アプリでLTVを最大化させる方法とは?自社アプリの活用術を解説

業種全般
公開日:2023.10.03 更新日:2026.08.17
LTV最大化は自社アプリ導入が決定打。現代だからこそ生きるアプリ活用法とは

皆さんは「LTV(Life Time Value)」についてご存じでしょうか。マーケティング業界では当たり前のように使われているこの指標ですが、マーケティングの知識がなければあまり聞きなれない言葉かもしれません。

LTVはリピーターの価値等を計測して経営改善を行うのに重要な指標です。意味を理解しながら活用方法を把握しておくことで、さまざまな場面で役に立つでしょう。

LTVを最大化するには、大きく分けて単価を上げる・来店回数を増やす・関係が続く期間を延ばすという3つの方向しかありません。裏を返せば、この3つのうち自店舗はどこに伸びしろがあるのかを見極められれば、打つべき施策は自然と絞り込めます。

そのうえで、施策を実行し続けるための土台として有効なのが自社アプリです。顧客と直接つながる手段を持ち、購買や来店の記録が自動的に残る状態をつくれるためです。

この記事ではLTVの概要や向上させるための手法などを総合的に解説します。

LTVと(Life Time Value)は?LTVを高める方法

まずは「LTV(Life Time Value)」とはなにか、LTVの基本事項を解説します。

LTVとは

LTVとは「顧客生涯価値」の略称です。顧客1人当たりが自店舗にどれくらい利益をもたらしてくれたのか、その割合を数値で表現したものになります。

LTVを計算するにはさまざまな方法がありますが、最も簡単に理解できる式の1つが次計算方法です。「平均顧客単価×収益率×購買頻度×継続期間」

たとえば、平均顧客単価が10万円、収益率が50%、購買頻度が月に2回、継続期間が3年というケースを想定してみましょう。この数値を式に当てはめながら計算を行ってみると、「10万円×0.5×24(1年間での購買回数)×3=360万円」。

つまり顧客1人当たりのLTVは360万円となり、それなりの収益が獲得できていることがわかります。実際にはここから新規顧客やリピーター獲得等で発生した諸費用を引いて実際の利益を計算する必要がありますが、上記の計算式を覚えておくだけでも分析は効率化するでしょう。

また計算式の項目を理解することで、この後のどうやってLTVを上げていくのかについて理解がスムーズになります。この計算式はぜひ覚えておきましょう。

計算する際は、業態によって適切な期間の取り方が変わる点にも注意してください。飲食店や小売店のように来店周期が短い業態では1年単位で区切っても傾向がつかめますが、美容室や不動産のように来店間隔が長い業態では、数年単位で見なければ実態と合いません。

また、継続期間は実際には人によって大きくばらつきます。全顧客の平均だけを見ていると、ごく一部の優良顧客に数値が引き上げられ、大多数の実態が見えなくなることがあります。

そのため、まずは全体の平均を出しつつ、来店頻度の高い層と低い層に分けて算出してみてください。層ごとの差が見えると、どこに手を入れれば全体が動くのかが判断しやすくなります。

LTVと混同されやすい指標との違い

LTVを扱う際に一緒に覚えておきたいのが、関連する他の指標との関係です。単独で見るより組み合わせたほうが、経営判断に使いやすくなります。

まず対になるのがCAC(顧客獲得単価)です。1人の顧客を獲得するのにかかった費用を指し、LTVがCACを上回っていなければ、集めるほど赤字が膨らむ状態になります。広告費を増やすかどうかは、この2つの比較で判断できます。

次にARPU(ユーザー1人あたりの平均売上)です。こちらは一定期間の平均を見る指標で、LTVのように継続期間まで含めません。短期の施策効果を測るならARPU、長期の関係性を評価するならLTVという使い分けになります。

さらに、リピート率や継続率はLTVを構成する要素そのものです。継続率が改善すればLTVも自動的に伸びるため、LTVを直接動かそうとするより、継続率の改善から着手するほうが実務的といえます。

