サブスクリプション(サブスク)とアプリは相性バッチリ!組み合わせて売上アップを目指す
現代のユーザーは商品を単発で購入するのではなく、サービス自体を消費して楽しむ傾向にあります。定額課金でサービスを利用する「サブスクリプション」モデルのビジネスは業界を問わず拡大してきており、安定して長期的な収益を稼げる方法として注目されています。
サブスクリプションモデルをアプリに導入して組み合わせれば、従来の買い切りモデルとは違うサブスクリプションのメリットを上手く活かしながら収益を得られるようになるでしょう。
今回はサブスクリプションモデルのアプリへの導入を検討している方へ向けてサブスクリプションとは何か、そして導入するメリットや成功事例、アプリとの組み合わせで可能になることなどを詳しくご紹介していきます。
サブスクリプションの概要
サブスクリプションとは、従来「雑誌や新聞などの定期購読」を意味していました。雑誌や新聞では月額や年額で料金を納めて、定期的に媒体を受け取るビジネスモデルが昔から存在しています
そして現代では
[box class=”white_box” title=””]・インターネットが至るところで普及して、Webサービスやアプリを気軽に使える・スマホが普及したことで場所を選ばずに情報を検索できるようになる[/box]
といった環境が整っています。その中でサブスクリプションモデルは、新しいビジネスの形態として浸透してきました。
今までの経済モデルは「大量に物を生産して買い切りで消費を行う」という形が一般的でした。しかし今では「環境に配慮しながら資産を複数人で共有して消費しよう」という考え方が広まっています。
インターネットやスマホなどの普及により、いつでもどこでもサブスクリプションを利用できる土壌が整ったことが流れを強く後押ししています。
たとえば「Apple Music」はサブスクリプションモデルとして代表的です。iPhoneなどでアプリをインストールすれば、複数のアーティストの楽曲を月額980円で聴き放題にできます。従来はCDショップでCDを購入するのが一般的でしたが、サブスクリプションモデルの普及により今ではインターネット上で楽曲を聴くのが当たり前になっています。
このようにサブスクリプションモデルは、従来のビジネスモデルを置き換えてしまうほどの力を秘めているのが特徴です。
そしてサブスクリプションモデルはデジタルサービスでない商品を利用できるモデルとしても広がり始めました。
[box class=”white_box” title=””]・洋服を好きなだけレンタルできる・対象のテイクアウト店舗を利用できる
・メーカーの対象車を借りられる[/box]
といったサービスでもサブスクリプションによる定期購入が導入されて注目を集めています。
サブスクリプションのメリット
ここからはサブスクリプションのメリットを、企業・店舗側とユーザー側に分けて解説していきます。
【企業、店舗メリット】
企業や店舗側には次のようなメリットがあります。
長期的な収益安定につなげられる
従来の買い切りモデルだと、たとえば「ソフトウェアは家電量販店に並べて購入されたら終わり」となっていました。つまり購入された後は収益が発生しないので、継続的に収益を見込めずに商品売上に企業経営が左右されてしまう危険もあります。
しかし買い切りモデルから「月額でソフトウェアを利用できるモデルにした」と方向を転換した場合、解約されない限りは収益が発生し続けます。
つまり利用者が増えれば増えるほど収益が増加して、長期的に利益を見込めるようになるので収益が安定しやすいです。
ビジネスモデルに限界を感じている場合は、サブスクリプションモデルへ上手く転換できると収益を成長させられる可能性もあります。
ただしアプリを活用して収益を挙げる場合、手数料について考える必要がある点には注意してください。
AppStoreでもGooglePlayでも、「アプリ内で利用するコンテンツやアイテム」などのサブスクリプションに関してはアプリストアからの課金が必要で手数料が請求されます。ただしクレーンゲームプレイで景品が入手できるアプリ、といったようにアプリ外で商品やサービスを提供する形態である場合は手数料が発生しない決済方法を選択可能です。自社のビジネスモデルには手数料が発生するかしないかも確認しておきましょう。
ユーザーのデータを定期的に集めてマーケティングに活用可能
買い切り型のモデルの場合はユーザーのデータを継続して収集するのは難しいです。商品やサービスがどう使われているのか継続的に収集して活用する必要がある現代では、ビジネスにおいてデメリットになります。
しかしサブスクリプションモデルで商品やサービスを提供している場合、定期的にユーザーから
- どうやって利用されているか
- どの日時に利用する場面が多いか
- どのコンテンツジャンルを特に利用しているか
といった各データを収集しやすいのが魅力です。
データは収集後分析して、「20代男性にはこういったコンテンツを進めたほうがよい」といったようにユーザー側へのサービス提案にも活かせます。
ただしデータを活用して定期的にサービスアップデートやユーザーへのレコメンドなどができないと、不満に思ったユーザーがどんどん解約して「チャーンレート(解約率)」が上がる危険性があります。チャーンレートに関しては数%上昇するだけでもビジネスに大きな影響が出るので、上手くデータを取りながら解約されない工夫をすることも重要です。
アップセルやクロスセルも狙える
