リテンション率とは?継続率(リテンションレート)の計算方法と改善施策を解説
業種全般
アプリの継続率(リテンションレート)は、インストール後にどれだけのユーザーがアプリを使い続けているかを示す指標です。リテンション率とも呼ばれ、アプリ運用の成果を測る上で最も重要なKPIの一つとされています。
しかし、「継続率の計算方法がよくわからない」「自社アプリの継続率が平均と比べて高いのか低いのかわからない」という方も多いのではないでしょうか。
本記事では、アプリの継続率(リテンションレート)の基本的な意味と計算方法から、業界平均の目安、継続率を上げるための具体的な施策までを解説します。アプリの継続率改善に取り組みたい方は、ぜひ参考にしてください。
リテンション率が注目される背景には、スマートフォンが生活のインフラになったことがあります。総務省「令和7年版 情報通信白書」によると、2024年のスマートフォンの世帯保有率は90.5%、モバイル端末全体では97.0%に達しました。端末は行き渡り、争点は「入れてもらうこと」から「使い続けてもらうこと」へ移っています。
インストール数だけを追いかけても、翌週に消されてしまえば売上にはつながりません。獲得した人数ではなく、残った人数で成果を測るという考え方に切り替えるための指標が、リテンション率です。
アプリの継続率(リテンションレート)とは
インストール後も使い続けるユーザーの割合
アプリの継続率とは、アプリをインストールした後も定期的に利用を続けているユーザーの割合のことです。リテンションレート(リテンション率)とも呼ばれます。
一般的に継続率は、利用開始日から日数が経過するにつれて下がっていきます。たとえば、ある日にアプリをダウンロードしたユーザーが100人いたとすると、10日後には50%、20日後には30%というように継続率は低下していきます。
継続率が低いということは、せっかく獲得したユーザーが早期に離脱していることを意味します。離脱の原因を特定し、アンインストールされる前に対策を打つことが、アプリ運用の重要なポイントです。
また、継続率は顧客満足度とも密接に関係しています。満足度が高ければ利用頻度が増え、利用期間も長くなるため、継続率はアプリの品質を測るバロメーターともいえます。継続率が著しく低い状態が続くと、アプリのサービス自体を見直さなければならない事態にもなりかねないため、早めの対策が重要です。
リテンション率・リテンションレート・継続率の呼び方の違い
同じ数値を指す言葉が複数あるため、最初に整理しておきましょう。リテンション率、リテンションレート、継続率、定着率、顧客維持率は、いずれもほぼ同じ意味で使われます。英語のRetentionが「保持・維持」を意味することから来ています。
使い分けの目安として、アプリやWebサービスの文脈では「継続率」「リテンションレート」、CRMやSaaSの文脈では「顧客維持率」「リテンション率」と表記されることが多い傾向です。社内で用語がばらつくと数値の解釈もずれるため、どの呼び方を使うか決めておくと混乱を防げます。
なお、人事領域で使われる「リテンション」は従業員の定着を指し、まったく別の意味になります。検索して出てきた記事が人材系の内容だった場合は、対象が顧客ではないことを確認してください。
継続率の計算方法
アプリの継続率は「継続顧客数 ÷ 新規顧客数 × 100」で算出します。計算するためには、まず対象となる期間を定めます。
たとえば計算期間を「6月1日〜6月30日」とし、初日に1万人が登録、最終日に継続利用者が1,000人だった場合、「1,000 ÷ 10,000 × 100 = 10%」となり、この期間の継続率は10%だとわかります。
ここで注意すべきなのは、「何をもって継続とするか」の定義が企業やアプリのジャンルによって異なる点です。たとえば1週間以内に1回でも起動すれば継続とするケースもあれば、毎日起動していないと継続と見なさないケースもあります。自社アプリにとって利益につながる利用頻度を基準にして、継続の定義を明確にしておくことが重要です。
また、キャンペーン直後は新規ユーザーの母数が増えるため、相対的に継続率が低く出ることがあります。逆に、リテンション施策を実施した直後は継続率が高く出る傾向があります。こうした変動要因を踏まえて、定期的に計算・比較するようにしましょう。