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現代でLTVを高めることが重要視される理由

現代でLTVを高めるのが重要視されているのは、次のような理由があるからです。

競合サービスとの競争がし烈化している

現在商品の販売市場は成長を終えて、成熟する段階となってきました。その理由は競合の製品が大量に出回るといった背景によって、製品同士の差別化がしにくいレベルで飽和化が発生しているためです。

こういった状況では競合と差別化しながら独自性を出すのが難しく、販売施策に失敗するケースがあります。そこで一度獲得した顧客をなるべく離脱されないように囲い込みながら、効率よく情報を発信して継続的な利益へつなげようという考えが広まっているのです。

継続的な利益につながっているかを明確化して可視化するためには、LTVが必要となってきます。

差別化が難しい市場では、値下げに走ってしまう店舗も少なくありません。しかし価格で選ばれた顧客は、より安い競合が現れれば同じ理由で離れていきます。価格以外の理由で選ばれる状態をつくれるかどうかが、継続期間の長さを左右します。

技術面での新規顧客獲得のハードルが上がった

従来はWeb広告でターゲティングを行い新規顧客を増加させる方式等が一般的でした。しかしこういった従来の宣伝手法が、デジタル技術のプライバシー保護の方針が固定化されると同時に通用しなくなってきています。

たとえば基本的なターゲティングの仕組みを構築してきたCookieデータは、法律面でも利用が制限されるようになってきました。法律に準拠しない方式で取得・利用を行うと罰則もあり厳しくなっています。またスマートフォンの識別子に関しても適切に扱わない場合規制の対象になることがあります。

こういった状況下で新規顧客のコスト等を考えて、一度獲得した顧客からなるべく利益を継続して獲得したいという思惑が増えているのです。

この流れの中で価値が高まっているのが、自社で直接取得したデータです。会員登録の際に同意を得たうえで集めた属性情報や、来店・購買の履歴は外部の規制変更に左右されにくく、自社の判断で継続的に活用できる資産になります。

その受け皿として、自社アプリや会員システムを持っておく意味は年々大きくなっています。広告に頼りきらず、手元の顧客データをもとに施策を組み立てられる体制が求められています。

サブスクリプションサービスの導入企業が増えた

実店舗を持っている・持っていないにかかわらず、サブスクリプションサービス形式で定期的な利益を獲得しようとする企業が増加しました。サブスクリプションサービスにおいてはコストの計算も重要ですが、同時に月額や年額でどれくらい安定して利益を獲得できたのかを計算する必要性が出てきます。

サブスクリプションサービスの利益は現状の顧客数や課金額、継続年等で変化します。つまりLTVと図式が似ており、LTVを計算することでサブスクリプションサービスの利益度合いまで可視化しやすくなるということです。こういった背景があり、サブスクリプションサービスの利益計算のためにはLTVが必須となっています。

実店舗でも定額制の仕組みは広がっています。飲食店のドリンク定額プラン、美容室の通い放題プラン、温浴施設の月額会員などが代表例です。いずれも解約率がそのまま収益に直結するため、LTVの考え方がそのまま当てはまります。

定額制を導入する際は、加入者が元を取れる利用回数を先に試算しておくことが大切です。利用されすぎて赤字になる設計でも、使われずに解約される設計でも続きません。

LTVを高める3つの軸

LTVを高めるには次のような点を理解しておく必要があります。

来店(購入)頻度を上げる

来店頻度を月1回から2回に上げるだけでも、大きなLTV改善が見込めます。特に利益量がそのままだとすると平均で月1回頻度を増やせれば単純計算で2倍利益が増えるので、大きな店舗躍進が見込めるでしょう。

ただし来店頻度を増やしても、購入度合いが小さければそれだけ成長性が減ることになります。そのため顧客単価を上げる施策等とも併用しながら来店頻度を増やしていきましょう。

