スマホ決済の普及で店舗からレジが消える?決済システムのトレンドを時系列順に紹介
突然ですが、あなたの店舗はどうやってお客様のお支払いを決済していますか?
最近は今までの重いレジ用の決済機器を導入する必要もないタブレットPOSやスマホ決済のシェアが増えてきています。また、レジで対応するスタッフもいない無人の店舗も出始めています。
今回は従来のPOSレジや現在普及してきているタブレットPOSレジやスマホ決済システム、そして最新の無人決済システムまで、時系列順に決済システムの流れをご紹介。
決済がどんどん簡略化されて便利になっていることを感じていただけたらと思います。
目次
1:導入コストの負担が大きい従来のPOSレジ
今までのPOSレジはどんなシステムを用い、そしてどうやって普及していったのでしょうか?ここではそれを探っていきます。
- POSとは?
- POSレジの歴史
- POSレジのデメリット
- 導入コストの負担の大きさ
POSとは?
従来のお店のレジには「POS」というシステムが搭載されています。
POSとは「Point Of Sales」のことで、お客様が購入した 物品の売上合計を集計するためのシステム。
商品についているバーコード(縦に商品データをコード化したもの)を赤外線リーダーなどで読み取り、それぞれの商品の販売数や売上合計を自動で集計します。
POSレジの歴史
POSを搭載したレジが登場したのが1970年代。アメリカの小売業界は当時零細状態で各店舗の利益は先細りしていました。しかしPOSレジの導入により売り上げ管理の工程が大幅に簡略化され、収益が改善。市場規模が拡大しました。
また日本でも1972年、ダイエーと三越百貨店が協力してバーコード読み取りのテストが行われ、バーコードの企画自体も共通の枠組み(JANコード(Japan Article Number))が完成。
その後セブンイレブンでの本格導入を皮切りに、次々と小売業界やアパレル業界などでPOSレジが普及。現在に至ります。
POSレジのデメリット
日常になくてはならない決済システムですが、従来のPOSレジには導入や利用にあたり様々なデメリットがあります。
- 機器やシステムの導入コストがかなり高い
- 停電などの緊急時に弱い
- バーコードしか基本読み込めない
機器やシステムの導入コストがかなり高い
ここがどこでもいわれる一番のネックポイント。
従来のPOSレジは機器自体が高額なので、導入コストがかなり高くなります。
時代を経るにつれて機器の価格は下がってきていますが、小規模の店舗では導入だけでもかなりのコストになります。
停電などの緊急時に弱い
POSレジは停電などの緊急時にも弱い部分があります。停電してもPOSに保存されている売り上げデータなどは残ります。
しかしPOSの決済機能自体は完全に停止してしまい、停電復旧までレジ決済が不可能に。
POSレジを導入する際は、店舗の電源が落ちないように常に気を配らなくてはなりません。
バーコードしか基本読み込めない
POSレジはバーコードを読み取る専用の機器として普及しました。
しかし最近では「デンソー」が開発した「QRコード」などのコード技術も普及。QRコード形式にはPOSレジはほとんど対応していません。
このように新しいコード形式が登場した場合、従来のPOSシステムでは対応が困難です。
従来のPOSレジは、コスト面や汎用性で大きなデメリットがありました。そこで近年、手軽に導入することができるタブレットPOSレジの普及率が上がっています。
2:小規模店舗でも手軽に導入可能なタブレットPOSレジ
ここからは、従来のPOSレジに代わるタブレット型のPOSレジについてご紹介していきます。
- タブレットPOSレジとは
- タブレットPOSレジのメリット
タブレットPOSレジとは
タブレットPOSレジとはその名の通り「タブレットにPOSシステムをインストールしてレジ化した決済機器」です。タブレットにPOS用アプリを導入するだけで導入できるとあって、どんどんシェアが増えています。
タブレットPOSレジのメリット
タブレットPOSには、
- 導入費用が従来のPOSレジより圧倒的に安い
- 様々なコード形式に対応し、汎用性が高い
- 操作が直感的で簡単
などのメリットがあります。
導入費用が従来のPOSレジより圧倒的に安い
従来のPOSレジは、導入費用の高さが一番のデメリットでした。
しかしタブレットPOSでは、アプリをインストールするタブレット+POSアプリ+ネットに接続するWi-Fi環境の3つがあれば導入が可能。
タブレットに関してはiPadなど、市販のものを用意すればOK。
ネット環境は「Wi-Max」などの一般プロバイダーサービスに登録すれば容易に構築が可能。POSアプリに多少導入費がかかりますが、従来のPOSレジに比べればはるかに安価。
このようにPOSシステム導入への敷居がコスト面で低いのがタブレットPOSのメリットです。
さまざまなコード形式に対応し、汎用性が高い
従来のPOSレジでは、QRコードなどの最新コード技術に対応できませんでした。
しかしタブレットPOSではアプリのリーダー機能で簡単にQRコードを読み取れるなど、最新のコード技術にも対応。これから登場するであろう最新のコード形式にもアプリをアップデートするだけで容易に対応可能。