サブスクリプションにおいては、顧客のフォローを行う中で「アップセル(上位の商品やサービスを購入してもらう)」や「クロスセル(利用中の商品やサービスに関係する商材を合わせて購入してもらう)」といった販売手法も狙えるのもメリットです。
たとえばユーザーが動画配信サービスに登録中の場合、「もっと多くの新作が視聴できる上位プランがありますよ」と適切なタイミングで促せれば自然とプランのグレードアップを狙って収益を向上させられます。また同時に「雑誌のサブスクリプションモデルも提供しているのでどうか」とユーザーデータに合わせてレコメンドできれば、追加で雑誌のサブスクリプションモデルを利用してもらえる可能性もあるでしょう。
ただしアップセルやクロスセルを狙うには、ユーザーの心情を把握した上で適切なタイミングでレコメンドを行う必要があります。失敗すると「押し売りされている」と感じたユーザーが解約したり商品やサービスへの好感度を下げてしまう危険があるので注意しましょう。
【ユーザーメリット】
サブスクリプションを利用するユーザーには次のようなメリットがあります。
月額や年額課金で好きなサービスを利用し放題になる
サブスクリプションを利用すると、月額や年額で料金を支払って好きなだけサービスを利用し放題になります。
たとえばレンタルショップで定期的に新作をレンタルする場合と、動画配信サービスに登録して新作映画を見る場合を比較します。レンタルショップで新作をレンタルする場合は、月額平均で数千円ほど掛かっている方もいらっしゃるでしょう。しかし動画配信サービスが月額数千円以下の場合、同じように新作が定期的に視聴できれば料金が浮きます。
つまり頻繁に利用する商品やサービスに関してはサブスクリプションモデルを利用したほうが、経済的に利用できる可能性があるのがメリットの一つです。
ただしあまり利用しない商品やサービスにサブスクリプションモデルを利用しても、経済的ではなくかえって費用的負担が掛かってしまうのはデメリットです。
インターネット上から気軽に登録・課金ができる
サブスクリプションサービスはインターネット上から登録が可能です。氏名や電話番号、支払い方法など基本情報を入力すればすぐに利用開始できます。ユーザとしては気軽に登録して楽しめるようになっているのはメリットです。
またサブスクリプションサービスによっては、
- 一部機能が利用できない代わりに無料でいつでも利用できるプラン(フリーミアム)
- 課金対象プランを一定期間だけ無料でトライアルできる(無料トライアル)
といったサービスを提供しているところもあります。
ユーザーにとってはフリーミアムや無料トライアルがあると、気軽に登録して有料で使うか使わないか決められます。
自分でモノを管理する必要がない
たとえば洋服の場合、自分で購入して管理しようとすると夏物、冬物をクローゼットから入れ替えながら管理する手間が掛かります。湿気内容に管理をしたりと工夫もいるので、管理には時間も掛かりますし負担になるのがネックです。
しかしサブスクリプションで洋服をレンタルするサービスを利用する場合、たとえば「夏物は返却して冬物を借りる」といった手続きも可能です。
つまり自分で管理をせずに商品を利用できるので、手間や負担が掛かりませんし家もすっきりします。
ちなみにサブスクリプションサービスによっては、気に入った洋服を購入できるケースもあるので便利です。サブスクリプションで一時的に利用するだけでなく、普段使いしたい洋服が見つかった場合は助かります。
サブスクリプション事例
ここからはサブスクリプションを導入して成功しているサービスをご紹介していきます。
Hulu(動画定額制サービス)
「Hulu」はアメリカ発のサブスクリプション動画配信サービスです。日本では「日本テレビ」が事業を買収してサービスを提供しており、日本テレビに関連した番組が充実しています。また海外ドラマの配信数も多いです。
Huluはサービス開始当初「月額料金を払えば全作品が見放題」というビジネスモデルで注目を集めました。動画配信サービスでは「月額料金を払っても一部コンテンツのみが見放題」というパターンもあるので、比較するとユーザーは有料コンテンツを気にせずにスムーズに映像作品を楽しめます。そして希望の多かった「動画コンテンツのダウンロード」機能を追加したりと、ユーザーの意見を汲み取ってサービスを拡大させてきました。
今では「Huluストア」という派生サービスをHulu内に設けて、新作を購入できるようにするといったビジネスモデルも取っています。
Spotify(音楽定額制サービス)
スウェーデン発の音楽定額制サービスです。日本には他競合と比較して後で参入しましたが、順調に利益を伸ばしています。
Spotifyには無料でいつでも利用できるフリーミアムのプランが用意されているのが特徴です。ユーザーは好きな曲を選択して連続再生するのが難しいというデメリットはありますが、膨大な楽曲から好きな曲を再生可能なので手軽にSpofityに登録できます。
- 音楽をダウンロード可能
- 広告による中断がない
- 無制限に楽曲をスキップ可能
また上位プランに格上げして課金すると上記といったメリットがあるので、アップセルするユーザーも多いです。
Kindle Unlimited(電子書籍定額制サービス)
「Amazon」の電子書籍定額制サービスです。200万冊以上の書籍を月額料金を支払って読み放題にできます。
- 小説
- 実用書
- コミック
など各ジャンルの書籍がたくさん配信されているので読み飽きないようになっています。また定期的に新作が追加されるのも特徴です。
