スーパーマーケットの自社アプリ化が急増!近い以外にも選ばれる理由を作ろう
アナログで資産を持つより、デジタルで資産を持つ流れが広まりつつあります。たとえばスーパーマーケットでも、資産としてチラシといったツールを活用するよりも、アプリを活用してマーケティングを行ったほうがコスト削減・業務効率化などへつながるようになってきました。
スーパーマーケットのアプリ導入数が増えてきているのは、「消費者の行動心理の変化」や「スーパーマーケット自体の考え方の変化」などが要因として挙げられます。
今回はスーパーマーケットの自社アプリ導入数が増えている理由を、導入で得られるメリットを交えながら解説します。
目次
差別化が以前より困難に!スーパーマーケットを利用する消費者の行動変化
スーパーマーケットを利用する消費者の行動は大きく変化しています。アプリ導入数増加の要因にもつながっているのでぜひ理解しておきましょう。
近いだけで来店してもらえる時代は終わった
以前はインターネットが発達しておらず、PC・スマートフォンといったデバイスもそこまで普及していませんでした。
店舗を選ぶにあたり「自宅やオフィスから近いか」は重要な要素で、極端な話、「同じ地域のスーパーマーケットで商品を購入したほうが、隣の地域にある大型スーパーマーケットへ行くよりも手っ取り早い」といった状況が一般的だったのがポイントです。
しかし、インターネットの発達やデジタルデバイスの普及によってその状況は崩壊しました。
今では「付近のスーパーマーケットより、隣の地域にある大型スーパーマーケットで購入したほうが取りそろえが多いし安い」といった状況も珍しくなくなっています。それはデジタル技術の普及によってEC事業が一般的になり、地域に依存しない小売が実現したからです。
消費者は商品を発送してもらうことで、都道府県すら違う地域のスーパーマーケットからも商品を購入できるようになりました。
近いから来店するといった時代が終わったため、それ以外の点で勝負ができないと経営していくことは厳しいです。
今まで付近の顧客から上手く売上を確保できていたとしても、今後はより維持するのが難しくなります。
地域だけでターゲットユーザーを区切るのをやめて、ECも活用しながらより広い範囲で優良顧客を増やせるかが重要なポイントです。
また、従来の顧客のロイヤリティを上げるために、「近いうえにお得さなどもあるから来店する」といったフックを作るためのデジタル施策も重要となっています。
競合はコンビニやドラッグストア、ネット通販まで
スーパーマーケットの競合は、以前は同じスーパーマーケットでした。「生鮮品や総菜、日用品などをまとめて取りそろえてあるのがスーパーマーケットくらい」だったからです。
しかし、状況は変化しました。いわゆるコモディティ化で、どこの店舗でも必要なものをとりそろえられるようになってきたからです。
もちろん店舗形態によって商品の価格や取りそろえ方、レパートリーなどに違いはありますが、以前より差が少なくなってきています。
たとえば、
- コンビニでもその場で調理した新鮮な弁当・総菜などが取りそろえられるようになる
- ドラッグストアも肉や魚などの生鮮品取りそろえを始めた
- ネット通販でも総合的にさまざまな商品を購入できるようになった
といった要因が働いているからでしょう。
こういった背景で、スーパーマーケットが競合と捉えるべき範囲は広がっています。マーケティングの施策立案においてこの範囲を間違えると、競合に思わぬ差を付けられて敗北してしまうリスクも・・・。
「スーパーマーケットの競合はスーパーマーケットのみ」という考え方は今すぐやめたほうが良いです。店舗の性質から競合となりうる店舗を設定した上で、対策まで立案できるようにしておくと良いでしょう。
消費者は「お得さ」と「利便性」を求めている
地域に依存しない販促ができるようになり、スーパーマーケット以外の競合も増える中、
- 他よりお得であるか
- 利便性がより高いか
といったポイントは消費者が店舗を選ぶ上で重要になってきています。
お得さは値段だけに限りません。
- アプリでクーポンが定期的に配信される
- 欲しい限定品がゲットできるキャンペーンが開催される
こういった、値段以外でもお得なポイントを用意しておくことが重要です。価格を下げるだけの施策は頭打ちになりやすいので注意しておきましょう。
