デジタルクーポンの導入|店舗にも顧客にも嬉しい効果多数
現在紙のクーポンを廃止して、デジタルクーポンへ切り替える店舗が増えています。それは単に紙のクーポンの利用率が低下してきているといった事情だけでなく、デジタルクーポンのほうが手軽に配信できてコスト削減にもなるという点が受けているという背景も働いているためです。
デジタルクーポンに変更することで得られるメリットは多数ありますが、一方でクーポンの配信内容や提供方法などには十分注意して扱う必要があります。
この記事はデジタルクーポンの概要やメリット・デメリットなどを解説します。
目次
デジタルクーポンとは
デジタルクーポンとは、文字通り「デジタルデータとして配信されるクーポン」のことです。
デジタル上のクーポンなので新規発行や削除、出し分けなどが容易にできるといったメリットがあります。
大手飲食店では、新規登録や季節の変わり目といったタイミングで限定クーポンを配信しながら顧客を集めている店舗が多いです。
またEC業界ではネットショッピングアプリにおいて、デジタルクーポンが頻繁に活用されています。こちらについても新規登録や季節の変わり目といったタイミングで配信を行うほか、ゲームに参加して特典をゲットすることでクーポンが配信されるパターンがあるのもポイントです。
さらにニュースアプリでは大手店舗とのタイアップでクーポンの抽選会を行うなど、いつでも使えるクーポンが配信されています。こういったクーポンは注目度も高く、宣伝効果も高いです。
こういったように、デジタルクーポンにはさまざまな配信方法がある点をまず理解しておいてください。
デジタルクーポンを導入するメリット|店舗側・顧客側
ここからは、デジタルクーポンを導入するメリットをご紹介します。
店舗側のメリット
店舗側の視点では、次のような点にデジタルクーポンを扱うメリットがあります。
クーポン配信コストの削減
通常クーポンを配信するには、事前に特典内容を決めてからそれを印刷する工程が必要です。この時点でクーポンに対して紙やインクなどの印刷関連コストが掛かります。またそれだけでなくクーポンが配布されて使える状況を作らないといけません。このためポスティングしたりチラシ配りをしたりするための人件費が掛かるのもネックです。
紙からデジタルクーポンへ切り替えて配信すれば、上記のような課題を解消できます。
まず今までは印刷データを用意してからそれを実際に印刷して量産する手間が発生していましたが、デジタルクーポンの場合印刷データさえあればすぐ配信ができるのでそれ以外の工程を省略可能です。
この時点で印刷関連コストはすべてカットされます。
またポスティングしたりチラシ配りをしなくても、アプリといった場所で配信をすれば配布は完了するので人件費も削減されます。
このような点から、コスト削減効果が高いこともデジタルクーポンの大きなメリットだと言えるでしょう。
すぐに配布できる
デジタルクーポンは元データさえあればすぐに配信できるため、紙のクーポンと違って迅速に柔軟な提供が可能になります。
たとえば急遽臨時イベントが決定して目玉商品を売り出す際も、その旨を情報配信しながら関連クーポンをすぐ配布可能です。紙のクーポンの場合こういった迅速な配信には対応できません。またイベントやキャンペーンの内容が変更になったのでクーポンにも反映したいという場合でも、デジタルクーポンだと簡単に対応できます。
最近では情報の消費量が激しく、トレンドもすぐ移り変わっていきます。そのためこういったように内容を都度変更しながらすぐ配信できる体制は重要です。
ぜひデジタルクーポンを導入して、従来できなかった施策をデジタルクーポンでスピーディーに実現してみてください。
顧客に合わせたクーポン配信が可能
紙のクーポンだと一律配布になるため、情報の細かい出し分けができないケースが多いです。お得意様だけであればDMを作ってそれにクーポンを付けて投函する方法もありますが、かなりの手間が掛かります。
デジタルクーポンの場合紙のクーポンよりも工程が大幅に省略されるので、顧客に合わせてクーポンを作るという工程を追加しても十分時間が確保できます。
年齢や性別、地域や来店頻度・好みのジャンルなどを把握して配信に活用することで大きな販促効果を見込めるのがメリットです。
従来の紙クーポン施策において顧客への情報出し分けで大きな課題を感じていたところでは、デジタルクーポンの利用によって大きなメリットを得られるでしょう。
利用データを蓄積・分析できる
デジタルクーポンで配信したデータはトラッキングが可能です。つまり配信後に効果を測定して目標達成度を確認したりできます。
注目したい指標は、
- クーポンの開封率
- クーポンの利用率
- クーポンの利用頻度
- クーポンの利用属性分布
などです。
開封率が高いほど多くの顧客にクーポン情報が届いているとわかりますが、それと利用率は必ずしも比例しません。開封率が高くても利用率が思ったより低い場合は施策の変更が必要です。
