アパレルブランドでECサイトや店舗アプリを導入するメリット|費用対効果は高いのか
コロナウイルスの影響で多くの業種が影響を受けています。中でもアパレル業界は実店舗での営業が困難になっているところも多く、たとえば大手の「オンワードホールディングス」が700店舗閉鎖を発表するといった残念なニュースもあります。
アパレル業者がこれから生き残っていくためには、実店舗に頼らないEC(電子商取引)上での顧客関係作りが重要です。そしてEC上の売上を最大化する方法として、アプリの活用が挙げられます。
今回は売上増加に悩んでいるアパレル業者の方に向けて、ECサイトのメリットやアプリ導入後の効果などを解説していきます。
目次
アパレルブランドがECサイトを導入するメリット
ECサイトはオンライン上の店舗であり、コロナ以前からも多くのシェアを獲得していました。そしてコロナ禍でさらに注目が集まり、今ではインターネットに対して知識が少ないケースも多い高齢の方もECサイトを利用して買い物をしている状況です。
アパレル業種においてECサイトを利用できるようにすると、次のようなメリットがあります。
実店舗がなくても気軽に全国への販売が可能
ECサイトはオンライン上にあるので、パソコンやスマホといったデジタル機器とインターネット回線さえあればどんな場所でも出品を行って運用を開始できます。
従来複数の地域へ販路を広げようとする場合、物理的に店舗を各地域へ用意した上でスタッフを増やして販売を行う必要がありました。しかし複数の店舗やスタッフを用意するにはかなりの時間が掛かります。
しかしECサイトの場合、ユーザーはパソコンやスマホでどこででも自店舗へ来店して商品を確認できます。このため一度ECサイト運用を開始してしまえば、気軽に全国への販売が可能です。
ECサイトには、
- モール型ECサイト:楽天市場といったブランド力のあるサービスへ出品を行う
- 自社専用ECサイト:サイト作成サービスなどを使って自社だけのECサイトを作る
の2つの運用方法があります。
モール型ECサイトの場合出品までのフローが楽であり、大手のブランド力を活かしてスピーディーに集客可能です。ただし販売手数料などが高めであり、利益を将来的に増加させたい場合はネックになる可能性もあります。
対して自社専用ECサイトの場合は、販売手数料といった各費用が掛かりにくく利益を将来的に増加させやすいメリットがあります。ただしブランドは一から自社で作り出していかないといけないので、集客できるようになるまで時間が掛かるのがデメリットです。
両者のメリット・デメリットを組み合わせて、最初はモール型ECサイトで集客してそれから自社専用ECサイトへお客様を流す店舗も多いです。
全国へ販路を広げたい方は、各ECサイト運用手法のメリット・デメリットを理解して活用してみましょう。
店舗などが必要ないので営業コストが低い
実店舗で営業を行う場合は、次のようなコストが掛かります。
- 店舗の建設費
- 店舗の土地代
- 店舗のスタッフに対する人件費
- レジといった設備代
すべてのコストを考えるとかなりの額になります。ですから従来販売に手を出そうとする場合は、ある程度の資金を手元に用意しておく必要がありました。
しかしECサイトが身近になり状況は一変しています。ECサイトを使えば店舗建設費や土地代は掛かりません。経理担当といったスタッフはある程度必要でしょうが、各店舗を用意してスタッフを配置するよりはずっとコストが抑えられます。
ECサイトを運用する上では、
- モール型に出店する場合は出店料
- 自社専用ECサイトを用意する場合はサイト作成サービスやレンタルサーバーなどの費用
- ECサイトでの決済完了時に掛かる販売手数料
などのコストが必要ですが、実店舗だけで販売を行うよりはコストは縮小されます。
またたとえば「ヤフーショッピングは出店料が無料」といったように、コストの一部が0円になるケースもあるのもポイントです。上手くECサイトを活用してコストを削減してみましょう。
24時間365日の自動販売が可能
実店舗で販売を行っていると、たとえば「営業時間は平日10時から18時、休日は9時から19時」といったように営業時間の制限があります。しかし営業時間以外に商品を確認したり購入を行いたい方もいらっしゃるはずで、営業時間に縛られているとアパレル業種においては機会損失につながってしまいます。
