ECアプリの開発方法を徹底解説!メリット・デメリットや費用相場も紹介
ECアプリはスマートフォンユーザーに販促するために重要なコンテンツです。今ではアプリプラットフォームも広がり、コストを抑えてECアプリを開発できる体制が構築できるようになりました。
ただしECアプリを開発する際はメリット・デメリットや開発手法ごとのコストの違いなどに気を付けないと、マーケティングで失敗するリスクが増えるので注意しましょう。
今回はECアプリの概要や利用するメリット・デメリット、開発手法ごとの費用相場などをご紹介していきます。
目次
ECアプリとは?
ECアプリとは、「オンライン上で商品・サービスの取引ができるようにするアプリシステム」の総称です。インターネットと接続機器さえあれば、どこででも購入処理を行い商品・サービスを利用することができます。
Amazonといった企業が利益を上げ続けているのから分かるように、ECアプリの市場規模は急成長を遂げました。ECアプリが普及したのはインターネットが普及したからです。今ではインターネットを利用しない販促というのは考えづらい状況であり、また特にスマートフォンの利用率は無視できません。ECアプリを使ってマーケティングを行う企業は増加しました。また現在では自社ECアプリを使って販促を行う事例も増えています。
この急成長にはインターネット・デバイスの発達や普及だけでなく、コロナ禍も影響しています。コロナ禍で外出して買い物をするのが以前より難しくなった状況で、今まで積極的にECを利用しなかった層にまでECの利用が広まり魅力が伝わりました。結果的にECおよびECアプリの浸透率はコロナ禍によってさらに上昇しています。
このような中でECアプリの利用価値は上昇しており、マーケティング施策に組み込む必要性も増してきています。
ECアプリを開発するメリット
ECアプリを開発して利用すると次のようなメリットがあります。
販促効果が高い
たとえば今まではチラシやDMを配布して販促するのが一般的でしたが、アナログな販促手法は鮮度の点で好ましくありません。2日といった限定的なタイミングで行われるキャンペーンが開催される場合、チラシやDMを直前に用意して販促に間に合わせるのは難しいです。実際配布タイミングですでにキャンペーン等が終了しており、販促効果がなくなってしまう事例も存在します。
またインターネットで情報収集する人が増えている現代で、購読率が下がっているチラシやDMを使うこと自体に課題があります。
対してアプリを使って販促をする場合、宣伝媒体はデジタルデータのチラシやDM(ユーザーに合わせたプッシュ通知等)になるのがポイントです。デジタルデータでアプリを使って販促ができると、必要なタイミングで適切なアプローチを掛けやすくなります。
結果的に対象ユーザーへの販促効果を向上させて来店といった効果へつなげやすくなるのがメリットです。
ユーザーがリピートするための施策になる
一度アプリがインストールされると、継続的にユーザーとタッチポイントが持てます。たとえば定期的にプッシュ通知でおすすめ商品のお知らせをしたり、EC購入後の商品・サービス利用方法のフォローをすることも簡単です。
こういった手法でタッチポイントを定期的に確保することで、「どうしても自店舗ECで購入をしたい」という層を増やすことができます。こういったリピーターになった層は簡単に自店舗から離脱することはなく、継続的に自店舗で購入をしてくれるのでLTVも上昇していきます。
こうして確保できた利益は新規顧客から得られる利益よりも大きいものであり、店舗成長にとっても良い影響を与えてくれるものとなるでしょう。
また新規顧客獲得に掛かるコストは既存顧客をリピーター化する際に比べて5倍ほどかかるという「5の法則」があります。
こういった中でアプリ経由でリピーターを効率よく増やせると、コストを上手く減らしながらリピーターから利益を確保できる好循環を発生させることが可能です。
オムニチャネル施策との相性がいい
ECアプリを構える場合、すでに実店舗を持っているケースが多いですが、ECを新設して実店舗での集客まで並行して行うことで、相乗効果を得られることが可能です。
たとえばECと実店舗で貯まる・使えるポイントを共通化して販促することで、「ECでポイントを貯めたお客様を実店舗へ誘導する」という方法が取れるようになります。当然実店舗でポイントを貯めたお客様をECへ誘導することも可能であり、マーケティング手法が多様化します。