来店頻度を上げるためには限定キャンペーンをこまめに開催したり、クーポンを定期的に配布したりするのが効果的です。またポイントカードの導入なども有効になってきます。

施策を打つ前に確認しておきたいのが、現在の平均来店間隔です。前回来店から何日で戻ってくるのかが分かれば、その日数を過ぎた顧客に案内を送るという具体的な打ち手につながります。

反対に、周期を無視して全員へ同じ頻度で配信すると、通知を切られたりアプリを削除されたりする原因になります。頻度を上げること自体が目的にならないよう注意してください。

顧客単価を上げる

LTVを上げるには顧客単価を上げるのもポイントです。ただし単純な既存製品・サービスの値上げを行うと不満が増えて離脱率が増加する可能性があるので、値上げではなく他の方法で利益を挙げる方法を検討した方がよいです。

たとえば既存プランより1つ上の特典が豪華なプランを用意して、そちらへ加入してもらえるようにキャンペーン情報を発信する施策などが考えられます。また既存製品と関係があり、いっしょに使うと相乗効果が得られるような製品を販促するのも有効です。

このように無理がない範囲で顧客単価が自然と上がるような仕組みを作るために、ユーザーメリットを押し出しながらよりお金を使ってもらえるように誘導する施策を考えてみましょう。

提案の精度を上げるには、購買履歴の活用が欠かせません。過去に買った商品と相性のよいものを案内すれば、押し売りではなく提案として受け取ってもらえます。全員に同じ上位プランを勧めるより、履歴に沿った提案のほうが反応率は高くなります。

値引きに頼らず単価を上げる方法として、セット販売や数量限定の上位商品も有効です。「安くする」のではなく「もう少し良いものを選んでもらう」設計にできれば、利益を削らずに単価を伸ばせます。

利用(継続)期間を延ばす

単発で利益を大量獲得するよりも、継続的に少しずつ利益を得たほうが総合的に利益が増えるケースもあります。LTVにおいても1回当たりの利益だけでなく、その利益をどれくらいの期間獲得できたかを考えて延長できるように工夫するとよいでしょう。

今の顧客単価が多少下がってしまっても、継続期間を2倍や3倍にできれば結果的にかなりの利益向上につながります。リピーター施策に力を入れながら離脱率を減少させて、1人当たりの平均サービス・製品の継続利用期間を増やすことで利益を増加させてみましょう。買い切り型の製品・サービスが減ってきている今だからこそ、利用期間の延長がより重要です。

継続期間を延ばすうえで最も重要な場面は、初回利用から2回目の利用までです。ここを越えられるかどうかで、常連になる人数が大きく変わります。3回目以降は利用が習慣化しやすく、離脱率は下がる傾向にあります。

そのため、初回利用の際に次につながる接点を必ず1つ残しておくことが有効です。次回使えるクーポンを渡す、アプリの登録を案内する、スタンプを1つ押すといった行動が、2回目の理由になります。

離脱を減らすことがLTV最大化の近道になる

3つの軸のうち、多くの店舗で最も改善余地が大きいのが継続期間です。新しい顧客を集め続けても、同じペースで離れていけば全体の数は増えません。バケツに穴が開いた状態で水を注いでいるのと同じ構図です。

離脱は、ある日突然起こるものではありません。来店の間隔が少しずつ延びる、購入点数が減る、以前は反応していた通知を開かなくなるといった小さな変化が先行して現れます。

こうした変化は日々の接客では気付きにくく、データとして時系列で追ってはじめて見えてきます。最終来店日からの経過日数を自動で判定し、一定の日数を超えた顧客へ案内を送る仕組みがあれば、離脱が確定する前に接点を持ち直せます。

呼び戻しの案内は、経過日数でグループを分けて内容を変えると効果的です。30日程度なら軽い案内で十分ですが、半年以上空いた顧客には特典の魅力を高めた内容が必要になります。ただし期間が長いほど反応率は下がるため、予算を投じすぎない判断も必要です。

