飲食店の集客には自社アプリを使うべき!ポータルアプリやアナログ販促にはないその効果とは

飲食店
公開日:2023.11.02 更新日:2026.08.17
飲食店の集客には自社アプリを使うべき!ポータルアプリやアナログ販促にはないその効果とは

飲食店の集客は、コロナ禍といった状況で見直しを迫られました。中でもアプリを活用して集客力を向上させようという店舗が増加して、今では中小規模の飲食店でもアプリの宣伝を行いインストールを促進しようというケースが増えています。

飲食店の集客にアプリを使うと、効率性などの点で他にはない大きなメリットがあります。また、アプリを活用する場合は他社のポータルアプリを使うのではなく、自社専用のアプリを作って提供するのがおすすめです。自社アプリを使うことで、最大限の効果を得ることができるでしょう。

飲食店の集客手段はSNS、ポータルサイト、チラシ、自社アプリと選択肢が広がり、どれから手を付けるべきか迷いやすくなっています。ただ、それぞれの手段には得意な役割があり、新規顧客を集める手段と、来てくれた顧客を逃さない手段は分けて考える必要があります。

SNSやポータルサイトは店舗を知らない人へ届ける力に優れる一方、一度来店した顧客とつながり続ける力は強くありません。この役割の違いを理解しないまま同じ施策に予算を投じ続けると、集客コストばかりが膨らんでしまいます。

この記事では、飲食店の集客にアプリが欠かせない理由などを詳しく解説します。

飲食店がアプリを導入するメリットとは?

まずは、飲食店がアプリを導入すると得られるメリットを解説します。

リピート利用してもらえる

飲食店においては1回だけの来店に終わらず、1週間に1回といった頻度で定期的に来店してもらうことが重要です。新規顧客の獲得が難しくなっている今、無闇に顧客獲得するだけでなく一度獲得した顧客を逃がさない施策を打たなければいけません。

アプリを使うことで一度来店してくれたお客様に定期的に情報を発信することができます。情報発信自体はWebサイトといった他媒体でもできますが、アプリはいつもスマホからすぐに情報発信ができるので発信力が高いのがメリットです。

また、アプリ最大の特徴であるプッシュ通知を使うことで、気付いてもらえる可能性はぐんと高まるでしょう。適切なタイミングで情報発信を継続して行うことで、来店が1度だけで終わってしまうリスクを減らすことが可能です。情報発信の中でロイヤリティが向上して、顧客がリピーター化してくれるよう工夫してみてください。

再来店されない理由の多くは、味やサービスに不満があったからではなく単に忘れられているからです。飲食店の選択肢は無数にあり、日常の中で思い出す機会がなければ満足していた顧客でも自然に足が遠のきます。

スマートフォンのホーム画面にアイコンが並んでいる状態は、それだけで思い出す機会をつくります。アプリは「思い出してもらう装置」として機能するため、来店周期に合わせて通知を届ければ、偶然に頼らない再来店を狙えるようになります。

アナログな販促コストを削減できる

今まで飲食店では、チラシの配布、クーポンの配布、紙やプラスチックカードでの会員証・ポイントカード発行といった施策で顧客獲得を行っていました。しかしこういったアナログな販促方法では結局店舗利用率が減少してしまい、効率的な囲い込みが実現しなくなってきています。

アナログな施策の弱点を解消して集客力を上げてくれるのが、店舗アプリです。店舗アプリを飲食店が利用することで、デジタルチラシの配布、クーポンのプッシュ通知配信、デジタルでの会員証・ポイントカードの提供などが実現します。

これによって販促コストが削減されて、店舗の売上成長にもつながるでしょう。また店舗成長が達成された際にアナログ施策で販促しているとコストが増えてしまいますが、アプリだと増えにくいので利益が減りにくいのもメリットです。

紙のチラシやDMは、配布するたびに印刷費と配布費が発生します。一方でアプリからの配信は、会員数が増えても1件あたりの追加コストがほとんど変わりません。顧客数が増えるほど1人あたりの販促コストが下がっていく構造になっている点が、デジタル施策の大きな違いです。

