ネイティブアプリとは?Webアプリ・ハイブリッドアプリとの違いやメリットを解説
業種全般
ネイティブアプリは最も基本的なアプリです。一般の方がアプリと呼ぶものはネイティブアプリのケースであることが多いのではないでしょうか。
ただし、ビジネスではネイティブアプリ以外にもいろいろとアプリの種類があります。そういった種類と比較しながらネイティブアプリの利点を考えて活用していくのも重要です。この記事ではネイティブアプリの概要やメリットを、他の種類と比較しながらご紹介します。
アプリと一口に言っても、開発の方式によって費用は数十万円から数千万円まで開き、公開までの期間も1か月から1年以上まで幅があります。この違いを知らずに相談すると、条件のそろわない見積もりを比べることになります。
判断の起点になるのは、端末の機能を使う必要があるか、そしてホーム画面に置いて日常的に開いてもらう必要があるかの2点です。
ネイティブアプリの特徴を軸に、Webアプリ、ハイブリッドアプリ、PWAとの違いや、選び方の判断基準まで整理していきます。
ネイティブアプリとは
各OS専用に開発されたスマホアプリ
ネイティブアプリとは「スマートフォンで使うのを前提にローカライズされ開発・提供されているアプリ」を指します。この場合のローカライズとは「アプリ専用の言語等を使って、アプリストアで配布するために調整されている」ということです。言語とアプリストアというのが、ネイティブアプリを他のアプリと比較する際に重要な差別化ポイントとなってきます。
たとえばAndroidではKotlin、iOSではSwiftといった専用のアプリ開発言語があります。ネイティブアプリではこういった専用言語をベースに開発を進めていくのが基本です。またAndroidではGoogle Play、iOSではApp Storeというように各OSごとのアプリストアで配信を行うことで集客を行います。
ネイティブアプリのメリットは動作性にあります。アプリの中でもネイティブアプリは最も高速で動作するアプリになりやすいです。各端末・OSに合わせて作成されるため余計な処理が発生しにくく、無駄な遅延なく動作しやすいのが特徴となっています。またオンラインでなくても一部機能は継続して利用できるため、利便性が高いのもポイントです。
一方でデメリットとしては、各OS・端末にローカライズされている分、汎用性に問題を抱えています。たとえばAndroid向けに作ったネイティブアプリはそのままiOSで配信できません。
一度Swiftといった言語で機能を書き直したり、再現できない部分は削除・代用機能を用意したりして設計を調整する必要があります。そのためAndroidとiOS別々に用意する場合、コストが高額になるリスクも高いです。
さらにアプリストアを通過しないと配信ができないというネックもあります。特にApp Storeの審査に引っ掛かるケースが多く、場合によっては業者にサポートを受けながら配信を完了させる事例も珍しくありません。
そもそも「ネイティブ」とは何を指すのか
ネイティブアプリの「ネイティブ」は、英語で「その土地に元から属する」という意味を持つ言葉です。IT分野では「その環境に固有の」「その環境へ直接対応した」という意味で使われます。
つまりネイティブアプリとは、iOSやAndroidという特定のOSに直接対応するかたちで作られたアプリを指します。ブラウザという中間層を挟まないため、端末の性能や機能をそのまま引き出せるのが特徴です。
同じ使われ方をする言葉に「ネイティブ言語」や「ネイティブコード」があります。いずれも、変換や翻訳を挟まずにその環境で直接動くという点が共通しています。
この「中間層がない」という性質が、動作速度や端末機能の活用しやすさにそのままつながっています。逆に、中間層がないからこそOSごとの作り分けが必要になり、コストが上がるという裏返しの関係にもなっています。
関連記事:スマホアプリの作り方とは?店舗運営者が知っておくべき自社アプリの作り方
数字で見るスマートフォン利用の広がり
アプリ形式を検討する前提として、利用端末の状況も押さえておきましょう。
総務省の「令和7年版 情報通信白書」によると、インターネット接続端末としてのスマートフォン利用率は2011年の16.2%から2024年には74.4%へ増加し、2017年にパソコンの利用率を逆転しました。60代でも78.8%、70代でも53.0%と、高齢層まで広がっています。
出典:総務省「令和7年版 情報通信白書」インターネット接続端末総務省
利用者の年齢層を理由にアプリを見送るという判断は、すでに実態と合わなくなっています。一方で、端末やOSのバージョンは幅広く分散しているため、どの環境まで動作を保証するかを決めておく必要があります。
ネイティブアプリを選ぶ場合は、iOSとAndroidの両方に対応するかどうかで費用が大きく変わります。自社の顧客がどちらのOSを多く使っているかは、既存サイトのアクセス解析から確認できます。
Webアプリの概要と特徴
