競合のアプリダウンロード数を知る方法|競合調査に必要なデータを収集しよう
自社のアプリ成長を確実に増やすには、さまざまなデータを調査して活用する必要があります。また、自社アプリだけでなく、競合となりそうな他社アプリに関しても調査を行うことが非常に大切です。
競合のアプリダウンロード数を知るためには外部ツールを導入したりして情報を取得した後、自社アプリとのパフォーマンスと比較する必要があります。ダウンロード数以外の指標を理解することで、より競合調査に役立てることができるでしょう。
この記事では競合のアプリダウンロード数を調査する方法や注意点などを初心者向けに詳しく解説します。
目次
アプリのダウンロード数とは
アプリのダウンロード数とは、アプリがユーザーのスマートフォン等にダウンロードされて使える状態になった件数のことです。
アプリを使うためには、必ずダウンロードを行わないといけません。
世界全体の傾向として、アプリのダウンロード数は増加しています。「モバイル市場年鑑」というアプリ全体の傾向を指標から読み取れる資料では、
- 世界のモバイル機器利用時間は平均5時間6分で2020年比で9%増加
- ダウンロード数は前年比で11%増加
- 中国・アメリカ・日本の順番で消費者支出が多い
といったデータが明らかになりました。
日本だけで見てみると、スマートフォンが普及している状態が成熟している状況を受け、2020年のアプリ全体のダウンロード数は2021年と比較で5%下がりました。
ただしこれはアプリの人気がなくなっているわけではなく、成熟して安定したことで成長が鈍っただけであり、アプリマーケティングが当たり前になったということが示唆されているとも言えます。
これからの時代、ダウンロード数等を気にして店舗でアプリマーケティングを行っていくのがスタンダードになっていく可能性は高いです。
またゲームアプリでの支出が減少したのに対して、ショッピングや小売関連のアプリは需要を伸ばしています。
具体的には、2020年に前年比43%で小売アプリのダウンロード数が増加、さらに2022年には商品価格の値上がり等を受けてクーポン&ポイントジャンルのアプリダウンロード数が前年同期比で27%増加しました。
アプリを使ってECショッピングしたり、実店舗で買い物したりする方法が定着しつつあると言えるでしょう。
ぜひ小売関連の方は自店舗アプリを活用して集客力を成長させることをおすすめします。
アクティブユーザー数との違い
ダウンロード数以外にも、アプリが使われているかどうかを表現する指標はたくさんあります。
代表的なのがアクティブユーザー数です。
アクティブユーザーとは「指定期間中に1回でもアプリを起動させて使ったユーザーの数」を表現する指標であり、DAU、WAU、MAUなど期間の指定方法によってさまざまな種類があります。
一般的には「ダウンロード数>アクティブユーザー数」となり、合計ダウンロード数をアクティブユーザー数が超えることはありません。
論理的には同じになる可能性もありますが、ダウンロード数が10万といった数値を超えているレベルでアクティブユーザー数を10万にするのは至難の業です。
実際にはダウンロード数だけでなく、こういった指標も使いながらアプリ計測を実行していく必要があります。
アプリダウンロード数を調べよう!競合調査に使えるデータを収集
まずは競合調査に使えるデータを収集できる、おすすめのアプリ計測ツールをご紹介していきます。
Firebaseアナリティクス
Google Playストアにおいて無料で活用できます。
Webサイトに特化したGoogleアナリティクスと違い、こちらはモバイルのネイティブアプリ等の指標を確認する際に使われるツールです。
500 種類のイベントを指標としてレポーティングしながら、目標に合わせてカスタマイズもできます。必要な場合は指標を自作して計測対象へ組み込むことも可能です。
またアプリ利用までのユーザーの行動を追跡することもでき、こちらの予想通りの購買が発生しているかを調査するのにも役立ちます。
さらにモバイルアプリ関連の広告の調査まで行い、成果が出るように調整することも簡単です。
Appアナリティクス
こちらはGoogle Playストア等で使えるFirebaseアナリティクスとは違い、App Storeでのアプリ調査に特化したツールです。
