リピート強化で売上アップ!会員ランクを活用した顧客の囲い込み方とは?
店舗マーケティングにおいて、リピーターの確保および増加は重要な意味を持ちます。潜在的な顧客が減少している今の市場において、継続的に自店舗の商品・サービスを購入して利用してくれる顧客の数や購入額が店舗成長のカギを握るからです。
リピーターを作る施策はいくつかありますが、代表的なのが会員ランク制度です。会員ステータスを設定してランクアップを促すことで、店舗への来店回数や購入額が増加したりとさまざまな効果を得られます。
今回はそんな会員ランク制度のメリットや注意点などをご紹介していきます。
目次
売上アップにはリピーターが重要!
売上アップにリピーターが重要なのは、次のような理由があるからです。
人口減少やコモディティの問題
売上アップにはリピーターが重要な理由の1つに、市場の縮小があります。
そもそも人口自体が減少している現代では、後ほど顧客になってくれるような人が潜在的に少ないという問題があるのです。そこで1人でも多くの方にリピーターになってもらうことで、売上額を確保したりといった目標を達成したいという店舗が多くなりました。
加えて似たような商品・サービスが増加した現代では、わざわざこの店舗に行きたい・この商品をブランドで選んで購入したいといったある程度のきっかけがないと顧客が定着しないというコモディティの問題もあります。
コモディティの問題をなくして売上アップなどを目指すためには、リピーター施策を行い選んでもらえる店舗になる必要性があります。
パレートの法則といった典型例がある
リピーターが店舗売上にとって重要というのは、マーケティングに関係する法則でも紹介されています。
さまざまなメディア等で取り上げられている有名な「パレートの法則」では、「2割が8割を作り出す」という概念がポイントになっています。
店舗マーケティングにこれをあてはめて「2割のリピーターが8割の売上を作り出す」というのを説明する事例がありますが、多くの店舗で実際に2割前後の熱心なリピーター客が店舗売上の8割前後を担っているケースが発生しているのがポイントです。このように店舗売上のほとんどを担っていることが多いリピーターを増加させることで、店舗の売上を減らさずに増加・成長させられるでしょう。
社会情勢が変化しても店舗成長を促進できる
社会情勢が変化して店舗が影響を受けた事例として、新型コロナウイルスがあります。コロナ禍で店舗売上が低下して打撃を受ける店舗が多い中、オンラインストアを充実させたり、オムニチャネルを実現してリピーターの利便性を確保したりとさまざまな施策が行われました。
こういったようにリピーターを意識してデジタル化などを促進・コロナ禍が去った現在でもそのノウハウを活かしてリピーターを維持・増加させている店舗事例が存在するのがポイントです。
売上増加を達成するためにはデジタル化も意識して、リピーターをどこで確保するのかまで考える必要があります。店舗と顧客のタッチポイントはオンラインといった店舗外にまで広がっており、オンラインストアの顧客が実店舗に来店したり、実店舗へ来店した顧客がオンラインストアを閲覧したりといった動きも当たり前になりました。こうした顧客の購買行動の順番等を意識しながらリピーターを増加させられるようにすると、店舗マーケティングの成功確率が上がるでしょう。
会員ランク制度とは?
