beacon(ビーコン)とは?仕組みやGPSとの違い、種類・スマホ側の設定・アプリとの連携活用法を解説

業種全般
公開日:2019.07.26 更新日:2026.07.27
プッシュ通知やクーポンを自動送信!beacon特有の機能とは?

スマホアプリのチェックイン機能を使って店舗でポイントなどの特典をもらった経験がある方も多いのではないでしょうか。店舗内にユーザーが入ると自動的にそれを認識し、スマホアプリに情報を送信しているのが「ビーコン(beacon)」です。

GPSと混同されることもありますが、ビーコンとGPSではどこから情報を発信しているかなど違う点がたくさんあります。自店舗アプリとビーコンを連動させれば、来店時にポイントやスタンプをプレゼントしたり、お店周辺にいるお客様にクーポンを配布したりとさまざまな集客施策が可能になります。本記事ではビーコンの仕組みやGPSとの違い、アプリ連携による販促メリット、実際の活用事例まで解説します。

ビーコンは店舗に置くだけで動く機器ですが、実際に運用してみると「反応しない」という問い合わせが最も多く発生します。原因の大半は機器側ではなく、スマホの設定や権限にあります。

また、ひとくちにビーコンと言っても発信する信号の規格は複数あり、選んだ規格によって使えるアプリやサービスが変わります。導入前に押さえておきたい前提です。

本記事では仕組みとGPSとの違いに加えて、規格の種類、端末の選び方、スマホ側で必要な設定、導入の進め方まで順に整理します。

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beacon(ビーコン)とは

BLE通信で位置情報を発信する小型端末

ビーコンとは分かりやすく説明すると「備え付けの情報発信機」で、小型の端末を壁など好きな場所に貼り付けて通信を行います。ビーコンの通信には「BLE(Bluetooth Low Energy)」が利用されています。これは代表的な無線規格であるBluetoothの低消費電力モードのことで、低コスト・省エネルギーで通信できるのが特徴です。

スマホにも搭載されており、スマホアプリはスマホとビーコンがBluetooth接続されたときにビーコンの情報を取得し、スマホユーザーが来店したのを認識して通知を出します。

ただしスマホとビーコンがBluetooth接続しても、ビーコンの情報を受け取れるアプリがないとチェックイン完了などのプッシュ通知は出せません。またビーコンはBluetooth接続で動作するため、スマホのBluetooth機能がオフだとアプリのチェックイン機能などは使えない点にも注意が必要です。

イヤホンやスピーカー、さらにはスマートウォッチなどBluetooth対応機器はどんどん増えており、Bluetoothの使用率は今後さらに高まっていくと考えられます。

関連記事:店舗アプリの導入効果とは?メリット・デメリットと成功事例を解説

ビーコンにできることとできないこと

ビーコンは信号を一方的に発信するだけの機器です。スマホから情報を受け取ったり、個人を特定したりする機能は持っていません。誰が近づいたかを判断しているのは、信号を受け取ったアプリ側です。

この構造を理解しておくと、できることの範囲がはっきりします。売場単位の滞在検知や来店の自動判定は得意ですが、対応アプリを入れていない人には何も届けられません。

ビーコンの通信規格の種類

ビーコンは端末の名前で、信号の形式を決めているのは通信規格です。スマホとOSの関係に近く、どの規格に対応した端末を選ぶかで連携できるサービスが変わります。

iBeacon

2013年にAppleが発表した規格で、iOSがOSレベルで対応したことにより広く普及しました。固有のIDを発信し、アプリ側がそのIDを見て「どの店舗のどの場所か」を判定します。

iOSとAndroidの双方で扱え、国内の店舗向けサービスで最も採用されている規格といえます。迷った場合はiBeacon対応の端末を選んでおくと、後から連携先を変えやすくなります。

Eddystone

2015年にGoogleが公開した規格で、IDだけでなくURLや電池残量なども発信できるのが特徴です。ただしChromeの受信機能は提供が終了しており、国内の店舗導入で採用される例は多くありません

LINE Beacon

LINEアプリが受信する仕組みで、専用アプリのインストールが不要な点が大きな違いです。LINE公式アカウントを運用している店舗であれば、既存の友だちに対してそのまま配信できます。

