LTV最大化は自社アプリ導入が決定打。現代だからこそ生きるアプリ活用法とは
皆さんは「LTV(Life Time Value)」についてご存じでしょうか。マーケティング業界では当たり前のように使われているこの指標ですが、マーケティングの知識がなければあまり聞きなれない言葉かもしれません。
LTVはリピーターの価値等を計測して経営改善を行うのに重要な指標です。意味を理解しながら活用方法を把握しておくことで、さまざまな場面で役に立つでしょう。
この記事ではLTVの概要や向上させるための手法などを総合的に解説します。
目次
LTVと(Life Time Value)は?LTVを高める方法
まずは「LTV(Life Time Value)」とはなにか、LTVの基本事項を解説します。
LTVとは
LTVとは「顧客生涯価値」の略称です。顧客1人当たりが自店舗にどれくらい利益をもたらしてくれたのか、その割合を数値で表現したものになります。
LTVを計算するにはさまざまな方法がありますが、最も簡単に理解できる式の1つが次計算方法です。
「平均顧客単価×収益率×購買頻度×継続期間」
たとえば、下記のケースを想定してみましょう。
- 平均顧客単価:10万円
- 収益率:50%
- 購買頻度:月に2回
- 継続期間:3年
この数値を式に当てはめながら計算を行ってみると、「10万円×0.5×24(1年間での購買回数)×3=360万円」。つまり顧客1人当たりのLTVは360万円となり、それなりの収益が獲得できていることがわかります。
実際にはここから新規顧客やリピーター獲得等で発生した諸費用を引いて実際の利益を計算する必要がありますが、上記の計算式を覚えておくだけでも分析は効率化するでしょう。
また計算式の項目を理解することで、この後のどうやってLTVを上げていくのかについて理解がスムーズになります。
この計算式はぜひ覚えておきましょう。
現代でLTVを高めることが重要視される理由
現代でLTVを高めるのが重要視されているのは、次のような理由があるからです。
競合サービスとの競争がし烈化している
現在商品の販売市場は成長を終えて、成熟する段階となってきました。その理由は競合の製品が大量に出回るといった背景によって、製品同士の差別化がしにくいレベルで飽和化が発生しているためです。
こういった状況では競合と差別化しながら独自性を出すのが難しく、販売施策に失敗するケースがあります。
そこで一度獲得した顧客をなるべく離脱されないように囲い込みながら、効率よく情報を発信して継続的な利益へつなげようという考えが広まっているのです。
継続的な利益につながっているかを明確化して可視化するためには、LTVが必要となってきます。
技術面での新規顧客獲得のハードルが上がった
従来はWeb広告でターゲティングを行い新規顧客を増加させる方式等が一般的でした。
しかしこういった従来の宣伝手法が、デジタル技術のプライバシー保護の方針が固定化されると同時に通用しなくなってきています。
たとえば基本的なターゲティングの仕組みを構築してきたCookieデータは、法律面でも利用が制限されるようになってきました。法律に準拠しない方式で取得・利用を行うと罰則もあり厳しくなっています。またスマートフォンの識別子に関しても適切に扱わない場合規制の対象になることがあります。
こういった状況下で新規顧客のコスト等を考えて、一度獲得した顧客からなるべく利益を継続して獲得したいという思惑が増えているのです。
サブスクリプションサービスの導入企業が増えた
実店舗を持っている・持っていないにかかわらず、サブスクリプションサービス形式で定期的な利益を獲得しようとする企業が増加しました。
サブスクリプションサービスにおいてはコストの計算も重要ですが、同時に月額や年額でどれくらい安定して利益を獲得できたのかを計算する必要性が出てきます。
サブスクリプションサービスの利益は現状の顧客数や課金額、継続年等で変化します。
つまりLTVと図式が似ており、LTVを計算することでサブスクリプションサービスの利益度合いまで可視化しやすくなるということです。
こういった背景があり、サブスクリプションサービスの利益計算のためにはLTVが必須となっています。
LTVを高める3つの軸
LTVを高めるには次のような点を理解しておく必要があります。
来店(購入)頻度を上げる
来店頻度を月1回から2回に上げるだけでも、大きなLTV改善が見込めます。
特に利益量がそのままだとすると平均で月1回頻度を増やせれば単純計算で2倍利益が増えるので、大きな店舗躍進が見込めるでしょう。
ただし来店頻度を増やしても、購入度合いが小さければそれだけ成長性が減ることになります。そのため顧客単価を上げる施策等とも併用しながら来店頻度を増やしていきましょう。
来店頻度を上げるためには限定キャンペーンをこまめに開催したり、クーポンを定期的に配布したりするのが効果的です。またポイントカードの導入なども有効になってきます。