既存顧客の維持を測る文脈では、もう一つの計算式もよく使われます。(期間終了時の顧客数 − 期間中に獲得した新規顧客数)÷ 期間開始時の顧客数 × 100 という式で、こちらは「もともといた顧客のうち何%が残ったか」を表します。
たとえば期間開始時1,000人、期間中の新規600人、期間終了時1,000人であれば、(1,000−600)÷1,000×100=40%です。同じ会社の数値でも式が違えば結果は変わるため、社外の平均値と比べるときはどちらの式で出した数字かを必ず確認しましょう。
あわせて押さえておきたいのが、測り方の3タイプです。
・Nデイリテンション:インストールからちょうどN日後に起動した人の割合。アプリの平均値としてよく使われる
・期間内リテンション:たとえば「7〜14日目のどこかで起動した」割合。来店頻度が低い店舗アプリと相性が良い
・継続的リテンション:N日目以降に一度でも起動した割合。緩やかに見るときに使う
店舗アプリのように毎日開く前提でないサービスは、Nデイで見ると数値が過度に低く出ます。自店舗の来店間隔に合わせて期間内リテンションで測るほうが実態に近い数字になります。
関連記事:アプリマーケティングのKPIとは?ダウンロード数など主要指標の見方と設定のコツを解説
関連記事:MAUとは?アプリのアクティブユーザー数の計算方法と増やし方を解説
リテンション率と混同しやすい指標の違い
継続率の話をしていると、必ず近い指標が出てきます。それぞれ見ている対象が違うため、役割を分けて使うのが前提です。
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指標 |
何を表すか |
使いどころ |
|---|---|---|
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リテンション率(継続率) |
インストール後も使い続けている人の割合 |
施策の効果測定、離脱時期の特定 |
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チャーンレート(解約率) |
離脱した人の割合。継続率の裏返し |
どれだけ失っているかの把握 |
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MAU/DAU |
一定期間に利用した実人数 |
サービス全体の規模の把握 |
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アクティブ率(DAU÷MAU) |
利用者がどれくらい頻繁に使うか |
利用の濃さ、習慣化の度合い |
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LTV(顧客生涯価値) |
1人の顧客が生涯にもたらす利益 |
獲得コストの上限を決める判断 |
チャーンレートとセットで見る
チャーンレート(解約率・離脱率)は継続率の裏返しで、継続率+チャーンレート=100%の関係にあります。片方だけを見るより、両方を並べたほうが変化に気付きやすくなります。
特に有効なのが、どのタイミングで離脱が集中しているかを見ることです。初日で大きく落ちるならオンボーディング、2週目で落ちるならコンテンツの鮮度と、原因の当たりを付けられます。
LTVとつなげて投資判断に使う
継続率が上がると、1人の顧客が使い続ける期間が延び、結果としてLTVが上がります。LTVが上がれば、広告に使える1人あたりの獲得コストの上限も上げられるため、集客の選択肢が広がります。
逆に継続率が低いままだと、いくら広告を出しても回収できません。新規獲得の前に継続率を整えるという順番が、費用対効果の面では合理的です。
アプリの継続率(リテンション率)の目安と平均値
1日後の継続率は平均26%
アプリの継続率にはジャンルやOSによって差がありますが、Adjust社が公表しているデータ(2022年第1四半期・全ジャンル対象)が参考になります。
インストール翌日(1日後)の継続率平均は26%です(Android:25%、iOS:28%)。つまり、約4人に1人しか翌日にはアプリを開いていないということになります。