またクーポンの利用頻度については、高いほうがより熱心な顧客と見てよいでしょう。ただしクーポン内容によってはそうでもない可能性がある点に注意してみてください。
利用属性分布については、こちらが利用を想定している年齢層や地域層とクーポンの間で違いが大き過ぎないか注意してみましょう。ずれが大きい場合は修正する必要があります。
プッシュ通知との併用で来店回数を上げられる
店舗の専用アプリを使ってクーポンを配信する場合は、プッシュ通知を利用することができます。
このプッシュ通知とデジタルクーポンは相性がよく、併用することで来店回数を向上させることが可能です。
たとえば単にデジタルクーポンを配信して利用を待つよりも、プッシュ通知で配信してから気付かれやすいようにしたほうが利用率も高くなりやすいです。アプリ以外の配信方法だとプッシュ通知で利用率を上げる方法が使えないリスクもあるので注意してみてください。
また利用データを蓄積して測定に使った上でセグメントを行い、セグメントごとにプッシュ通知を出し分ける方法も有効です。こうすることで確実にデジタルクーポンが開封されて利用される道筋を作ることできるようになります。
顧客側のメリット
顧客側の視点に立つと、デジタルクーポンには次のようなメリットがあります。
クーポン忘れや紛失の心配がない
従来の紙クーポンの場合、顧客側ではクーポンを使いたくても肝心なときに忘れてしまい使えなくなるリスクがあります。またそもそも紛失してしまい手元からなくなるといったデメリットもあります。こういった課題をそのままにしておくと、顧客の集客機会を損失してしまうことになるでしょう。
デジタルクーポンを配信することで、顧客はスマホから簡単にクーポンを探して表示することが可能です。
スマホさえ忘れなければ提示することを最初は忘れていてもすぐに提示準備をすることができるので、顧客損失のリスクが減少するでしょう。ちなみにクーポン利用について事前に声掛けする接客工程を作っておけば、より利用率を向上させられます。
手軽に提示できる
紙クーポンを使う場合はまず財布やカード入れから出して提示の準備をする必要があります。しかし財布やカード入れがある場所が遠いと使いにくいですし、バッグの奥に入ってしまいすぐに使えなくなる可能性もあります。こういった面倒くさい状況ができるとクーポンがあるのを分かっていても状況によっては使われない可能性があるのが問題です。
デジタルクーポンの場合スマホが手元にあればさっと提示することが可能になります。スマホは普段から画面を見て使っている顧客が多く、取り出してクーポンを準備するのにもそれほど手間取らないのがポイントです。
従来のクーポンよりスムーズに出せるので、提示したいというモチベーションを維持しやすいのがメリットになっています。
顧客が急いでいる際などもクーポンを提示しやすくなるので、利用機会を増加させることが可能です。
デジタルクーポンを配信する際の注意点
デジタルクーポンの配信にすることで得られるメリットも多いですが、ある程度の注意点があるのを理解してから利用しましょう。
値引きクーポンの配信をし過ぎないようにする
クーポンの特典内容で多いのは値引です。たとえば初回登録や誕生日といった節目では商品無料クーポンがよく配信されています。こういったタイミングでクーポンを配信するのは定番化しており、マーケティング面でもそれほど悪いことではありません。
ただし毎回のように値引き幅が大きい、あるいは無料クーポンを配布していると弊害が出てきます。
店舗ではなくクーポンを利用するのがメインとなってしまう顧客が増えてしまい、店舗に顧客が定着しない問題を引き起こしてしまうからです。
そのため、値引き目当ての顧客ばかりになってしまうリスクを減らせるように、クーポン配布方法は工夫する必要があるでしょう。
具体的にはセグメントを行い定着見込みが小さい顧客にはクーポンを配信しない、熱心な顧客には定期的にクーポンを配布するといった方法があります。また、値引以外の粗品プレゼントといった特典内容も有効なので、上手く組み合わせながら値引きクーポンだけに頼る施策は行わないよう注意しましょう。
クーポンを受け取ってもらうまでに手間がかかる
一度アプリをダウンロードして使う準備さえすれば、デジタルクーポンはすぐに使えます。
ただし紙のクーポンと違い、事前にダウンロードや顧客情報といった作業の手間が掛かる点に注意しましょう。
要は最初の顧客とのタッチポイントにおいて、スピーディーにクーポンを配信する準備が必要だということです。
前述しましたが無料クーポンといった特典は、こういった手間以上の価値がアプリダウンロードにはあるということを示すために必要です。値引き幅が小さかったりするとアプリをダウンロードして情報を入力するモチベーションが低下してしまいます。
情報入力の項目が多くどうしても減らせない場合は特典クーポンを豪華にするなど調整する工夫も必要です。また配信効果といった面で分析を行って施策の調整を都度行う際、デジタルクーポン内容も必要であれば変更する準備が必要な点も頭へ入れておきましょう。
デジタルクーポンはどうやって配布する?