FirebaseアナリティクスがGoogle側で開発されているのに対して、こちらはApple公式が提供しているものになります。
App Storeでの検索やブラウジングを対象として、単純なユーザー数だけでなくアプリ製品ページへどこからアクセスを行ったのかその経路や、初回ダウンロード数といったデータまで計測することが可能です。また、モバイルアプリ販促に関して利用しているSNSや広告などのパフォーマンスを計測して、それぞれを比較して最も効果が出ているキャンペーンを見つけ出すこともできます。
さらに課金に対して日・週・月等で対象ユーザーを調査して、1人当たりの課金額や平均課金額の変化などをトラッキングして調査に活用することが可能です。
外部ツール(data.ai)
これまでご紹介してきたツールだと、自分のアプリ情報を細かく調査することはできても、他社の競合状況を調査するのには向いていない可能性があります。またアプリストアで直接いちいち競合が予想される、あるいは発生しているアプリを見つけてダウンロード数等を一つ一つ調べるのは大変面倒です。
そこでアプリストアと連携して自分のアプリを調査しながら、競合のアプリパフォーマンス状況をいっしょに調査して比較ができるツールがおすすめです。
たとえば「data.ai」は、最もユーザー数の多いアプリ計測ツールとして人気があります。先ほどのアプリダウンロード数等の数値データも、data.aiがまとめて発表したものです。
data.aiでは800万以上にのぼるアプリだけでなく、数千ものWebサイトのデータまで分析に活用することができます。
これにより、
- 顧客の獲得と離脱防止
- 競合との販促力比較
- 広告の出稿等に伴うパフォーマンス調査
といったさまざまなアプリ調査が可能です。
また、
- モバイルアプリ分野全体の傾向把握など:data.ai Intelligence
- モバイルアプリ広告のパフォーマンス等の確認:data.ai Ascend
- 自社アプリの各指標の確認:data.ai ConnectPlus
といったように機能ごとにサービスが用意されており、どのサービスもアカウント登録すれば無料ですぐ利用できるのもメリットです。
アプリダウンロード数を見る際の注意点
アプリダウンロード数を確認して自社と競合を比較する際は、次の点に注意しましょう。
現在のユーザー数ではない
アプリダウンロード数は、あくまで累計ダウンロード数です。先ほども説明したように利用者とイコールではありません。
アプリダウンロード数には、
- アンインストール
- 起動しなくなってからしばらく経過する
といった状況でも数値に含まれています。つまり現時点で実際にアプリを使っているユーザーは、ダウンロード数よりずっと少なくなるわけです。
たとえば累計ダウンロード数が1万だと判明し、その後MAUを計測して1か月でのアクティブユーザー数が1,000だったと把握できたとします。すると1か月間のアクティブ率というのは1,000/1万で10%となるわけです。
このように累計ダウンロード数から大きくアクティブ数が下がり、アクティブが10%になったりという事象は珍しくありません。
マーケティング的にはこの違いをなるべく埋めてアクティブ率を上げていくのも重要となってきます。
それには休眠顧客を掘り起こしてアプリ利用をまた促進したりといった工夫をする必要があるでしょう。現状を把握し打開策を考える上でも、計測ツールの活用は必須です。
ダウンロード数からは詳しい経路が読み取れない
現在のマーケティングではユーザーの行動経路、どうやってアプリをダウンロードするに至ったのかを計測するのが重要となっています。しかしダウンロード数だけではその経路がまったく読み取れません。
考えられる行動経路は、
- モバイル広告をスマートフォンで閲覧
- 興味があり広告リンクをクリック
- アプリ製品ページの概要を確認
- 次の日検討後ダウンロード
といった順番などです。
しかしダウンロード数がいくらだったかを見ても、行動経路までは見えてきません。
すると「なぜダウンロード数が目標を突破したのか、あるいはしなかったのか」を重要な経路等とともに比較することができず、マーケティングがストップしてしまいます。
