会員ランク制度で優良顧客を囲い込み!リピート率を高める運用術
業種全般
店舗マーケティングにおいて、リピーターの確保および増加は重要な意味を持ちます。潜在的な顧客が減少している今の市場において、継続的に自店舗の商品・サービスを購入して利用してくれる顧客の数や購入額が店舗成長のカギを握るからです。
リピーターを作る施策はいくつかありますが、代表的なのが会員ランク制度です。会員ステータスを設定してランクアップを促すことで、店舗への来店回数や購入額が増加したりとさまざまな効果を得られます。今回はそんな会員ランク制度のメリットや注意点などをご紹介していきます。
あわせて、優良顧客を数字で見つける方法、実際の企業5社の会員ランク事例、制度の設計手順と効果の測り方も取り上げます。
会員ランク制度は設計を誤ると誰も上を目指さない仕組みになります。段階数や判定期間の決め方まで具体的に整理しているので、これから導入する方も見直したい方も参考にしてみてください。
売上アップにはリピーターが重要!
売上アップにリピーターが重要なのは、次のような理由があるからです。
人口減少やコモディティの問題
売上アップにはリピーターが重要な理由の1つに、市場の縮小があります。そもそも人口自体が減少している現代では、後ほど顧客になってくれるような人が潜在的に少ないという問題があるのです。そこで1人でも多くの方にリピーターになってもらうことで、売上額を確保したりといった目標を達成したいという店舗が多くなりました。
加えて似たような商品・サービスが増加した現代では、わざわざこの店舗に行きたい・この商品をブランドで選んで購入したいといったある程度のきっかけがないと顧客が定着しないというコモディティの問題もあります。コモディティの問題をなくして売上アップなどを目指すためには、リピーター施策を行い選んでもらえる店舗になる必要性があります。
人口減少は、公的な統計でも確認できます。総務省統計局の人口推計によると、2025年12月時点の総人口は1億2,316万人で、前年同月から59万人(0.47%)減少しています。
毎年数十万人規模で市場の母数が縮んでいる状況です。新規顧客の獲得だけで売上を維持しようとすれば、獲得コストは上がり続けます。
だからこそ、一度つながった顧客との関係をどう続けるかが問われます。会員ランク制度は、その関係を仕組みとして設計する手段のひとつです。
パレートの法則といった典型例がある
リピーターが店舗売上にとって重要というのは、マーケティングに関係する法則でも紹介されています。さまざまなメディア等で取り上げられている有名な「パレートの法則」では、「2割が8割を作り出す」という概念がポイントになっています。
店舗マーケティングにこれをあてはめて「2割のリピーターが8割の売上を作り出す」というのを説明する事例がありますが、多くの店舗で実際に2割前後の熱心なリピーター客が店舗売上の8割前後を担っているケースが発生しているのがポイントです。このように店舗売上のほとんどを担っていることが多いリピーターを増加させることで、店舗の売上を減らさずに増加・成長させられるでしょう。
この法則は目安であり、業種によって比率は変わります。ただし売上が一部の顧客に偏っているという構造は多くの店舗で共通しています。
重要なのは、自店の実際の比率を把握しておくことです。会員の購入額を上位から並べ、上位20%が全体の何割を占めているかを計算してみてください。この数字が、会員ランク制度で守るべき層の大きさを示します。
社会情勢が変化しても店舗成長を促進できる
社会情勢が変化して店舗が影響を受けた事例として、新型コロナウイルスがあります。コロナ禍で店舗売上が低下して打撃を受ける店舗が多い中、オンラインストアを充実させたり、オムニチャネルを実現してリピーターの利便性を確保したりとさまざまな施策が行われました。
こういったようにリピーターを意識してデジタル化などを促進・コロナ禍が去った現在でもそのノウハウを活かしてリピーターを維持・増加させている店舗事例が存在するのがポイントです。
売上増加を達成するためにはデジタル化も意識して、リピーターをどこで確保するのかまで考える必要があります。店舗と顧客のタッチポイントはオンラインといった店舗外にまで広がっており、オンラインストアの顧客が実店舗に来店したり、実店舗へ来店した顧客がオンラインストアを閲覧したりといった動きも当たり前になりました。こうした顧客の購買行動の順番等を意識しながらリピーターを増加させられるようにすると、店舗マーケティングの成功確率が上がるでしょう。