一方で配信の形式やデザインはLINEの枠内に収まるため、自店らしい体験を作り込みたい場合は自社アプリとの連携を選ぶことになります。

関連記事:LINEビーコンとは?仕組み・メリット・デメリットと位置情報マーケティング活用法を解説

どの規格を選ぶか

判断は連携したいサービスから逆算します。自社アプリを持っているならiBeacon、LINEを軸に運用しているならLINE Beaconという整理が実務的です。

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ビーコン端末の種類と選び方

端末は数百円のタグ型から、センサーを内蔵した数万円のものまで幅があります。見るべきは価格より、設置環境に合うかどうかです。

到達距離

数mから数十mまで製品や設定によって変わります。入口だけで検知したいのか、売場ごとに分けたいのかで必要な距離が変わるため、検知したい範囲を先に決めてから端末を選びます。

範囲を広く取りすぎると、店の前を通り過ぎただけの人にも反応してしまいます。

電池寿命と電源

電池式は配線が不要で設置場所を選びませんが、数か月から数年で交換が必要です。交換時期と作業のしやすい場所を考えて設置位置を決めておくと、運用が始まってから困りません。

コンセントから給電するタイプは交換が不要な代わりに、設置場所が電源のある位置に限られます。

技適マークの有無

国内で電波を発する機器には技適マークが必要です。総務省の説明では、Bluetooth機器は技適マークが付いていれば無線局の免許を受けずに使用できるとされています。海外から個人輸入した安価な端末は表示がない場合があるため、購入前に確認してください。

出典:総務省 電波利用ポータル「技適マークのQ&A」

費用の目安

端末代はシンプルなタグ型で数百円から数千円、温度や加速度のセンサーを内蔵したものは数千円から数万円が目安です。1店舗あたり数台から始められるため、機器そのものの負担は大きくありません。

費用がかかるのはむしろ受信側です。ビーコンを活かすには対応アプリか配信サービスが必要で、月額の利用料が発生します。端末代だけでなく、アプリ側の費用を含めて見積もるようにしましょう。

ビーコンとGPSの違い

歴史的な成り立ちの違い

GPSはアメリカが打ち上げている軍事用衛星から受信者が自分の現在位置などの情報を取得するシステムです。もともとは軍事目的で位置を特定するために開発されたシステムでしたが、アメリカが一般用途でも軍事用衛星を解放したのをきっかけに利用が広まりました。今ではスマホアプリ経由でユーザーが位置情報を特定して道案内をさせるなどの用途に利用されています。

対してビーコンはもともと「狼煙」などの意味を持っており、相手に自分の位置情報を伝える手段全般を指していました。航空機や自動車など民間で発達しているのがGPSと異なる点です。そして現在ではこの記事でご紹介しているように、店舗に備え付けの通信機器をビーコンと呼ぶ機会が増えてきました。

通信距離と精度の違い

ビーコンとGPSは受信者の現在位置を特定し何かしらの処理を行うためのシステムという点では同じです。しかしGPSは軍事用衛星から情報を取得するのに対して、ビーコン通信では各店舗などに備え付けられたビーコンから情報を取得します。

GPSでは超長距離で受信者に情報を発信でき、スマホユーザーはどこにいても自分の位置情報を衛星から取得してアプリで活用できます。ただしGPSの電波は直進性が高く遮蔽物が邪魔をすると電波が弱まるため、快晴の屋外でGPSを利用する方が建物の中で利用するよりも精度が高まります。

対してビーコンは店舗などに備え付けられているため数十メートルなど近距離にしか情報を発信できません。設置された建物から出て離れればすぐ受信できなくなります。しかしビーコンは電波が届く距離が短い分精度が高く、受信者が建物の何階のどこのコーナーにいるという細かい情報まで把握できます。またGPSの電波より遮蔽物の影響を受けにくく安定した通信が可能です。

このようにGPSとビーコンは特徴が異なるため、ユーザーの大体の位置を知りたい場合はGPS、具体的に建物のどの位置にいるか知りたい場合はビーコン通信を使うなどの使い分けが可能です。

関連記事:プッシュ通知マーケティングの効果とメリット|「うざくない」活用術

スマホ側で必要な設定と権限

ビーコンを設置しても、お客様のスマホ側の準備が整っていなければ何も起きません。導入後の問い合わせが集中する部分なので、案内内容まで含めて用意しておきましょう。

Bluetoothをオンにする

最も多い原因がこれです。Bluetoothをオフにしている人は珍しくなく、その状態では信号を受け取れません。アプリの初回起動時にオンにするよう案内する画面を挟むと、後の問い合わせが減ります。