さらに紙の販促は、配った枚数は分かっても誰が使ったのかまでは追えません。デジタルであれば配信数・開封数・利用数がそのまま記録として残るため、次にどう改善すべきかを判断しやすくなります。

業務効率化につながる

アプリを活用して飲食店の販促を行うと、従業員の負担削減や業務効率化にもつながります。たとえば今まで注文や決済は従業員が直接対応して行うのが当たり前でした。しかし店舗の混雑時などには適切な対応ができないデメリットもあり、店舗回転率を上げるのにもアナログな対応だと限界があります。

アプリにモバイルオーダーシステムを連携させて利用できる体制を構築すると、この課題を解決可能です。アプリから食事の注文やキャッシュレス決済の利用などが可能なので、店舗では注文品の受け取りといった準備を行うだけで済むようになります。

これによって今まで店内の混雑時などに店舗へ行く意欲のなかった顧客も囲い込みやすくなり、効率よく店舗回転率も向上させられることに加え、従業員の業務負担も削減しやすくなるのでメリットが大きいです。

飲食業界は人手不足が慢性化しており、限られた人員でどこまで回せるかが利益を左右します。注文受付や会計にかかる時間を短縮できれば、スタッフを接客や調理といった価値の高い業務に振り向けられるようになります。

ポイント付与や会員証の確認をアプリ側で完結させられる点も見逃せません。紙のカードにスタンプを押す作業や、ポイント残高を口頭で確認するやり取りがなくなり、レジ前の滞留時間そのものを短くできます。

顧客データが自店舗に蓄積される

アプリを導入する価値として見落とされやすいのが、顧客データが自店舗の資産として残るという点です。誰が・いつ・どれくらいの頻度で来店しているのかという情報は、次の施策を考えるうえで欠かせません。

従来の飲食店では、常連客の顔や好みはスタッフの記憶に頼って管理されてきました。この方法は担当者が変わった瞬間に引き継げなくなり、店舗数が増えるほど共有も難しくなります。データとして残しておけば、誰が対応しても同じ水準の提案ができる状態を保てます。

アプリでは会員証をレジで提示してもらうだけで来店履歴が自動的に記録されます。来店頻度、利用金額、クーポンの利用状況、会員ランクといった情報が積み上がっていくため、常連になりつつある顧客と離れかけている顧客を数字で見分けられるようになります。

この蓄積は他社のサービスに預けている限り、契約を終了した時点で使えなくなる可能性があります。自社で保有できる形にしておくことが、長期的に見て大きな差になります。

関連記事:飲食店のリピーターを増やす!アプリ活用で売上を伸ばすための機能7選

飲食店の集客ツールを比較して考える

SNS・ポータルサイト・自社アプリの役割の違い

集客ツールを比べる前に押さえておきたいのが、外食市場の状況です。一般社団法人日本フードサービス協会「外食産業市場動向調査(2025年年間結果)」によると、2025年の外食全体の売上高は前年比107.3%となった一方、客単価が104.3%と大きく伸びており、売上を押し上げた主な要因は価格の上昇でした。客数の伸びは102.9%にとどまっています。

つまり売上は伸びていても、来店客数そのものが大きく増えているわけではないということです。値上げによる押し上げには限界があるため、来店回数を増やす施策の重要性が高まっています。

この前提で集客ツールを整理すると、役割の違いがはっきりします。SNSは店舗を知らない人へ情報を広げる力に優れ、ポータルサイトは「今日どこで食べようか」と探している人と出会う場です。どちらも新規顧客との接点をつくる手段といえます。

一方で自社アプリは、すでに来店した顧客とつながり続けるための手段です。新規獲得には向きませんが、一度接点を持った顧客の来店頻度を高める点では他の手段より優れています。入口としてSNSやポータルサイト、受け皿として自社アプリという組み合わせが現実的な形になります。

関連記事:集客アプリとは?店舗の来店数を増やす機能や活用のコツを解説

SNS集客の強みと限界を知っておく

SNSは無料で始められ、写真や動画で店の雰囲気を伝えやすいという強みがあります。飲食店との相性はよく、料理の見た目やお店の空気感がそのまま集客につながる場面も少なくありません。