Webアプリとは「Web技術をベースに制作されたアプリ」のことです。基本はWebサイトと変わりません。普通のWebサイトとWebアプリの違いは機能性です。読むだけでなくアクションを取ってもらうために、インタラクティブと呼ばれるようなユーザーが操作できる要素を設置して動作するように調整されたWebサイトを一般的にWebアプリと呼びます。
Webアプリのメリットは、HTMLやCSS、JavaScriptといった通常のWeb言語のみで作成できるためコストを抑えやすい点です。またアプリストアを通過させる手間が掛からず、SEO対策で集客が可能な点も魅力です。
さらにアプリストアを通じてインストールする準備が不要で、Webブラウザーからアクセスすればすぐに使えます。汎用性ではネイティブアプリよりWebアプリのほうが有利で、Webブラウザーアプリが使えればどこでも使用できます。
デメリットとしては、動作性がネイティブアプリと比較すると劣る可能性がある点です。各端末・OSに向けてローカライズされていないので、思わぬところで不具合が出てしまうリスクもあります。また基本的にオンライン上で利用する必要があるので、オフラインでの環境を想定している場合はネイティブアプリのほうが向いている可能性があります。
ハイブリッドアプリの概要と特徴
ハイブリッドアプリとは「ネイティブアプリとWebアプリの性質を組み合わせたもの」です。形式上はネイティブアプリになるケースも多いですが、基本的な設計はWebアプリに準じています。ハイブリッドアプリで使う言語はHTMLやCSS、JavaScriptといったWeb言語ですが、WebViewといった技術を使ってネイティブアプリとして配信ができるようになっています。
メリットとしては、汎用性が高く1つハイブリッドアプリを作ればGoogle PlayでもApp Storeでも配信することが可能です。つまりネイティブアプリと比較すると開発コストが抑えられます。
またプッシュ通知といったネイティブアプリで使える機能を同じように活用してアプリを開発可能です。簡単な機能を持ったアプリならばネイティブアプリを開発しなくても、ハイブリッドアプリで配信すれば事足りる場合も多いです。
デメリットとしては、Webアプリと同じようにインターネット環境がないと利用できない点があります。またネイティブアプリよりは搭載できる機能に制限があり、動作性も遅くなる可能性があるので複雑な機能の搭載には向いていません。
ハイブリッドアプリ開発の4つのメリット
ハイブリッドアプリは、コストと機能のバランスを取りたい場合に選ばれます。具体的なメリットは次の4点に整理できます。
1つ目は、開発コストを抑えられることです。1つのソースコードでiOSとAndroidの両方に対応できるため、ネイティブアプリのように2つ分の開発をする必要がありません。
2つ目は、開発期間の短縮です。作り分けが不要な分、公開までの期間を圧縮できます。既存のWebサイトを持っている場合は、その資産をそのまま活かせるケースもあります。
3つ目は、保守を一本化できることです。修正やデザイン変更を1か所直せば両OSに反映されるため、リリース後の運用負荷が大きく下がります。ネイティブアプリで両OSに対応している場合、この保守は常に2つ分かかります。
4つ目は、Web技術者だけで開発できることです。HTML・CSS・JavaScriptの知識があれば着手でき、SwiftやKotlinの専門人材を確保する必要がありません。人材の採用や外注のハードルが下がる点は、中小規模の事業者にとって現実的な利点になります。
関連記事:iPhoneアプリ開発の費用相場と外注・代行先の選び方|iOS公開費用からコスト削減まで解説
PWAの概要と特徴
PWAは進化したWebアプリであり、Webアプリの一種ではありますが新機能がいろいろと搭載されています。まずオフラインでも使える点が特徴です。通常のWebアプリはオンラインで使うのが前提でしたが、PWAでは前もってキャッシュとしてページコピーを保存したりすることで上手くオフラインでの動作性を確保しています。
またプッシュ通知といった既存のネイティブアプリ機能も利用可能です。
メリットとしてはWeb言語を覚えていれば開発が容易な点、動作性も通常のWebアプリより高速な点、アプリストアを審査する手間が不要な点が挙げられます。またアプリのような見た目で配信ができますが実態はWebサイトのためSEO対策で集客が可能です。アプリアイコンをスマートフォンから追加しやすいためバランスが取れているのも魅力です。
デメリットとしてはアプリストアで配信できないため、そこからの集客を想定している場合は使えません。また開発費用は通常のWebアプリより高くなる可能性があります。
さらに一部Webブラウザーでは100%機能を利用できないケースがあるのもデメリットです。最近ではiOSのSafariで従来対応していなかったプッシュ通知への対応が発表されたりと規制は緩んでいますが、機能に関しては実機を用意して検証するといった作業は必要でしょう。
関連記事:Webサイトをアプリ化するメリット・デメリット、目的次第でアプリ化すべきかは変わる?
