アプリのスタンプ機能で顧客のロイヤリティをあげる!店舗アプリの活用法とは
「パレートの法則」にもあるように、リピート客は顧客全体の2割程度でも売上の8割を占める重要なお客様です。
ですから店舗としては、集客を行って新規顧客の母数を増やしながらどうやってリピート客を確保していくかが大きなポイントとなります。
リピート客を確保するために利用できるロイヤリティプログラム(顧客の自店舗に対する好意を上げるためのプログラム)にはいろいろなものがありますが、スタンプカードは昔から実行されてきた手法として根強い人気があります。
スタンプカードにも、デジタル化の波が来ています。店舗アプリ上でスタンプカードを発行できれば、柔軟にさまざまな戦略を取れるようになるでしょう。
今回はスタンプカードを活用して上手くリピーターを増やしたい方向けに、アプリのスタンプカード機能活用方法やメリットなどを詳しくご紹介していきます。
スタンプカードは飲食店をはじめ、多くの業種で活用されている
ロイヤリティプログラムの一つとして、スタンプカード施策を行っている企業は多いです。
スタンプカードは実際どのような業界に取り入れられ、どういった方法で管理されているのでしょうか?
スタンプカードの発行方法は大きく2種類
スタンプカードを発行するには、大きく分けて合計2種類の方法があります。
紙で発行する(アナログ)
かなり昔から、さまざまな店舗で導入されていた集客手法です。
店舗側で、まず紙に印刷したスタンプカードを用意します。 そして来店などのタイミングで、判子を押してスタンプを付与するのが代表的です。
スマホを持っていないお客様にも利用してもらえる反面、コスト面や管理面で大きな課題が残るのがデメリットです。
アプリ内でデジタルスタンプカードとして発行する(デジタル)
自店舗専用のアプリなどで、デジタルデータとしてスタンプカードを発行する方法です。
- 店舗内のQRコードを読み取ることで付与
- 店舗内Wi-Fiに接続し、チェックインすると付与
- 指定箇所で位置情報(GPSやビーコン)機能をONにして、チェックイン作業を行うと付与
などさまざまな付与方法があります。
スマホを持っていないと使えないのは弱点ではありますが、現在スマホの国内普及率は固定電話の普及率を超えています(総務省の「情報通信白書」では、2018年度のスマホの世帯保有割合が79.2%で、固定電話の64.5%を上回っている)。
すでにインフラとして機能しているスマホで手軽にスタンプカードを表示できるのは、紙にはない大きなメリットです。
スタンプカードを活用している主な業種
スタンプカードは、例として次のような業種で活用されています。
小売業
スーパーやドラッグストアなどの小売業では、スタンプカードが盛んに活用されています。
小売店では日用品などを取り扱っているので、頻繁に来店するお客様も多いです。そのような中で継続的にお客様を囲い込み、ロイヤリティを上げてもらうためにスタンプカードを利用しているところが多いです。
- 毎週〇曜日にスタンプ2倍
- お買い上げ200円ごとに1個スタンプ進呈
- 誕生月に特別スタンプ配布
小売業では上記などの施策が取られています。
飲食業
飲食業でも、スタンプカードを実装しているところは多いです。
飲食店には、個人ではなく団体客も来ます。飲食店側ではそのことも踏まえ、客数も考えたスタンプ施策を取っているのがポイントです。
- 対象メニュー注文ごとにスタンプを進呈
- 団体での食事で一人一人にスタンプを進呈
- 来店回数に応じてスタンプを進呈
たとえば上記などの施策が取られています。
美容業
小売業などと比較して来店頻度は少なくなる美容業でも、スタンプカード施策は重要です。
ヘアサロンなどでは、一人一人に合わせて適切な対応や施術を行う必要があります。その中でスタンプカードによるリピート施策も、一人一人の来店回数などに応じて特典を用意できるという点で重要な役割を持っています。
- 来店回数に応じてスタンプ付与
- 施術代が特定の料金以上になるとスタンプ付与
などの事例があります。
アプリでスタンプカードを活用する5つの方法
近年では、独自のアプリを制作してスタンプカード機能を実装するところが増えています。
そこでここからはアプリでスタンプカードを活用する方法と、実際の活用例を一つずつご紹介していきます。
1:来店スタンプを付ける