ただし限界もあります。投稿がすべてのフォロワーに届くわけではなく、表示順を決めるのはSNS側の仕組みです。フォロワーが1000人いても、実際に投稿を見る人はその一部にとどまります。届ける相手を店舗側が指定できないという点が、SNSの構造的な制約です。

さらに、仕様変更や規約の変更によって運用方法が変わるリスクも常にあります。積み上げてきたフォロワーは、あくまでそのSNS上に存在する資産であり、店舗が自由に扱えるものではありません。

だからこそ、SNSで興味を持ってくれた人をアプリの会員として迎え入れる流れをつくることが重要になります。プロフィール欄にダウンロードリンクを置く、投稿でアプリ限定の特典を紹介するといった導線を用意すれば、SNSの発信力を自店舗の資産に変えていけます。

関連記事:アプリ集客で成果を出す方法8選!口コミやイベント通知などすべてを解説

集客ツールを比べるときの判断基準

複数の集客ツールを検討する際は、費用の安さだけで比べないことが大切です。押さえておきたい観点は次の4つに整理できます。

1つ目は費用の発生の仕方です。掲載料のように使い続ける限り毎月かかるのか、初期費用と運用費で済むのかによって、数年単位で見たときの総額は大きく変わります。

2つ目は顧客データを自社で持てるかどうか。3つ目は届けたい相手に確実に情報を届けられるかどうかです。そして4つ目が、店舗側の運用負担が現場で吸収できる範囲に収まっているかという点になります。

どれだけ機能が優れていても、日々の業務に組み込めなければ運用は止まります。誰が更新するのか、どのタイミングで確認するのかまで決めたうえで比較すると、導入後のずれを減らせます。

関連記事:販促アイデア20選|店舗の集客・売上を伸ばす施策と成功事例

ポータルアプリと自社アプリの違い

ここではポータルアプリと自社アプリの違いや、比較した際の自社アプリのメリットなどをご紹介します。

ポータルアプリとは

ポータルアプリとは、いわゆるさまざまな企業の情報をまとめたアプリです。飲食店の場合は飲食店の情報をフリーペーパーのようにまとめて公開しているアプリを利用することになります。「ホットペッパーグルメ」や「ぐるなび」などが代表的なサービスです。

ちなみにフリーペーパーのようにと書いていますが、実際に飲食店向けポータルアプリを提供しているのはフリーペーパーを提供している企業の場合が多いです。

ポータルアプリではまだ認知度があまりない店舗でも、情報を掲載してアピールすることが可能です。人がたくさん集まるポータルアプリへ出店して情報掲載することで、集客の足掛かりにすることができます。

ただしフリーペーパーと同じように、集客に関しては見積もった上で料金を確認して利用する必要があります。この掲載費が案外高額になり、掲載をやめる店舗がコロナ禍では増えました。予約機能といった各種サービス提供まで行っているメリットは大きいですが、掲載費との兼ね合いでは掲載しても意味がない場合があります。

もうひとつ意識しておきたいのが、掲載順の仕組みです。多くのポータルサイトでは上位に表示されるほど閲覧されやすくなりますが、その位置は多くの場合プランの内容によって決まります。同じ商圏の競合が上位プランに切り替えれば、自店舗の露出は相対的に下がることになります。

また、そこで獲得した顧客はポータル側の会員であり、店舗が直接連絡を取れる相手ではありません。掲載をやめた瞬間に接点が途切れてしまう点は、コストを考えるうえで押さえておきたい部分です。

自社アプリとは

自社アプリとは、自社で開発を行い提供しているアプリを指します。飲食店の場合はターゲットユーザーに対して自店舗の最新キャンペーンやクーポン等を配信するアプリを制作することになるでしょう。

フリーペーパーと比較すると、自社だけで情報を発信できるので競合に対して埋もれにくいメリットがあります。また掲載費に関しても当然自社で1から作っているので発生しません。このためコロナ禍でポータルアプリへの掲載を取りやめて、自社アプリの開発・提供に施策を変更した企業も増えました。