ジャンル別では、ソーシャルアプリが32%と平均を上回っています。食事管理アプリやマッチングアプリも比較的高い継続率を示しています。
Adjust社は「2日目に継続率が25%を下回るアプリは非常に少ない」とも発表しており、もし2日目で25%を割っている場合は、初回起動時の体験に問題がある可能性が高いと考えられます。初回にユーザーが「使い続けたい」と感じるかどうかが、翌日以降の継続率に直結します。
翌日の数値が低いとき、原因の多くはアプリの中身ではなく最初の数十秒にあります。会員登録の項目が多い、特典がどこにあるか分からない、起動が重いといった要素は、内容を見てもらう前に離脱を招きます。
7日後は12%、30日後は6%が平均
7日後の継続率平均は12%(Android:11%、iOS:13%)です。Androidではソーシャルアプリが17%、iOSでは食事記録アプリが18%と、ジャンルによって差が出ています。最初の1週間でリターゲティング施策を実行するアプリも多いため、この時期の数値にはキャンペーン効果が含まれている点にも留意が必要です。
継続率の分岐点は21日目です。この時点で平均値は7%にまで下がり、ほとんどのユーザーが離脱しています。しかし、その後の30日目の平均値は6%であり、21日目からの低下は緩やかです。
Adjust社はこの点に注目し、「3週間アプリを継続利用したユーザーは、今後もアプリを利用してくれる可能性が高い」と結論づけています。つまり、最初の3週間をいかに乗り越えてもらうかが、アプリの継続率を左右する最大のポイントです。
店舗アプリの場合、一般的なゲームアプリ等と比べて利用頻度が低い(来店時のみ使う等)ため、単純に上記の平均と比較するのは難しい面もあります。ただし、30日後の継続率が10%以上あれば良好、5%を下回っている場合は改善が必要と考えてよいでしょう。
平均値との比較以上に役立つのが、自社の過去の数値との比較です。業種も客層も違う全国平均より、先月の自社と今月の自社を並べたほうが、施策が効いたかどうかを正しく判断できます。
その際は、インストールした月ごとにグループを分けて追うコホート分析が有効です。「4月に入れた人の30日後」と「5月に入れた人の30日後」を比べれば、施策の前後で定着の仕方がどう変わったかが見えてきます。
関連記事:店舗アプリのメリット・デメリット|集客力アップだけでないその魅力
アプリの継続率確保が重要な理由
収益の安定につながる
アプリは継続的に提供するのが基本となるコンテンツです。獲得したユーザーが離脱せずに使い続けてくれれば、利益を継続的に獲得できます。
特にサブスクリプション型の課金モデルを採用している場合、継続率は直接的に収益に影響します。また、店舗アプリの場合でも、アプリ経由での来店やクーポン利用が継続されることで、安定した売上につながります。いきなり継続率を大幅に改善するのは難しいため、まずは現状の数値を維持し、そこから段階的に改善していくアプローチが現実的です。
継続率の改善は、売上の予測しやすさにも効きます。毎月どれくらいの人が残るかが読めるようになると、仕入れやシフトの計画精度が上がり、店舗運営全体が安定します。
新規顧客獲得コストを抑えられる
新規顧客の獲得には広告費やプロモーション費用がかかります。一般的に、新規顧客の獲得コストは既存顧客の維持コストの5倍かかるともいわれています(いわゆる「1:5の法則」)。せっかく獲得したユーザーがすぐに離脱してしまうと、その投資が無駄になります。
継続率を向上させて離脱を減らせば、新規顧客を大量に獲得し続ける必要がなくなります。「バケツに穴が開いた状態で水を汲む」のではなく、まず穴をふさぐ(=継続率を改善する)ことで、獲得コスト全体の効率が改善されます。もちろん新規顧客の獲得は継続的に行う必要がありますが、継続率が高ければ獲得すべき人数の目標を小さく設定できるため、業務全体の負担も軽減されます。
関連する考え方に「5:25の法則」があります。離脱率を5%改善すると、利益が25%以上改善するとされるもので、既存顧客を維持することの効き目の大きさを示したものです。
いずれも経験則ではありますが、同じ予算を新規獲得と継続改善のどちらに配分するかを考えるときの目安になります。広告費を増やす前に、離脱している理由を潰せないかを一度検討してみてください。