スタンプカードの活用方法として、最もベーシックな方法の一つです。シンプルに1回来店するごとに、来店スタンプが付きます。
購入金額などは関係ないのでスタンプを貯めるハードルが低く、お客様の来店のきっかけを作れるのがメリットです。
来店スタンプの事例としてご紹介したいのは、「ジョイフルアプリ」です。レストランチェーン大手の、「ジョイフル」が提供する公式アプリになっています。
ジョイフルアプリでは来店の度に貯まるスタンプを交換すれば、
- ポテトフライ
- ジョイカフェ
などの無料クーポンがもらえます。
スタンプ付与には、「ビーコン(店内据え置きの情報端末)」を使っているのがポイントです。ビーコンであれば、付近にいるお客様を確実に認識してスタンプを付与できます。
またスタンプを貯めればランクが上がるという、リピート率をさらに増やせる工夫もされています。
2:購入金額に応じてスタンプを付与する
1,000円につきスタンプ1個など、購入金額に応じてスタンプを付与する方法です。
来店だけで付与するよりハードルが高いですが、指定金額購入することでスタンプが貯まる分お客様が確実にお金を使ってくれやすくなります。
購入金額に応じてスタンプが貯まる仕組みを導入している事例は、「どんどん亭公式アプリ」です。 お好み焼きチェーンの「どんどん亭」が提供するアプリになっています。
どんどん亭では従来から「どんどん亭スタンプカード」を配布していましたが、アプリからも利用できるように変更しました。 500円購入ごとに1スタンプが貯まり、指定数貯めるとお得なクーポンが配布されます。
スタンプを貯める以外でもクーポンがゲット可能で、またイベント開催も随時お知らせされるので、どんどん亭を使う方におすすめのアプリです。
3:商品種類別にスタンプを付与する
特定の商品に対して、スタンプを付与する方法です。
店舗によっては、お客様にどうしても購入してほしい商品があるはずです。 そういった商品を対象にしてスタンプを付与すれば、購入促進にもつながり収益に貢献します。
特定商品に対してスタンプを付与するようになっている事例は、「YEBISU BARアプリ」です。20歳以上限定で使える、「株式会社サッポロライオン(サッポログループ)」の提供するアプリです。
このアプリは、サッポロライオンの運営する「エビスバー(YEBISU BAR)」で使うのが前提です。 エビスバーでエビスビールを1杯注文ごとにスタンプが貯まり、ビールや料理、グッズなどの特典が受けられる仕組みになっています。
ちなみにエビスビールにはさまざまなフレーバーがありますが、フレーバーごとにスタンプが貯まるのが特徴です。
エビスをいつ、どこで飲んだかを履歴で表示する機能もあり、エビスバーの利用履歴も振り返れる面白いアプリになっています。
4:スタンプラリーを行う
スタンプラリー(条件をクリアしてスタンプを貯めるキャンペーン)を、活用する方法です。
スタンプラリーにはゲーム性があり、条件に応じてスタンプを貯める楽しさがあります。 その中で、商品購入などを促進できるのが強みになっています。
スタンプラリーを頻繁に開催しているのは、「ローソン公式アプリ」です。 クーポン配布やキャンペーン告知などに使われている、コンビニ業界の代表的なアプリになっています。
ローソンのスタンプラリーは、ローソンに来店するごとにスタンプが貯められるのが基本的な流れです。 チェックインスタンプと似ている部分もありますが、「全国のローソンを巡って」と公式にあるように各店舗の来店を増やす施策として利用されているようです。
スタンプラリーのキャンペーン内容は、期間によって変わります。
5:日にち限定のでスタンプキャンペーンを行う
「5のつく日にスタンプ2、3倍デー」など、日にちや曜日限定でスタンプキャンペーンを行う方法です。
お客様側は、お得になる分指定された日にお買い物してくれやすくなります。
店舗側では、指定された日にたくさんの集客ができるのがメリットです。
定着させれば、「毎週水曜日はスタンプキャンペーンだから来店しよう」などというように、定期的な来店を促せるのも強みです。
日にち限定のスタンプキャンペーンを行っている事例として、「にしてつストアアプリ」をご紹介します。 「にしてつストア」は福岡県を中心に、スーパーチェーンを展開しています。
にしてつストアアプリでは各店舗で来店スタンプを付与する施策を行っていますが、それに加えて「プレミアムフライデー」にスタンプを3倍付与するキャンペーンを行っているのが特徴です。