掲載費用はかかりませんが、まったくコストが発生しないわけではなく、アプリ開発にかかる初期費用や運用費が発生するので開発方法等の検討は必要です。

また認知度についても低い場合は1から自社で集客しないといけないので、ポータルアプリと比較すると最初の集客施策をどうするかをよく考える必要があります。

開発方法は大きく3つに分かれます。ゼロから設計する受託開発は自由度が高い一方で費用と期間がかかり、中小規模の飲食店には負担が大きくなりがちです。反対にアプリプラットフォームを使う方法なら、必要な機能があらかじめ用意されているため低額かつ短期間で運用を始められます。

多くの飲食店にとって重要なのは、独自性の高いアプリをつくることではなく会員証・ポイント・クーポン・通知という基本機能を確実に回すことです。まずは必要な機能を絞り込み、運用しながら広げていく進め方が現実的といえます。

関連記事:飲食店のアプリ開発方法を徹底解説|導入メリット・手順・おすすめサービス5選

ポータルアプリにはない自社アプリのメリット

ポータルアプリと自社アプリのメリット・デメリットを解説しましたが、ここからはポータルアプリにはない、自社アプリならではのメリットを解説します。

自店の顧客だけに情報が届けられる

ポータルアプリの場合だと、他の競合店舗の情報までターゲットユーザーに届いてしまいます。そのため、自店舗の情報が伝達されにくい問題が発生する可能性があるでしょう。また、プッシュ通知が機能していても競合と混ざってしまい情報が伝わらないリスクもあります。

自社アプリの場合、最初から自店舗にしか興味のない顧客しか基本的には使いません。そのため競合に対して自店舗はどうやって情報を発信すればよいのかという点を考える必要性が少なくなります。

また自店舗だけの情報を発信できるため効率性の点でも有利です。チェーン店の場合はお気に入り機能を利用することで、顧客が普段寄っている近くの店舗情報を集中的に発信可能です。

掲載費用がかからない

すでに説明しましたが、飲食店向けポータルアプリと違って自社アプリでは掲載費用が一切発生しません。掲載費用は見積りを行わないと実際の費用は分かりませんが、結果的に自社アプリの開発・運用費より高くなるケースも多いです。

ポータルアプリから自社アプリへ販促ツールを変更することで、掲載費用をカットしてコスト削減ができるのがメリットになります。

費用を比べる際は、月額だけでなく数年単位の総額で計算してみてください。掲載料は利用を続ける限り毎月発生し続けますが、自社アプリの初期費用は最初の一度きりです。一定期間を過ぎると総コストが逆転するケースは珍しくありません。

機能を自分で搭載できる

飲食店向けポータルアプリの場合、あらかじめ予約機能などが備わっているものの自店舗が希望している機能が付けられない可能性があります。たとえばデータを収集してカスタマイズして分析した場合、ポータルアプリだと収集できる情報が限定されてしまい十分な分析ができなくなるのがデメリットです。

自社アプリの場合開発方法にもよりますが、ある程度カスタマイズが効くので自店舗に合わせたアプリを用意できます。たとえば分析については収集範囲の制限がなく、分析効率性の高いダッシュボード機能を利用することが可能です。こういった機能を活用することで、ポータルアプリより確実性の高い施策を運用することもできます。

ブランドの世界観をそのまま表現できる

ポータルアプリでは、掲載できる写真の枚数や説明文の形式が決められており、どの店舗も似た見え方になります。価格や口コミの点数で比べられやすく、価格競争に巻き込まれやすいという側面もあります。

自社アプリなら、ロゴやアイコン、配色、画面の構成まで自店舗の世界観に合わせて設計できます。接客の延長線上にある体験としてアプリを位置づけられる点は、比較サイト上では実現できない部分です。

会員ランクの名称やスタンプの絵柄をお店らしい表現に変えるだけでも、顧客の受け取り方は変わります。値引きだけに頼らずに選ばれる状態をつくるうえで、こうした細部の積み重ねが効いてきます。

関連記事:飲食店が今すぐ試すべき!アプリを使った効果的なリピート集客法とは

飲食店のアプリ活用法

ここからは飲食店のアプリ活用方法をご紹介します。

プッシュ通知の配信

プッシュ通知はぜったいに活用した方がいい機能です。ダイレクトに分かりやすい方法で情報発信が可能で、メールといった他のリピート施策と比較すると開封率が高く、効率よく情報を伝達するのに適しています。