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なぜ自社アプリでLTVが上がるのか?具体的な施策

ここからは自社アプリを使うとLTVが上がる理由や、具体的な施策等をご紹介します。

自社アプリ(店舗アプリ)とは

自社アプリとは複数の店舗が情報掲載しているポータルアプリとは違い、自店舗専用に構築され情報を発信できるアプリのことです。主に外注して業者に開発を依頼したり、アプリプラットフォームを使って自作して用意するのが代表的になっています。

自社アプリでは独自のデザインや機能を打ち出して販促が可能です。またその性質上、リピーター施策に活用すると大きな効果が見込めます。

ただし制作・提供に一定の初期・ランニングコストが掛かるので、コストが掛からない他の手法も使いながら認知度を上げて利用者を増やす、といった工夫を行うとよいでしょう。

LTVの観点で見たときの最大の違いは、顧客データが自社に残るかどうかという点です。ポータルアプリやSNSに蓄積される情報は運営側の保有物であり、掲載やアカウント運用をやめた時点で使えなくなる可能性があります。

自社アプリであれば、来店頻度や購買金額、クーポンの利用状況といった記録が自社の資産として積み上がります。LTVは長期間の積み重ねを見る指標であるため、データを保有し続けられること自体が前提条件になります。

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自社アプリはリピート施策をうちやすい

自社アプリは消費者のスマートフォンに滞在するのが特徴です。一度閲覧が終わると再度閲覧するのが面倒臭いWebサイトと比較して、スムーズに起動して利用できるのは大きなメリットと言えるでしょう。

また自店舗の情報だけを送信できるので、他の情報が混ざってしまうSNSやポータルアプリと比較すると効率よく情報を送信できる点もメリットです。こういった特徴から、自社アプリはリピート施策を打ちやすいと言われています。

実際アプリ内ではこれから説明する各機能を総合的に搭載して提供できるので、リピート施策をアプリ1つへ集約して実行することも容易です。

もし既存のリピート施策がうまくいっていない、あるいはこれからリピート施策を本格的に実行するが手法が定まっていないという方にはアプリの制作・利用がおすすめです。コストを掛けたくない場合はアプリプラットフォームを使えば、外注するよりも低コストでアプリを用意して提供可能になっています。

施策を集約できる点は、運用面でも効いてきます。クーポン、会員証、通知、分析がばらばらのサービスに分かれていると、管理画面を行き来する手間が増えるうえ、データも分断されてしまいます。同じ画面でデータを見てから施策を実行できる状態は、施策の回転速度をそのまま高めてくれます。

自社アプリを使ったLTV向上の施策

ここからは自社アプリを使うとどのようにLTVが上がるのか、その施策について解説します。

プッシュ通知

アプリで使われる代表的な機能の1つが、プッシュ通知です。これは消費者のスマートフォンに目立つ形で通知を送る方法として、メールに代わって定着してきている情報発信の手法です。

プッシュ通知は発信できる情報が限定されないので、キャンペーンや新チラシの配布、クーポン配信などさまざまな用途で利用可能となっています。どの情報を送信するのか検討しながら配信設定を行うことで、継続的な来店を促すことも簡単です。

LTVを意識するなら、全員へ一斉配信するのではなくセグメントごとに出し分けることが重要です。最終来店日からの経過日数で30日以内、31〜90日、91日以上といった区切りを設け、それぞれに違う内容を届けるだけでも反応は変わります。

配信の頻度も管理対象に含めてください。通知が多すぎると許可を切られたりアプリを削除されたりします。開封率と併せて通知オフ率やアンインストール率も確認し、顧客が負担に感じない範囲を見極めることが、長期的なLTVの改善につながります。

関連記事:プッシュ通知のパーソナライズ成功法則!売上を上げる5つの鉄則

ポイントカード・会員カード制度

LTVを向上させるためには、継続的に使ってもらえる特典の仕組みを確立する必要性も出てきます。仕組み確立のためによく利用されるのが、定常的に用意できるポイントカード・会員カード制度です。