会員ランク制度とは、「各ステータスごとに顧客を割り振って、ランクアップが目指せるようにさまざまな仕掛けを行う施策」です。
ステータス内容でよく見るのが金属にたとえたランクステータスを設ける事例であり、これは、
- プラチナ
- ゴールド
- シルバー
- ブロンズ
といったように上に行くほど高いランクになるように設定してリピーターを創出します。もちろんこれは一例であり、店舗ブランドによってはそのお店の商品・サービスになぞらえたランクステータスが用意されているなどユニークな事例もあります。
会員ランク制度が店舗のリピーター増加に効果があるのは、すでに多くの店舗で導入がされており会員特典を用意していることからも容易に想像が付くでしょう。会員ステータスがリピーターの増加につながる主な要因については、次の章で解説していきます。
会員ランク制度がリピート強化に繋がる理由
会員ランク制度は、人のモチベーションに働きかけることでリピート率強化などを達成できるのがメリットです。
ランクアップのための再来店が狙える
会員ステータスは単にランクアップが行われるだけでなく、上げることでポイント倍率が上がったり限定のサービスが受けられるようになったりとさまざまな特典を受けられます。当然最上位のランクでは最高ランクの特典が用意されていることがほとんどです。このような状況で顧客は「ランクを上げたいからまた来店しよう」というきっかけが発生します。
さまざまな場所で同じような商品・サービスを購入できるようになった現代では、こういった再来店を行うためのきっかけを作ることがとても重要です。
ランクアップに必要なアクションを簡単すぎず・難し過ぎないちょうどよい難易度に設定することで、ランクアップに対して高いモチベーションが発生して再来店率が増加していくでしょう。
競合他社との差別化ができる
ランクアップ制度は競合他社との差別化ができる点でもメリットがあります。
たとえば自店舗と競合他社B店が存在し、顧客はどちらにも寄ったことがある設定を想定してみてください。B店にはそもそも会員制度が存在せず、自店舗には5段階のランクアップ制度が用意されている状況で顧客はすでに上から3番目のランクに行っているとします。3番目のランクではポイント倍率が3倍になり、また限定で商品クーポンが定期的に配信されている状況では、そういった特典が特になくモチベーションを刺激しないB店よりも顧客が選びたいというきっかけができています。
また同じようにランクアップ制度がB店に用意されているとしても、自店舗の特典内容が豪華でターゲットに合っていれば、顧客はやはりこちらのお店を選ぶでしょう。
このように競合他社との差別点を作るきっかけとしてランクアップ制度を活用することを検討してみてください。
会員ランクに合わせて効果的に販促を行える
会員ランクの状況は分析工程においても重要な意味を持ちます。
たとえば、
- 性別
- 年齢
- 地域
- 会員ランク
といった項目でデータが収集され、いつでも分析できる状況を想定してみてください。
この4項目だけでも、
- 20代男性で、ステータスが5段階中上から2番目の熱心な顧客
- ステータスは一番下だが、ランクアップ見込みが高い30代女性
- しばらく来店していないがランクが高く、掘り起こし価値のある40代男性
といったようにさまざまなセグメント分けが可能です。
こういった状況に応じた細かいセグメントを行うことで、顧客によってどのようなメッセージを送信すればよいか、といったアプローチを考えやすくなるのがポイントです。
このように正確性の高いパーソナライズな施策を実現するためにも、ランクアップ制度の準備やステータス状況のデータ収集は重要になってきます。
会員ランク制度にはこんなメリットも
他にも会員ランク制度にはこんなメリットがあります。
顧客単価のアップ
会員ランク制度を上げるために、「購入額が一定以上になる」というアクションを設定しているところが多いです。たとえば1か月に1万円以上お買い物をすると、ランクがブロンズからシルバーに格上げになるといった感じです。また3か月といったように一定期間経過後にいったんランクをリセットする事例もあり、定期的に購入を行いランクを維持しようという顧客を刺激するのにもランク制度は利用されています。
こういったように購買へ直接つながるようなアクション設定を行いランクアップが目指せるようにすることで、顧客単価が上げられるのがポイントです。
また購入額増加に直接つながらなくても、「週に1回以上来店する」といったアクションを設けて客引きを行うことで、広い範囲で顧客を来店へ誘導してランクアップが目指せるような状況を作り出すことが可能です。
売上の安定化
ランク制度が用意されていると、「今月はこの店舗でこれくらい買い物をしたい」、「週に1回くらいは来店してランクを上げておきたい」といった顧客が増加します。こういった顧客の増加によってリピーターがどんどん増えていき、最終的には一定数の売上が確保できるようになるのもポイントです。