顧客ロイヤリティを高められる
継続率が高い顧客は、リピーターとして定着している可能性が高い顧客層です。他の指標(来店頻度、購買金額など)と組み合わせて分析することで、ロイヤリティの高い顧客を特定できます。
ロイヤリティの高い顧客は、競合にスイッチングするリスクが低く、よい口コミを発信してくれる可能性も高いため、LTV(顧客生涯価値)の向上に大きく貢献します。必要に応じてメールやプッシュ通知でレビュー投稿を促し、口コミの拡散を後押しするのも有効な施策です。
ロイヤリティを可視化する手段として、会員ランク制度も有効です。来店回数や購入金額に応じて特典が変わる仕組みを入れると、ランクを維持したいという動機が生まれ、継続率そのものを押し上げてくれます。
参考:アプリ会員とは?会員証アプリおすすめ15選と導入メリット・注意点を解説
アップセル・クロスセルがしやすくなる
継続的にアプリを利用しているユーザーは、企業とのタッチポイントが多く、追加の提案を受け入れやすい状態にあります。
アップセル(より上位の商品・サービスの購入)やクロスセル(関連商品の購入)を自然な形で提案しやすくなるため、顧客単価の向上につなげることができます。
たとえば、過去の購買履歴から「この商品を買った人はこちらも購入しています」といったレコメンドを表示したり、ランクアップ特典として上位商品の割引を提供したりする施策が考えられます。継続率の高いユーザーを特定し、優先的にアプローチするのが効果的です。
提案のタイミングは、利用が習慣になったあとが適しています。使い始めて日が浅いうちに上位プランを勧めると押し売りと受け取られやすく、かえって離脱の引き金になります。
関連記事:レストラン集客はアプリで変わる!“もう一度来たくなる”仕組みのつくり方
アプリの継続率を上げる5つの施策
初回起動時の体験をスムーズにする
アプリの継続率を最初に下げないためには、起動直後のアクションがスムーズに取れることが重要です。
ログイン時にSNS連携でアカウント登録を簡略化したり、チュートリアルを直感的に進められる設計にしたりすることで、初回起動時の離脱を防ぐことができます。「最初の30秒で価値を感じてもらえるか」がカギです。
店舗アプリの場合、初回ダウンロード特典(ポイント付与やクーポン)をすぐに提示することで、「ダウンロードしてよかった」と感じてもらうのが効果的です。逆に、初回起動時に長い会員登録フォームや不要な情報入力を求めると、「使う前に面倒」と感じられ、そのまま離脱されてしまうリスクがあります。
登録項目は配信に使う予定のあるものだけに絞りましょう。生年月日・性別・利用店舗の3つがあれば、初期の出し分けは十分に成立します。項目を増やすほど登録完了率は落ちるため、後から少しずつ集めるほうが結果的にデータは集まります。
プッシュ通知で適切にアプローチする
プッシュ通知は、休眠しかけているユーザーをアプリに呼び戻す強力な手段です。セール情報や新商品の入荷、ポイント有効期限のリマインドなど、ユーザーにとって価値のある情報をタイミングよく届けることで、アプリの再起動を促せます。
ただし、通知の頻度が多すぎると逆効果になり、通知オフやアンインストールにつながります。週1〜2回を目安に、ユーザーの反応データを見ながら配信頻度を調整するのがよいでしょう。
配信する内容もセール告知ばかりではなく、ユーザーにとって役立つ情報(新商品情報、ポイント残高のリマインド等)を織り交ぜることで、「通知を開く価値がある」と感じてもらえるようになります。
効果を大きく左右するのがセグメント配信です。全員に同じ内容を送るのではなく、来店頻度や最終来店日でグループを分けて出し分けると、開封率と再来店率の両方が上がりやすくなります。
最初から細かく分ける必要はありません。「新規」「常連」「休眠」の3分類から始め、反応を見ながら少しずつ増やしていくほうが運用は続きます。
参考:アプリのセグメントプッシュ通知で開封率を上げる!来店間隔に応じた配信のコツ
フィードバックを収集してこまめに改善する
ユーザーレビューや問い合わせ、アプリ内アンケートなどからフィードバックを収集し、改善に反映する姿勢が継続率の維持・向上につながります。運営側が気づかなかった不具合や改善要望が見つかることも多く、ユーザーの声を活かした改善はアプリの品質向上に直結します。