顧客単価を上げる
LTVを上げるには顧客単価を上げるのもポイントです。
ただし単純な既存製品・サービスの値上げを行うと不満が増えて離脱率が増加する可能性があるので、値上げではなく他の方法で利益を挙げる方法を検討した方がよいです。
たとえば既存プランより1つ上の特典が豪華なプランを用意して、そちらへ加入してもらえるようにキャンペーン情報を発信する施策などが考えられます。また既存製品と関係があり、いっしょに使うと相乗効果が得られるような製品を販促するのも有効です。
このように無理がない範囲で顧客単価が自然と上がるような仕組みを作るために、ユーザーメリットを押し出しながらよりお金を使ってもらえるように誘導する施策を考えてみましょう。
利用(継続)期間を延ばす
単発で利益を大量獲得するよりも、継続的に少しずつ利益を得たほうが総合的に利益が増えるケースもあります。
LTVにおいても1回当たりの利益だけでなく、その利益をどれくらいの期間獲得できたかを考えて延長できるように工夫するとよいでしょう。
今の顧客単価が多少下がってしまっても、継続期間を2倍や3倍にできれば結果的にかなりの利益向上につながります。リピーター施策に力を入れながら離脱率を減少させて、1人当たりの平均サービス・製品の継続利用期間を増やすことで利益を増加させてみましょう。買い切り型の製品・サービスが減ってきている今だからこそ、利用期間の延長がより重要です。
なぜ自社アプリでLTVが上がるのか?具体的な施策
ここからは自社アプリを使うとLTVが上がる理由や、具体的な施策等をご紹介します。
自社アプリ(店舗アプリ)とは
自社アプリとは複数の店舗が情報掲載しているポータルアプリとは違い、自店舗専用に構築され情報を発信できるアプリのことです。
主に外注して業者に開発を依頼したり、アプリプラットフォームを使って自作して用意するのが代表的になっています。
自社アプリでは独自のデザインや機能を打ち出して販促が可能です。またその性質上、リピーター施策に活用すると大きな効果が見込めます。ただし制作・提供に一定の初期・ランニングコストが掛かるので、コストが掛からない他の手法も使いながら認知度を上げて利用者を増やす、といった工夫を行うとよいでしょう。
自社アプリはリピート施策をうちやすい
自社アプリは消費者のスマートフォンに滞在するのが特徴です。一度閲覧が終わると再度閲覧するのが面倒臭いWebサイトと比較して、スムーズに起動して利用できるのは大きなメリットと言えるでしょう。また自店舗の情報だけを送信できるので、他の情報が混ざってしまうSNSやポータルアプリと比較すると効率よく情報を送信できる点もメリットです。
こういった特徴から、自社アプリはリピート施策を打ちやすいと言われています。
実際アプリ内ではこれから説明する各機能を総合的に搭載して提供できるので、リピート施策をアプリ1つへ集約して実行することも容易です。
もし既存のリピート施策がうまくいっていない、あるいはこれからリピート施策を本格的に実行するが手法が定まっていないという方にはアプリの制作・利用がおすすめです。コストを掛けたくない場合はアプリプラットフォームを使えば、外注するよりも低コストでアプリを用意して提供可能になっています。
自社アプリを使ったLTV向上の施策
ここからは自社アプリを使うとどのようにLTVが上がるのか、その施策について解説します。
プッシュ通知
アプリで使われる代表的な機能の1つが、プッシュ通知です。
これは消費者のスマートフォンに目立つ形で通知を送る方法として、メールに代わって定着してきている情報発信の手法です。
プッシュ通知は発信できる情報が限定されないので、キャンペーンや新チラシの配布、クーポン配信などさまざまな用途で利用可能となっています。どの情報を送信するのか検討しながら配信設定を行うことで、継続的な来店を促すことも簡単です。
ポイントカード・会員カード制度
LTVを向上させるためには、継続的に使ってもらえる特典の仕組みを確立する必要性も出てきます。
仕組み確立のためによく利用されるのが、定常的に用意できるポイントカード・会員カード制度です。
お買い物ごとにポイントが蓄積され、任意のタイミングで利用できる方式を作ることで販促がしやすくなります。店舗によってはポイント2倍・3倍になるキャンペーンを実行したりして集客力を高めているところも多いです。
またランクアップといった仕組みを設けることで顧客のモチベーションを向上させて、さらなるお買い物へつなげることも可能になっています。
ポイントカード・会員カードの導入によっていきなりLTVが向上することはないかもしれません。しかし顧客をリピーター化するまでの工程を定着化させて、少しずつLTVを成長させていくためにはカード関連の制度は重要になってきます。
デジタルクーポン
継続的にお得感を出すために、デジタルクーポンの配布は代表的な手法として使われています。