またセグメント分けを行いグループごとに情報を配信することで、初来店、週に1回来店、週に2~3回来店といったようにグループに応じた情報発信ができるようになります。

これによって初来店で初回クーポンを提供した顧客に、残り期限を失効3日前にアラートする、といったことも可能です。こういったパーソナライズ施策によって、簡単に顧客を囲い込んでリピーター化させることができるでしょう。

飲食店の場合、配信する時間帯が結果を大きく左右します。ランチの集客を狙うなら午前11時前後、ディナーなら夕方の帰宅前など、顧客がその場で行動を起こせるタイミングに届けることが基本です。

文面は短くまとめ、1通につき伝える内容を1つに絞ります。複数の情報を詰め込むと、通知一覧に表示される冒頭部分で内容が伝わりません。開封率だけでなく通知を切られた割合も確認しながら、無理のない頻度を探っていきましょう。

会員・ポイントカードのデジタル化

飲食店においてお得意様に会員カード・ポイントカードを配布してランクを上げてもらい、ポイントを蓄積・消費してもらう手法は昔からあるリピート施策です。ただし今では紙やプラスチックでカードを配布していると、発行費が気になったり提示率が低下したりと問題が目立つようになってきました。

こういった問題を解決するのがデジタル化です。具体的にはアプリ上で会員カードやポイントカードをデジタル化することで、紙やプラスチックが必要なくなりコストが削減されます。

また提示率に関しても財布やカード入れからカードを出す手間がなくなり、普段表に出していることが多いスマホから提示することができるので上がる可能性が高いのもメリットです。さらに紛失といったトラブルがなくなり、いつでも気軽にステータス等をアプリから確認できる点もメリットになります。

ポイントやランクの制度を設計する際は、達成のハードルを下げることを意識してください。10回来店しないと特典がもらえない仕組みでは、多くの顧客が途中で諦めてしまいます。3回目や5回目に小さな特典を置き、早い段階で得をしたという体験を届けるほうが継続につながります。

クーポンの配信

従来の紙で配布するクーポンの場合、来店から数日後に届ける、誕生日に届けるといったことが難しい状況でした。アプリからデジタルでクーポンを配信することで、任意のタイミングで確実にクーポンを届けられるようになります。

たとえばあらかじめ来店から数日後の配信設定を行い、クーポンデザインや内容を登録しておくことでクーポンが設定どおりに配信されます。こういった便利なアプリ機能を活用することで従業員負担の削減にもつながりますし、クーポンの配信機会を逃すことがなくなるのがメリットです。また印刷コスト等が発生しなくなり、コスト削減にもつながります。

設計時に気を付けたいのが有効期限の長さです。期限が長すぎると後回しにされて忘れられ、短すぎると使う前に切れてしまいます。来店周期に合わせて2週間から1か月程度に設定し、期限が近づいたら通知で知らせる運用にすると利用率が高まります。

値引き一辺倒にしないことも大切です。ドリンク1杯無料、大盛り無料、新メニューの先行提供といった値引き以外の特典なら利益を守りながら特別感を出せます。誰に何を配るかを分けられれば、割引に頼らない集客が可能になります。

SNSとの連携

他メディアと連携して情報発信することで、アプリの発信力はさらに上がります。たとえばSNSと連携させてアプリ発信力を高める施策は多くの店舗で行われている手法です。

SNS上でアプリインストールを促すアピールポイントの紹介やダウンロードリンクなどを発信することで、効率よくアプリの利用者を増やすことが可能です。アプリだけの販促だとインストール数を確保するのが難しいので、SNSといった媒体でインストールを促進できると短期間で利用者を増やせる可能性も高められます。

ただしSNSと連携する際は、API利用ができなくなるといったリスクがある点にも注意してください。最近ではTwitterがXに変更するにあたって、Xのログイン連携が不安定になったり機能が呼び出せなくなるアプリが出てきたりと問題になりました。

SNSとアプリを組み合わせる際は、それぞれに役割を割り振ると運用しやすくなります。SNSは新しいメニューや店の雰囲気を広く見せる場、アプリは来店した人に特典や個別の情報を届ける場という切り分けです。

