OMOとは?O2O・オムニチャネルとの違いとデータ活用・タッチポイント最適化を解説
業種全般
オンラインの施策を通してお客様を実店舗へ誘導する「O2O」は、認知度も高く多くの企業で導入されています。しかし現在では単にオンライン→オフラインの流れを意識するのではなく、オフライン→オンラインの流れまで含めて統合的にお客様を満足させられるかが重要になってきているのがポイントです。
オンラインとオフラインの垣根をなくして融合させ、お客様の動線をスムーズにする「OMO」に関する施策は、現在注目を集めています。
今回はOMOについて詳しく知りたい店舗関係者の方向けに、OMOとは何か、そしてO2Oやオムニチャネルといった混同されがちな単語との違いや実践方法などをご紹介していきます。
OMOで成果を出せるかどうかは、店舗が日々の営業のなかでどれだけ質の高いデータを集められるか、そしてそのデータをオンラインの行動データと結び付けられるかにかかっています。来店履歴や購買履歴といったオフラインのデータと、アプリの起動回数やクーポンの閲覧といったオンラインのデータが別々に管理されたままでは、同じお客様を同じ一人として扱うことができません。
本記事ではOMOの基本的な考え方に加えて、店舗が実際に集められるOMOのデータにはどのような種類があるのか、タッチポイントごとにどう取得するのか、そしてアプリを軸にどう統合していくのかまで整理していきます。自店舗で明日から何に着手すればよいのかを判断できる状態を目指して解説します。
OMOについて
OMOが初めて提唱されたのは、2017年の9月ごろです。「李開復」氏という実業者がビジネス雑誌「ザ・エコノミスト」で定義を発表しました。
李開復氏の地元である中国では、「アリペイ」といったモバイルペイメントが急速に普及しています。スマートフォンの普及率が高いことはもちろん、偽札が横行しており日本と比較すると紙幣に信頼が置けないのも普及に影響しています。その中でオンラインとオフラインを意識しないでサービスを提供するモデルも増えてきました。
李開復氏は中国のそのような現状を踏まえながら、「オンラインとオフラインは境界があいまいになり、融合していくであろう」と説いています。
つまりOMOはマーケティング用語というよりも、将来的に実現するであろう社会の概念を表している言葉です。
OMOの発生条件は、以下の4つです。
1.場所を選ばずにデータを取得可能で遍在的な接続性をもたらしてくれる、スマートフォンおよびモバイルネットワークの普及
2.モバイル決済が浸透して、少額でも現金のように利用できるようになる
3.現実世界の生のデータをリアルタイムでデジタル化してくれる、高品質なIoTセンサーのコストダウンと普及
4.物流自動化も可能になるようなロボット、AIの普及
日本に当てはめてみると、1については総務省の調査でスマートフォンの世帯普及率は8割を超えています。またモバイルネットワークについても一般的に使われている状況なのでクリアしていると言ってよいでしょう。
2については、「PayPay」といったQRコード決済や電子マネーなどが政府の施策もあり普及率を高めており、少しずつ達成していると判断できるでしょう。
3についてはIoTセンサーは製造業といったビジネス用途で利用範囲が広がっています。ただし「スマートホーム」といったIoTセンサーが必要なCtoC向けのサービスや商品については、まだ普及の途中にあります。
4については「ペッパー君」といったAI搭載の高度な知能を持つロボットも増加していますが、ビジネスとして具体的にどう活用できるのかはまだ手探りの状態にあると言ってよいでしょう。
日本でOMOが一般的になるためには、2を積極的に推し進めつつも3や4をどう今から普及させていけるかが課題になりそうです。
ちなみに日本政府が現在推し進めている「ソサエティ5.0」では、「IoTやAIといった最新技術を活用しながら満足度の高い社会を目指す」ことがコンセプトになっています。ソサエティ5.0が実現すれば、OMOの概念も日本において一般的になっていくでしょう。