複数のチャネルを持つ場合に重要なのが、ランクの判定を店舗とオンラインで合算することです。別々に管理していると、どちらのチャネルでも中途半端なランクにとどまり、顧客が使い分けにくくなります。
会員IDを共通化し、どこで買っても同じランクに反映される設計にしておけば、顧客はチャネルを気にせず利用でき、店舗側も全体像を把握できます。
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優良顧客を見つける方法
会員ランク制度を設計する前に、誰を優良顧客とするかを決めておく必要があります。ここが曖昧なままだと、ランクの基準も特典も決まりません。
優良顧客の定義を数字で決める
優良顧客は、感覚ではなく数字で定義します。使いやすい基準は次の3つです。
1つ目が、累計購入額です。もっとも分かりやすく、多くの企業が採用しています。2つ目が、来店(購入)頻度です。単価が低い業態では、金額より回数のほうが実態を表します。
3つ目が、継続期間です。長く使い続けている人を評価する考え方で、サブスクリプション型のサービスと相性がよくなります。
自店に合う基準を選ぶ際は、その数字が高い顧客が本当に利益に貢献しているかを確認してください。割引でしか買わない顧客は購入額が高くても利益率が低い、というケースがあります。
RFM分析で顧客を分類する
優良顧客の抽出でよく使われるのがRFM分析です。3つの指標の頭文字を取ったもので、それぞれ次を指します。
R(Recency)は最終購入日です。直近に買っている人ほど評価が高くなります。F(Frequency)は購入頻度で、期間内に何回買ったかを見ます。M(Monetary)は購入金額です。
この3つを組み合わせると、「金額は高いが最近来ていない」「頻度は高いが単価が低い」といった顧客の状態が見えてきます。
最初から細かく分ける必要はありません。RとFの2軸で3〜4グループに分けるだけでも、優良層と離脱しかけている層は区別できます。
上位2割を特定してから設計する
分析ができたら、購入額の上位20%にあたる顧客を実際に抽出してみてください。その人たちの来店頻度、購入単価、よく買う商品に共通点があるはずです。
会員ランク制度は、この層を守りながらその一歩手前の層を引き上げるために設計します。上位層の実態が分かっていれば、ランクの基準も現実的な数値に設定できます。
逆に、この作業を飛ばして他社の基準をそのまま真似ると、誰も到達できない、あるいは全員が最上位になるといった失敗が起きます。
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会員ランク制度とは?
会員ランク制度とは、「各ステータスごとに顧客を割り振って、ランクアップが目指せるようにさまざまな仕掛けを行う施策」です。ステータス内容でよく見るのが金属にたとえたランクステータスを設ける事例であり、これは次のように上に行くほど高いランクになるように設定してリピーターを創出します。
- プラチナ
- ゴールド
- シルバー
- ブロンズ
もちろんこれは一例であり、店舗ブランドによってはそのお店の商品・サービスになぞらえたランクステータスが用意されているなどユニークな事例もあります。会員ランク制度が店舗のリピーター増加に効果があるのは、すでに多くの店舗で導入がされており会員特典を用意していることからも容易に想像が付くでしょう。会員ステータスがリピーターの増加につながる主な要因については、次の章で解説していきます。
ロイヤルティプログラムの主な4タイプ
会員ランク制度は、リピーター施策の総称であるロイヤルティプログラムの一形態にあたります。他のタイプとの違いを押さえておくと、組み合わせ方も見えてきます。
1つ目がポイント型です。購入額や来店に応じてポイントを付与し、特典と交換できる仕組みです。もっとも普及しており、還元率が分かりやすい点が特徴になります。
2つ目がランク型です。累計の実績に応じてステータスを設定し、上位ほど優遇します。金銭的な還元だけでなく、特別感で動機づけできるのが利点です。
3つ目がコミュニティ型です。会員限定のイベントや交流の場を用意し、ブランドへの帰属意識を高めます。4つ目が体験提供型です。先行販売や限定商品の案内など、購入機会そのものを特典にします。
実務では、ポイント型とランク型を組み合わせる構成が主流です。ポイントで日々の来店を促し、ランクで長期的な関係をつくるという役割分担になります。
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会員ランク制度がリピート強化に繋がる理由
