ポイント付与が来店の動機づけに!来店ポイントアプリ導入のメリット・デメリット
最近は小規模の店舗でも来店の動機づけを行うため、来店ポイント機能によるチェックインを提供するケースが増えています。チェックイン機能を提供するには有名企業のアプリに登録する方法と、自店舗専用のアプリに機能を搭載する方法から選択を行うことになります。
両者の導入方法を比較しながら最初に導入すべきなのはどちらか、また将来的にはどちらの方法に移るべきかなどを考えることで店舗成長にもつながりやすくなるでしょう。
今回は来店ポイントアプリを導入するメリット・デメリットなどをご紹介していきます。
目次
来店ポイントアプリとは?
来店ポイントアプリとは「来店時に位置情報のセンサーをONにしたりすることで、ポイントが蓄積されるアプリ」です。
対象のアプリをインストールした後に、指定された店舗のポイントで起動させてチェックイン作業を行うことでポイントが付与されるのが基本です。チェックイン地点にはポイントを付与するための端末を設置して誘導を行います。
来店ポイントアプリを導入するには、
- 来店ポイント専用アプリに登録する
- 自社アプリに来店ポイント機能を追加する
といった2つの方法があります。
前者の専用アプリを使う方法では、ポータル的に登録店舗を掲載しているアプリへ登録して掲載を行い、チェックインを行ってもらいます。
代表的なのは楽天チェックインアプリで、以前は他にもチェックイン専用のポータルアプリがありましたが今では廃止されており、もっとも有名なのは楽天チェックインアプリのみとなっています。
後者の方法では、自社独自のアプリを制作してその中にチェックイン機能を搭載していきます。チェックイン機能を搭載する際は
- 地理情報をもとにチェックインを自動で行う
- QRコードを読み取ってもらいチェックインを認識する
といった2つの方法から選択を行うことになるでしょう。
来店ポイントアプリの導入メリット
来店ポイントアプリを導入すると、次のようなメリットを得られます。
ユーザーの来店頻度を増やすことができる
来店ポイントアプリは地理情報センサーのON、QRコードの読み取りといった簡単な作業だけでお金代わりに使えるポイントが付与されます。
そのため付与されるポイントは少ないケースがほとんどですが、気軽に利用するユーザーが多いのがメリットです。結果的にユーザーの来店頻度を増やす仕組みづくりを行うコンテンツになりえます。
そして来店ポイントアプリを使う際は、商品購入といった特別なアクションが必要ありません。
基本的には対価は店舗へ移動してチェックインの準備を行うことくらいで、目立ったものがない点もポイントです。直接金銭を支払わずともポイントが得られるので、購入額ごとに得られるポイントと併用して付与されるようにするといった工夫を行うことで相乗効果も得られるでしょう。
ユーザーのデータを収集・分析することができる
チェックインを行った場合、その日時やタイミング等のデータはこちらへ蓄積されます。そしてユーザーのデータを他の項目と併せて収集することで、精度の高い分析結果を得ることが可能です。
たとえばチェックインを行うごとに必ずその後店内で1,000円以上買い物をする層が多ければ、数値ですぐ把握することができます。こういった層はチェックインだけで終わらずに購入まで一定額行っているので、店舗としてはぜひリピーターとして誘導したくなるでしょう。
またチェックインを行った日時が12時や16時といったタイミングで多数発生している場合は、その前後で売り出し等を行うことでより大きな宣伝効果が得られます。このように単に来店のきっかけを作るだけでなく、その後の分析や施策立案にまで来店ポイントアプリを使えるとさらに有用性が上がるでしょう。
来店ポイントアプリの導入デメリット
来店ポイントアプリを導入する際は、次のデメリットがある点に注意しましょう。
スマホに不慣れなユーザーには利用されない
たとえば高齢層が多いスーパーでは、スマートフォンを普段使いするケースは少ないです。こういったスーパーではそもそもチェックインアプリや作業について知らない層も多く、操作に慣れていないためチェックインの利用率が下がってしまうことが懸念されます。
紙媒体での宣伝効果が高くデジタル施策がうまくいっていないところでは、こういったチェックインでの来店施策がうまく回らないリスクがある点に注意しましょう。
来店は促進できるが売上アップには直結しない
来店ポイントアプリは、来店を行うきっかけ作りにはなります。
ただしそこから先の店舗回遊や購入といった行動にまで誘導できるかは店舗次第です。