新規顧客の囲い込みや集客だけに集中していると、コストばかりが増加してしまい離脱率も高いので定着へつながりません。
それよりもリピーターの確保に集中して売上を確保するように工夫することで、売上が維持しやすくなりコスト削減なども実現可能です。
顧客ロイヤリティの向上
ランク制度といった施策を活用することでブランド力が自店舗に形成されます。そしてブランドの創出はロイヤルカスタマーの増加にもつながるのがポイントです。
ロイヤルカスタマーとは優良顧客とも呼ばれる顧客層であり、「自店舗のブランドに価値を感じて積極的に選んでくれるような重要な顧客」を指します。
ロイヤルカスタマーはリピーターの中でも特に上位の層であり、購入額も来店数も高い数値を維持するのが特徴です。ブランド確保を実現してロイヤルカスタマーを作るためにも、ぜひランクアップ制度を活用して来店促進を行ってみてください。
売りたい商品や施策への誘導
店舗において独自ブランドや発売されたばかりの商品というのは、アピールして販売数や額を伸ばしておきたい重要な商品です。会員ランク制度ではそういった商品の購買誘導も可能になっています。
たとえば「対象商品購入でポイントが固定で付く」というのは大手のスーパーチェーンでも行われており、対象商品を購入してポイントを貯めたい顧客の来店きっかけを作り出しています。会員ランクアップのアクションに一定数のポイントを貯めるという項目を用意しておくと、相乗効果まで狙えるでしょう。
またオンラインストアでの優良なレビューを増やすために、「レビューを投稿することでポイントがもらえる」というキャンペーンを行う事例も多いです。
このように特定の商品や施策に誘導するために会員ランク制度を利用することで、マーケティング効果が最大化するでしょう。
会員ランク制度を効果的に活用する方法
会員ランク制度をマーケティングで効果的に活用するためには、次のような注意点があることも知っておきましょう。
高ランクの特典を魅力的なものにする
ランク制度にはランクごとの特典を付けないと客引きにはつながりません。またランクアップが難しい上位のランクの特典は、下のランクより豪華で魅力的なものにするのが普通です。
また特典を設ける際は上位の特典ほど豪華で魅力的にするだけでなく、特典に掛かるコストやリスクまで検討しておくのも重要です。
たとえば全ランクの特典が値下げ・無料クーポンになっていると、ブランドではなく価格で店舗を選んでしまいリピーター定着につながらない恐れもあります。またコストも高くなるので値引きだけを特典にするのは危険です。
限定イベントへの招待やブランド関連のノベルティ配布など、ブランド価値を向上できる特典を用意することを優先するとこういったリスクを避けやすいです。
高ランクのユーザーには店舗側からこまめに働きかける
高ランクのユーザーは積極的に自店舗の新商品やイベント情報などを受け取ります。ということで店舗側からこまめに情報を送って働きかけることで、好感度が上がる可能性が高いです。
また頻度や内容まで工夫することでさらに顧客ロイヤリティが向上し、購入額や来店数の増加が達成しやすくなります。
ちなみに積極的に熱心な高ランクユーザーへ情報を送信しないと、「休眠顧客」になってしまうリスクがあります。
休眠顧客とは「ある時期から来店しなくなったような顧客層」を指す言葉であり、ツールを使えば掘り起こして来店へ再誘導することは可能ですがリピーター化させるのが難しいのが特徴です。なるべく休眠顧客を作らずに施策を行うのが店舗経営の課題となってくるでしょう。
ランク維持の条件を厳しくしすぎない
ランクアップや維持に関する内容が厳しいと顧客が離脱する原因となります。たとえば「1日に1回来店する」、「ポイントを1か月に10万ポイント以上貯める」といった内容は達成するのが誰にとっても難しく、会員ランク制度の価値を低下させてしまいます。
- 低いランクからランクアップする際の内容は簡単なものにする
- 上位ランクへのグレードアップは、達成できるがある程度難しい内容にしておく
といった工夫を行うことでランクアップの難易度を調整するのが重要です。
会員ランク制度も使える店舗アプリなら「店舗アプリDX raiten」
「店舗アプリDX版 raiten」を使うと、アプリを使ってポイント管理やクーポン発行といったリピーター確保に必要な施策を気軽に実現することができます。
もちろんステータス内容の設定、顧客ごとのランク確認といった会員ランク制度の搭載も可能です。
またノーコードでアプリ制作を行うことが可能なので、外注しなくても手軽にアプリを用意できるのもポイントになっています。
気になる方はぜひご連絡ください。
まとめ
今回は会員ランク制度が店舗にもたらすメリットなどをご紹介してきました。
会員ランク制度はリピーター成長に必要な機能であり、売上確保も実現可能です。
ただしランク設定や特典内容の調整といった注意点はしっかりと確認して、どの顧客も利用しやすいような便利なサービスに調整しておいてください。