会員ランク制度は、人のモチベーションに働きかけることでリピート率強化などを達成できるのがメリットです。
ランクアップのための再来店が狙える
会員ステータスは単にランクアップが行われるだけでなく、上げることでポイント倍率が上がったり限定のサービスが受けられるようになったりとさまざまな特典を受けられます。当然最上位のランクでは最高ランクの特典が用意されていることがほとんどです。このような状況で顧客は「ランクを上げたいからまた来店しよう」というきっかけが発生します。
さまざまな場所で同じような商品・サービスを購入できるようになった現代では、こういった再来店を行うためのきっかけを作ることがとても重要です。ランクアップに必要なアクションを簡単すぎず・難し過ぎないちょうどよい難易度に設定することで、ランクアップに対して高いモチベーションが発生して再来店率が増加していくでしょう。
ここで効いているのが、目標が近づくほど行動が加速するという心理です。「あと1回でランクアップ」という状態をつくれれば、達成に向けて動いてもらいやすくなります。
そのため、進捗を見える形にしておくことが欠かせません。アプリの画面に「次のランクまであと◯回」と表示するだけで、来店の動機づけになります。
競合他社との差別化ができる
ランクアップ制度は競合他社との差別化ができる点でもメリットがあります。たとえば自店舗と競合他社B店が存在し、顧客はどちらにも寄ったことがある設定を想定してみてください。B店にはそもそも会員制度が存在せず、自店舗には5段階のランクアップ制度が用意されている状況で顧客はすでに上から3番目のランクに行っているとします。
3番目のランクではポイント倍率が3倍になり、また限定で商品クーポンが定期的に配信されている状況では、そういった特典が特になくモチベーションを刺激しないB店よりも顧客が選びたいというきっかけができています。また同じようにランクアップ制度がB店に用意されているとしても、自店舗の特典内容が豪華でターゲットに合っていれば、顧客はやはりこちらのお店を選ぶでしょう。このように競合他社との差別点を作るきっかけとしてランクアップ制度を活用することを検討してみてください。
差別化として働くもう1つの要素が、積み上げたものを手放したくないという心理です。上位ランクに到達している顧客は、他店に移ればその地位を失うことになります。
この効果は、ランクの維持条件がある制度ほど強く働きます。ただし条件が厳しすぎると諦められるため、後述する難易度の調整が重要になります。
会員ランクに合わせて効果的に販促を行える
会員ランクの状況は分析工程においても重要な意味を持ちます。たとえば性別、年齢、地域、会員ランクといった項目でデータが収集され、いつでも分析できる状況を想定してみてください。この4項目だけでも、次のようなセグメント分けが可能です。
- 20代男性で、ステータスが5段階中上から2番目の熱心な顧客
- ステータスは一番下だが、ランクアップ見込みが高い30代女性
- しばらく来店していないがランクが高く、掘り起こし価値のある40代男性
こういった状況に応じた細かいセグメントを行うことで、顧客によってどのようなメッセージを送信すればよいか、といったアプローチを考えやすくなるのがポイントです。このように正確性の高いパーソナライズな施策を実現するためにも、ランクアップ制度の準備やステータス状況のデータ収集は重要になってきます。
配信で効果が出やすいのが、ランクアップまであと少しの層への案内です。「あと◯円のお買い物で次のランクへ」といった通知は、対象が明確なぶん反応率が高くなります。
逆に、ランクが下がりそうな層への通知も有効です。維持条件を設けている場合、期限が近づいた時点で知らせることで離脱を防げます。
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会員ランク制度にはこんなメリットも
他にも会員ランク制度にはこんなメリットがあります。
顧客単価のアップ
会員ランク制度を上げるために、「購入額が一定以上になる」というアクションを設定しているところが多いです。たとえば1か月に1万円以上お買い物をすると、ランクがブロンズからシルバーに格上げになるといった感じです。また3か月といったように一定期間経過後にいったんランクをリセットする事例もあり、定期的に購入を行いランクを維持しようという顧客を刺激するのにもランク制度は利用されています。
