アプリをリニューアルする判断基準は?リニューアルを成功させるために知っておくべきポイント
アプリをリニューアルせずにそのまま配信だけしていると、仕様が古くなって起動が遅くなったり、あるいはOSバージョンに対応できず利用者が減少したりといったリスクがあります。また、改善作業を行うことで収益が成長しやすくなるので、必要な機能の強化や必要ない機能の削除などの変更も随時必要です。
リニューアルの検討時期は店舗によって異なりますが、大規模な変更となる場合は事前の情報収集や計画策定・実行することがアプリリニューアル成功のポイントです。
この記事ではアプリをリニューアルする必要性や実際の実行方法などを解説します。
アプリをリニューアルする目的は?
アプリはリリースして終わりではありません。時代背景といった状況などで、適切なリニューアルを行うことで改善を重ねていく必要があります。
先ほども解説しましたが、OSバージョンへの対応や機能改善といった目標を達成するためにも、アプリのリニューアルは重要です。
リニューアルがされずバージョンアップされていない状況が続くと、デザイン・機能がともに現状へ対応できなくなりインストール数が落ちてしまうリスクもあるので注意しましょう。
下記は代表的なアプリをリニューアルすべき理由です。
新機能の追加や拡張
最初は実現できなかった機能や、時代によって必要となった機能を追加することがよくあります。
たとえば大手ECアプリにおいて利用できる商品バーコードのカメラ読み取りによって商品を認識して、検索を行いEC内で類似している・あるいは同じ商品を探す機能は比較的最近に搭載され始めた機能です。またセキュリティ強化を行うため、既存のパスワードだけでなく二段階認証を追加するケースも増えてきました。
こういった新機能の追加は1機能だけであれば短期間で終わる可能性がありますが、複数改善点があると事前に情報を分析して開発に集中する必要があります。改善までに時間が掛かると、タイミングが合わずリニューアルが成功しないリスクもあるのでどこまで機能を追加するのかは見極めが必要です。
ユーザビリティの改善
ユーザビリティは「ユーザーから見たアプリの使いやすさ・利便性」などを指しています。
気を付けたいのがユーザー目線だという点であり、開発当初やリリース前後では完全に把握できないことも多いということです。リリース後に思わぬ感想が投稿されて開発者へ共有されることもあるので、こういった点に注意して情報収集していく必要があります。
主に、
- アプリページのデザイン・機能
- 起動・表示スピード
- 各種操作の明確性・快適性
などの観点からリニューアルすべきかどうかを判断していきましょう。
アプリストアなどの感想をすぐ収集して調査できるツールを導入して活用すると、フィードバックの効率性は上がっていきます。
管理・運用体制が変わった
一見外部からは見えにくいですが、管理や運用体制等が変更になり影響が出そうなときにもアプリのリニューアルが必要です。
たとえばメンバーが減ってチャットボットなどが運営への主な連絡手段となる場合、その変更をユーザーへ通知した上で利用しやすいようにアプリ内で配置しないと不満が増える要因となります。また問い合わせ方法を増やしてアプリの利便性を改善する際は、運用人数が増えるでしょうが連絡方法をアプリ内で素早く利用できるようにする必要があるでしょう。
また管理に関してセキュリティが問題となっている場合は、セキュリティ機能の見直しや認証方法の変更などを行う必要があります。この場合ユーザーから利便性が下がったと思われないようにうまくセキュリティ面でのリニューアルを行う工夫が必要です。
市場トレンドの変化
アプリ市場のトレンドはアプリそのものがITジャンルなだけあって、目まぐるしく変化しています。たとえば現在ではSNSで情報収集するのが当たり前になりましたが、TikTokといった動画系のSNSで新情報の発見を行おうとする事例も増えてきました。またAIを活用してアプリでユーザーにおすすめを提示したりといった機能も利用事例が増加しています。
こういったトレンドは明確にいつ変化するとは言えませんが、5年も経過すれば大きなトレンド変化が起こってもおかしくない状況です。
そのため定期的に自店舗がかかわっているアプリ市場のトレンドを調査して、リニューアルの必要性が高いかを判断する必要があります。
ちなみに多くのアプリは3年や5年で大幅なアップデートを行うケースがありますが、リニューアルを判断する期間として参考にしてみるとよいでしょう。
コスト削減
アプリのコストは開発手法によっても違いますが、従量課金といった性質があると費用が膨らんでいく可能性もあります。たとえばフルスクラッチでアプリを開発しても、運用や保守・管理を外部へ委託していると高額なランニングコストが発生する場合があります。