またシステムを使いながら在庫をEC・実店舗で共通化することで、「ECで注文した商品を実店舗で受け取るように指定する」といったことが可能です。店舗受取にした場合は注文時の手数料を減らすことも可能なので、お客様にとってメリットがあります。また在庫が共通化されていると効率よく在庫を管理できるようになり、在庫がなくなることで機会損失が発生するリスクを減らすことまで可能です。
ECアプリを開発するデメリット
ECアプリを導入する際は、次のようなデメリットがあることも忘れてはなりません。
開発コストがかかる
ECアプリを導入する際は、開発コストが発生する点を頭に入れておきましょう。
ECアプリの開発コストは、開発手法によっても影響されます。たとえばWebアプリを制作するよりも、ネイティブアプリを制作してアプリストアで配布する方法のほうがコストは多く掛かります。また機能やデザイン面で複雑な手法を導入しようとすると労力がかかるだけでなくコストも増えてしまうのがネックです。
そのため事前に必要な開発手法・デザインや機能を洗い出しておき、余計なコストが発生しないように注意して開発を進めていく必要性があります。
ダウンロードさせる必要がある
特にネイティブアプリやハイブリッドアプリを制作する際は、アプリストアで配布する体制になるためダウンロードの必要性が出てくるのがネックです。
アプリストアを立ち上げてダウンロードボタンを押すだけなので一見そこまで手間が掛からないように見えますが、実際にはデータ量が多過ぎたりするとダウンロードを敬遠される可能性があります。
そのためデータ量は軽くできるように調整しておきましょう。
またダウンロードされたとしても、情報登録がされないとアプリがアクティブにならないので意味がなくなります。
事前に登録しておくべき情報が多いとここでも敬遠の理由ができてしまいますので、必要な基本情報登録の数は最低限にしておき、後で入力してもらったりすると安心です。
そして一番重要なことですが、そもそもアプリが認知されていないとダウンロードの作業すらしてもらえません。
宣伝方法や範囲等を間違えるとダウンロード数が増加しないので、事前のダウンロード誘導施策の設計などがポイントになってきます。
新OS対応や不具合対応でアップデートが必要
ECアプリに関しては、スマートフォンに応じたアップデートが必要になってきます。コストを計算する際はこの工程に掛かるコストまで考えて、自店舗だけできちんと運用ができるのかまで検討しておかないといけません。
たとえばAndroidのOSバージョンが1つ上にアップデートされただけでも、デザインが崩れたり機能がフリーズしたりするリスクが出てきます。
基本的にはアップデートが行われるたびに検証を行い不具合が出ていないか確認する必要があるでしょう。またユーザーから不具合のコメントが複数寄せられた場合は、すぐに修正できるように準備をする必要性もあります。
さらに想定していなかった不具合がユーザーの環境下で起こる可能性もあるので、それがユーザー対応だけで解決するのか、それともアプリ自体をアップデートしないと対応できないものなのかを判断するスキルも必要です。
ECアプリの開発手法と費用相場
ここではECアプリの開発手法と費用の相場を解説していきます。
WEBアプリ
WebアプリとはWebサイト技術をベースに開発されたアプリです。HTMLやCSSといった言語を使い制作を行っていきますが、実際にはWebサイトの一種として機能するため検索エンジンに掲載することが可能であり、SEO対策等が可能という点に特徴があります。
WebアプリでECアプリを制作する場合小規模であれば初期費用が2〜3万円程度で済む場合もありますが、規模が大きいと200万円といった料金が発生します。
制作のハードル的には一番低い手法であり、それだけに料金も安くしやすいのが特徴です。
ネイティブアプリ
スマートフォン端末で使うことを想定して開発するタイプです。基本的にはアプリストアで配布してダウンロードする形になりますが、Webアプリとは違い最初からスマートフォンで使うようにカスタマイズされているので複雑な機能も搭載できる、最初からプログラムが端末に入っている状態になるので動作性が速いといった特徴があります。
相場としては100万円や300万円といった費用が発生するケースも多いです。
ただしこれは外注して制作を行った場合を想定しています。
内製でアプリプラットフォームを使いネイティブアプリとしてECアプリを作った場合、コストは2分の1や3分の1といったように劇的に下がります。
ハイブリッドアプリ