OMOの4つの条件は日本でどこまで満たされたのか
上記の4条件を最新のデータで見直すと、日本の到達点はより明確になります。総務省の「令和6年通信利用動向調査」によれば、スマートフォンの世帯保有率は90.5%に達しており、条件1はすでに十分満たされた状態です。個人の保有割合も8割を超えているため、年代を問わずスマートフォンが生活の中心にある前提で施策を組み立てられます。
条件2についても状況は大きく変わりました。経済産業省が公表した2025年のキャッシュレス決済比率は国内指標で58.0%、決済額は162.7兆円に達しています。内訳ではクレジットカードが134.6兆円、コード決済が16.6兆円を占めており、少額の支払いでも現金と同じ感覚で使える環境が整いつつあります。
一方、条件3のIoTセンサーと条件4のロボット・AIは、店舗の規模や業種によって導入状況の差が大きいのが実情です。ただし高価な設備をそろえなくても、お客様が持っているスマートフォンとアプリを組み合わせれば、来店や購買といった現実世界の行動をデータとして記録できます。手元の端末をセンサー代わりに使うことが、多くの店舗にとって現実的なOMOの出発点になります。
参考:総務省「令和6年通信利用動向調査の結果」/経済産業省「2025年のキャッシュレス決済比率を算出しました」
関連記事:アプリでOMOって?オフラインとオンラインをつなげられるアプリの有用性
OMOとO2Oとオムニチャネルの違い
OMOとO2O、オムニチャネルはよく意味を知らないと混同する可能性があります。しかし対象とする範囲やアプローチの方向性などを確認すると、3者に違いがあることが分かるのでチェックしましょう。
O2O
O2Oは「Online to Offline」という単語の略称であり、「オンラインの施策を活用してオフラインの店舗へお客様を誘導して集客する」手法を指します。
店舗アプリ上でクーポンを配布する
SNSを活用して店舗のお得な情報を発信する
といった手法はすべてO2Oの施策です。
インターネットとデジタル端末の普及(特にスマートフォン)により、人々がインターネットにアクセスして情報を調べる頻度は上がっています。その中でO2Oは、インターネット上のタッチポイントを活用し効率よくお客様を集客する方法として一般的になっているのがポイントです。
ただしO2Oは「来店」という一点をゴールに置いた施策であり、来店した後にお客様がどう行動したかまでは追いきれない弱点があります。クーポンの配布数と来店数は分かっても、そのお客様が何を買い、次にいつ戻ってきたのかまでは分かりません。
OMOではこの断絶をなくし、来店後の購買データを次のオンライン施策へそのまま反映させます。すでにO2Oに取り組んでいる店舗ほど、データのつなぎ方を変えるだけでOMOへ移行しやすいと言えるでしょう。
関連記事:O2Oアプリとは?店舗集客のメリットや主要機能・成功のポイントを解説
オムニチャネル
オムニチャネルは「販売や流通に関する経路を統合して、オンライン・オフライン問わずお客様がシームレスな体験をできるようにする」手法を指します。
たとえば大手アパレルのECサイトでは、ECサイト上で注文した商品を付近の店舗で受け取れるようになっています。店舗で受け取れるようになっているのは、システム上でEC在庫と実店舗在庫が統合されてリアルタイムで共有できるようになっているからです。
このようにオンラインでもオフラインでも効率的に在庫などを共有して、どんな経路でもお客様に満足のいく顧客体験をしてもらうのがオムニチャネルの本質となります。
オムニチャネルで重要になるのは、在庫や物流、会員情報といった社内システムの統合です。どのチャネルから注文されても同じ在庫を参照でき、同じ会員として扱える状態をつくることが目的になります。
ただし統合の視点はあくまで販売する側にあり、「どのチャネルで買ってもらうか」という発想が中心です。この点が、お客様側の体験を起点に考えるOMOとの分かれ目になります。
OMOとO2Oとオムニチャネルの違いとは?