位置情報の権限を許可する

ビーコンの検知には位置情報の権限が必要です。iOSでは「常に許可」を選ばないとアプリを閉じている間の検知ができず、「Appの使用中のみ許可」では来店の自動判定が動きません

Androidでも同様に、バックグラウンドでの位置情報の利用を許可する設定が求められます。なぜ必要なのかを一言添えて依頼すると、許可率が変わります。

省電力設定による停止

端末の省電力機能が働くと、バックグラウンドのアプリが停止して検知されなくなることがあります。機種による差が大きい部分なので、複数の機種で事前に確認しておくと安心です。

反応しないときに確認する順番

問い合わせを受けたら、Bluetoothがオンか、位置情報の権限が許可されているか、アプリが最新版か、の順で確認します。この3点で大半は解決します。

それでも直らない場合は、ビーコン本体の電池切れや設置位置のずれを疑い、店舗側の機器を確認します。

アプリとビーコンを連動させるメリット

付近のユーザーにプッシュ通知を配信できる

ビーコン通信を使えばお客様が来店していなくても自店舗付近にいるときに情報を送信できます。この性質を利用してお得な情報を配信すればお客様の来店率をアップ可能です。

たとえば「付近にいるあなた限定、発信から2時間限定20%OFFクーポン」を配布すれば、すぐ行こうというお客様の来店を獲得できます。他にも限定セール情報など、付近にいるお客様に有益な情報をビーコン通信で届けられれば、せっかく近くにいるお客様の取りこぼしが少なくなり自店舗の収益向上にもつながるでしょう。

来店時に位置に応じたクーポンを配布できる

ビーコンを使うとお客様の来店時にも通信を行い、お得な情報を配信できます。来店時に「来店ありがとうございます、本日のセール」などの情報をピンポイントで発信すればお客様の購買意欲も向上するでしょう。

またビーコンは精度が高いので、自店舗が広かったり複数階あるときなどに場所に応じたクーポン配布が可能です。たとえばアパレルコーナーにいるお客様には「今商品を見ているあなた限定、帽子が15%オフ」といったクーポンを配布すれば、ちょうどアパレルコーナーにいるお客様がすぐクーポンを使ってお買い物してくれる可能性が高まります。

チェックインでスタンプなど特典を配布できる

来店や現在位置の取得とポイントやスタンプなどロイヤルティプログラムの組み合わせも効果的です。

たとえば来店時にチェックインすると自店舗で使えるポイントを何ポイントかプレゼントしたり、当日限定で指定の場所でチェックインすればさらに景品に交換できるスタンプをプレゼントしたりといった各種キャンペーンを開催すれば、ポイントやスタンプ目当てのお客様の来店を促したり購買行動を取ってほしい場所への誘導などができます。

来店情報を取得して分析に活用できる

ビーコンを使えば「お客様Aは商品BとCを何日に購入しておりこういう商品を買う傾向がある」など、POSシステムなど他の機器から取得した情報も組み合わせて多角的な分析が可能になります。

これにより、お客様の興味に合わせたピンポイントなクーポン配布など確実に売上につながるような集客施策を実行できるのがメリットです。このようにビーコンを使えば、有効なデータを取得してさらなる集客施策に活用できます。

関連記事:アプリのセグメントプッシュ通知で開封率を上げる!来店間隔に応じた配信のコツ

関連記事:LINEビーコンとは?仕組み・メリット・デメリットと位置情報マーケティング活用法を解説

ビーコンアプリの活用事例3選

ナビタイム(NAVITIME)

電車やバスなど交通手段の最適なルートを探索するために使われている「ナビタイム」は、利用者数が5100万人を突破する大人気の検索アプリです。

ナビタイムは「ナビタイムマイレージ」というポイント制度を導入しており、いつも使う一駅前で下車して徒歩で移動するとその分マイレージが貯まって各大手ポイントサービスのポイントに交換できます。そして一駅前で下車したかどうか確かめるためにビーコンが導入されています。