同じ内容を両方に流すだけでは、アプリを入れる理由が生まれません。アプリでしか受け取れない特典を用意し、その存在をSNSで知らせるという流れをつくることで、フォロワーを会員へ引き上げられます。

投稿が拡散されやすい状態をつくることも意識してください。写真に撮りたくなる盛り付けや店内の一角があれば、顧客側からの発信が自然に増えます。投稿への返信を丁寧に行えば、投稿者本人の再来店にもつながります。

モバイルオーダーとテイクアウト予約

飲食店ならではの機能として押さえておきたいのが、モバイルオーダーとテイクアウト予約です。注文と決済を事前に済ませられる仕組みは、顧客の待ち時間を短くするだけでなく店舗側の負担も軽くします。

ピークタイムに行列ができる店舗では、受け取りだけの顧客と店内利用の顧客を分けられることで回転率が上がります。注文の聞き間違いや会計時のやり取りも減るため、少人数のシフトでも回しやすくなります。

テイクアウト需要は定着しており、昼の時間帯に来店できない層を取り込む手段としても有効です。事前に注文が入ることで仕込みの量も読みやすくなり、廃棄の削減にもつながります。

導入する際は、受け取り場所と時間の伝え方を分かりやすく設計しておくことが大切です。受け取り口が分からず店内で迷ってしまうと、便利さがそのまま不満に変わってしまいます。

関連記事:アプリで差がつく!飲食店の“今どき集客”はこう変わる(居酒屋編)

複数店舗の情報を一元管理できる

チェーン店の場合、イベントやキャンペーンの開催店舗などを管理しながら適切に情報配信する必要性が出てきます。また関係ない店舗の情報をターゲットユーザーに送ってしまうリスクも減らさないといけません。

アプリ上で全店舗の情報を掲載し一元管理することで、店舗側でも管理がしやすくなり負担削減につながります。たとえばあらかじめイベントの開催店舗を把握してその店舗を登録しているユーザーだけに情報が伝達される仕組みにすれば、関係ない店舗の情報発信をなくして効率よく有効な情報を伝達できるようになるでしょう。

またダッシュボードでは店舗ごとに売上・集客力の比較が簡単にできるようにすることで、経営方針をじっくり考えることができるようになります。

顧客情報の収集・分析が簡単に可能

アプリ上で分析ができるようにすることで、顧客情報の収集や分析も簡単になります。たとえば月次で売上の比較をすることでどの施策が売上向上に影響しているのか、また売上面で問題がある月は何月かなどを顧客の購買状況と併せて瞬時に把握することが可能です。

また今まで収集できていなかったオフラインの購買状況を、アプリのバーコードなどを経由して簡単に蓄積・利用できるのもメリットです。分析ツールが複数ある場合はなるべくアプリのダッシュボード機能へ統合することで、効率よく分析作業できるようになる点も覚えておいてください。

分析画面を見る際は、単月の数字だけで判断しないことがポイントです。前月比や前年同月比と並べて確認すれば、季節要因なのか施策の効果なのかを切り分けられます。飲食店は天候や連休の位置で来店数が動くため、比較の軸を持つことが欠かせません。

追いかける指標は多く持つ必要はありません。来店頻度・平均客単価・クーポン利用率・休眠率の4つから始めれば、次に何を改善すべきかは十分に見えてきます。

関連記事:飲食店のリピート率がアップする!アプリでできる“今日からの集客施策”とは?(カフェ版)

関連記事:飲食店・美容室・クリニック必見!アプリ予約システムのメリットと導入のコツ

飲食店でアプリを導入する際の注意点

ここからは飲食店でアプリを導入する際の注意点を解説します。

外部ツールとの連携が可能か

予約機能やテイクアウト機能などをすでに使っている場合は、そういった既存のシステムとアプリを連携して使うことができるかを確認する必要があります。APIの連携性等の説明を見るとどれくらい連携ができるのかがある程度分かるでしょう。

ただしAPIといった技術の確認は初心者には難しい面があるので、気になる場合は各アプリ制作サービスへ問い合わせて質問してみると安心です。

特に確認しておきたいのはPOSレジとの連携です。会計データとアプリの会員情報がつながっていれば、来店ごとの購買内容まで自動で記録されます。手作業での入力が発生する形だと、忙しい時間帯には運用が止まってしまいます。

