飲食店のクーポンは再来店に有効?目的別で使い分けよう!
あなたの飲食店では、リピート集客をしっかり行えていますか?
新規のお客様も重要ですが、それ以上に何度もお店に足を運んでくれる常連様を作ることは、店舗の売上安定や拡大のためにも重要です。お客様が再来店してくれるために打てる施策はたくさんありますが、よく利用されているのがクーポンです。
クーポンを効果的に使うとお客様にお得感を演出し、ロイヤルティ(自店舗への愛着度)を上げて優良顧客へと引き上げられるケースもあります。
しかしただ30%割引だけなど、後の効果を考えないクーポンの発券は集客効果が薄いです。再来店の場合どうしたらまたお客様が自分のお店に足を運んでもらえるか考えながら、戦略的にクーポンの内容を考える必要があります。そこで今回は再来店施策として重要なクーポンの適切な使い方を、使われるクーポンと使われないクーポンに分けるなどしてご紹介。スマホアプリ×クーポンのメリットもご紹介していきます。
「どうしたら自店舗でクーポンを利用してリピート率を高められるか」と悩んでいる飲食店オーナーの方は必見です。
目次
新規獲得だけでなく再来店の施策が重要な理由
飲食店の売上は、どれだけお客様を獲得できるか、そしてお客様の単価をどれだけ上げられるかにかかっています。そしてお客様を獲得する場合、つい新規のお客様を獲得しようとする方法に行きがちな面もあると思います。
しかし自店舗の売上を上げるために新規のお客様の獲得だけに目を向けるのは、正直得策とは言えません。
新規のお客様は、まだ自店舗を認知したばかりでロイヤルティが少ないため、売上単価を見込みにくいデメリットがあります。また自店舗へ初来店してもらうためにはホームページやフリーペーパーなどで情報発信して集客すると思いますが、その際かなりのコストがかかってしまいます。
対してすでに来店したお客様は、自店舗のサービスへの満足度が高ければそれだけロイヤルティが高まっています。ロイヤルティの高いお客様は再来店時に、初来店時よりも売上単価を多く見込めます。さらにすでに自店舗を認知している分、新規のお客様より少ないコストで集客が可能です。
新規のお客様より再来店のお客様の方が集客にかかるコストが少ないのは、マーケティングでよく使われる「1:5の法則(既存のお客様にかかる集客コスト:新規お客様にかかる集客コスト=1:5)」でも証明済みです。
このように客単価の面からも、コスト削減の面からも、新規のお客様より既存のお客様への再来店を促す集客に力を入れた方が売上効果が高いです。
さらに現代では、SNSを介した口コミ投稿やシェアなどでどんどん情報が拡散します。そして自店舗に再来店してくれる常連様を増やすと、それだけ常連様が自店舗に対するよい評判を自発的にSNSなどで口コミしてくれる可能性が高まります。結果SNSなどで自店舗の認知度が高まり、自店舗でコストをかけなくても新規のお客様も獲得できます。再来店してくれるお客様を増やすことは、新規のお客様をコストをかけずに増やせることにもつながります。
ポータルサイトや広告からの再来店獲得はもったいない
初来店してくれるお客様を増やすためには、「食べログ」や「ホットペッパーグルメ」などの飲食店ポータルサイトや自店舗Webサイト、それにWebでの広告などを活用すると思います。他にもフリーペーパーやDMなど、さまざまなお客様の獲得方法があります。しかしすでに自店舗へ来店しているお客様に上記の集客を行うとどうなるでしょうか?