こういったように購買へ直接つながるようなアクション設定を行いランクアップが目指せるようにすることで、顧客単価が上げられるのがポイントです。また購入額増加に直接つながらなくても、「週に1回以上来店する」といったアクションを設けて客引きを行うことで、広い範囲で顧客を来店へ誘導してランクアップが目指せるような状況を作り出すことが可能です。
単価を上げる設計で効果的なのが、ランクの境界を意識させる金額設定です。「あと500円で次のランク」という状態をつくると、もう1品追加してもらいやすくなります。
売上の安定化
ランク制度が用意されていると、「今月はこの店舗でこれくらい買い物をしたい」、「週に1回くらいは来店してランクを上げておきたい」といった顧客が増加します。こういった顧客の増加によってリピーターがどんどん増えていき、最終的には一定数の売上が確保できるようになるのもポイントです。
新規顧客の囲い込みや集客だけに集中していると、コストばかりが増加してしまい離脱率も高いので定着へつながりません。それよりもリピーターの確保に集中して売上を確保するように工夫することで、売上が維持しやすくなりコスト削減なども実現可能です。
安定という観点では、売上の予測が立てやすくなる利点もあります。ランク別の人数と平均購入額が分かっていれば、翌月の売上をある程度見込めます。
顧客ロイヤリティの向上
ランク制度といった施策を活用することでブランド力が自店舗に形成されます。そしてブランドの創出はロイヤルカスタマーの増加にもつながるのがポイントです。ロイヤルカスタマーとは優良顧客とも呼ばれる顧客層であり、「自店舗のブランドに価値を感じて積極的に選んでくれるような重要な顧客」を指します。
ロイヤルカスタマーはリピーターの中でも特に上位の層であり、購入額も来店数も高い数値を維持するのが特徴です。ブランド確保を実現してロイヤルカスタマーを作るためにも、ぜひランクアップ制度を活用して来店促進を行ってみてください。
ロイヤルカスタマーは、購入以外の面でも店舗に貢献します。口コミの投稿、SNSでの紹介、知人への推奨といった行動が、新規顧客の獲得につながります。
売りたい商品や施策への誘導
店舗において独自ブランドや発売されたばかりの商品というのは、アピールして販売数や額を伸ばしておきたい重要な商品です。会員ランク制度ではそういった商品の購買誘導も可能になっています。たとえば「対象商品購入でポイントが固定で付く」というのは大手のスーパーチェーンでも行われており、対象商品を購入してポイントを貯めたい顧客の来店きっかけを作り出しています。
会員ランクアップのアクションに一定数のポイントを貯めるという項目を用意しておくと、相乗効果まで狙えるでしょう。またオンラインストアでの優良なレビューを増やすために、「レビューを投稿することでポイントがもらえる」というキャンペーンを行う事例も多いです。このように特定の商品や施策に誘導するために会員ランク制度を利用することで、マーケティング効果が最大化するでしょう。
なお、外部の口コミサイトや地図サービスへの投稿を特典と引き換えに依頼する行為は、多くのプラットフォームでポリシー違反にあたります。自社サイト内のレビューと外部の口コミは分けて考えましょう。
関連記事:デジタルクーポンとは?アプリでの導入メリットと集客効果を高めるコツを解説
会員ランク制度の事例5選
実際にどのような制度が運用されているかを見ると、設計の考え方がつかみやすくなります。業種の異なる5つの例を取り上げます。
ハンバーガーチェーン|購入額と頻度でランクを上げる
あるハンバーガーチェーンでは、プリペイドカードの利用実績に応じてランクが上がる制度をアプリ上で提供しています。購入金額と利用頻度の両方を判定基準にしている点が特徴です。
アプリには会員証、モバイルオーダー、クーポン配信も集約されており、ランクの確認と注文が同じ画面で完結します。ランクが可視化されることで、次の段階を目指す動機が生まれる設計です。
コーヒーチェーン|スターを貯めて特典を得る
あるコーヒーチェーンでは、購入金額に応じて「スター」が貯まり、一定数に達すると特典と交換できる仕組みを採用しています。貯まる単位に独自の名称を付けているのが特徴です。
金属名のランクではなく、ブランドの世界観に合った呼び方にすることで、制度そのものがブランド体験の一部になっています。数字ではなく体験として設計する好例です。
牛丼チェーン|プリペイドとランクを組み合わせる
ある牛丼チェーンでは、プリペイド式のカードとファンクラブ型の会員制度を組み合わせています。先にチャージしてもらうことで、次の来店が前提になるのが特徴です。
