1か月かかる規模を意味します。

    注意したいのは、人数を増やせば期間が比例して短くなるわけではない点です。関わる人が増えるほど確認や調整の手間も増えるため、急いで人を増やすと単価だけが上がるという結果になりかねません。

    固定費とオプション費

    固定費としてはドメイン、サーバー、検証用端末の確保、App StoreやGoogle Playへの登録費用などがあり、アプリを内製する場合でも発生します。固定費はプランとして費用が提示されているケースが多く、人件費と比べて大まかな計算がしやすいのが特徴です。なおPWA開発などアプリストアを通さないアプリの場合はストア登録費用は不要です。

    オプション費はSNS連携やデータ管理など、追加機能に応じた費用です。使いたい機能がオプションとして設定されている場合は必要な分を追加で計算する必要があります。機能によっては開発期間が長くなるリスクもあるため、欲しい機能がある場合は早めに依頼しておくのが望ましいです。

    オプションは積み上げるほど費用が膨らむため、「あると便利」ではなく「なければ目的を達成できない」ものだけに絞るのが基本です。後から追加できる機能かどうかも、契約前に確認しておきましょう。

    人月で費用を計算する方法とジャンル別の相場

    人件費の具体例として、システムエンジニアの月額相場は初級が「60万〜100万円」、中級が「80万〜120万円」、上級が「100万〜160万円」程度です。たとえば初級3人(1人60万円)、中級3人(1人80万円)、上級2人(1人100万円)が必要な場合、1か月あたり「60万円×3+80万円×3+100万円×2=620万円」となり、開発期間3か月なら「620万円×3=1,860万円」がシステムエンジニアの稼働費用となります。もちろん実際の費用はディレクターなど他の担当者への費用や、業者が提示する人件費単価によっても変わるため、あくまで一つの計算方法の参考としてください。

    アプリのジャンル別の費用相場としては、EC系が「100万〜300万円」、カタログ・フリーペーパー系が「50万〜100万円」、ゲーム系が「300万〜1,500万円」、チャットボット系が「50万〜100万円」、位置情報系が「500万〜1,000万円」が目安です。高度で複雑な技術が必要なジャンルほど費用は膨らみやすく、たとえばゲーム系では多数のユーザー接続に対応できるサーバー設備の用意、キャラクターやグラフィックの開発、処理速度・精度の向上などに多額の費用がかかります。大手企業では億単位の開発費を投じるケースもありますが、成功しているゲームアプリはそう多くないのが実情です。

    固定費やオプション費の例としては、App Store登録費用が「年額11,800円」、SNS連携の追加が「約5万円」、サーバー費用が1万ユーザー規模で「月額5万円前後」、100万ユーザー規模で「月額50万円程度」が目安です。また検証用端末として5年以上前から発売されているスマートフォンを中古でも確保しておく必要があり、保守費用としてシステムアップデートやバグ対応に「初期開発費の10〜20%」程度を見込んでおくことが推奨されます。

    なお、店舗の集客に使うアプリであれば、ここまでの規模は必要ないケースがほとんどです。会員証・スタンプ・クーポン・プッシュ通知の4機能に絞れば、SaaS型を使って月数万円の範囲で運用している店舗も多くあります。

    どの機能に費用をかけるべきかを判断するには、他社がどの機能を主軸に据えているかを見ておくと参考になります。

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    見積もりを取るときに確認すべきこと

    同じ要望を伝えても、会社によって提示される金額はかなり異なります。比較できる形で見積もりを集めることが、適正価格を見極める前提になります。

    見積もりの前提条件をそろえる

    複数社に依頼する際は、同じ要件定義の資料を渡すことが欠かせません。伝える内容が会社ごとに違えば、金額の差が条件の差なのか実力の差なのか判断できなくなります。

    最低限、実現したい機能の一覧、想定する会員数、公開したい時期、対応してほしいOSの範囲は共通で伝えましょう。この4点が揃うだけでも、見積もりの精度は大きく上がります。

    含まれていない費用を洗い出す

    提示額に何が含まれているかは会社によって異なります。要件定義の工数、デザイン制作、ストア申請の代行、公開後の保守、サーバー費用が入っているかを個別に確認しましょう。