OMOとO2O、オムニチャネルは、まず対象とする範囲が違います。先ほども言いましたがOMOはもともとマーケティング用語ではなく、社会の概念を表します。
よって対象とする範囲は社会全体となり、ユーザー体験に重きを置いているのがポイントです。
一方O2Oの施策はオンライン→オフライン、またはオフライン→オンラインと一方通行なのが基本です。
「オンラインとオフラインの商品を統合して提供しよう」という考えは特にありません。またオムニチャネルの場合はオンラインとオフラインを統合して商品を提供するのでOMOに近いものがありますが、販売や流通に重きが置かれた考えになります。またあくまで施策の一環であり、社会概念を表すOMOとはやはり定義が違うのも特徴です。
OMOを理解する際は単にマーケティングの範囲でとらえるのではなく、「自分たちがオンラインとオフラインを統合した結果にもたらされる社会」というように覚えておくとよいでしょう。
OMOはユーザー目線で顧客体験を捉える考えなので、企業目線に偏らずにユーザーファーストで施策を立てやすくなるのがメリットと言えるでしょう。
3つの言葉は、「目的」「視点」「中心になるデータ」の3点で整理すると混乱しにくくなります。
O2O:オンラインからオフラインへの送客が目的。視点は企業側にあり、中心になるのはクーポン配信数や来店数といった単一チャネルのデータです。
オムニチャネル:あらゆる販売経路の統合が目的。視点は販売側にあり、中心になるのは在庫や会員情報といった社内データです。
OMO:オンラインとオフラインの境界をなくした体験づくりが目的。視点はお客様側にあり、中心になるのはチャネルをまたいで一人の顧客に紐づいた行動データです。
つまりO2Oとオムニチャネルが施策や手段を指すのに対し、OMOはそれらを実行した結果として実現する「状態」を指しています。自店舗の現状を評価するときは「施策をやっているか」ではなく「お客様から見て境界がなくなっているか」で判断すると、次に手を打つべき箇所が見えてきます。
関連記事:店舗の顧客管理(CRM)はアプリが最適。来店履歴などのデータを有効活用
OMOで扱うデータの種類と統合の考え方
オフラインデータとオンラインデータを分けて棚卸しする
OMOで扱うデータは、大きくオフラインで発生するものとオンラインで発生するものに分かれます。オフラインでは来店日時、購買商品、購買金額、決済手段、滞在時間、店舗ごとの利用頻度などが該当します。
一方オンラインでは、アプリの起動回数、閲覧した商品ページ、クーポンの取得と利用、プッシュ通知の開封、Web予約やEC購入の履歴などが挙げられます。まずは自店舗でどちらのデータがどれだけ取れているかを一覧にして棚卸しすることが、OMOの最初の作業です。
多くの店舗ではオンライン側のデータは比較的取れているのに、オフライン側が「レジの売上金額だけ」という状態にとどまっています。誰が何を買ったのかが分からない状態では、どれだけオンラインのデータを集めても施策には結び付きません。
顧客IDをひとつにまとめてデータの分断を解消する
棚卸しの次に必要なのが、バラバラのデータを同じお客様のものとして紐づける作業です。ECの会員番号、店舗のポイントカード番号、アプリの会員IDがそれぞれ別々に管理されている状態は「データサイロ」と呼ばれ、OMOを妨げる最大の要因になります。
解決策としては、アプリの会員IDを共通のキーにする方法が現実的です。レジでアプリの会員証を提示してもらう運用を徹底すれば、オフラインの購買データがアプリのIDに自動で紐づき、オンラインの行動データと同じ土俵に乗ります。
ID統合ができて初めて、「アプリでこの商品を何度も見ているが店舗では買っていない」といった分析が可能になります。ここまで来ればOMOのデータ活用は現場レベルで動き出します。
関連記事:顧客管理アプリ(CRM)おすすめ11選|機能・料金・選び方を徹底比較
データ取得と活用方法
マーケティングにおいてデータを取得して活用する方法には、次のような種類があります。
リードチャネル/オフライン領域
見込客獲得(リード)段階でのオフラインマーケティング手法は次の通りです。
TV、ラジオ、雑誌
TVやラジオ、雑誌などは、いわゆるマスメディアと呼ばれるチャネルです。
不特定多数の方へ自社の商品やサービスを認知してもらいたいときなどに活用されます。
ただし宣伝を行うには多額の費用が必要なので、実行できるのは大企業やある程度予算を持っていて地元メディアに露出ができる企業だけです。
チラシ、DM
チラシやDMは紙でお客様に訴求できる手法です。
新聞をまだ取っている率の高い高齢の方や、オンラインをあまり使わない方には有効な手法だと言えます。
ただし現在ではオンラインで調べ物をする方が多いので、費用を掛けても効率よく集客するのは難しいです。またチラシやDMなどはそのまま見られずゴミ箱へといったケースも多くみられるのがデメリットになります。