ネイティブアプリと同じようにアプリストアで配布する方式になりますが、中身はHTMLやCSSといったWeb系の言語が使われている形式です。ECアプリの場合ゲームアプリのようにアニメーションを多用する、3Dグラフィックを基本利用するといったことが想定されていません。このためカスタマイズ性が多少ネイティブアプリより落ちてしまうハイブリッドアプリでも、支障なく開発が進められます。
相場としては50万円や100万円といったようになるでしょう。
開発ハードルとしてはWebアプリとネイティブアプリの中間レベルなので、費用も自然と2つの間ほどになります。ただしハイブリッドアプリを制作する際は、中途半端なデザインや機能のアプリができてしまわないように注意しましょう。
ECアプリを開発するときのポイント
ECアプリを開発する際は、次の注意点に気を付けてみてください。
動作が軽く、使いやすいアプリにする
ECではスムーズに商品を検索して見つけ、カートに入れて購入できる工程を用意しておくことが重要です。スムーズに購入できないと機会損失のリスクが増えてしまいます。
このため動作性に関してはなるべく高速になるようにリリース直前まで調整できるようにしておくと安心です。また余計な工程が購入作業で発生していないか確認して、少ない工程で購入まで行きつけるように調整する工夫も必要となってきます。
ECアプリのデザインや機能が複雑になる場合は、動作性や使いやすさをWebアプリで確保するのが難しくなるでしょう。このためネイティブアプリといった手法で開発を行ったほうがスムーズに使えるようになる可能性が高いです。
ダウンロードさせる導線を確保する
ECアプリは使ってもらわないと意味がありませんから、使ったほうがよい、便利であるということを認知させられるキャンペーン施策を行いましょう。
当然店舗内で宣伝するのはもちろんのこと、タッチポイントを広げられるように自社Webサイトや広告等で商圏にいる対象者へアピールするのも重要です。
またダウンロードを促進させられるように、特典クーポンを用意してすぐ使えるようにするといった施策も重要になってきます。初期の特典については季節や利用が想定される自社の店舗といった状況から鑑みて、ユーザーごとに変更するのも効果的でしょう。負担が大きくならないように工夫しつつ、ダウンロード施策を実行してみてください。
顧客との接触回数を増やせる機能を導入する
ECアプリと顧客の接触回数は、アプリの起動回数に直結します。このためなるべく多めにアプリを起動してもらえるように、ダウンロード完了後も宣伝を行うことが重要です。
たとえばプッシュ通知をポイント有効期限切れ直前や新規ポイントの付与、新規クーポン配信といったタイミングで利用すると、顧客が適したタイミングでアプリをすぐ起動して情報を確認できます。ECアプリにおいてはプッシュ通知によって起動回数を増加させる誘導施策を行うと購入額増加といった効果を得られるので、積極的に利用していきましょう。
ECアプリ制作会社の選び方
ECアプリを制作してくれる会社を選択する際は、次のポイントを踏まえてみてください。
開発実績を見る
当然開発実績は確認すべきですが、単純に大企業と取引している、件数が多いといった情報を確認するだけでは不十分です。
たとえば「自社と同じ分野での開発実績が豊富なのか」というのが重要です。
ECアプリには飲食やアパレルといったジャンルがありますが、ジャンルごとに必要なデザイン・機能やマーケティングノウハウは違います。やはり特定の分野での開発実績が多いところは、そうでないところより分野特化で効果の出るECアプリを開発してくれやすいです。
また「中小企業との取引実績が多い」ようなところは費用も安めにしてくれやすいでしょう。
アプリ開発後もサポートしてくれるか
開発だけで関係が終わってしまうと、その後の運用が面倒になるリスクがあります。そのため開発だけでなく運用や保守まで総合的に任せられる企業のほうがおすすめです。
ただし工程を多く代行してもらうとそれだけ費用もかさむので、どの工程まで代行してもらうべきなのかを事前に考えてから発注を行うのが重要です。アプリプラットフォームを使うと自社で効率よくアプリ開発を行いながらコストを抑えられます。
まとめ
今回はECアプリの概要やメリットデメリット、さらに開発手法や外注の際のポイントまで解説してきました。
ECアプリの開発方法として3種類を提示しましたが、どれにもカスタマイズ性やコストでメリット・デメリットがあります。自社が目指しているECアプリの開発規模や機能の複雑さなどに応じて開発手法を決定しましょう。
「店舗アプリDX版 raiten」ではどの方法でもアプリ開発が可能であり、最新のWebアプリPWAとネイティブアプリの併用開発まで可能です。気になる方はぜひご連絡ください。