    特に見落とされやすいのが公開後の費用です。初期費用が安く見えても、保守や改修が別料金であれば、数年単位では割高になることもあります。

    あわせて、仕様変更が発生した場合の追加費用の算出方法も聞いておくと、後々の認識のずれを防げます。

    実績と体制を確認する

    金額だけで選ぶと、公開後に相談できる相手がいないという状況に陥りがちです。同じ業種での開発実績があるか、公開後の窓口が用意されているかを確認しておきましょう。

    管理画面の使いやすさも重要な判断材料です。配信作業を自社で行う前提であれば、契約前にデモ画面を触らせてもらうことをおすすめします。

    関連記事:店舗アプリの成功事例を紹介|業種別のモバイルマーケティング術

    アプリの運用開始後にかかる費用

    運用・保守費は開発費の10〜20%が目安

    アプリは開発して終わりではなく、運用開始後にも継続的に費用が発生します。自社でアプリ運用のノウハウがない場合は開発した業者に運用・保守を依頼することになりますが、新機能の追加、バグ対応、ユーザー意見のフィードバック、OSアップデートへの対応など、いずれもノウハウがないと対応が難しい作業です。

    運用・保守費の相場は「開発費の10〜20%」程度が目安で、初期開発費が高いほど比例して増えます。たとえば初期開発費が1,000万円のアプリであれば、年間「100万〜200万円」程度の運用・保守費が見込まれます。アプリが成長してユーザー数が増え、インフラの強化が求められると保守費もその都度増加するため、開発時の見積もりに運用・保守費が含まれているか必ず確認しておきましょう。気になる方は1年単位でどのくらい費用が発生するのか、あらかじめ聞いておくと安心です。

    忘れられがちなのが、保守費とは別に必要になる運用の人件費です。クーポンの企画や通知の配信、内容の更新は誰かが担当しなければならず、その時間もコストにあたります。

    配信を止めてしまうとアプリは開かれなくなり、保守費だけを払い続ける状態になります。導入前に担当者と配信頻度を決めておきましょう。

    関連記事:アプリのプッシュ通知マーケティング|効果を高める活用術とメリットを解説

    サーバーやアプリストア登録など固定費も継続的に発生する

    運用・保守費ほどではありませんが、サーバーやネットワークの運用にも継続してコストがかかります。たとえばApp Storeに登録した上で月額1,000円のサーバーを借りている場合、年間で「11,800円+1,000円×12か月=23,800円」が発生します。複数のサーバーやアカウントを利用していれば費用はさらに増加します。

    最近ではサーバーの負荷増加に対応するため、AWSなどのクラウドサービスを利用して必要な分だけ従量課金でリソースを割り当てる方法も増えています。余計なコストを抑えるためにも、自社アプリの規模に合ったサーバー運用方法を検討しましょう。

    SaaS型のプラットフォームを利用する場合、これらの固定費が月額料金に含まれていることが多い点も比較材料になります。自社で個別に契約する手間と管理の負担を省ける分、実質的なコストは下がります。

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    アプリ開発のコストを抑える方法

    要件定義を明確にして無駄な開発を防ぐ

    アプリ開発コストを抑えるためには、最初の要件定義が最も重要です。なぜ制作するのか、現状の課題と解決後のイメージ、必要な機能・デザインなどを要件定義に落とし込むことで、業者への共有もスムーズになり、開発費用だけでなく開発期間の削減にもつながります。

    要件定義が曖昧だとアプリの内容を開発会社に正確に伝えられず、想定外の工数が発生して費用が膨らむ原因になります。概要だけでも事前に作成し、細かい部分は業者と相談して決められる体制を整えておきましょう。

    機能を書き出す際は、「必須」「あると望ましい」「今回は見送る」の3段階に分けると判断が速くなります。予算が合わないときにどこを削るかを、あらかじめ決めておけるためです。

    外注範囲を絞りWebアプリやレベニューシェアも検討する

    アプリデザインなど自社で対応できる工程があれば、制作ソフトウェアの力を借りながら外注する範囲を絞ることで費用削減が可能です。デザイン費を削るだけでもかなりの費用削減になりますが、中途半端に工程を分割すると不具合の原因になるため、どの工程を自社で担当するかは事前に共有しておく必要があります。

    分担する場合は、素材の提供期限を明確にしておくことが大切です。自社側の作業が遅れると開発が止まり、待機期間の分だけ費用が増えることもあります。

    Webアプリ(PWA)で開発費用を抑える

    Webサイトを進化させた「Webアプリ(PWA)」であればネイティブアプリよりも開発費用を抑えられ、アプリストアへの登録も不要です。PWAは現在プッシュ通知機能にも対応しており、AppleもiOSでのPWAプッシュ通知を解禁するなど対応が進んでいます。ただし現時点ではネイティブアプリが有利な点も多いため、無理にWebアプリだけに絞り込むのは避けたほうがよいでしょう。