関連記事:サイトをアプリ化するメリットとは?PWAやWebアプリとの違い・費用を解説
開発に使われる言語とフレームワーク
各形式でどんな技術が使われるのかを知っておくと、見積もりの内容を読み解きやすくなります。
ネイティブアプリでは、iOSはSwift(従来はObjective-C)、AndroidはKotlin(従来はJava)が使われます。それぞれ別の言語であるため、両OS対応には基本的に別々の開発体制が必要になります。
ハイブリッドアプリやクロスプラットフォーム開発では、React NativeやFlutterといったフレームワークが広く使われています。1つのコードから両OS向けのアプリを生成できる仕組みです。
WebアプリやPWAでは、HTML・CSS・JavaScriptが基本になります。PWAの場合はこれに加えて、Service Workerという仕組みでオフライン動作やプッシュ通知を実現しています。
開発会社に相談する際は、どの技術で作るのかを必ず確認してください。フレームワークによって、将来の機能追加のしやすさや、他社への引き継ぎやすさが変わってきます。
関連記事:アプリ開発の要件定義とは?書き方や項目、進め方のポイントを解説
4種のアプリの機能比較一覧
費用・カスタマイズ性・動作性の違い
下記は各アプリ形式の機能等をまとめた一覧です。
|
ネイティブアプリ |
Webアプリ |
ハイブリッドアプリ |
PWA |
|
|
費用 |
とても高い |
とても低い |
低め |
低め |
|
カスタマイズ性 |
高い |
低い |
高め |
高め |
|
汎用性 |
低い |
高い |
低い |
高め |
|
動作性 |
高い |
低くなりがち |
低くなりがち |
高め |
|
オフライン |
使える |
使えない |
使えない |
使える |
費用はネイティブアプリが最も高額で、Webアプリが最も低いイメージです。またカスタマイズ性は複雑な機能も搭載しやすいネイティブが一番、限定される場面が多いWebアプリが最も低い結果となりました。
汎用性はWebアプリ・PWAが高く、ネイティブアプリ・ハイブリッドアプリが低いです。また動作性はネイティブアプリ・PWAが高く、Webアプリ・ハイブリッドアプリが低くなっています。オフラインでの環境ではネイティブアプリ・PWAは動作しますが、Webアプリ・ハイブリッドアプリは動作しません。
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費用と開発期間の目安を数字で比較する
上の表は相対的な高低を示したものですが、実際の判断では金額と期間の目安を持っておくと話が早く進みます。
ネイティブアプリをフルスクラッチで開発する場合、片方のOSで150万円〜、両OS対応なら300万円以上が目安です。規模によっては1,000万円を超えることもあり、期間は半年から1年程度を見込みます。
ハイブリッドアプリは、300万円〜800万円程度が一つの目安です。期間は2〜4か月程度で、ネイティブアプリより短く抑えられます。
WebアプリやPWAは、数十万円から始められるケースもあります。既存サイトをPWA化する形なら、1か月前後で公開できることもあります。
アプリプラットフォームを使う場合は、初期費用10万円前後・月額数万円という料金体系が一般的です。まず小さく試して効果を確かめたい場合は、この方式が最も現実的です。
いずれの方式でも、初期費用だけでなく年間の保守費を含めた3年間の総額で比較してください。年間の保守費は、初期開発費の10〜15%程度が目安になります。
関連記事:アプリ開発の費用相場はいくら?内訳・人月の計算方法とコストを抑える方法を解説
4種類から選ぶための判断フロー
どの形式を選ぶかは、次の順番で確認すると迷いません。
まず、カメラ・GPS・Bluetoothといった端末機能を使うかを確認します。必要ならネイティブアプリかハイブリッドアプリが候補になり、不要ならWebアプリやPWAで足ります。
次に、オフラインでの利用があるかを考えます。電波の届きにくい場所での利用が想定されるなら、ネイティブアプリかPWAを選びます。
3つ目は、アプリストアからの集客を期待するかどうかです。ストア経由で新規に見つけてもらいたいならネイティブかハイブリッド、既存の顧客に使ってもらえれば十分ならPWAが有力になります。
4つ目は、予算と公開時期です。半年以上待てて予算も確保できるならネイティブ、短期間かつ低コストで始めたいならPWAやプラットフォームという分岐になります。
なお、必ずしも1つに絞る必要はありません。ネイティブアプリとPWAを併用し、ストア経由と検索経由の両方から接点をつくる方法も現実的な選択肢です。