将来性を考えてもタブレットPOSレジは従来のPOSレジより有利です。
操作が直感的で簡単
従来のPOSレジではパソコンなどの一般機器とはまた違った操作が必要だったため、スタッフが操作を覚えるのに多少の時間を要しました。
しかしタブレットPOSレジで使うのは、直感的に使えるタッチパネル型のタブレット。タブレットを使ったことがあればあっという間に操作を覚えられるし、スマホ操作になれていればタブレット操作にもさほど困りません。
操作が直感的で簡単なのもタブレットPOSレジのメリットです。
上記のようにタブレットPOSレジにはさまざまな利点があります。
そんなタブレットPOSレジから一歩進んだ最新の決済技術がスマホ決済。タブレットPOSレジ普及という後押しもあり、どんどんシェアが拡大しています。
3:スマホ決済が急拡大!キャッシュレスの波
ここからは、スマホ決済とは何か、そして決済タイプやメリットもご紹介していきます。
- スマホ決済とは
- スマホ決済の種類
- スマホ決済のメリット
スマホ決済とは
スマホ決済とはその名の通り「スマホを用いた決済方法」です。
モバイル決済と呼称されることも。ユーザーが普段持っているスマホを利用する決済方法であり、現代のライフスタイルに最も即した決済方法であるといえます。
スマホ決済の種類
スマホ決済には主に2種類あります。
- FeliCaでの決済
- QRコードでの決済
FeliCaでの決済
FeliCaとは「ソニー」が開発したICチップを使った非接触型決済技術。お店で用意したFeliCa対応ICリーダーにユーザーが用意したFeliCa搭載スマホをかざすだけで決済が完了します。ただしこの方法だと、ユーザーがFeliCa対応スマホを持っていないと決済ができない弱点がありました。コンビニや大手スーパーでよく見かけます。
Felicaでの決済に代わって普及しているのはQRコードを用いたスマホ決済方法です。
QRコードでの決済
QRコードでの決済には
- 静的タイプ:店舗があらかじめ印刷して用意したコードをユーザーが専用のアプリで読み取る
- 動的タイプ:お店側のタブレットに表示されたQRコードをユーザーが読み取るか、あるいはユーザーがスマホアプリに表示したQRコードをお店側で読み取る
の主に2タイプがあります。FeliCa対応の機器をお店やユーザーで用意しなくても、機器画面に表示したQRコードで簡単に決済が可能なため、近年どんどん普及している決済方法です。
スマホ決済のメリット
スマホ決済には次のメリットがあります。
- お客様が簡単に決済できる
- 導入費が安い
- 外国人観光客などにも容易に対応できる
お客様が簡単に決済できる
スマホ決済においてお客様が用意するのは、普段から持っているスマホだけです。例えばお客様は仕事の連絡をスマホで取りながら、レジの順番が来たらサッとスマホ決済用アプリを起動させて支払いを済ませられます。従来の現金やクレジットカードを使った決済方法よりもさらに簡単に決済できるのが、スマホ決済の最も大きいメリットです。
導入費が安い
スマホ決済の導入に必要なのは、モバイル用の決済機器やFelica対応のリーダー。
Felica対応のリーダーについては提供サービスが導入費無料キャンペーンを実施していたり、格安で導入できる可能性が高いです。またQRコード決済のみだけの対応で良ければ、QRコードを表示したり読み込めるタブレットと専用アプリがあれば簡単にスマホ決済を導入可能。
タブレットPOSレジと同じように導入のハードルが低いのもスマホ決済のメリットです。
外国人観光客などにも容易に対応できる
近年はインバウンドをはじめとする外国人の訪問客が日本にどんどん流入しており、「東京オリンピック」などのビッグイベントも控えその流れはさらに加速していきます。外国では日本よりQRコードを使ったスマホ決済のシェアが拡大中。
QRコードを使ったスマホ決済を導入すると、こういった外国人客の支払いにもしっかり対応が可能です。
4:レジも必要としない!?支払いはすべてスマホのみで
ここまで紹介してきたとおり、従来のPOSレジに代わりタブレットPOSやスマホ決済の普及率が上がっています。そこからさらに一歩進んで、ついにはレジすら必要としないアプリのみの決済方法が登場しました。
- Amazon GO
- ローソンスマホペイ
- Developers.IO CAFE
- Largo Cafe & Bar Lounge presented by UCC
Amazon GO
スマホのみで決済できるサービスとしてまず名前が上がるのが「Amazon GO」。当初はAmazon社員限定で利用出来ましたが、2018年1月には待望のシアトル店がオープンして一般人も利用可能に。以後「サンフランシスコ店」や「シカゴ店」と、店舗拡大が進んでいます。
ユーザーはAmazon GO店舗設置のゲートにAmazon GOの専用アプリで表示したQRコードをかざして店舗内に入ります。
店内にはAmazonが特許出願中の「Just Walk Out Technology」が用意されています。
これはカメラとマイク、棚に内蔵されているセンサーを駆使してユーザーの動きをトラッキング(後追い)する技術で、ユーザーの細かい買い物の動きを推測、感知して取得可能。