チャージ残高があると、他店ではなく自店を選ぶ理由が生まれます。ランクに応じた特典を用意することで、利用を続ける動機も維持しています。
通信サービス|ポイント数で5段階に分ける
ある通信事業者のポイントプログラムでは、貯めたポイント数に応じて1つ星から5つ星までの5段階にランクが分かれています。ランクが上がるごとに、加盟店でのポイント進呈倍率が上がる仕組みです。
注目したいのが、自社サービスの枠を超えて加盟店でも使える設計になっている点です。使える場所が広いほどポイントの価値は上がり、貯める動機も強くなります。
化粧品専門店|年間購入額で3段階に分ける
ある化粧品専門店のプログラムでは、年間の購入金額に応じて3段階のランクを設定しています。上位ほど、限定イベントへの招待や先行販売といった特典を受けられます。
段階が3つと少ないぶん、それぞれの違いが分かりやすいのが特徴です。段階を増やしすぎると差が伝わりにくくなるため、シンプルに保つ判断も選択肢になります。
5つの事例に共通する設計
業種は異なりますが、共通する点が3つあります。
1つ目が、判定基準が1〜2個に絞られていることです。購入額、頻度、ポイント数といった単純な指標で判定しており、顧客が自分の状況を理解しやすくなっています。
2つ目が、進捗が見える形になっていることです。アプリ上で現在のランクと次の段階までの距離が確認でき、目標として機能しています。
3つ目が、上位の特典が割引以外を含むことです。限定イベント、先行販売、優待といった非金銭的な特典を組み合わせることで、値引きに頼らない関係をつくっています。
関連記事:会員ランクの成功事例5選|リピート率を高める特典設計とランクアップの仕組み
会員ランク制度の設計手順
自店で導入する際の流れを整理しておきます。順番を守ると、後からの手戻りを減らせます。
ランクを決める指標を選ぶ
まず決めるのが、何を基準にランクを判定するかです。累計購入額、来店回数、ポイント数のいずれかから選びます。
単価が高く来店頻度が低い業態なら購入額、単価が低く来店頻度が高い業態なら来店回数が向いています。両方を組み合わせることもできますが、顧客が理解できる複雑さにとどめることが前提です。
段階数と判定期間を決める
段階数は、3〜5段階が扱いやすい範囲です。少なすぎると上を目指す動機が弱まり、多すぎると各段階の違いが伝わりにくくなります。
判定期間は、自店の来店周期から逆算します。月1回の来店が標準なら年間や半年、週1回なら3か月といった具合です。期間が長すぎると緊張感がなくなり、短すぎると維持が負担になります。
あわせて決めたいのが、現在の顧客がどのランクに分布するかです。設定した基準を過去のデータに当てはめ、上位ランクが全体の1割前後に収まるかを確認しておきましょう。
特典を設計する
特典は、下位ランクは分かりやすいお得感、上位ランクは特別感という組み立てが基本です。
下位ではポイント倍率やクーポンといった金銭的な特典が効きます。上位では、限定商品の先行案内、優先予約、会員限定イベントといった原価をかけずに価値を出せる特典を組み合わせます。
設計時に必ず試算したいのが、特典の原価が利益を上回らないかです。全ランクの特典を値引きで統一すると、上位顧客ほど利益率が下がる構造になりかねません。
効果を測る3つの指標
導入後は、次の3つを毎月記録します。
1つ目が、ランク別の人数分布です。上位に上がる人がいなければ基準が厳しすぎ、全員が上位なら緩すぎると判断できます。
2つ目が、ランク別の平均購入額と来店頻度です。上位ランクほど数値が高くなっているかを確認します。差がなければ、制度が行動に影響していない可能性があります。
3つ目が、ランクアップ率とランクダウン率です。導入した月と比べてどう推移しているかを見ることで、基準の調整が必要かを判断できます。
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会員ランク制度を効果的に活用する方法
会員ランク制度をマーケティングで効果的に活用するためには、次のような注意点があることも知っておきましょう。
高ランクの特典を魅力的なものにする
ランク制度にはランクごとの特典を付けないと客引きにはつながりません。またランクアップが難しい上位のランクの特典は、下のランクより豪華で魅力的なものにするのが普通です。また特典を設ける際は上位の特典ほど豪華で魅力的にするだけでなく、特典に掛かるコストやリスクまで検討しておくのも重要です。
