プッシュ通知やクーポンを自動送信!beacon特有の機能とは?
皆さんはスマホアプリでチェックインして、ポイントなど特典をもらったことはありますか?スマホアプリのチェックイン機能はスマホユーザーが指定店舗に入店後、チェックインボタンを押したりするとスマホユーザーが店内にいることを認識して特典を付与します。実際にチェックイン機能を使った経験がある方は、「店舗はどうやって自分たちが入店しているのを確認するのか」と疑問に思われるかもしれません。
店舗内にユーザーが入ると自動的にそれを認識し、スマホアプリに情報を送信しているのが「ビーコン(beacon)」です。「GPS(Global Positioning System)」と混同されるかもしれませんが、ビーコンとGPSではどこから情報を発信しているかなど、違う点がたくさんあります。どちらにもメリット・デメリットがあるので、違いを知っておいた方が集客施策の面でも後々役に立ちます。
自店舗アプリを利用して販促を行うと、ビーコンと連動させて来店時にポイントやスタンプをプレゼントしたり、お店周辺にいるお客様にクーポンを配布したりと、リピーターを増やすいろいろな集客施策が可能になります。そこで今回はビーコンとは何か、そしてGPSとの違いやアプリ連携により販促がどう変わるかなどを、実際の活用事例も含めてご紹介します。
「ビーコンとは何か詳しく知りたい」、「自店舗アプリとビーコンを連携させるとどんなメリットがあるのか、事例も含めて知りたい」という方はぜひご覧ください。
目次
ビーコンとは
ビーコンとは分かりやすく説明すると「備え付けの情報発信機」です。発信機自体は小型で、壁など好きな場所に貼ったりして通信を行います。ビーコンの通信には、「BLE(Bluetooth Low Energy)」が利用されています。これは代表的な無線規格である「Bluetooth」の低消費電力モードのことで、低コスト・省エネルギーで通信できるのが特徴です。皆さんのスマホにも搭載されており、スマホアプリはスマホとビーコンがBluetooth接続されたときにビーコンの情報を取得し、スマホユーザーが来店したのを認識して通知を出します。
しかしスマホとビーコンがBluetooth接続しても、ビーコンの情報を受け取れるアプリがないとチェックイン完了などのプッシュ通知は出せません。またビーコンとはBluetooth接続するため、スマホのBluetooth機能がオフだとアプリのチェックイン機能などは使えません。
モバイルに関する調査を行っている「MMD研究所」によると、2018年5月時点で最近のスマホユーザーのBluetoothアクティブ率は、
- Android・・・38.7%
- iOS・・・45.2%
で、平均41.9%のスマホユーザー(13歳~49歳の男女が対象)が現在Bluetoothを利用していると答えました。
イヤホンやスピーカー、さらにはスマートウォッチと、Bluetoothを利用する機器はどんどん増えています。そして同調査ではBluetooth機能に満足しているユーザーも多いため、Bluetoothの使用率は今後どんどん増えていくでしょう。
ビーコンとGPSの違い
ビーコンと似ている技術にGPSがあり、この2つを混同されている方もいらっしゃいます。この2つは歴史上の成り立ちも、また特徴も異なります。
ビーコンとGPSの歴史的な違い
GPSはアメリカが打ち上げている軍事用衛星から、受信者が自分の現在位置などの情報を取得するシステムです。軍事用衛星から情報を取得すると書いたとおり、もともとは軍事目的で位置を特定するために開発されたシステムでした。しかしアメリカが一般用途でも軍事用衛星を解放したのをきっかけに利用が広まり、今ではスマホアプリ経由でユーザーが位置情報を特定して、アプリに道案内をさせるなどの用途に利用されています。