この「Just Walk Out Technology」によりユーザーはレジで決済を済ませることなく、ゲートを出るだけで勝手に決済が完了します。
「一旦棚に戻した商品を再びバッグに入れる」などの複雑な動きもしっかり後追いして決済に反映できるのがすごいところ。
「並ばないといけない」「待たないといけない」というレジ決済のデメリットを全て解決する新しい決済サービスとして、現在注目が集まっています。
ローソンスマホペイ
「ローソンスマホペイ」は「ローソン」発の無人スマホ決済システム。
ユーザーが「ローソンスマホペイアプリ」をインストールして入店した店舗を検索
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ユーザーが店内で買いたい商品を手に取り、ローソンスマホペイアプリのバーコードリーダーで読み取る
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買い物が終わった後、ユーザーがアプリで決済を済ませる
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専用機器にローソンスマホペイに表示させた決済用のQRコードを読み込ませる
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店内から出てお買い物完了
という流れでサービスが提供されます。
ユーザーが商品バーコードを読み込む必要があるなど、AmazonGOほど自動化が進んでいるとはいえませんが、無人でお買い物ができるというのは十分日本では画期的。導入に必要なシステムも簡単に構築できるとあってか、北は東北、南は九州まで、各地で導入が進んでいます。
Developers.IO CAFE
「Developers.IO CAFE」はエンジニア集団である「クラスメソッド」が提供する無人決済カフェ。カフェに入店した後は専用アプリから注文するだけで席に座ったままメニューを受け取れます。また入店前の注文も可能で、事前に注文したメニューを来店してすぐに受け取れるシームレス(継ぎ目のないスムーズ)な決済システムが特徴。
また細部にはクラスメソッドの社長がほれ込んだAmazonGOをリスペクトした技術が生かされています。
AmazonGOと同じように入店したユーザーの動きをトラッキング。Developers.IO CAFE内の商品棚でユーザーが手に取った商品を認識。決済を自動化するほか、買わなかった商品もクーポンを配布したりしてリマーケティング(再販促)します。
今後実験店の導入なども進めることになっており、動向に要注目のサービスになっています。
Largo Cafe & Bar Lounge presented by UCC
缶コーヒーで有名な「UCC」の系列店舗「Largo Cafe & Bar Lounge presented by UCC」ではスマホから事前注文・決済が可能になっています。
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来店前に公式サイトへアクセス
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商品を選んで受け取り時間を指定する
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クレジットカード情報を登録して受け取り時間を指定。商品金額を先払いする
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店頭にて商品を受け取る
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といった流れで決済を行います。
利用者は事前に注文・決済を済ませることで、レジに並ぶことなく、キャッシュレスかつスムーズな受取りが可能となります。店舗側では商品の注文受付や会計などの店舗オペレーション負荷を軽減することができ、調理や接客の品質向上や回転率の向上が見込めます。
5:まとめ
ここまで従来のPOSレジからタブレットやスマホ決済に流れが移ってきていること、そして無人の店舗も登場してきて今後ますます決済が簡略化される時代が来つつあることを紹介していきました。
導入費が安い、操作が簡単など、小規模の店舗でも導入が容易なタブレットPOSやスマホ決済システム。外国人観光客などに将来対応できるという点でも有望な決済方法です。
今後はAmazonGOなどの無人の決済システムも普及していくことと思われます。
弊社提供の「店舗アプリ」では店舗近くにいるお客様に時限式クーポンを配布したり、リピート集客に効果的なプッシュ通知や最新情報のお客様ごとの配信など、次世代の集客方式をサポートいたします。
「店舗アプリ」で作成した自社の公式アプリで、事前決済や定額サービスの提供も可能です。
アプリ決済するために、公式アプリをダウンロードする。そういった流れにもなっています。アプリのダウンロードが増えれば、再来店や購買金額アップにもつながっていきます。
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