まず飲食店ポータルサイトは、プッシュ力が弱いので、自店舗の情報をもう一度お客様が見てくれるとは限りません。また特に自店舗Webサイトの場合は、飲食店ポータルサイトに検索結果上位を取られてさらに忘れられやすいのが弱点です。またWebでの広告は「ターゲティング(広告を配信したいターゲットを絞る)」はできますが、一度来店してくれたお客様に再度広告が表示されるとは限りません。(そもそも自店舗への来店なので、インターネットで来店済みのお客様を見つけて広告を配信するのが難しい状況です)
フリーペーパーは新規のお客様が見るかもしれないし、既存のお客様が見るかもしれないしと、適切なターゲティングができないのが難点です。そもそも提携店舗に置かれたフリーペーパーは誰もがとるものではなく、ターゲットユーザーと関係ない方が興味もないのに自店舗の広告を見てしまう可能性もあります。DMは確かに一度来てくれたお客様の情報を元に配布はできますが、印刷費などのコストがかかります。また見られずにそのままゴミ箱へポイ、という可能性もあり、お客様に絶対見てもらえるという確実性が少ないです。
一番再来店を促すのに最適なタイミングは、お客様の自店舗への熱気が冷めていない来店時です。
初来店のお客様にも熱気が冷めないうちにアプローチを行えば自店舗のことを忘れられずに済みますし、「また来てみよう」という欲求を高められます。また再来店したお客様にもアプローチすると、さらに自店舗へのロイヤルティを上げて優良顧客へと引き上げられます。
再来店施策で最も有効なのは「クーポンの配布」
再来店へのアプローチ方法として、最も分かりやすく、有効な施策はクーポンです。割引やノベルティプレゼントなど、お客様に特典を受けられるクーポンを配布すると、お客様が再来店してくれる可能性が高まります。
クーポンのメリットは次の3つです。
競合店舗との差別化を図れる
例えば自店舗の看板メニューの「Aラーメン100円引き」、「1000円以上のお買い上げで限定品プレゼント」など、他店舗では真似できないクーポンを配布して競合店舗との差別化を図れます。これにより他店舗へお客様が逃げてしまうのを防げます。
お客様の特別感が高まる
「〇〇様限定100円引き」など特別感のあるクーポンを配布すると、自分が特別扱いされていると感じたお客様の自店舗へのロイヤルティを上げられます。ロイヤルティの上がったお客様は自店舗へ再来店してくれる可能性が高まります。
アップセルやクロスセルも狙える
「アップセル」はお客様に以前購入した商品より上位の商品を購入してもらう、「クロスセル」はお客様が以前購入した商品の関連の商品などを商品といっしょに購入してもらうことでお客様の単価を上げる手法です。例えば「すでに注文された指定メニューの上位メニューを注文すると新メニューの引換券をプレゼント」や、「指定メニューとセットで注文するとノベルティプレゼント」などのクーポンを配布します。配布されたクーポンをお客様が使うと総合的に見てアップセルやクロスセルに成功するので、売上単価が上がります。
このように再来店手法としてメリットの多いクーポン配布施策ですが、どんなクーポンでもお客様に喜ばれるわけではありません。例えば小食のお客様に「大盛無料クーポン」を配布しても使う気は起こらないでしょうし、男性向けのノベルティを女性にプレゼントしてもあまり喜ばれません。
ただ配布するのではなく、クーポン配布で何を目指すのか、そしてどういった内容にすればクーポン配布での再来店集客が成功するのかよく考えなければいけません。
使われるクーポンと使われないクーポンの違いとは
具体的に再来店に効果のあるクーポンと効果のない使われないクーポンとはどのようなものでしょうか。
使われるクーポンの特徴
使われるクーポンの特徴は、以下の通りです。
目標が明確である
企業の商品やサービスのマーケティングでも曖昧な目標設定のまま施策を行っても効果が出ませんが、飲食店のクーポン配布でもそれは同じです。適当にメニューの中から商品を選んで、適当に割引しても自店舗が目指す再来店の集客効果が得られないでしょう。
例えば女性客の再来店を増やしたければ、女性客がよく注文するメニューや女性向けの新メニューの割引特典を付けたりと、再来店を促したいターゲットユーザーに合わせて適切なクーポン配布を行うのが重要です。さらに突き詰めれば、お客様1人1人の趣味・趣向に合わせた特典が受けられるクーポンを配布すると大変効果が高いです。
割引だけを考えない
