アプリ開発にはIT補助金を使おう!利用できる補助金一覧と注意点まとめ
アプリ開発費が想定されているデザイン・機能に対して不足している場合は、IT補助金の制度を利用することでその予算を確保することができます。現在2025年の壁打破といった目標を達成するために、日本政府・自治体はさまざまな補助金制度を提供中です。
ただし、IT補助金には支給の際条件がある、すぐに支払われるわけではないといった点に注意しておきましょう。
この記事ではIT補助金の概要や種類、注意点などをご紹介します。
【合わせて読む】 ●自社アプリの開発費用はいくら?費用相場とコストを抑えるコツ |
目次
アプリ開発に使える補助金がある?その種類とは
アプリ開発は、いわゆるシステム開発費の一種だとも言えます。
現在アプリと言えばスマートフォンといったモバイル機器で利用できるプログラミングされたシステムを指しますが、商用で内部・外部で利用するケースを問わず用意したいというのであればそれは補助金の対象となるケースが高いです。
補助金とは?
補助金とは、「企業のシステム開発や経済成長・業務体制の改善などを目標とした費用の捻出をサポートするための制度」です。
あらかじめ決まった金額や割合の元、必要な金額を公的機関が捻出してくれるのが特徴となっています。
ちなみに一般的に補助金という場合は、経済産業省系の制度を指すケースが多く、厚生労働省系の支給制度は「助成金」と呼ぶことが多いです。2つを混同して説明する方もいらっしゃいますが、違いを理解しておくとスムーズに補助金制度について理解できるようになるでしょう。
助成金のほうが経済的目標達成の必要性が少なく(あくまで労働環境改善といった福利厚生関連の支給制度が多いため)、支給のハードルが低いというケースは多いです。しかしプロジェクトに予算を投入する際に制度のサポートを受けるとき、補助金のほうがより支給額が増える可能性もあるので、積極的に経済的な改善を行いたい企業には補助金の利用をおすすめしたいところです。
アプリ開発に使える補助金とは
アプリ開発に使える補助金は経済産業省や関連の団体などが提供しています。主に中小企業・小規模事業者向けに用意されているので、そういった対象者向けの条件が設定されていることがほとんどです。
現在、中小企業・小規模事業者はさまざまな問題にさらされています。放置しておくと日本全体の経済に悪影響が出るため、政府も急いでテコ入れを続けている状況です。
補助金制度はそれぞれの事業者に合わせるため、細かい条件が設定されています。
理解するのが多少面倒ですが、間違った情報把握をしてしまうと申請や支給の際などにトラブルが発生することがあるので注意して制度の内容を読み込んでおく必要があります。
たとえば、
- ツール・あるいは開発業者導入のどちらに支給が行われるのか
- ソフトウェアだけでなくハードウェアにも予算が支給されるのか
- 何割・いくらまで支給が可能なのか
といった点は制度ごとに異なるので注意しなければいけません。また支給の適用期間等もチェックをする必要があります。
アプリ開発に使える補助金は4つ
ここではアプリ開発に使える、代表的な補助金を4つご紹介します。
※提供期間は政府等が決めているため、記事公開時点で制度が終了している可能性もあります。あくまで記事執筆時点の情報です。
ものづくり補助金
中小企業・小規模事業者がさまざまな法律制度変更等に対応できるように、予算を捻出してくれる制度です。
働き方改革・インボイス導入といった課題に対応するために、革新的な製品・サービス開発や検証等を行う際に支給が行われます。
条件が合えばかなりの額が支給されるケースもありますが、条件が細かく厳しめになっている点に注意が必要です。
事例を挙げると、通常枠では従業員数5 人以下で100万円〜750万円が支給されます。またプロジェクト費の3分の2までが支給されますが、交付決定後も含めて事業規模・従業員が変更となった場合は支給額に変動が出るケースもあります。
電子申請が必須となっており、GビズIDプライムアカウントを無料で取得してから申請を開始しなければなりません。新規取得の際は補助金窓口である「ものづくり補助金事務局サポートセンター」では対応しておらず、GビズIDの事務局へ連絡する必要があります。
IT導入補助金