また利便性については、
- 店舗とEC、両方で違和感なくスムーズに買い物できる
- 貯めたポイントをオンラインでもオフラインでも使える
- 限定品やプライベートブランドなどが用意されている
といった点で変わってきます。
アプリ導入・活用は、こういった利便性向上に大きな効果をもたらします。
消費者がどんな点にお得さや利便性などを感じているかは、店舗の置かれている状況で変わってくるでしょう。
分析ツールなどを利用してデータを取得し、消費者が何を求めているのかを把握することも重要です。
自社アプリを導入するスーパーマーケットが急増!その要因とは
アプリ導入は、先ほど説明した変化へ対応するための手段です。下記のような背景から自社アプリを導入するスーパーマーケットが急増しています。
他社との差別化を図るため
アプリ内では
- キャンペーン
- 注目商品
- コラム
といったさまざまな情報を配信できます。こういった情報は競合との差別化につながる重要な要素です。
そしてスマートフォンユーザーが常に触るアプリを提供できれば、上手く差別化を図りながら顧客とタッチポイントを持つことができます。
一度アクティブにする癖が付けばそこから長期間アプリが使われるので、継続的な来店効果もあるでしょう。アンインストールされなければ、休眠顧客の掘り起こしまで可能です。
ちなみに主婦層も、若年や中年の層が多いためよくスマートフォンを使う傾向にあります。マイナポイントといったキャッシュレス関連の施策も影響して、スマートフォンを使うユーザーは増えており、こういった状況を見越してアプリを用意し主婦層にアプローチする店舗が増えています。
テクノロジー活用で顧客の囲い込みを狙っている
アプリには
- クーポン配信
- デジタルポイント・スタンプカードの発行
- 限定情報のプッシュ通知配信
- 位置情報に応じたインセンティブ付与
といったさまざまな機能を搭載でき、これらの機能は顧客の囲い込みへ効果を発揮します。
たとえばクーポン配信で限定商品のクーポンを配信すれば、興味のある顧客が来店してくれる可能性が高くなります。時限式で、来てほしいタイミングまでに使えるクーポンにすれば、より売上効果が見込めるでしょう。
またデジタルポイント・スタンプカードの発行は、顧客の囲い込みだけでなく「発行コスト削減」にもつながります。紙代や印刷代が削減され、デザインデータさえ用意すれば提供が可能になるからです。
さらにプッシュ通知配信は、休眠顧客掘り起こしにも効果があります。位置情報に応じてインセンティブ付与する機能は、オフラインでのタッチポイントが重要な小売店舗にとって大きな武器となります。
このようにさまざまなテクノロジーによって顧客の囲い込みを促進できるという点が、アプリ導入数が増えている要因です。
アプリを起点に課題を解消してDX化を実現したい
現在、多くのスーパーマーケットが
- オンラインで顧客体験を最適化するのが難しい
- 実店舗も含めて新しい在庫管理体制が必要になっている
- 新しいサービスの準備にコストが掛かり過ぎる
といった課題を抱えています。
アプリを活用すると、
- スマートフォンで効率よく購入体験を提供できる
- 実店舗とEC間の在庫管理を共有しながらリアルタイムで把握できる
- アプリ開発時にコストが掛からないサービスを使えば気軽に新事業を開始できる
といったメリットを得られます。
結果的にビジネスモデルを成功させて、事業を活発化させることにもアプリが役立っているのです。
またこういった成功を通じて、「DX」という大きなデジタル改革まで実行できることもポイントになっています。アプリを通じてオフライン依存の販促から脱却し、デジタルで効率よく在庫管理・販促ができるように持っていくことで、自然と経営体制などもデジタル基盤で機能させやすくなるでしょう。
新しく事業を開始する方もそうでない方も、ぜひスーパーマーケットにおけるアプリの活用を考えてみてください。
スーパーマーケットが自社アプリ導入で得られるメリットとは|活用事例とともに解説
ここからは活用事例を挟みながら、スーパーマーケットが自社アプリを導入するメリットを紹介します。
チラシ作成のコストを削減できる(イオン)
アナログな集客ツールをアプリに集約することで、コスト面でメリットを得られます。