こういった状況を防ぐためには、ダウンロード以外にも計測ツールからアプリとユーザーの最初のタッチポイントやアトリビューション(どれだけ各媒体がアプリダウンロードへ影響したのか)などを確認して分析する必要があるでしょう。
競合のアプリダウンロード数以外にチェックすべきポイント
競合のアプリダウンロード数以外にも次の指標をチェックすれば、より分析作業が確実になります。
各アプリストアの公式レビュー
定性的なデータの調査も含めて、Google PlayストアやApp Storeでの公式レビュー調査は必須です。レビュー内容では、
- 全体の星評価平均
- 注目レビュー
- 最新レビュー
などを条件を絞りながら検索できます。
- フリーズが多い
- クーポンがすぐに使いにくい
- デザイン・操作性全体に不満がある
といった声が多い場合は、どうやって改善するのかを早急に考えて実行する必要があるでしょう。また競合アプリのよい評判・悪い評判についても自社アプリのケースと比較することで改善に活用できるはずです。
最終的にはよい評判を増やして平均星評価を4以上にする、といった目標が達成できると安泰です。ただしレストランといったアプリジャンルではなかなか評価が上がらないケースもあるので、じっくりお客様の声をフィードバックして改善につなげるとよいでしょう。
アプリストアのランキング
アプリストアのランキングについては、単に自社や競合の順位を比較するだけでなく、なぜその順位なのかを考えてみてください。
たとえば今まで競合のアプリの順位が圏外だったのに、急に8位へランクインしたとします。それには、
- 他のアプリの人気が下がった
- 競合のアプリがダウンロード数を大きく伸ばすキャンペーンを開催した
といったさまざまな原因があるはずです。
そういった原因を調べながら、どうすれば順位を上げられるのかを自社アプリのケースでも考えると、効率よくマーケティングが進むでしょう。ランキングについては総合順位やジャンルごとといった条件ごとに、アプリストアやツール内で直接調査することが可能です。
アプリ運用事例の記事
ツール等で調査しても上手くダウンロード数やその他指標を把握できない場合は、アプリ運用事例の記事やプレスリリースなどを確認してみてください。
こういったメディアには、
- アプリ運用に協力している企業からの指標データ
- 提供公式からのアプリマーケティングデータ
といった情報が掲載される特性があり、100%ではありませんがこちらの知らない指標についても「いつ調べてどのくらい数値が出ているのか」を把握することが可能です。
これに加えて「なぜアプリがダウンロード数やアクティブ率を大きく伸ばせたのか」といった理由が詳しく説明されている場合もあり、自社のアプリマーケティング施策を考える際にも役立つでしょう。調査することでアプリのトレンドや分析ポイントが判明することも多いので、ぜひメディアをチェックしてみてください。
TwitterなどSNSの口コミ
アプリの評判についてはアプリストアだけでなく、TwitterといったSNSの口コミでも知ることができます。調べる際はアプリ名だけでなく、そのアプリ評判がどんなハッシュタグで投稿されているのかを調べて検索へ活用すると楽です。
ここでのデータはどれだけSNSで自社や競合アプリがバズっているか、などの参考となります。たとえばTwitterでアプリ公式から提供しているキャンペーン投稿などが複数リツイートされている場合は、かなりキャンペーンのパフォーマンスが大きくなっていると見てよいでしょう。
このように評判についてはアプリストアだけでなく、アプリユーザーがよく投稿を行うSNSからも収集して分析へ活用すると新たな発見ができるかもしれません。
まとめ
今回は競合のアプリダウンロード数調査などの重要性や注意点等をご紹介しました。
アプリマーケティングは、多角的な分析が重要です。アプリダウンロード数は簡単に確認できますが、これ以外にもアクティブユーザー数やレビュー平均・内容といった指標でもアプリパフォーマンスを確認するとより深いマーケティングへと繋げられます。
ぜひアプリストアや分析ツールなどのデータを活用して、自社アプリの分析作業手法を確立してみてください。