お買い物ごとにポイントが蓄積され、任意のタイミングで利用できる方式を作ることで販促がしやすくなります。店舗によってはポイント2倍・3倍になるキャンペーンを実行したりして集客力を高めているところも多いです。またランクアップといった仕組みを設けることで顧客のモチベーションを向上させて、さらなるお買い物へつなげることも可能になっています。

ポイントカード・会員カードの導入によっていきなりLTVが向上することはないかもしれません。しかし顧客をリピーター化するまでの工程を定着化させて、少しずつLTVを成長させていくためにはカード関連の制度は重要になってきます。

付与率を決める際は、原価とのバランスを先に計算しておきましょう。還元率が高すぎると利用は増えても利益が残らず、低すぎると貯める動機が生まれません。付与率と使用率の両方を追いかけながら調整することで、適切な水準が見えてきます。

ポイントの有効期限が近づいた顧客へ通知を送る運用も忘れないでください。失効前の案内は来店のきっかけとして反応が高く、顧客側にとっても損を防げる情報として受け取ってもらえます。

デジタルクーポン

継続的にお得感を出すために、デジタルクーポンの配布は代表的な手法として使われています。アプリ内では初回登録やキャンペーン中といったタイミングに合わせて、内容を変更したクーポンを気軽に配布可能です。

クーポンの割引率については利益が減少しないように調整する必要性がありますが、対象者や店舗等まで調整しながら適切にクーポンを配信することで効果的にLTVを成長させられます。アプリ内でクーポンを使う形式にすると既存の紙クーポンのコストが減少して、また利用率まで可視化できる点もメリットになるでしょう。クーポン施策を加速化させるために、ぜひアプリを活用してみてください。

LTVを削らないためには、割引に頼りすぎない設計が欠かせません。クーポンがないと来店しない層と、有無に関わらず来店する層を利用履歴から切り分けられれば、後者には値引き以外の特典を用意して利益を守れます。

有効期限は来店周期に合わせて2週間から1か月程度に設定し、期限が近づいたら通知で知らせる運用にすると利用率が高まります。期限が長すぎると後回しにされ、そのまま忘れられてしまいます。

関連記事:デジタルクーポンとは?種類・紙との違い・アプリで配信するメリットや活用のコツを解説

デジタルチラシ

コストをLTVから引いてより正確な利益を計算する場合、デジタルチラシの配布もLTVを成長させるために有効となってきます。既存のチラシだと印刷代や紙代などが掛かりますし、店舗内や外部への配布等まで考えると費用がかさんできます。

せっかく顧客が増えてもその分チラシの発行数が増えると総合的な利益が減少してしまうのがネックです。しかしアプリ内でデジタルチラシを配布する場合は、基になるデータさえ追加したり差し替えたりすれば印刷代や紙代がなくなるので、一気にコストが減少します。

またチラシデータをスピーディーに変更することで、限定キャンペーンの告知なども紙チラシよりスムーズに行えるでしょう。すぐ告知ができるので鮮度が落ちないのも大きなメリットです。こういったデジタルチラシのメリットを考えると、継続的なLTVの成長には大きく役立ってくるでしょう。

コスト構造の違いにも注目してください。紙のチラシは配布するたびに費用が発生しますが、アプリからの配信は会員数が増えても1件あたりの追加コストがほとんど変わりません。顧客数が増えるほど1人あたりの販促コストが下がっていく構造になっており、LTVから差し引く費用そのものを圧縮できます。

ネットショップ

LTVを最大化するために、アプリ内でネットショップを提供するのも有効です。ネットショップは既存のモノがあればアプリ内ですぐ開けるように設定できますし、ケースによってはアプリ内に直接機能を搭載することもできます。

ネットショップには実店舗へ来店した後の顧客をフォローする役割があり、具体的にはすでに購入した製品の定期購入をショップで促したり、EC利用に関して実店舗で使えるクーポンをプレゼントしたりする施策などです。こういった施策によって実店舗でもECでも製品を購入する方式が定着して、LTVが成長する可能性があります。