アプリ配信から期間が経過してこういったコストが気になる場合は、運用方法見直しなどに伴うコスト削減も検討した方がよいでしょう。その際には運用・保守・管理などの変更に伴いアプリにも影響が出る可能性があります。
こういったコスト削減の動きはあくまで社内で発生していることなので、外部へあからさまに見せるのはよろしくないです。ということでリニューアルがコスト削減を目標として発生する際には、ユーザビリティ低下などを起こさないように従来よりさらにスピーディーな運用を行うようにする、といった工夫を行いましょう。
アプリのリニューアルを成功させるためのポイント
ここからはアプリのリニューアルを成功させるためのポイントを解説します。
ユーザーの声を収集・分析する
ユーザーのアプリ利用に伴う感想といった声は、アプリストアやSNSなどに蓄積されます。
まずはどのメディアで投稿されているかを確認して、それらをすぐ調査できる機能が搭載されているツールを導入するのが重要です。
ユーザーの声に関する優先順位としては、機能不全やフリーズなどアプリの利用自体にかかわる不満が多く寄せられているものが最優先です。早急にリニューアルを行う必要があります。本来は事前に改善を検証作業において実行して不満をつぶしておく必要がありますが、万が一の際にもすぐ対応できるようにアプリリリース後も準備しておくことが重要です。
また意見としては多くなくても、ユーザビリティ向上が見込めそうな重要度の高そうな内容も出てくるかもしれません。そういった内容を見逃さないようにしてみてください。
さらにSNSで情報収集する際は事前にアプリに関する投稿のタグを用意して認知させる、といったことも重要です。こういった工夫によってさらにユーザーの声を効率よく分析できるようになります。
リニューアルの目的を明確にする
ユーザーの声などを情報収集して自社アプリの課題が見つかった後は、リニューアルの目的を明確にする作業が発生します。
「アプリデザインが何となく古臭いから改善したい」といった漠然な理由はNGです。
たとえばアプリの離脱率を下げてユーザビリティを向上したい、と思ったとします。この場合まず「アプリの離脱率を1年前よりも20%低下させて、その上でユーザビリティに関するよい評価の感想投稿が30%ほど増加するようにしたい」といった目標をKGIとして定めると確実です。こうすることで重要ページへ行きつく際のタップ数を減らす、デザイン面で欲しい情報がよりすぐ把握できるように改善を行う、といった具体的な目標が立てやすくなります。
また急遽機能を追加したいといった際にも、重要な目標から内容がずれていないかといった視点で判断ができようになるでしょう。
リニューアル前後で効果測定できるように指標を決める
すでにKGIという点で説明しましたが、効果測定のためにリニューアル前後で指標を決定するのも重要です。
具体的に指標を決める際には、KGIに対してKPIを設定してプロセスごとの効果を判断できるようにすると効果的です。
先ほどの「アプリの離脱率を1年前よりも20%低下させて、その上でユーザビリティに関するよい評価の感想投稿が30%ほど増加するようにしたい」というKGIがある場合は、
- インストール数に対してアクティブユーザー数が70%で定着するようにする
- アクティブユーザーがリニューアルから3か月経過しても10%しか減少しないようにする
- アプリストアでの感想投稿において星4以上の評価を半年で30%増加させる
といったKPIを設定することで目標達成が確実なものとなっていきます。
現状から判断して確実に達成できる期間・数値でKPIを設定するのも重要です。達成できなかった指標に関しては次のリニューアルなどに持ち越す必要性もあるので注意しましょう。
短期間で実施する
アプリのリニューアルは短期間で実施する必要があります。仮にリニューアルの開発・改善期間が延びてしまうと、ユーザーから不満が増えるだけでなくコスト面でも不利になっていくからです。
まずアプリのリニューアル中は例外もありますが、アプリの一部・全機能が使えなくなります。使いたい機能が不全状態になっている状況が続いてしまうと離脱率が増加する可能性が上がりますし、「このアプリは開発力が不足している」といった評価を付けられるリスクがあります。
またコスト面では、当然当初よりリニューアルの期間が延びてしまうと開発コストが増加するのがネックです。社内でリニューアル作業をする際も人件費等でコストが発生しますし、外注するケースだとさらにコストが膨らんでしまうので危険です。
そのため、短期間でスムーズに実行できるように、あらかじめリニューアル計画や体制を整備した上で作業を実行しましょう。