ECサイトを用意してアパレル用品を確認できるようにすれば、営業時間に関係なく24時間365日の対応が可能です。
決済の確認や商品発送などは営業時間でないとできませんが、商品内容の比較や購入手続きなどはお客様のタイミングでいつでもできます。
自動販売ができるようになることでスタッフに掛かる負担も減りますし、効率よくお客様をさばけるようになります。
ECサイトで重要なのはスマホからのアクセス?アプリとECサイトの現状
ここからはアプリとECサイトの現状を説明していきます。
アプリ所有率とアプリ利用率の高さ
総務省の「情報通信白書令和2年版」によると、日本国内の情報通信機器の世帯保有率はスマホが83.4%となっています。パソコンの69.1%やタブレットの37.4%などより圧倒的な数値です。スマホには必ずアプリが入っているので、極端な話日本の全世帯の内9割以上がスマホアプリを所有していることになります。
また調査会社として有名な「ニールセン」の調査によると、2019年12月の日本国内のスマホ利用時間において92%をアプリが占めていることが分かっています。2018年12月の調査と比較すると8%増加しており、アプリの重要性が高まっているのは一目瞭然です。
ちなみにニールセンの同調査では、月間の利用アプリの個数が増加した若年層(18~34歳)からデータを収集したところ、増加した上位5カテゴリーの中にECがランクインしていることもポイントです。複数のEC関連のアプリを使いながらユーザーが買い物をしている状況が分かりました。
ニールセンでも「アプリの利用時間や利用数の増加は絶好のビジネスチャンスとなる」と発表しており、ECにおいてもアプリの活用が重要になっているのは明らかです。
ECサイトはMコマース化、スマホでの接点が重要に
スマホは日本国内に限らず、世界中に拡大しています。そしてその中で「Mコマース」がECの中心となりつつあるのがポイントです。
Mコマースとはスマホやタブレットといったモバイル機器からECを利用する方法で、スマホで行う方のほうが圧倒的に多いのが特徴です。「The Research Insights」という調査会社の調査では、Mコマース市場は2019年の1181.2億ドルから2025年までに4783.5億ドルまで成長する見通しです。年平均成長率は33.4%となっており極めて高い成長率になっています。
パソコンでECサイトを確認するより、自分の好きなタイミングや場所で気軽にスマホからECサイトを確認する方のほうが多いのが事実です。実際ECサイトでは現在レスポンシブデザインを実装してスマホからきれいに見られるようにするのが主流になっており、スマホからいかに集客を行うかが成功の上でもポイントになってきています。
国内ECに限らず越境ECとして海外へも販路を広げようとしている方は、スマホでどう接客を行うか念頭に置きながらECサイト戦略を練っていく必要があります。
ECサイトはアプリを活用すべき!その理由とは
ECサイトにおいてアプリを利用する必要性としては、次のようなものが挙げられます。
アプリからECサイトへの新規ユーザーの導線を作成できる
ECサイト単体では集客チャネルに限りが出ます。「SEO(検索エンジン対策)」を行いながら上位表示を安定して狙うには半年や1年といった長い時間が掛かり、待っていられないという方もいらっしゃるでしょう。
ECサイトを成功させるには、
- SNS:お客様とコミュニケーションを取りながらファンを作り出せる
- 広告:SEOとは別に上位表示されるので集客スピードを速められる
といった他の集客チャネルも駆使しながら上手く効果が出るように調整を行っていく必要があります。
またスマホからECサイトへの導線作りを考える場合、スマホアプリの活用も有効になります。スマホアプリは一度ダウンロードされればユーザーのスマホに常駐可能です。
アイコンで存在感を示すことでブランド力向上にもつなげられます。
アプリから素早くECサイトへアクセスできるようにすれば、ユーザーのECサイトをブラウザー上から探してアクセスする手間も減るでしょう。ユーザビリティの観点からもアプリからECサイトへ新規ユーザーの動線を作っておくことは重要です。
アプリ特有の機能と利便性が役立つ