対してビーコンは、もともと「狼煙」などの意味を持っており、相手に自分の位置情報を伝える手段全般を指していました。航空機や自動車など、民間で発達しているのがGPSと異なる点です。そして現在ではこの記事でご紹介しているように、店舗に備え付けの通信機器をビーコンと呼ぶ機会が増えてきました。
ビーコンとGPSの機能的な違い
ビーコンとGPSは、受信者の現在位置を特定し、何かしらの処理を行うためのシステムという点では同じです。しかしすでに述べているように、GPSは軍事用衛星から情報を取得するのに対して、ビーコン通信では各店舗などに備え付けられたビーコンから情報を取得します。そしてこの情報発信元の違いが、機能的な違いの要因になります。GPSでは超長距離で受信者に情報を発信できます。スマホユーザーはどこにいても自分の位置情報を衛星から取得してアプリで活用できます。
ただしGPSの電波は直進性が高く、その分遮蔽物が邪魔をすると電波が弱まり、受信者に情報を届けられなくなります。ですから快晴に外でGPSを利用する方が、雨の日に建物の中でGPSを利用するよりも精度が高まります。
対してビーコンは店舗などに備え付けられていますから、数十メートルなど近距離にしか情報を発信できません。設置された建物から出て離れれば、すぐ受信できなくなります。しかしビーコンは、電波が届く距離が短い分精度が高いです。ですから受信者が建物の何階のどこのコーナーにいる、という細かい情報まで把握できます。またGPSの電波より遮蔽物の影響を受けにくく、安定した通信が可能です。
このようにGPSとビーコンは、特徴が違います。ですから例えばユーザーの大体の位置を知りたい場合はGPS、具体的に建物のどの位置にいるか知りたい場合はビーコン通信を使うなど、使い分けが可能です。
アプリとビーコンを連動することで販促はこう変わる
アプリとビーコンを連動させれば、販促は次のように変化します。
通りかかる際のプッシュ通知配信が可能に
ビーコン通信を使えば、お客様が来店していなくても自店舗付近にいるときに情報を送信できます。この性質を利用してお得な情報を配信すれば、お客様の来店率をアップ可能です。
例えば「付近にいるあなた限定!発信から2時間限定20%OFFクーポン」を配布すれば、「20%もお得だけど、2時間しか期限がないからすぐ行こう」というお客様の来店を獲得できます。
他にも限定セール情報など、付近にいるお客様に有益な情報をビーコン通信で届けられれば、せっかく近くにいるお客様の取りこぼしが少なくなり、自店舗の収益向上にもつながります。
店内来店や現在位置を自動認識、クーポンの配布
ビーコンを使うとお客様の来店時にも通信を行い、お得な情報を配信できます。来店時に「来店ありがとうございます!本日のセール」などの情報をピンポイントで発信すれば、お客様の購買意欲も向上するでしょう。
またビーコンは精度が高いので、自店舗が広かったり複数階あるときなどに、場所に応じたクーポン配布が可能です。例えばアパレルコーナーにいるお客様には「今商品を見ているあなた限定!帽子が15%オフ」といったクーポンを配布すれば、ちょうどアパレルコーナーにいるお客様がすぐクーポンを使ってお買い物してくれる可能性が高まります。
チェックインでスタンプなどの特典配布
上記の来店や現在位置の取得と、ポイントやスタンプなど「ロイヤルティプログラム」の組み合わせも効果的です。
例えば来店時にチェックインすると、自店舗で使えるポイントを何ポイントかプレゼント、当日限定で指定の場所でチェックインすればさらに景品に交換できるスタンププレゼントなど、各種キャンペーンを開催すれば、ポイントやスタンプ目当てのお客様の来店を促したり、購買行動を取ってほしい場所への誘導などができます。
来店情報取得で分析に活用
ビーコンを使えば、「お客様Aは商品BとCを何日に購入しており、こういう商品を買う傾向がある」など、POSシステムなど他の機器から取得した情報も組み合わせて多角的な分析が可能になります。