たとえば「イオン」は、チラシ作成をデジタル化しアプリで提供することで、コスト削減に成功しました。
消費者にとっても、チラシの更新通知を受け取れたり、お気に入りの店舗を登録することで素早く地元イオンのチラシを確認できるようになったりなどのメリットがあります。
このようにアナログなツールをデジタルツールに置き換えることで、紙代や印刷代などの従量で発生していたコストに見切りをつけて、低いコストで宣伝できるのが自社アプリのメリットです。
商品のレコメンドなどが可能(イトーヨーカドー)
アプリでは購入してほしい商品のレコメンドが可能です。店舗内に限らずスマートフォンユーザーにもアプリ経由で呼び掛けることで、より多くの商品売上を確保できるでしょう。
たとえば「イトーヨーカドー」では、季節・天候に応じたおすすめ商品の通知を行っています。さらに、ポイント連動といった機能と併用することで集客へつなげています。
商品のレコメンドは、うるさいと思われないように
- 通知を行う頻度を調整する
- ユーザーの履歴などを基に欲しいと思われている商品を決定する
- 場合によってはAIによる提案自動化も検討する
といった点を確認しながら実施することが重要です。
ポイントカードをアプリへ集約できる(いなげや)
アプリには紙で従来提供していたポイントカード・スタンプカードなどを統合できます。統合する際、事前の周知や残高ポイントの移行などが必要ですが、一度デジタルでの提供へ統一しておけば後はコスト削減効果が継続的に見込め、カード発行の手間が減少するのがメリットです。
全国チェーンである「いなげや」では、バーコードを提示してレジでスキャンしてもらうシンプルなデジタル会員証機能を提供しています。
- 利用履歴確認
- 会員番号の表示
といった機能を入れつつ、アプリ内でスムーズに会員証をバーコード提示できるようにすることで、従来のカード形式との差異をなくしながら利用者の確保へつなげているのがポイントです。
値引だけに頼らない、独自コンテンツの提供が可能(クイーンズ伊勢丹)
値引だけに頼らない「コンテンツによる販促」が可能なのも、アプリを利用するメリットです。
たとえば「クイーンズ伊勢丹」では、コンテンツとしてオリジナルのレシピ情報をアプリ内で提供しています。百貨店系列の店舗では単に値引するだけで顧客を惹きつけにくいのがネックですが、クイーンズ伊勢丹ではアプリ内で基本的な機能を提供しながら、値引だけに頼らない販促ができるよう工夫しています。
このようにレシピやコラムといった独自のコンテンツを提供できれば、顧客のリピーター化やアプリのアクティブ率増加などへつなげられるでしょう。
▼合わせて読みたい
スーパーマーケットのアプリ集客を成功させた企業はなにをしたのか?
専門知識やスキルがなくてもアプリの作成・運用ができる!「店舗アプリDX版 raiten」とは
「店舗アプリDX版 raiten」は、アプリ開発に関する専門知識、スキルがなくてもアプリを制作・配布できるサービスです。
主に中小の地元に根差している店舗様にお使いいただいており、今までの導入実績は
- 導入企業:900社
- 導入店舗:8,000店舗
を超えています。
- 決済・予約といった機能の搭載・連携が可能
- デジタルポイントカードやスタンプカードをアプリ内へ搭載できる
- 分析などをサービス内で一括して実行可能
- 業種、ブランディングに合わせたフルデザイン制作
- サクセスサポートガイド・動画などを完備
- ブログ感覚で気軽にアプリの更新が可能
- PWA・PCサイトも同時作成・運用が可能
といった特徴でお客様のマーケティングを加速するお手伝いを行っています。
アプリ運用までの期間も、お申込みから最短20日で対応可能。補助金申請といったサポート代行もしているため、気になる方はぜひお問い合わせくださいませ。
まとめ
今回はスーパーマーケットの自社アプリ導入数が急増している理由などを紹介しました。
コロナ禍も要因となり、スーパーマーケットの自社アプリ導入数は増加しています。コモディティを防ぎながら独自のタッチポイントを持つためにも、今後益々アプリの利活用が重要となってくるでしょう。
ぜひアプリ活用を検討しながら、自社のスーパーマーケットの売上を確保・成長させるための施策を実行してみてください。