スマホアプリには集客に役立つさまざまな機能が搭載されています。
- プッシュ通知:クーポンやセール情報などを画面にポップアップして通知する
- ポイント付与:お買い物金額に応じてポイントを付与、また購入したい仕組みを作る
- 会員制度:お買い物状況などに応じてランクを変更、インセンティブを付与してロイヤリティ向上へ
各機能を上手く活用してECサイトへ集客を行うことで、効率よくリピーターを増加させながらECサイトの売上を増加させられるのがメリットです。
アプリはリピーター増加に対して特に効果のあるツールです。「パレートの法則」にもあるように、全体の売上の8割は2割のリピーターによって構成されます。またリピーターの創出に掛かるコストは新規顧客に掛かるコストより低いのもポイントです。
新規顧客を上手く増加させつつ、アプリを活用してリピーターを増やせると効果的に売上を伸ばせるでしょう。
アプリを活用することでECサイトの費用対効果は高まる
アプリを活用してECサイト運用を行うと次のような効果が見込めるので、費用対効果は高いと言えるでしょう。
ECサイトへの流入数が大手検索エンジンを超えアプリがTOPに
先ほど説明したように、SEOを行った上で「Google」といった大手検索エンジンから流入を安定させるにはかなりの時間が必要です。しかしアプリを活用して流入への導線を作ると、検索エンジン以外にアプリからの流入者数が増加していきます。
- プッシュ通知でユーザーに合わせたクーポンや最新情報を通知する
- ポイント付与→期限内に使おう、というサイクルを作っておく
といった各種施策をアプリ内から行うと、流入者数を効率よく増加させられるでしょう。
結果的に大手検索エンジンよりアプリからの流入数がTOPになる可能性もあります。この考えは「SNSから導線を作り、検索エンジンに頼らずに流入チャネルを作っておこう」という考えに似ています。
検索エンジンも完ぺきではありませんし、アルゴリズム変更により順位が変動する場合もあるのがネックです。アプリからの流入チャネルを作っておき安定した集客を行いましょう。
プッシュ通知開封率(CTR)はメルマガの3倍。ECサイト訪問数が向上
プッシュ通知の開封率(CTR)はメルマガの3倍以上とも言われており、高い開封率をほこっています。メルマガと違って他のコンテンツに埋もれにくく、ポップアップで内容がリアルタイム表示されるのが大きな要因です。
プッシュ通知を上手く使って自社ECサイトの情報を流せば、お客様に気付いてもらいながらその場ですぐ集客が可能です。プッシュ通知をタップすればすぐアプリが起動するので、集客の導線もスムーズに作れます。
ただしプッシュ通知を何度も送り付けるのは、プッシュの営業電話を何度も同じ人に掛け続けるのと変わりません。「この人はこちらのことを考えていない」と思われ、ECサイト離脱の原因にもつながる可能性があります。
実際にプッシュ通知を送りながら分析を行い、適切なフリークエンシー(配信頻度)へ調整していくのがポイントです。
コンバージョンレート(CVR)は、スマホサイトの5倍以上に
広告プラットフォーム大手の「Criteo」の調査では、北東アジア(日本・韓国)におけるECアプリのコンバージョンレート(CVR)はスマホサイトの5倍以上だと分かっています。北東アジアに限った結果ではありますが、ECサイトにアプリを活用する重要性が分かるデータです。
いくら集客数が増えても、そこから最終的にコンバージョンへつながらないとリピーター化も狙えません。
アプリを活用してECサイトを運営すれば、コンバージョン率を効率よく向上させながらリピーター増加へも舵を切れるようになります。
まとめ
今回はECサイトのメリットやアプリ導入後の効果などを解説してきました。
スマホの普及により、ECサイトもスマホから利用する方が増加しています。コロナ禍でアパレル業界が安定した売り上げを確保するためには、アプリをタッチポイントとしてECサイトを運営していくとよいでしょう。
アプリを使えばプッシュ通知や会員制度といった各機能を活用しながらスマホからお客様を集客してリピーターへとつなげられます。ぜひECサイトにアプリを活用して、コロナの波を乗り切りましょう。
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