ここからはデジタルクーポンの配信方法を一つひとつ解説します。
デジタルクーポン配信サービス
総合的なデジタルチラシアプリなどでは、デジタルクーポン配信サービスが提供されています。
このサービスは、店舗側では自店舗のデジタルチラシを公開しながら、ユーザー側は閲覧時点で利用できるクーポンを確認して提示することが可能です。
サービスのブランドを使って集客してクーポンの利用率を向上させたい方にはおすすめです。
ただし掲載には準備費用が掛かる点に注意しましょう。また付近に競合が多いと競合のチラシに自店舗のチラシの閲覧数を取られてしまう可能性がある点もデメリットです。クーポンの利用率が思った通りに増えないリスクも大きくなっています。
店舗アプリ
自店舗専用のアプリを制作して、その中でデジタルクーポンを配信する方法もあります。
この方法だと自社だけのデジタルクーポン情報を配信できるので競合と被る心配がありません。また自社でデータを1から保有できるので、分析効率や正確度が向上するのもポイントです。
自店舗の情報を総合的に発信しながらデジタルクーポンでの集客を確実に成功させたい方へおすすめです。
ただしアプリプラットフォームを利用する場合は、初期費用や月額費用がアプリ制作に対して掛かる点に注意しましょう。またフルスクラッチや外部委託でのアプリ開発では多大なコストが発生します。
SNS
SNS上で提示可能なクーポンを用意して提示を促進する方法もあります。手間の面から言うとこの方法が一番楽かもしれません。
SNSの登録自体は無料であり、提示するタイプのシンプルなクーポンであれば無料のまま画像や特典内容を投稿すれば使えるようになるからです。
ただしデータ保有という点では、まずSNS側の機能によっては利用率などを調査できない点があります。そもそも通常の投稿をクーポンとして利用する場合は、適切な指標を分析機能で設定できず効果を測定できないリスクもあります。コストが掛からないという点ではお試しで配布して効果が得られるか試してみてもよいでしょう。
デジタルクーポンを導入するなら「店舗アプリDX raiten」
デジタルクーポンを配信するならば、ダウンロード数をどれだけ増やせるかといった課題はありますがアプリプラットフォームで専用アプリを自作するのがおすすめです。アプリプラットフォームであればお試しでアプリを制作してクーポンを配信するハードルが低下します。
店舗アプリDX版 raitenでは複数のデザインテンプレートを用いながら、顧客別にデジタルクーポンを作成して配信することが可能です。
気になる方はぜひ弊社へお問い合わせくださいませ。
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まとめ
今回はデジタルクーポンの概要やメリット・デメリットなどを解説しました。
デジタルクーポンを利用すると紙のクーポンより大幅なコスト・負担削減が可能です。また的確に効果を分析しながら配信方法を調整することが可能なところもメリットになっています。
もし紙のクーポンで複数の課題が発生している際は、ぜひデジタルクーポンへの配信へ切り替えてどれだけ配信効果が上昇するのか試してみてはいかがでしょうか。