実際に、ユーザーの要望を反映したアップデートを行い、その旨をプッシュ通知で告知することで、休眠ユーザーの復帰につながるケースもあります。素早いフィードバック対応には一定の人員が必要です。社内で対応が難しい場合は、外部に保守・管理をアウトソーシングすることも選択肢に入れましょう。
反映したことを伝えるのも大切です。「ご要望の多かった〇〇を追加しました」と一言添えるだけで、意見が届いているという実感が生まれ、アプリへの愛着につながります。
休眠・離脱顧客にフォロー施策を実施する
一定期間アプリを起動していない休眠顧客に対して、自動でフォロー施策を実施することで、離脱を防ぐことができます。
具体的には、1ヶ月以上未起動のユーザーへの自動プッシュ通知、期間限定ポイントの付与、休眠顧客限定のクーポン配信といった施策が効果的です。「あなただけの特別なオファー」という特別感を演出することで、再起動の動機づけになります。
また、アプリ外からのリテンション広告(SNS広告やリターゲティング広告)を活用して、休眠ユーザーとのタッチポイントを確保する方法もあります。コストはかかりますが、一度離脱したユーザーを新規で獲得するよりも効率的なケースが多いため、予算の範囲内で試してみる価値があります。
復帰を促すうえで効きやすいのが、スタンプカードやポイントの残高を思い出してもらうアプローチです。「あと2つで特典」「ポイントが今月末で失効します」といった具体的な数字は、漠然としたセール告知より強い動機になります。
参考:スタンプカードアプリとは?導入メリットと紙からの移行で集客を成功させるコツ
分析・自動化ツールを活用する
継続率を分析し、施策を自動化できるツールを導入することで、効率的な継続率改善が可能になります。
MA(マーケティングオートメーション)ツールでは、CRM機能で顧客との関係状態を把握した上で、セグメントに合ったメールやプッシュ通知を自動配信できます。ホットな顧客へのアプローチも、休眠顧客の掘り起こしも、ツールを活用すれば少ない人員で実行可能です。
アプリが成長してデータ量が増えると、手動での分析や施策実行には限界があります。早い段階からツール導入を検討しておくのがおすすめです。
導入時に確認したいのは、顧客データと配信機能が同じ管理画面にあるかです。分析ツールと配信ツールが分かれていると、条件に合う人を抽出して手作業で移す工程が発生し、運用が続かなくなります。
関連記事:なぜアプリを導入するとリピーターが増えるのか?その仕組みを解説
リテンション率の改善を進める4つのステップ
施策を並べても、どこから手を付けるかが決まらなければ動けません。順番を決めておくと、少ない工数でも改善が回り始めます。
STEP1 継続の定義と測る期間を決める
最初にやるべきは、「何をもって継続とするか」を一つに決めることです。起動を基準にするのか、来店やクーポン利用を基準にするのかで、出てくる数字はまったく違います。
店舗アプリであれば、自店舗の平均来店間隔に合わせて「30日以内に1回以上起動」あたりが扱いやすい基準です。決めたら途中で変えないこと。定義が変わると過去との比較ができなくなります。
STEP2 どこで離脱しているかを特定する
次に、1日後・7日後・30日後の3点で数値を出し、落ち込みが最も大きい区間を探します。初日で大きく落ちるなら初回体験、7日以降でじわじわ落ちるならコンテンツの更新頻度が疑わしい、という具合に原因を絞れます。
全体の平均だけを見ていると、この当たり付けができません。区間ごとに分けて見ることが、改善の出発点になります。
STEP3 原因に合わせて施策を1つずつ試す
改善策は一度に一つだけ変えるのが原則です。登録フォームの短縮と通知頻度の変更を同時に行うと、どちらが効いたのか分からず、次の判断ができなくなります。
施策を打ったら、同じ条件で1か月分のデータがそろうまで待ちましょう。判断を急いで元に戻すのが、改善が積み上がらない一番の原因です。
STEP4 数値を定点で振り返る
月に1回でも、継続率とチャーンレートを並べて確認する時間を確保してください。数字を眺めるだけでも、季節要因なのか施策の影響なのかの見分けが付くようになります。
振り返りの結果はメモとして残し、担当者が変わっても引き継げる形にしておきましょう。継続率の改善は短期決戦ではなく、記録の積み重ねが効いてくる取り組みです。