極端な話、チェックインだけして帰宅する層が多くなってしまうリスクがあります。
クーポン配布といった施策だと必ず購入を行わないと効果が得られないので、利益率はともかく購買には繋がります。来店ポイントアプリの場合は、来店で終わらずにその後も店舗で行動してもらえるように、他の施策と一緒に利用する必要性がある点を頭に入れておいてください。
来店ポイントアプリの導入パターン
来店ポイントアプリを導入するには、主に次の2つの方法があります。
来店ポイント専用アプリを使う
来店ポイント専用アプリを導入する方法です。事前に契約を行い掲載を完了させることで、ユーザーがアプリを利用している際に付近の店舗として自店舗が表示されます。
楽天チェックインアプリを例に説明すると、位置情報をONにしていると付近の店舗情報が表示されます。表示された店舗から地図情報やキャンペーン情報などを確認することも可能です。そして店舗を選択してチェックイン画面に移りボタンを押すとチェックイン作業が開始されて、完了するとポイントが当選するミニゲームへ参加できます。
複雑な仕組みを一から用意しなくてもさまざまなゲームや特典、キャンペーン等を用意できるのが強みです。
自社アプリに来店ポイント機能を導入する
自社アプリの一機能として来店ポイントを付与するチェックイン機能を追加する方法です。
事例としては無印良品が提供しているMUJI passport アプリがあります。このアプリではチェックインを行うことで独自のスタンプが付与される仕組みとなっており、1日1回チェックインが可能です。付与されたポイント(マイル)は特典と後日交換ができます。
MUJI passportではスタンプ帳を用意しており、チェックインした際に付与されたスタンプを確認することが可能です。デザインが一種類だけではなくさまざまなので、確認する楽しみがあるのがメリットになっています。こういった機能も独自アプリならば実現可能です。
また会員システムやポイントシステムなどがすでに導入されている場合は、API連携などを行うことで、自店舗で来店ポイントシステムを用意しやすいのもポイントです。
来店ポイント専用アプリを使うメリット
来店ポイント専用アプリを契約して導入すると、次のようなメリットがあります。
利用ユーザーの市場規模が大きい
まず最も有力な選択肢である楽天チェックインアプリは、商圏にユーザーを1億人以上抱えているとも言われています。
このため潜在的に囲い込めるユーザーが多く、来店に繋げやすいのが来店ポイント専用アプリを導入するメリットです。
またそれだけでなく、楽天のブランドを知らない顧客がまずいないというのもメリットになります。
独自で来店ポイント機能があるアプリを作ると、宣伝が面倒です。ブランド力がないところがアプリを作って来店ポイント施策を行おうとすると、定着するのに数年かかる可能性もあります。対して楽天チェックインアプリでは、付近の店舗が自動で表示され来店につながるので、今まで顧客ではなかったユーザーでも自店舗のことを見つけて来店してくれるメリットがあるでしょう。当然認知施策に時間をかける必要性もなくなります。
機能のテンプレートを使ってすぐ始められる
楽天チェックインでは、大体のデザインや機能が決まっています。
そのため一から自分でチェックイン画面の内容を考える必要性がなく、契約が開始すればすぐ掲載されて利用できるのがメリットとなっています。
楽天が開催しているキャンペーンに参加する際もすぐ対象店舗として自店舗を掲載できるので便利です。
来店ポイント専用アプリを使うデメリット
来店ポイント専用アプリを使うと次のようなデメリットもあります。
お店に合わせて独自の機能を追加できない
来店ポイント専用アプリでは、最初から用意された画面や機能で販促を行います。
そのため、チェックインに関して独自の機能やデザインを追加したい場合でもカスタマイズができません。
業種や店舗の運営形態によっては契約しても効果がうまく出ないリスクもあります。
また機種やOSのバージョン等によって、チェックインができなくなるリスクがあるのもデメリットです。
この場合、提供先のアプリが対応しないとチェックイン機能が復旧しませんが、店舗側でメンテナンスができないので回復に時間がかかるリスクがあるでしょう。ちなみに楽天チェックインアプリの場合、Android OSのバージョンが変更になった際完全な対応ができず、一部ユーザーが完全にチェックインできないまま対応待ちになったケースもあります。
自社で付与したポイントが他店で使用される