「とりあえず割引しておけば再来店してくれるだろう」と安直にメニューの単価を下げるのは厳禁です。ホットペッパーのように、割引クーポンに頼りすぎると競合他社との値下げ競争に巻き込まれ、単価がどんどん逆に下がってしまう危険性もあります。ですから何となく割引クーポンを配布するのは絶対にやめましょう。
ヘアサロンではありますが、ある店舗では電話予約からWeb予約へのシフトをお客様に促すために、クーポンといっしょにWeb予約についてメリットなどを説明するツールを同封しました。結果Web予約の利用率がクーポン配布前より30%上がり、店舗の人件費などのコスト削減にもつながっています。
割引だけでなく、クーポン配布によりWeb予約数増加など他目的も達成できるように工夫すると、クーポン単体で大きな効果を上げられます。またデザインも赤など目立つ色をベースに見やすいレイアウトを心がけるとお客様への注意喚起力が上がり、クーポン利用率も増えます。
期間を適切に設定できている
例えば「お客様の来店スパンが初来店後4か月ほどで、もう少しサイクルを短くしたい」といった場合、有効期限を2か月間など短めに設定しておくと、想定より短い期間でお客様が店舗へ再来店してくれるようになります。また1週間など、あえて短めに期限を設定すると、「特典があるのに使わないともったいない」という顧客心理を上手く突いて再来店を促せます。
このように漫然と有効期限を決めるのではなく目的に応じて期間を適切に設定すると、クーポンが使われやすくなり、集客効果も高くなります。
使われないクーポンの特徴
使われないクーポンの特徴は、以下の通りです。
ただ割引だけなど、細かい目標を設定できていない
ただ割引しても、そのメニューに興味がないお客様には意味がなく使われません。事前にお客様の情報整理を行い、自店舗の目標に応じた特典を付けることがクーポンでは求められます。
目的別に期間を設定しない
何となく1年間有効のクーポンを配布しても、いつか使おうと思ってもずるずると引き延ばし、使わないお客様もいらっしゃいます。1週間以内など、目的に応じた有効期限設定を行ってこそのクーポンです。
クーポンを配布するなら自店舗アプリが最も効果的
今までの説明はクーポン全体についてでしたが、今度は自店舗アプリを使ってのクーポン施策を見ていきたいと思います。
自店舗アプリを使ってクーポンを配布すると、従来のクーポンにはない以下のメリットがあります。
印刷代が必要ない
自店舗アプリでクーポンを発見すると、画面にクーポンが表示されます。デジタル化すると紙などでクーポンを発券しないで済むので、クーポンの材料費や印刷代などのコストが少なくなります。
いつでも発行できる
紙のクーポンは事前に発行しないといけないので、即時性に書けます。また例えば1日限定など、細かい日時設定が紙のクーポンではできません。自店舗アプリのクーポンは例えば「ビーコン(自店舗などに設けた発信機)」で自店舗周辺にいるお客様を探知し、1日限定のクーポンを発行するなどの適材適所なクーポン発行が可能です。
いつでも最も最適なタイミングでクーポンを発券できるのが、自店舗アプリの強みです。
クーポンの有効期限が迫るとプッシュ通知で来店を促すことができる
紙のクーポンは一度受け取るとお客様がどうやって補完するか分からず、気付かないうちに有効期限が過ぎているケースもあります。自店舗アプリでクーポンを発券すると、有効期限直前にプッシュ通知でアプリがクーポンの期限切れについて知らせてくれます。
プッシュ通知はポップアップ表示されバイブレーションが鳴るなど、現代人が肌身離さず持っているスマホに注意喚起力の強い通知を発信できます。
注意喚起力が高い分、紙のクーポンより忘れられずに確実に使ってもらいやすいのも自店舗アプリでクーポンを発券するメリットです。
クーポン以外のお知らせなどを配信することができる
紙のクーポンでは、クーポン以外のお知らせを配信したくても難しいです。自店舗アプリでは、自店舗SNSやWebサイトなどと連携して複数のお知らせを配信できます。
例えば、新メニューの紹介や求人募集またイベント・フェアなど多くの情報を発信することが可能です。
自店舗アプリを使えばただのクーポンとしてではなく、複数の機能を組み合わせてお客様に販促できます。
まとめ
今回は飲食店で再来店を促す重要性と、再来店を促すのに有効なクーポンの適切な使い方をご紹介してきました。ただ割引だけを目的とせずに、リピーターとして引き込みたいお客様を具体的にイメージして計画に織り込むと、クーポンでの集客施策は成功しやすいです。クーポン発券時はデザインや有効期限などにも気を配りましょう。
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