これにより例えば「お客様Aはパンプスに興味がありそうだから、次来店してくれたときにビーコン発信を行って、6000円以上購入でパンプスが30%オフになるクーポンを配布しよう」など、確実に売上につながるような、お客様に合わせたピンポイントな集客施策が可能になります。
このようにビーコンを使えば、有効なデータを取得してさらなる集客施策に活用できます。
ビーコンアプリ活用事例
ここからは、実際にビーコンが活用されているアプリを活用事例として3つご紹介します。
ナビタイム(NAVITIME)
電車、バスなど交通手段の最適なルートを探索するために使われている「ナビタイム」。利用者数が5100万人を突破するなど、大人気の検索アプリです。
ナビタイムは乗換案内やルートナビゲートなどの機能の高さもさることながら、「ナビタイムマイレージ」というポイント制度を導入しています。この制度はいつも使う一駅前で下車して徒歩で移動すると、その分マイレージが貯まって各大手ポイントサービスポイントに交換できます。そして一駅前で下車したかどうか確かめるために、ビーコンが導入されています。
ナビタイムのようにビーコンで位置情報を取得し、そこから徒歩など何かしら移動の手間がかかったときにポイントを付与する仕組みをあなたの店舗でも導入すれば、集客効果が挙がるかもしれません。
シップス公式アプリ SHIPS app
大手セレクトショップ「シップス」の公式アプリ「シップス公式アプリ SHIPS app」は、各ショップの最新情報を確認できたり、デジタルで会員証を出せたりと便利なアプリですシップス公式アプリでは、チェックイン機能により来店時にスタンプがもらえる仕組みを用意しています。そしてスタンプを集めると、商品購入時に使えるお得なクーポンがプレゼントされます。
あなたの店舗でも自店舗アプリにチェックイン機能を追加し、お客様が来店したときにスタンプなどが貯まる仕組みを作れば、足しげく通ってリピーターになってくれるお客様を増やせるでしょう。
滋賀レイクスターズ 公式アプリ
バスケットボールのプロリーグである「B.LEAGUE」に所属する滋賀県初のバスケットボールチーム「滋賀レイクスターズ 」では、「滋賀レイクスターズ 公式アプリ」をファン向けに提供しています。ホームの試合を見た後MVPに投票できたりと、ファンに嬉しい機能が搭載されています。
滋賀レイクスターズ公式アプリにはチェックイン機能も搭載されており、ホームに設置されているビーコンと連携してスタンプが貯まる仕組みになっています。スタンプには限定の絵柄などもあり、集まれば友達や他のファンに自慢できる仕組みです。
スタンプをコンプリートして他の人に自慢できるという、ファンの心理を突いたアプリです。これを自店舗の集客で必要なお客様に有益な情報を提供した上での集客へ活かせれば、大きな集客効果が挙がるでしょう。
例えばセール中はスタンプが2倍になる、コンプリートすればランクが上がり、さらに上の特典が受けられるなど、各種工夫を凝らせば、リピーターを増やしながら収益をどんどん向上させることも可能です。
まとめ
今回はビーコンとは何か、そしてGPSとの違いやアプリと連携させるとどんなメリットがあるかを、実際の活用事例とともにご紹介してきました。
通信距離が限られている分精度の高い情報を取得可能なビーコンは、チェックイン機能などと組み合わせることで大きな集客効果をあなたの店舗にもたらします。例えばせっかく付近にいても今まで来てくれなかったお客様を確実に来店へつなげるなど、効率的な集客ができるようになります。実際にビーコン利用で集客効果を挙げている企業はたくさんあるので、ぜひ参考にしてくださいね。
ちなみに弊社アプリ制作サービス「店舗アプリ」では、自店舗付近にいるお客様にクーポンをダイレクト配信するなど、ビーコンを活かした施策も活用してお客様の集客をサポートします。今回の記事で興味を持たれた方は、ぜひ下記問い合わせページから弊社へお問い合わせください。
店舗アプリお問い合わせURL:https://tenpoapp.com/inquiry-apps/