アプリ内では初回登録やキャンペーン中といったタイミングに合わせて、内容を変更したクーポンを気軽に配布可能です。
クーポンの割引率については利益が減少しないように調整する必要性がありますが、対象者や店舗等まで調整しながら適切にクーポンを配信することで効果的にLTVを成長させられます。アプリ内でクーポンを使う形式にすると既存の紙クーポンのコストが減少して、また利用率まで可視化できる点もメリットになるでしょう。
クーポン施策を加速化させるために、ぜひアプリを活用してみてください。
デジタルチラシ
コストをLTVから引いてより正確な利益を計算する場合、デジタルチラシの配布もLTVを成長させるために有効となってきます。
既存のチラシだと印刷代や紙代などが掛かりますし、店舗内や外部への配布等まで考えると費用がかさんできます。せっかく顧客が増えてもその分チラシの発行数が増えると総合的な利益が減少してしまうのがネックです。
しかしアプリ内でデジタルチラシを配布する場合は、基になるデータさえ追加したり差し替えたりすれば印刷代や紙代がなくなるので、一気にコストが減少します。またチラシデータをスピーディーに変更することで、限定キャンペーンの告知なども紙チラシよりスムーズに行えるでしょう。すぐ告知ができるので鮮度が落ちないのも大きなメリットです。
こういったデジタルチラシのメリットを考えると、継続的なLTVの成長には大きく役立ってくるでしょう。
ネットショップ
LTVを最大化するために、アプリ内でネットショップを提供するのも有効です。ネットショップは既存のモノがあればアプリ内ですぐ開けるように設定できますし、ケースによってはアプリ内に直接機能を搭載することもできます。
ネットショップには実店舗へ来店した後の顧客をフォローする役割があり、具体的にはすでに購入した製品の定期購入をショップで促したり、EC利用に関して実店舗で使えるクーポンをプレゼントしたりする施策などです。
こういった施策によって実店舗でもECでも製品を購入する方式が定着して、LTVが成長する可能性があります。
ただしネットショップと実店舗の利益を連携させるには一定のコツが必要です。ノウハウがない場合はアプリプラットフォームの提供先などに協力を要請してみるとよいでしょう。
LTVを高めるのに自社アプリを活用するメリット
LTVを高めるために自社アプリを活用すると、次のようなメリットがあります。
アプリインストールに対する抵抗感は少ない
そもそもスマートフォンの利用者からすると、アプリの利用は当たり前の行動のため、アプリダウンロードにも抵抗感は少ないです。
総務省の情報通信白書では年々スマートフォンの普及率を追っていますが、その普及率はPCや固定電話を超えました。すでにインフラとして定着しているスマートフォンは、テレビといったマスメディア以上に効率的に情報を発信できるツールとしても機能します。
またSensor Towerの報告によると、2022年のゲームアプリ以外のアプリダウンロード数は867億でした。これは2019年比で18.5%増加しており、今までの傾向からすると若干成長率は落ちているものの2023年以降はさらに成長すると見込まれています。
顧客情報の一元化でよりパーソナライズな情報提供が可能
自社アプリでは顧客の会員情報や購買情報などを集約して管理可能です。こういったCRM的なアプリ活用は、LTV施策にも関与してきます。
具体的には現在のランクや購入金額、来店の傾向などを総合的にツールで分析することで、よりパーソナライズな情報を届けられるようになります。個人情報の取得や活用については気を付けるべき点が多いですが、事前に同意を得た上で収集できるようにするとよいでしょう。
現代は消費者が受け取る情報量が多く、適切なタイミングで適切な内容の情報を届けることが重視されています。そこでタイミングや内容を調整しやすい自社アプリがおすすめです。
自社アプリを導入するなら「店舗アプリDX raiten」
LTV最大化のために自社アプリを導入したい方には、弊社が提供するサービス「店舗アプリDX版 raiten」がおすすめです。
アプリを誰でも最短20日で用意できますし、ポイントカードやデジタルチラシの配信、プッシュ通知やクーポンの活用なども簡単にできます。
また分析ツールも用意しているので、手軽にLTVに関する指標をトラッキングできるのもメリットです。
気になる方はぜひ弊社へご連絡くださいませ。
お問い合わせフォームはこちら
まとめ
今回はLTVの概要や向上させる方法などをご紹介しました。
時代も大きく変化し、現代では1人当たりからどれくらい利益を得られるのかを計算することが重要になりました。そしてLTVは利益を可視化して向上させるために必要な指標となってきています。
LTVを伸ばすためには継続的な情報発信が必要です。ぜひアプリを使ってプッシュ通知やクーポンなどを利用し、LTVを成長させてみましょう。