プレミアムフライデーは開始されたばかりですが、通常よりたくさんのお客様を囲い込めるチャンスなのでにしてつストアでもスタンプ施策と絡めて活用しています。
紙よりもアプリがいいのか?スタンプカード機能をアプリに実装するメリット
スタンプカード機能をアプリに実装すると、上記でご紹介した①~⑤の集客手法をすべて実現可能です。
さらにデータ分析をした後、特定のユーザーにターゲティングを行って案内などを配信することもできます。
データ分析で取得できる内容や、それを活用してできることの例は次のとおりです。
【 データ分析で取得できる内容 】
・お客様が来店した日にち
・来店した店舗
・来店回数
【 それを活用してできること
】
・来店しにくい曜日に時限式クーポンを発行する
・頻繁に来店する店舗のおすすめ情報を配信する
・来店回数に応じて会員ランクを上げる
他にも、アプリにスタンプカード機能を実装するといろいろなメリットがあります。
財布などスタンプカードがかさばらない
紙のスタンプカードを発行した場合、お客様はお財布などに入れて利用するでしょう。
しかしスタンプカードの入れ物には競合店舗のスタンプカードやポイントカードが入っており、かさばっている方も多いのが現状です。かさばるという状態は、一つ一つのものを判別しにくい状態です。
つまりスタンプカードが入れ物の中で放置され、使うこと自体を忘れられる危険性もあります。
このような状況を回避するには、お客様に判別してもらえるよう工夫する必要があります。
その点店舗アプリにスタンプ機能を実装すると、スマホのホーム画面内でアピールができるのでかさばって忘れられる状況を回避可能です。
スタンプカードをあまり使わない方にも、キャンペーンなどの告知がプッシュ通知経由でできたりするのでアクティブ率も高められます。
またスタンプカードがデジタルになった分、持ち運びも便利になるのがメリットです。
スマホを介して確実にスタンプ付与が可能
紙のスタンプカードは、ふとしたきっかけで持ち運びを忘れる可能性もあります。
店舗としてはいくらお客様が来店してくれても、スタンプカードがなくてはスタンプ付与のしようがありません。 お客様としても、スタンプカードを忘れて損をするのは嫌なはずです。
スマホは今や、誰にとっても必需品になりつつあります。肌身離さず持ち運びするので、スタンプカードよりも忘れる可能性が低下します。
スマホも忘れる可能性はありますが、いろいろな作業をするのに必要な分スタンプを打つ目的でしか利用できないスタンプカードよりは持ち運び忘れの確率は低いでしょう。
スマホアプリを介してスタンプ機能を提供すれば、店舗側は確実にお客様へスタンプを付与可能です。
スタンプカードの発行や印刷コストが削減できる
紙のスタンプカードで最もネックとなるのが、コストです。
まず、スタンプカードのもとになる紙代が掛かります。上等な紙ほど、1枚当たりのコストが高くなります。 また印刷代も必要です。用意しないといけないスタンプカードの数が多いほど、コストも上昇していくので要注意です。
対して店舗アプリでスタンプカード機能を実装すれば、後はインストールしてもらうだけでスタンプカードが簡単に発行できます。 紙のスタンプカードと違ってデジタルデータなので紙は必要ありませんし、印刷代も掛かりません。
このためいくらインストールされても、スタンプカードに掛かるコストが上昇しないのがメリットです。
またデジタルデータなので、スタンプデザインの変更も簡単です。
紙のスタンプだとデザインを考え、それを印刷に反映させて新規発行するのは骨が折れますが、アプリ機能で実装していれば楽になります。
ちなみに「店舗アプリPro版 「raiten」」には、「チラシ」「クーポン」など従来紙で提供していたコンテンツもまとめられます。
スタンプカードだけでなく総合的に考えても、やはり店舗アプリを起点にして集客を行ったほうがコストを下げられそうです。
まとめ
今回はアプリのスタンプカード機能の活用方法、そしてメリットなどをご紹介してきました。
紙のスタンプカードではなくアプリのスタンプカード機能を使えば、コスト面やユーザビリティ面などで大きなメリットを得られます。
デジタルスタンプカードを活用すればさまざまな施策が実行可能なので、ぜひ導入を検討してみてください。
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