中小企業・小規模事業者全体がアプリ開発に利用できる補助金制度です。
- 通常枠A類型・B類型
- セキュリティ対策推進枠
- デジタル化基盤導入類型
- 商流一括インボイス対応類型
- 複数社連携IT導入類型
といったように制度の中にさまざまな対象枠が設定されています。
枠ごとに支給割合や対象システム等に違いが出るので利用の際は注意しましょう。
例として、通常枠のA類型では補助額が5〜150万円未満、補助率がプロジェクト費のうち2分の1以内となっています。またITツール(アプリ)は類型ごとに設定されたプロセス要件をクリアして労働生産性が向上することが約束されているものである必要があります。ソフトウェア・クラウド利用・導入関連費に対して支給が行われる補助金です。
事業再構築補助金
新型コロナウイルス感染症の蔓延の際に、対応するために用意された制度です。
需要・売上回復等に課題を抱えており解消したいと考えている事業者向けに、新経済社会対応のための事業再構築を支援する制度です。
条件の事例として成長枠を挙げると、まず従業員数20人以下で100万円〜2,000万円が支給されます。またプロジェクト費の中で中小企業者では2分の1、中堅企業者では3分の1までが支給されます。
支給を受けたい際は経済産業省がガイドラインを策定している事業再構築指針を提出する必要があるので注意してください。また補助事業終了後にも付加価値額という指標を年率平均3.0%〜5.0%で増加させたりする必要があります。
小規模事者持続化補助金
地域に根差した小規模な事業者を支援するための補助金制度です。商工会・商工会議所の支援を受けるのが前提となっています。
補助金額上限はプロジェクト費のうちで50(通常枠)〜200万円(特別枠)、補助率は3分の2までです。ただし、賃金引上げ中で赤字の事業者では4分の3までが支給対象となります。店舗改装や広告掲載等のプロジェクトに金額が支給されます。インボイス特例という条件をクリアした際は、上記金額に50万円が一律で上乗せされるので要件をチェックしておいてください。
商業・サービス業では5人以下、それ以外の業種では20人以下に従業員が抑えられていないと支給されません。また経営計画を事業者が作成して提出を行う必要があります。
なぜIT補助金が推奨されているのか?アプリ開発に補助金がでる理由
IT補助金の制度が複数提供されており、プロジェクト内容によっては複数の制度から適用が受けられるようになっているのには理由があります。
代表的なのが2025年の壁です。
これは政府がチームアップした研究組織が資料にまとめて全体像を公表したものですが、その内容は「2025年までに日本企業のDX化が十分終わっていないと、国内市場で最大12兆円もの金額的損失が発生する」というものです。
現時点で中小企業がDXを十分達成しているとは言えず、大企業のDX化に対して差を付けられている状況なのでまだテコ入れが必要になっています。
IT補助金は金額面でのテコ入れのハードルを下げてくれるので、政府も利用を推奨しています。予算がDX計画で必要な事業者は申請をして支給を受けたほうがお得です。
店舗アプリ開発ならIT導入補助金がおすすめ
店舗アプリを導入する事業者は増えています。それは実店舗への集客にアプリが使える他、チラシといった従来紙で行っていた広告費を削減できたり継続的にタッチポイントを作ってリピーターを増やせる利便性が関係しています。
アプリ開発は無料からでもできますが、本格的に商用のアプリを作成する際はある程度の予算が必要です。
そこで弊社では一般的な店舗アプリの開発に使える補助金制度として、IT導入補助金・通常枠(A・B類型)のうちA型の利用をおすすめしています。
※店舗アプリDX版 raitenで開発を実行するケースを想定
A型の細かい要件は次の通りです。
- 補助額:30~150万円未満
- 補助率:2分の1以内
- プロセス数:1以上
- 賃上げ目標:加点
- 申請条件:初期費用+月額費用1年分が60万円以上の際
プロセス数とは業務工程・業務種別のことです。要するにどこまでアプリを適用して作業改善等に努めるかを表す数値になっています。