ナビタイムのようにビーコンで位置情報を取得して移動の手間がかかったときにポイントを付与する仕組みを自店舗でも導入すれば、集客効果が上がる可能性があるでしょう。

シップス公式アプリ SHIPS app

大手セレクトショップ「シップス」の公式アプリ「SHIPS app」は、各ショップの最新情報を確認できたりデジタルで会員証を出せたりと便利なアプリです。

シップス公式アプリではチェックイン機能により来店時にスタンプがもらえる仕組みを用意しており、スタンプを集めると商品購入時に使えるお得なクーポンがプレゼントされます。自店舗アプリにチェックイン機能を追加しお客様が来店したときにスタンプなどが貯まる仕組みを作れば、足しげく通ってリピーターになってくれるお客様を増やせるでしょう。

滋賀レイクスターズ公式アプリ

バスケットボールのプロリーグ「B.LEAGUE」に所属する滋賀県初のバスケットボールチーム「滋賀レイクスターズ」では、ファン向けに公式アプリを提供しています。

このアプリにはチェックイン機能が搭載されており、ホームに設置されているビーコンと連携してスタンプが貯まる仕組みになっています。スタンプには限定の絵柄などもあり、集まれば友達や他のファンに自慢できる仕組みです。

スタンプをコンプリートして他の人に自慢できるというファンの心理を突いたアプリの手法は、自店舗の集客にも応用できるでしょう。

関連記事:位置情報マーケティングとは?店舗集客に活かす手法・メリット・活用事例を解説

ビーコンとアプリの連携活用法

店舗以外での活用場面

ビーコンは販促だけの技術ではありません。オフィスでは入退室の記録や座席の利用状況の把握に、工場や倉庫では工具や台車の位置管理に使われています。

商業施設や病院では、屋内の道案内に使われる例もあります。GPSが届きにくい建物の中で現在地を特定できる点が活きる場面です。

関連記事:ビーコンを使った位置情報マーケティング。最新技術とその内容まで詳しく解説

ビーコン導入の進め方

機器を買う前に決めておくことがあります。順番を守るだけで、設置し直しややり直しを避けられます

1. 何を検知したいかを決める

来店したことを知りたいのか、特定の売場に立ち寄ったことを知りたいのかで、必要な台数も設置位置も変わります。ここが曖昧なまま買うと、後から追加購入になりがちです。

2. 設置場所を決める

入口の上部など、金属や水の影響を受けにくい高い位置が基本です。棚の裏や金属製の什器の内側は電波が弱まるため避けます。

3. 実際の営業時間にテストする

人が少ない時間に試して問題がなくても、混雑時は電波の状況が変わります。ピーク時に複数の機種で検知できるかを確認してから本稼働に移しましょう。

4. 運用と定期点検

電池残量と検知件数を定期的に確認します。検知件数が急に落ちたら電池切れか位置のずれを疑うという運用ルールを決めておくと、気付かないまま止まっている状態を防げます。

関連記事:来店ポイントの配布方法5選と活用事例|失敗を防ぐ運用のコツも解説

来店データを扱うときに確認したいこと

ビーコンで取得した来店履歴を会員情報と結び付けると、個人情報として扱う必要が出てきます。利用目的の明示と安全管理措置は導入前に整理しておく項目です。

位置情報に関わる取得は、お客様の理解を得たうえで許可を求める形にすることが前提になります。アプリの初回案内で何のために使うのかを伝えておくと、許可率と信頼の両方につながります。

出典:個人情報保護委員会「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編)」

関連記事:集客アプリとは?店舗の来店数を増やす機能や活用のコツを解説

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まとめ

今回はビーコンの仕組みやGPSとの違い、アプリと連携させるメリット、実際の活用事例をご紹介しました。

通信距離が限られている分精度の高い情報を取得可能なビーコンは、チェックイン機能などと組み合わせることで大きな集客効果をもたらします。たとえば付近にいても今まで来てくれなかったお客様を確実に来店へつなげるなど、効率的な集客が実現できるでしょう。

ビーコンを活用した集客施策に興味がある方はぜひお問い合わせください。

ビーコンは、置く場所と規格の選択、そしてスマホ側の設定案内までそろって初めて機能します。機器そのものは安価に導入できるため、検知したい範囲を決めたうえで小さく始めるのが現実的です。

稼働後は検知件数を定期的に確認し、落ち込んだときに電池と設置位置を見に行く体制を作っておきましょう。

関連記事:プッシュ通知の開封率の平均は?開封率を上げる方法と配信時の注意点を解説

この記事を監修した人

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