ただしネットショップと実店舗の利益を連携させるには一定のコツが必要です。ノウハウがない場合はアプリプラットフォームの提供先などに協力を要請してみるとよいでしょう。

連携を成立させるうえで重要なのが、会員IDを共通にしておくことです。ポイントや会員ランクをどちらでも使える状態にすれば、顧客はチャネルの違いを意識せずに利用できます。店舗とECの両方を使う顧客は接点が増える分、離脱しにくくなる傾向があります。

関連記事:飲食店の集客には自社アプリを使うべき!ポータルアプリやアナログ販促にはないその効果とは

スタンプカードと会員ランク

来店回数そのものを目的にできるのがスタンプカードです。1回の来店で1つスタンプが押され、規定数に達すると特典が受け取れる仕組みは分かりやすく、あと何回で特典に届くのかが目に見えることで来店の動機づけになります。

さらに一歩進めたのが会員ランク制度です。来店回数や累計購買金額に応じてランクが上がる仕組みを設ければ、顧客自身が現在の状態を認識できるようになり、次の段階を目指す動機が生まれます。上位ランクの顧客が増えているかどうかは、LTVが伸びているかを示す分かりやすい指標にもなります。

設計する際は達成のハードルを下げることを意識してください。最初の特典に届くまでが遠すぎると、多くの顧客が途中で離脱します。3回目や5回目に小さな達成点を置き、早い段階で得をしたという体験を届けるほうが継続につながります。

関連記事:スタンプカード機能搭載アプリで顧客満足度向上!メリットや活用方法などを徹底解説

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LTVを高めるのに自社アプリを活用するメリット

LTVを高めるために自社アプリを活用すると、次のようなメリットがあります。

アプリインストールに対する抵抗感は少ない

そもそもスマートフォンの利用者からすると、アプリの利用は当たり前の行動のため、アプリダウンロードにも抵抗感は少ないです。

総務省の情報通信白書では年々スマートフォンの普及率を追っていますが、その普及率はPCや固定電話を超えました。すでにインフラとして定着しているスマートフォンは、テレビといったマスメディア以上に効率的に情報を発信できるツールとしても機能します。

またSensor Towerの報告によると、2022年のゲームアプリ以外のアプリダウンロード数は867億でした。これは2019年比で18.5%増加しており、今までの傾向からすると若干成長率は落ちているものの2023年以降はさらに成長すると見込まれています。

普及の水準を数値で確認すると、総務省「令和7年版 情報通信白書」では2024年時点のスマートフォンの世帯保有率は90.5%、モバイル端末全体では97.0%に達しています。パソコンの66.4%と比べても差は明らかで、店舗が情報を届ける先はスマートフォンに集約されつつあります。

ただし、抵抗感が少ないことと実際にダウンロードされることは別の話です。導入直後に力を入れるべきなのは、来店客へ確実に案内する仕組みづくりになります。レジ横のPOPや会計時の声かけを用意し、文言をスタッフ間で統一しておけば取りこぼしを防げます。

関連記事:入れた方がいいお店アプリは?店舗アプリの成功事例と人気機能ランキングを解説

顧客情報の一元化でよりパーソナライズな情報提供が可能

自社アプリでは顧客の会員情報や購買情報などを集約して管理可能です。こういったCRM的なアプリ活用は、LTV施策にも関与してきます。

具体的には現在のランクや購入金額、来店の傾向などを総合的にツールで分析することで、よりパーソナライズな情報を届けられるようになります。個人情報の取得や活用については気を付けるべき点が多いですが、事前に同意を得た上で収集できるようにするとよいでしょう。

現代は消費者が受け取る情報量が多く、適切なタイミングで適切な内容の情報を届けることが重視されています。そこでタイミングや内容を調整しやすい自社アプリがおすすめです。

分析の手法としては、購入日・購入頻度・購入金額の3つで顧客を分類するRFM分析がよく使われます。「最近来ていないが、以前は高頻度・高単価だった顧客」を抽出できる点が実務的で、この層は完全な新規より復帰の見込みが高く、少ない特典でも反応が返ってきやすい傾向にあります。