A型は、B型の4プロセス以上と比較すると1プロセス以上で済むので適用される可能性は高く、アプリ開発・利用をスモールスタートしたい店舗にもおすすめです。また賃上げ目標はB型では必須ですが、A型では加点対象となるのみで申請に影響しません。賃上げまで達成すると支給額が増える可能性があるのもメリットです。
IT補助金を活用するときに気をつけるべきポイント
ここからはIT補助金を活用するときに気を付けたいポイントをご紹介します。
補助金は後払いなので資金繰りに注意
IT補助金、即時払いになるのではないかと思っている方は多いです。
しかし実際には適用期間についてレポートを行った後、申請可否が決まるので後払い式になります。
そのため、手元に予算がないと事業が立ち止まる危険性があるので注意しましょう。少なくとも後払いされる分まで余裕を持って予算を用意できる状況でないと、後で適用を受けられても経営が厳しくなってしまいます。
事業期間(開発期間)・制度の申請期間等に注意
IT関連の補助金は対象となる事業期間に決まりがあります。
制度ごとに内容が異なるので、その期間内でプロジェクトを達成するようにしておきましょう。
また補助金の申請・締め切りの時期についても注意しておく必要があります。
一度提供されてからそれが継続されているもの、あるいは一次・二次といったように期間を分けて提供されているもの、すでに提供が終了しているものなどさまざまです。
制度変更・終了については窓口から連絡があると思うので、事前に確認してから確実に受けられる制度を利用してみてください。
必要書類の抜け漏れに注意
補助金については、必要となる書類に違いがあります。
基本的に対象となるプロジェクトに関する詳細を書類にして、目標などを明記した上で提出する必要があり、必要な項目は制度ごとに異なるのでそれぞれ確認しないといけません。
仮に抜け漏れがある場合は再提出や非適用のリスクがあります。そうならないように、必要な書類を余裕を持って記載・チェックできる体制が必要です。内容が難しい場合は、代行業者にサポートを受けると安心です。
補助される金額に制限がある
何度か説明しましたが、補助金で支給される予算には制限があります。
たとえば200万円まで支給が受けられる制度でも、プロジェクト総額が200万円の場合は満額支給が受けられません。完全に適用対象でも、プロジェクト総額のうち2分の1まで支援であれば100万円といった金額の支給に留まるでしょう。
このように後払い方式になるだけでなく、プロジェクト費のうち全額は支給されない点にも注意してみてください。支給上限や下限だけでなく、補助割合までしっかりチェックすることをおすすめします。
申請は代行可能?店舗アプリDXならIT補助金の申請もすべてお任せ
IT補助金の申請には面倒な手続きがつきものです。自社に余裕がない時は、ミスに気づかずに書類提出等を行ってしまうケースも珍しくありません。
確実にIT補助金の申請を完了させて適用を受けるためには、申請の代行を検討してもよいでしょう。
許可を受けている事業者はIT補助金の申請を代行するサービスを提供しており、手数料が発生しますがそれ以上に補助金申請を失敗しないメリットがあるので利用を推奨します。ただしIT補助金代行申請を受けていない企業もいるので、許可を受けているのかも確認しながら適切な事業者を探しましょう。
弊社では店舗アプリDX版raitenの導入に使えるIT補助金について、申請の代行を承っています。実際には弊社ではなく提携している補助金申請代行業者へとつなぎますが、実績が豊富なので安心してください。
店舗アプリDX版raitenではプッシュ通知配信やセグメント施策などに活用できる機能をアプリ内で多数提供しております。また制作を内製できる分コスト削減が容易です。デザイン制作等では弊社もサポートに入るので安心して制作を進められるでしょう。
アプリ活用・運用まで内製したい方には弊アプリプラットフォームの活用をおすすめします。気になる方はぜひご連絡ください。
お問い合わせフォームはこちら
まとめ
今回はIT補助金の概要や種類、注意点などをご紹介しました。
補助金制度について理解する際は、その適用事業者の条件や支給額・支給割合の上限などに注意する必要があります。申請が難しいと感じる場合は、代行事業者へサポートを受けてみましょう。
弊社でも補助金申請をサポートしているので、申請に負担を感じる方はぜひ利用してみてください。