利用したい機能が簡単に導入できるか

アプリ開発をする場合、プッシュ通知や分析といった面で利用したい機能が簡単に導入できるかも重要です。たとえばプッシュ通知では細かいセグメント分けやクーポンデザイン設定などができるかがカギとなります。

アプリプラットフォームの種類などで、利用できる機能やカスタマイズ性が変わってきます。この点に注意して導入を行うことで、アプリ施策の成功率が高まるでしょう。

あわせて、管理画面を実際に操作するスタッフが扱えるかどうかも見ておいてください。機能が豊富でも設定が複雑すぎると、結局は一部の担当者しか触れない状態になります。無料相談やデモの機会があれば、現場の担当者にも触ってもらうと判断しやすくなります。

アプリの開発費用・保守費用が見合っているか

アプリの開発費用や保守費用についても要確認です。開発費用については初期費用といった形で公開されています。ただし見積りが必要で公開されていないケースもあるので、その場合は相場を確認した上で費用が適切かをある程度把握できると安心です。

また保守費用についてはオプション費も含めて継続で掛かるので、1か月や1年換算で希望通りの運用ができるかを確認してから導入を決定してみてください。

費用対効果を測る際は、アプリ経由の来店が月に何件増えれば費用を回収できるかを先に計算しておくと判断しやすくなります。客単価が3000円の店舗で月額費用が3万円なら、月に10組の追加来店で採算が取れる計算です。

このように回収ラインを数字で持っておけば、導入後の評価も感覚に頼らずに済みます。既存のポータルサイトへの掲載料と置き換える形で検討すれば、追加の持ち出しを抑えながら移行することも可能です。

ダウンロードを増やす導線を用意できているか

見落とされやすいのが、アプリを配布する導線です。どれだけ機能が充実していても、顧客の手元に入っていなければ施策は始まりません。導入直後に力を入れるべきなのは、来店客へ確実に案内する仕組みづくりです。

卓上POP、レジ横の案内、メニュー表への掲載、QRコード付きのショップカードなど、目に入る場所を複数用意しておきます。あわせてスタッフからの声かけを統一しておくと、案内漏れを防げます。

案内の際は、その場で得られる利点を明確に伝えることがポイントです。「アプリを入れると便利です」ではなく「今すぐ登録いただくと本日のお会計から使えるクーポンをお渡しします」と伝えるほうが、登録率は大きく変わります。

会計を待っている時間はダウンロードを案内する好機です。手が空きやすいタイミングを店舗ごとに決めておけば、忙しい時間帯でも案内が止まりません。

関連記事:入れた方がいいお店アプリは?店舗アプリの成功事例と人気機能ランキングを解説

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会員証やポイント、クーポン、プッシュ通知といった販促機能と、来店状況を確認する分析画面が同じ管理画面にまとまっているため、データを見てから施策を実行するまでが1つの画面で完結します。専門知識がなくても操作でき、複数店舗を運営している場合でも店舗ごとの状況を比較しながら運用を進められます。

関連記事:店舗アプリのメリット・デメリット|集客力アップだけでないその魅力

まとめ

今回は飲食店の集客にアプリが欠かせない理由などを詳しく解説しました。ポータルアプリと比較して、自社アプリを制作して利用したほうが販促効果が高いです。

ただし、自社アプリ導入を検討する際は、必ず外部ツールとの連携性や運用コスト等を確認しておきましょう。中小規模の飲食店がアプリを用意する場合は、低額・短期間で開発や運用ができるアプリプラットフォームの利用がおすすめです。

SNSやポータルサイトを否定する必要はありません。新規顧客との出会いをつくる場としては今後も有効です。大切なのは、そこで出会った顧客をどこで受け止めるかという設計になります。

まずは自店舗の来店客数と再来店の状況を確認し、入口をつくる施策と、来た人を逃さない施策のどちらが不足しているのかを見極めるところから始めてみてください。

参考:一般社団法人日本フードサービス協会「外食産業市場動向調査(2025年年間結果)」

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