たとえば全ランクの特典が値下げ・無料クーポンになっていると、ブランドではなく価格で店舗を選んでしまいリピーター定着につながらない恐れもあります。またコストも高くなるので値引きだけを特典にするのは危険です。限定イベントへの招待やブランド関連のノベルティ配布など、ブランド価値を向上できる特典を用意することを優先するとこういったリスクを避けやすいです。
特典を考える際の視点として、その顧客が実際に使えるかも確認しておきましょう。豪華でも使う機会がなければ動機になりません。上位顧客の利用実態に合った内容かを見極めることが大切です。
高ランクのユーザーには店舗側からこまめに働きかける
高ランクのユーザーは積極的に自店舗の新商品やイベント情報などを受け取ります。ということで店舗側からこまめに情報を送って働きかけることで、好感度が上がる可能性が高いです。また頻度や内容まで工夫することでさらに顧客ロイヤリティが向上し、購入額や来店数の増加が達成しやすくなります。
ちなみに積極的に熱心な高ランクユーザーへ情報を送信しないと、「休眠顧客」になってしまうリスクがあります。休眠顧客とは「ある時期から来店しなくなったような顧客層」を指す言葉であり、ツールを使えば掘り起こして来店へ再誘導することは可能ですがリピーター化させるのが難しいのが特徴です。なるべく休眠顧客を作らずに施策を行うのが店舗経営の課題となってくるでしょう。
休眠を防ぐには、兆候を早めに掴むことが有効です。上位ランクの顧客が通常の来店周期を過ぎても来ていない場合、その時点で声をかけましょう。
目安としては、その顧客の平均来店間隔の1.5倍を過ぎたタイミングです。自動配信で設定しておけば、担当者が個別に確認しなくても対応できます。
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ランク維持の条件を厳しくしすぎない
ランクアップや維持に関する内容が厳しいと顧客が離脱する原因となります。たとえば「1日に1回来店する」、「ポイントを1か月に10万ポイント以上貯める」といった内容は達成するのが誰にとっても難しく、会員ランク制度の価値を低下させてしまいます。次のような工夫を行うことでランクアップの難易度を調整するのが重要です。
- 低いランクからランクアップする際の内容は簡単なものにする
- 上位ランクへのグレードアップは、達成できるがある程度難しい内容にしておく
ランクを下げる際の運用にも配慮が必要です。予告なく下がると不信感につながります。期限が近づいた時点で通知し、猶予期間を設ける設計にしておきましょう。
制度を途中で変更する場合も同様です。既存会員に不利になる変更は、十分な告知期間を置くことが前提になります。積み上げた実績が突然無効になると、そのまま離脱につながります。
会員ランク制度も使える店舗アプリなら「店舗アプリDX raiten」
「店舗アプリDX版 raiten」を使うと、アプリを使ってポイント管理やクーポン発行といったリピーター確保に必要な施策を気軽に実現することができます。もちろんステータス内容の設定、顧客ごとのランク確認といった会員ランク制度の搭載も可能です。
またノーコードでアプリ制作を行うことが可能なので、外注しなくても手軽にアプリを用意できるのもポイントになっています。気になる方はぜひご連絡ください。
ランクの状況に応じたセグメント配信も設定できます。「あと少しでランクアップする層」「維持期限が近い層」といった条件で自動配信を組んでおけば、担当者の手を離れて運用が続きます。
導入から運用までは専任の担当者が伴走し、ランクの基準や特典の設計についても相談できます。
まとめ
今回は会員ランク制度が店舗にもたらすメリットなどをご紹介してきました。会員ランク制度はリピーター成長に必要な機能であり、売上確保も実現可能です。ただしランク設定や特典内容の調整といった注意点はしっかりと確認して、どの顧客も利用しやすいような便利なサービスに調整しておいてください。
あわせて、優良顧客を数字で見つける方法、企業5社の事例、制度の設計手順と効果の測り方も取り上げました。
設計の出発点は、自店の上位2割がどんな顧客かを把握することです。その実態が分かっていれば、段階数も判定期間も現実的な数値に設定できます。
導入後はランク別の人数分布と平均購入額を毎月記録し、基準が厳しすぎないか、緩すぎないかを確認しながら調整していきましょう。
この記事を監修した人
店舗アプリ公式。累計1,000社以上の導入実績を誇る店舗アプリ構築プラットフォーム。 単なる集客に留まらず、リピーター創出による売上最大化を得意としている。
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