- スマホで外出中に読む
- タブレットで仕事の休憩中に読む
- パソコンを使って自宅で読む
というように、Amazonのアカウントさえあればスムーズに端末を切り替えて書籍が読めるのもメリットです。30日無料体験があるので気軽に試せるようになっています。
PlayStation Now(ゲーム購入定額制サービス)
ゲームの定額制サービスとして話題を集めたのが「PlayStation Now」です。
PlayStation Nowでは400タイトル以上の作品が月額課金で利用し放題になっています。クラウドサーバー上にゲームプログラムが格納されており、ユーザーがクラウドサーバーへアクセスしてプレイできるようになっているのが特徴です。
ゲームを月間平均数本購入している方は、切り替えてみると節約につながるかもしれません。新作も多数用意されており飽きないように工夫されているのも特徴です。またPS4といったゲーム機だけでなくパソコンでのプレイにも対応しているのでユーザビリティが高いです。
Coffee mafia(ドリンク定額制サービス)
実店舗にサブスクリプションを導入する上で参考になるのが、「Coffee mafia」です。
- LIGHT
- STANDARD
- PREMIUM
Coffee mafiaは上記の3つからプランを選んで、厳選されたコーヒードリンクを飲み放題で楽しめるサービスです。公式サイトでプランを申し込んだ後、実店舗でコーヒーを飲めるビジネスモデルになっています。
またコーヒー以外にも
- サラダボウル1日1回無料
- クラフトビールが1日1杯無料
といったコーヒー以外のサブスクリプションサービスも提供しているのもポイントです。
「サブスクリプションでプランを申し込んで実店舗で楽しむ」というスタイルは斬新ですが、それだけに注目を集めています。
OYO LIFE(住まいの賃貸サービス)
賃貸のサブスクリプションサービスとして提供されているのが、「OYO LIFE」です。
OYO LIFEでは面倒な申込書も必要なく、宿泊施設を借りる気分で手軽に賃貸利用の手続きがスマホからできるようになっています。敷金・礼金・仲介手数料といった賃貸を借りる上で障壁となるコストも一切かからない点も魅力です。
「賃貸を宿感覚で手軽に変更しながら、各地で仕事をしてみたい」といった方にニーズのあるサービスとなっています。
KINTO(自動車定額レンタル)
トヨタのグループ企業が運営しているのが、「KINTO」です。
KINTOの特徴は「トヨタが用意した対象者を月額料金で利用可能」な点にあります。新車も用意されており、
- 頭金0円、任意保険料も含まれている
- 定期的に車を乗り換えできる
- スマホやパソコンから気軽に申し込める
といった特徴でユーザーを集めています。
トヨタユーザーであれば定期的に新車に乗り換えながら車を利用できるので、利便性の高いサービスです。消費者同士の貸し借りになる「カーシェアリング」と違ってトヨタグループが正規にメンテナンスしたり保険を用意したりしてくれるので、安心して乗れるのもメリットになっています。
アプリとサブスクリプションとの相性
アプリとサブスクリプションの相性はよいです。そもそもスマホユーザーがアプリ経由でサブスクリプションサービスを使うのが基本的な形態の一つなので、サブスクリプションモデル提供を検討している場合は自然とアプリマーケティングが視野に入ってくるでしょう。
アプリでサブスクリプションを提供するには、たとえば
[box class=”white_box” title=””]1.ユーザーが店舗のレジでサブスクリプション対象サービスを購入2.アプリインストール後に、ユーザーIDを入力してサービスを利用できるようにする
3.ユーザーがサブスクリプションのチケットをアプリに表示して提示する
4.対象となるサービスを店員が提供する[/box]
といったモデルが考えられます。サブスクリプションのサービスプランをアプリ上からすぐに切り替えられるようにしておくと便利でしょう。
アプリ上からデジタルでサブスクリプションチケットを発行すれば、紙代や印刷代も必要ないですしユーザーもスムーズにサービスを利用可能です。利用状況を見ながらどんなサービス内容に人気があるのか調査して、新しいプランの提供も検討できます。
[box class=”white_box” title=””]・サブスクリプションの有効期限が切れる前にプッシュ通知で継続を促す・サブスクリプションの利用具合によって別途特別なクーポンを配布する
・サブスクリプション利用者限定のイベントやセールなどを開催する[/box]
また、上記のような手法を取れば、顧客のロイヤリティを育成しながら利用の長期化を目指せます。データを収集しながら各ユーザーへのアプローチ方法を決定していきましょう。
まとめ
今回はサブスクリプションの概要やメリット、そして成功事例やアプリとの組み合わせ方などについてご紹介してきました。
サブスクリプションは買い切り型モデルと違って安定した利益を見込めます。また継続してデータを収集してマーケティングに活かせれば、利用の長期化も目指せるのがメリットです。
サブスクリプションを長く複数のユーザーへ使ってもらうには、プッシュ通知配信といったアプリの機能が有効です。ぜひ自店舗のアプリでサブスクリプションを提供して、利益を挙げてみてください。
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