関連記事:アプリ開発の手順と企画の考え方|仕様変更の注意点や成功のコツ
店舗集客にネイティブアプリが適している理由
継続起動・利用を実現しやすい
ネイティブアプリは、インストールしてアイコンを設置した後は、タップするだけで定期的に利用してもらえる環境が整います。アイコンの設置までが完了してしまえば、後はタップして利用するという操作を繰り返してもらうことで継続利用へつなげられます。
アイコンを設置するのに手間取るWebアプリや、動作性に難が出てくる可能性のあるハイブリッドアプリなどと比較すると、新着情報等に気付いてもらいやすくスムーズな利用がしやすいのがメリットです。
位置情報などの端末機能を活用できる
ネイティブアプリは、アプリの種類の中で最も端末の機能を活用しやすいのがメリットです。端末機能というのはカメラ、GPS、Bluetooth、マイクといったセンサーや入力などにかかわる部分です。こういった機能を活用することで複雑な機能を搭載して、集客力を確保できるのがネイティブアプリのメリットとなっています。
動作性が最も高い
ネイティブアプリのコンテンツは基本オフラインに存在しているため、オンラインで更新しないといけないデータ以外はいつでも確認したり、機能を活用できたりします。いちいちデータをダウンロードしないため高速であり、汎用性がないぶん最も動作性を確保しやすいです。
そのためアプリの動作性が重要視されるアプリ開発には、ネイティブアプリを活用するとよいでしょう。
関連記事:アプリとWebサイトは同時開発すべき?両方必要な理由と活用方法を解説
ストア審査とリリース後の運用で必要になること
ネイティブアプリを選ぶ場合、公開して終わりではない点も押さえておきましょう。
まず、アプリストアの審査があります。特にApp Storeは基準が細かく、初回で通らないことも珍しくありません。公開希望日から逆算して、2週間程度の余裕を見ておくと安心です。
次に、OSアップデートへの対応です。iOSとAndroidは年1回程度の大型更新があり、対応しないと動作不良や、場合によっては公開停止につながります。両OSに対応している場合、この作業は毎年2つ分発生します。
3つ目は、ストアの利用料です。Apple Developer Programは年額制で、Google Playは初回の登録料が必要になります。
4つ目は、アップデートの反映速度です。修正版を出すたびに審査を通す必要があるため、Webサイトのように即時反映はできません。急ぎの告知が想定される場合は、アプリ内で表示内容を差し替えられる設計にしておくと運用が楽になります。
関連記事:アプリ開発を依頼するには?依頼の流れや開発費用、事前に決めておくべきこと
ネイティブアプリ開発なら「店舗アプリDX版raiten」
開発期間やコスト、ハードルなどの問題を解消してネイティブアプリを開発する方法として、アプリプラットフォームの活用があります。「店舗アプリDX版raiten」では、複雑な機能も気軽に導入して店舗向けの専用アプリを開発できます。
しかも最新技術であるPWAの導入まで可能となっています。アプリもWebサイトも両方用意したい方にもおすすめです。気になる方はぜひお問い合わせください。
まとめ
今回はネイティブアプリの概要やメリット、他アプリ種類との特徴比較などを解説しました。ネイティブアプリは他アプリと比較するとオフラインでの利用価値が高く、また動作性も確保されています。そのためオフラインで利用が想定されるようなアプリや、動作性が最重要視されるアプリにはネイティブアプリが向いているでしょう。
コストや開発の問題を解消したい方は、ぜひアプリプラットフォームを活用してみてください。ネイティブアプリ開発についてのご相談はお問い合わせください。
形式選びで大切なのは、優劣を比べることではなく「自社の目的に必要な条件を満たしているか」を確認することです。端末機能の要否、オフライン利用の有無、ストア集客への期待、予算と公開時期。この4点が決まれば、選択肢はほぼ1つに絞られます。
そして初めてアプリに取り組む場合は、いきなりフルスクラッチで作り込むのではなく、プラットフォームで小さく始めて効果を確かめる進め方が無駄になりません。
関連記事:アプリダウンロード促進の事例7選|DL数を増やす方法と成功のコツを解説
この記事を監修した人
店舗アプリ公式。累計1,000社以上の導入実績を誇る店舗アプリ構築プラットフォーム。 単なる集客に留まらず、リピーター創出による売上最大化を得意としている。
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