リニューアルの範囲を広げすぎない
目標設定が期間・数値なども含めてしっかりしていないと、リニューアル作業に関して問題が発生することがあります。具体的には
- 何となくで適用範囲を増やしてしまう
- 開発中に予定していなかったアイデアを検討し過ぎてしまう
といった問題が発生して、リニューアルの適用範囲が広がって管理できなくなるリスクがあります。
目標から外れてるものやユーザビリティの大きな改善へつながらないリニューアルは、適用範囲を広げてまで行う必要性はありません。重要になりそうな大きな変更であっても優先順位の低いリニューアルは後回しにして、次のリニューアルへ回す工夫を行いましょう。
アプリの開発においてはこまめにデザイン・機能を開発して都度適用するアジャイル形式が採用されるケースが多いです。この点に注意して、短期間で範囲を限定してリニューアルするのを忘れないようにしましょう。
ユーザーへの事前告知・バージョンアップしてもらう
アプリをリニューアルした後に利用するのはユーザーですから、ユーザーに対して余裕を持った情報告知をしておくのも重要です。
アプリストアだけでなく公式サイトやSNSなど、ユーザーがよく確認するメディアへ情報を拡散してみてください。またアプリ上でリニューアルの告知をプッシュ通知で送る方法も有効です。
さらにリニューアル直後も情報を発信して、いち早いバージョンアップを促しましょう。
バージョンアップが行われないとアプリを従来通り利用できなくなるケースもあるので、離脱率を上げないためにもすぐバージョンアップできる導線を作るのが重要です。
ちなみに事前告知といった作業の前後で、機能リニューアル等の検証作業をユーザーに依頼してみるのもよいでしょう。ファンとなっている熱度の高いユーザーにリニューアル検証へ参加してもらうことで、リニューアル後の不具合や不満などを減らすことができます。
アプリリニューアルの流れ
ここからはアプリリニューアルの流れを解説します。
1.現状を分析し課題を見つける
まずは、
- 利用者数
- 総合的な売上
- リテンション率
といった指標を使いながら、現状分析を行います。
そして数値の目標が最も達成されていないところを中心にリニューアルを行っていきましょう。定量的な面だけでなく、定性的な面でも改善点を見つけられるとより安心です。
2.リニューアルの企画・設計をする
次に事前調査を基に課題や解決方法などをリニューアル計画としてまとめていきます。この段階で、
- 要件定義
- 外部設計
- 内部設計
なども行う必要性が出てきます。
要件定義の内容を基にユーザーに見える外部設計と、開発者に見える内部設計を実行していきます。検証内容についてもテスト設計としてまとめる必要があるので注意しましょう。
3.開発
次に実際に開発を行います。この段階では機能ごとに検証作業を行ったり、機能ごとに組み合わせて動作をテストしたりする作業です。
こういった単機能や複数機能での検証が成功した後は、リリースする内容に近いアプリモデルを作成して開発関係者に触ってもらい、動作に問題がないか確認してもらう必要があるでしょう。
4.告知
最後に対象メディアへリニューアル情報を告知する作業を実行します。
- リニューアル概要
- 具体的な変更
- アップデート方法
などを明記して告知しましょう。
リニューアル内容が多い場合はPDFなどを添付して詳細を確認してもらう方法もあります。またアプリストアでの配信URLが変更になったという場合にも内容をしっかり記載してアップデート方法を明記するのが重要です。
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リニューアルは自社で簡単に実行できますし、アプリ・PWAの並列開発といった新機能の追加なども定期的に行っております。年々バージョンアップしているので、最新機能を搭載したアプリを技術に詳しくなくても運用可能です。
また利用に関しては事前・事後にアプリ担当者のプロからアドバイスを受けることができます。他社プラットフォームからの変更検討、といった内容でもぜひお問い合わせくださいませ。
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まとめ
今回はアプリをリニューアルする必要性やその方法などを解説しました。
アプリのリニューアルは遅かれ早かれ、数年といったタイミングでやってきます。規模は目標や適用範囲などによっても違いますが、事前に準備を行ってスムーズに開発を実行・ユーザーへ告知することが重要です。
スピーディーにリニューアルを実行したい方には、アプリプラットフォームをおすすめします。