来店ポイント専用アプリではそれぞれの提供先企業のポイントを付与するため、共通利用が可能という特徴があります。そのため貯めたポイントが自店舗で使われるとは限らない点に注意が必要です。
共通ポイントが貯まるという特性は潜在的なユーザーを増やせるメリットになるものの、同時に他店舗でポイントが使われてしまうデメリットにもなりえるということです。
たとえば楽天ポイントの場合、多くのチェーン店で利用ができるので、チェックインのためだけに自店舗に来店して後はチェーン店で使われてしまうリスクがあります。この場合購買にまでつなげられないので、自社にとっては効果が出ないことになります。最近ではポイ活(ポイントを蓄積して節約するために使おうという活動)が主婦等に広まってきているため、ポイ活によってポイント集めのためだけに来店するユーザーも増えているのがネックです。
自社アプリで来店ポイント機能を導入するメリット
続いては自社アプリに来店ポイント機能を組み込むメリットをご紹介していきます。
クーポン付与など独自の機能を導入できる
自社アプリを制作して、一機能として来店ポイント付与機能を導入する場合、自在に機能がカスタマイズできるのがメリットです。
たとえばデザイン面でも自店舗に合わせて黄色を使うといった工夫ができます。楽天チェックインアプリの場合赤が基調となるためこういったカスタマイズは基本的にできません。また位置情報だけでなくBluetoothを使ったビーコン連携や、QRコード読み取りによる連携なども選択可能です。楽天チェックインアプリの場合、基本的には位置情報連携だけになります。
さらに付与する特典をポイントではなく割引クーポンにするといったこともできます。このようにカスタマイズできるのは施策の多様性に直結するので、来店ポイント専用アプリと比較すると大きなメリットになるでしょう。
ユーザーに付与したポイントが他社に流出しない
自社アプリに来店ポイント機能を搭載した場合、ポイントは自店舗や関連チェーン店でしか使えません。
そのため集客できる顧客は限定されてしまうものの、確実に付与されたポイントが自店舗内の商圏で使われる仕組みを構築することができます。もちろん実際に使われるためには購入まで誘導したり有効期限を設定してプッシュ通知で知らせたりといった手段と連携する必要性が出てきますが、その手間を差し引いてもメリットは得られます。
たとえばPOCKET PARCOではコインという独自ポイントが貯まるのがポイントです。コインは100コインごとに実際にお店で使えるポイントに交換可能になっています。このポイントはオンラインストアでも使えるようになっており、有用性が高いのが特徴です。このように自店舗内でしか使えなくても、オンラインといった用途でも使えるようにすることで、来店で貯まったポイントがより有効に使われるでしょう。
自社アプリで来店ポイント機能を導入するデメリット
自社アプリで来店ポイント機能を導入する際は、次のようなデメリットがある点にも注意しましょう。
自社アプリのため利用者が限られる
あくまで自社アプリに関してポイント付与機能を搭載して利用してもらう形式のため、潜在的な自社アプリ利用ユーザーが少ないと効果がなくなります。
自社アプリを制作して配布する手法は熱心な購買ユーザーだけにアプリが届きやすいという強みになる反面、潜在ユーザーを増やしにくいネックにも繋がっています。
アプリ利用者を増加させる工夫をすることで、来店ポイント機能を使うユーザーも自然と増えていくでしょう。この点を考えて施策を検討する必要性はあります。
アプリの認知・普及に手間がかかる
独自アプリを普及させるには、店舗独自で宣伝を行う必要があります。
たとえば有料広告を実店舗の周辺やインターネットで発信したり、店舗周辺やWebサイトでダウンロード誘導のための声掛けをするなどの手法が必要となってきます。
こういった手間を考えても来店ポイント付与機能を組み込んだアプリがコストを回収できるかを考えて、施策を実行する必要性があるでしょう。
まとめ
今回は来店ポイントアプリを導入するメリット・デメリットなどをご紹介してきました。
自社アプリ自体のメリット・デメリットを踏まえて、来店ポイント施策が有効かどうかまず確認してみてください。また自社アプリではなく来店専用アプリを使う方法もありますので、自店舗の認知度や予算等を含めてどちらを最初に導入すべきか決めるのも重要です。
店舗アプリDX版 raitenでは、来店ポイント施策も実行できるアプリを短期間で用意できます。小規模の利用も想定しておりますので、気になる方はぜひご連絡ください。