参考:プッシュ通知の開封率の平均は?開封率を上げる方法と配信時の注意点を解説
継続率を下げてしまう2つのアプリの特徴
初回の手間が多すぎるアプリ
チュートリアルや初期設定の段階で、不要な会員登録や多すぎる情報入力を求めるアプリは、初回起動時の離脱率が高くなります。ユーザーは「まず使ってみたい」と思っているのに、使い始める前にハードルを感じてしまうためです。
初期設定は最小限にし、利用しながら段階的に情報を入力してもらう設計が理想的です。
通知の許諾を求めるタイミングにも注意が必要です。起動直後にいきなり許可を求めると拒否されやすく、その後の打ち手が大きく制限されます。特典を受け取る画面など、必要性が伝わる場面で依頼するほうが許諾率は上がります。
参考:プッシュ通知の効果とデメリット|開封率・許諾率を上げるコツとNG例を解説
通知が多すぎる・更新が少なすぎるアプリ
プッシュ通知やリテンション施策の頻度が多すぎると、ユーザーに「しつこい」と感じられ、通知オフやアンインストールにつながります。逆に、アップデートやコンテンツ更新がほとんどないアプリは、新鮮さを失い「もう使わなくていい」と判断されてしまいます。
通知は週1〜2回を目安にユーザーの反応を見ながら調整し、コンテンツは最低でも月1回は更新するようにしましょう。バグや不具合が放置されたままのアプリも離脱率が高くなるため、ユーザーからの不具合報告には迅速に対応することが大切です。継続率は定期的に計算し、解約率など他の指標と組み合わせて問題の早期発見に努めることも重要です。
更新を止めないコツは、年間の配信カレンダーを先に作ってしまうことです。月初の定番、季節イベント、雨の日限定といった枠をあらかじめ埋めておけば、毎月ゼロから考える必要がなくなります。
もう一つ見落とされがちなのが、クーポンや特典が空になっている状態です。開いても使えるものが何もないアプリは、次に開く理由が生まれません。常に数枚は用意しておきましょう。
参考:アプリクーポンの集客効果と仕組み|導入のメリットや運用テクニック
アプリの継続率改善なら「店舗アプリDX版raiten」
「店舗アプリDX版raiten」では、継続率まで考えた分析ができ、施策の取れるアプリを制作できます。プッシュ通知配信やクーポン配布、データ分析などの機能で継続率の改善をサポートします。初心者でも簡単にアプリを制作・分析できるので、気になる方はぜひお問い合わせください。
会員証・スタンプカード・ポイント・クーポン・プッシュ通知を同じ管理画面でまとめて扱えるため、休眠しかけた顧客の抽出から配信までを一連の流れで実行できます。専門知識がなくても運用を回せる構成です。
参考:集客アプリとは?店舗の来店数を増やす機能や活用のコツを解説
まとめ
本記事では、アプリの継続率(リテンションレート)の意味と計算方法、業界平均の目安、継続率確保が重要な理由、そして継続率を上げるための5つの施策を解説しました。
継続率の平均値は、1日後26%、7日後12%、30日後6%であり、最初の3週間を乗り越えたユーザーは長期的に利用を続ける可能性が高いとされています。
継続率を改善するためには、初回体験の最適化、プッシュ通知の活用、フィードバック対応、休眠顧客へのフォロー、ツールの活用という5つの施策を組み合わせることが効果的です。まずは自社アプリの現在の継続率を計算し、平均値と比較するところから始めてみてください。アプリの継続率改善についてのご相談はお問い合わせください。
あらためて整理すると、リテンション率の改善は「継続の定義を決める→落ち込む区間を特定する→原因に合う施策を一つ試す→月1回振り返る」の繰り返しです。特別な分析基盤がなくても、この循環さえ回れば数値は動きます。
平均値はあくまで参考値です。比べるべきは他社ではなく、先月の自社という姿勢で続けていけば、獲得した顧客を取りこぼさない運用に近づいていきます。
この記事を監修した人
店舗アプリ公式。累計1,000社以上の導入実績を誇る店舗アプリ構築プラットフォーム。 単なる集客に留まらず、リピーター創出による売上最大化を得意としている。
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