    判断の分かれ目は、ホーム画面に置いて日常的に開いてもらう必要があるかという点です。思い出してもらうことが目的ならネイティブアプリ、特定の場面だけ使えれば十分ならPWAが向いています。

    レベニューシェアで初期費用の負担を軽減する

    開発費用を業者と分担する「レベニューシェア」方式を採用すれば、初期費用の負担を軽減できます。レベニューシェアとはクライアントと開発業者がアプリで得られる将来的な利益を共有する方式で、初期開発費を分散できるためアプリ開発のハードルが下がるのがメリットです。

    ただしレベニューシェアには業者との長期的な関係構築が求められること、事前に利益分配の割合やルールを策定する必要があること、将来的な利益が100%自社に回らなくなることなどのデメリットがあります。細かい契約が必要になるためレベニューシェアの経験がある業者に依頼するのが望ましいですが、リスクや面倒さを理由に依頼を受けてくれない業者もいるため注意が必要です。

    契約時は、何をもって「利益」とするかの定義と、契約を終了する条件を必ず文書化しておきましょう。ここが曖昧なまま進めると、後の交渉が難しくなります。

    アプリ開発プラットフォームを活用する

    最近ではアプリストアやPWAに対応したアプリの開発ができるプラットフォームが続々登場しており、知識・スキルが不足していてもサポートを受けながら内製が可能です。内製することで自由度が高くなり、いろいろな機能を試しやすくなるほか、外注時に発生する交渉の面倒さもありません。

    アプリ開発プラットフォームの利用には月額費用が発生しますが、フルスクラッチ開発や外部委託と比較して大幅にコストを抑えられます。個人事業主(フリーランス)への開発依頼もコスト削減の選択肢として考えられますが、信頼性や複数人数での稼働が難しいといった課題があり、大規模なアプリ開発には向いていません。自社アプリの規模や予算に合わせて、プラットフォーム同士の機能やプラン、サポート体制を比較した上で最適なサービスを選定しましょう。

    比較する際は月額料金だけでなく、店舗数が増えた場合の追加費用、配信数の上限、初期設定の支援範囲まで含めて確認しておきましょう。同じ月額でも、含まれる範囲は各社で異なります。

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    補助金・助成金の活用を検討する

    中小企業や小規模事業者であれば、国の補助制度を使って自己負担を減らせる場合があります。代表的なのが、ITツールの導入を支援する「IT導入補助金」(令和7年度補正予算では「デジタル化・AI導入補助金」として実施)です。

    この制度では、事務局に登録されたITツールが補助の対象となり、SaaS型のアプリプラットフォームの利用料が該当するケースもあります。補助率や上限額は年度や申請枠によって変わるため、申請前に最新の公募要領を確認しましょう。

    参考:中小企業庁「デジタル化・AI導入補助金」

    注意点として、補助金は原則として後払いです。いったん自社で費用を支払う必要があるため、資金繰りの計画は別途立てておく必要があります。また、登録された支援事業者を通じた申請が求められる制度もあるため、依頼先が対応しているかを早めに確認しておきましょう。

    関連記事:アプリ開発にはIT補助金を使おう!利用できる補助金一覧と注意点まとめ

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    まとめ

    本記事では、アプリ開発にかかる費用の内訳と相場、人月による計算方法、運用後の保守費用、コストを抑える方法を解説しました。アプリ開発にはさまざまな種類のコストが発生するため、相場を理解した上で相見積もりを取り、要件定義をしっかり行うことが費用削減の鍵です。

    改めて整理すると、費用を判断する際に見るべきなのは総額ではなく、開発方式・機能の範囲・公開後にかかり続ける費用の3点です。この3つを揃えて比較すれば、各社の見積もりを同じ土俵で評価できます。

    そして忘れてはならないのが、アプリは費用をかけた分だけ成果が出るものではないという点です。会員をどう集め、集めた会員に何を届け続けるかという運用のほうが、成果を大きく左右します。

    まずは必要最小限の機能で始め、効果を確かめながら投資を広げていく進め方であれば、無理のない範囲で導入できます。

    関連記事:店舗アプリがリピーターを増やす理由!効果的なクーポンの使い方

    アプリ開発プラットフォームを活用すれば、低コストで自社アプリを導入して事業成長につなげることが可能です。

    弊社では店舗アプリDX版「raiten」を提供しており、中小店舗での導入実績が豊富です。最短20日でアプリの作成・運用も可能ですので、アプリ開発の費用にお悩みの方はぜひお問い合わせください。

    参考記事:自社アプリの開発費用はいくらかかる?費用相場とコストを抑える開発方法を解説|Pentagon

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