収集する情報の範囲と利用目的はプライバシーポリシーに明記し、会員登録の時点で同意を得る流れを整えておいてください。社内でも誰がどのデータにアクセスできるかを決めておくと、運用が安定します。

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LTV向上施策を回すための進め方

測る指標を決めて定点観測する

LTVは長期間の積み重ねで動く指標のため、月単位では変化が見えにくいという特徴があります。そのためLTVそのものだけを追いかけていると、施策が効いているのか判断できないまま時間が過ぎてしまいます。

そこで、LTVを構成する要素を分解して追いかけることが有効です。平均来店間隔、平均客単価、休眠率の3つを毎月確認すれば、どの部分が動いたのかを短いサイクルで把握できます。

アプリを導入している場合は、アクティブユーザー数とクーポン利用率も併せて見ておきましょう。会員数が増えていても実際に使われていなければ、LTVには反映されません。

数値を確認する際は、単月ではなく前月比や前年同月比と並べて見てください。季節要因なのか施策の効果なのかを切り分けられるようになり、判断の精度が上がります。

関連記事:MAUとは?アプリのアクティブユーザー数の計算方法と増やし方を解説

セグメントごとに施策を出し分けて検証する

LTVを伸ばす施策は、全員に同じものを当てても効果が薄くなります。来店頻度が高い層と低い層では、必要な後押しがまったく違うためです。

頻度が高く単価も高い層には、値引きよりも限定商品の先行案内や特別な体験のほうが響きます。一方で頻度は高いものの単価が低い層には、セット提案や上位商品の紹介が向いています。誰に何を当てるかを切り分けることが、割引に頼らず利益を伸ばすための前提です。

検証の際は一度に複数の要素を変えないことがコツです。配信時間だけを変える、特典内容だけを変えるといった形で条件を絞れば、何が効いたのかを正しく判断できます。

最初から複雑なシナリオを組む必要はありません。誕生月の配信と、一定期間来店がない顧客への配信という2つから始めれば、少ない手間で効果を確認できます。反応を見ながらパターンを増やしていくほうが、結果的に精度の高い運用になります。

自社アプリを導入するなら「店舗アプリDX raiten」

LTV最大化のために自社アプリを導入したい方には、弊社が提供するサービス「店舗アプリDX版 raiten」がおすすめです。アプリを誰でも最短20日で用意できますし、ポイントカードやデジタルチラシの配信、プッシュ通知やクーポンの活用なども簡単にできます。

また分析ツールも用意しているので、手軽にLTVに関する指標をトラッキングできるのもメリットです。気になる方はぜひ弊社へご連絡くださいませ。

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販促に使う機能と、来店状況を確認する分析画面が同じ管理画面にまとまっているため、データを見てから施策を実行するまでが1つの画面で完結します。専門知識がなくても操作でき、複数店舗を運営している場合でも店舗ごとの状況を比較しながら運用を進められます。

まとめ

今回はLTVの概要や向上させる方法などをご紹介しました。時代も大きく変化し、現代では1人当たりからどれくらい利益を得られるのかを計算することが重要になりました。そしてLTVは利益を可視化して向上させるために必要な指標となってきています。

LTVを伸ばすためには継続的な情報発信が必要です。ぜひアプリを使ってプッシュ通知やクーポンなどを利用し、LTVを成長させてみましょう。

最初から3つの軸すべてに手を付ける必要はありません。まずは平均来店間隔と休眠率を確認し、離脱を減らすところから着手するのが最も動かしやすい進め方です。穴をふさいでから水を注いだほうが、同じ労力でも結果は大きく変わります。

そのうえで単価や頻度の施策を重ねていけば、LTVは着実に積み上がっていきます。自社アプリはその全体を1つの場所で回すための土台として機能してくれるはずです。

参考:総務省「令和7年版 情報通信白書」

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