イベント
共同で他の店舗と合わせて場所を貸し切り、イベントなどを行う手法もあります。
イベントには多くの方が集まるので、自店舗のことを知らないお客様へ認知してもらって次のチャネルへ進んでもらうチャンスです。
ただしイベント開催には費用がかなり発生するケースも多いので、上手く予算を配分しながら効果を出せるかが勝負となるでしょう。
コールセンター
コールセンター部門がある場合は、こちらからプッシュして営業電話を掛けて商品やサービスを販売する手法も取れます。電話営業に抵抗がないお客様には効果があるでしょう。
ただしコールセンターからプッシュ通話をするといったアウトバウンドな手法は、押し売りとして嫌われる傾向にあります。現在では効果的な手法とは言えないので、実践する場合はオフラインやオンラインのデータを基にお客様を理解できるかがカギとなります。
店頭
店頭に来てくれたお客様にアプローチする手法もあります。すでに店頭に来ているお客様が対象なので、リードというよりはリピーターに関するチャネルになるでしょう。
たとえばレジ前では店舗で一押しの商品のPOPを掲載して、目立つように置いている店舗も多いです。興味のある方はその場で購入したり、「調べてよければ次買ってみよう」という風になるでしょう。
店頭はお客様の反応をその場で確認できる貴重なタッチポイントですが、接客のなかで得た情報は担当者の記憶にとどまりやすく、記録されなければデータとして残りません。会員証の提示やアンケートの回答をアプリ上で完結させ、店頭での接点を必ずデータへ変換する運用を整えておきましょう。
コンバージョンチャネル/オフライン領域
成約獲得(コンバージョン)段階でのオフラインマーケティング手法は次の通りです。
来店
来店は実店舗において基本的なコンバージョンチャネルです。来店してくれたお客様は当然商品を選んでレジにて購入してくれます。
ただし最近ではコロナウイルスの影響で、直接来店するのが難しいパターンも増えてきました。店舗としてはOMOを取り入れて、ECサイトといったオンラインのチャネルでもよい顧客体験ができるように工夫していく必要があるでしょう。
電話問合わせ
電話問い合わせはインターネット上のランディングページや広告、紙のチラシなどを見たお客様が行います。オペレーターの腕があればその場で商品購入までこぎつけられるでしょう。
ただし電話問い合わせに対してハードルを感じるお客様も多いです。またオペレーターの腕によってもコンバージョン率が左右されてしまうため、「チャットボットを導入して接客効率や効果を上げる」といった工夫も必要となります。
電話問予約
電話予約はレストランや美容室といった業種で多いコンバージョンチャネルです。電話で日時を聞いて記録し、お客様の来店を待ちます。
ただし担当者がミスをして対応ができなかったり、混んでいて連絡が取れなかったといったリスクが発生する可能性もあります。オンライン予約システムなどを活用して予約に関するミスやトラブルを減らしていく工夫も必要でしょう。
オフラインのコンバージョンチャネルで気を付けたいのは、成果が「売上」としてしか残らないケースが多い点です。誰が、どのきっかけで来店し、何を買ったのかまで記録できて初めて次の施策の材料になります。来店・電話問い合わせ・電話予約のいずれについても、最後にアプリの会員情報と結び付ける導線を用意しておきましょう。
コンバージョンチャネル/オフライン領域
見込客獲得段階でのオンラインマーケティング手法は次の通りです。
アプリ
自店舗専用のアプリを使えば、お客様のリピート来店などを促せます。単に最新情報やクーポンなどを提供するのではなく、プッシュ通知として配信を流すことで高い開封率を維持して効率のよい集客ができるようになるのがメリットです。
上述のすべてのプロモーションにおいても、アプリに誘導してくことが重要です。
アプリを1から開発すると膨大なコストが掛かります。アプリプラットフォームを駆使してコスト安で開発を行うと無駄な予算が掛からず最短1カ月でスタートも可能です。
アプリはOMOのタッチポイントのなかでも、オンラインとオフラインの両方のデータを1つのIDで受け止められる数少ない存在です。クーポンの取得から来店、購買、再来店までを同じIDで追えるため、施策の効果測定が一気にやりやすくなります。
OMOアプリの開発では、最初から多機能を目指さないことが大切です。会員証・ポイント・クーポン・プッシュ通知という4つの基本機能があれば、データを集めて回すサイクルは十分につくれます。フルスクラッチ開発は数百万円規模になることもありますが、アプリプラットフォームを利用すれば費用を抑えながら短期間で運用を始められます。
関連記事:アプリ開発の費用相場はいくら?内訳・人月の計算方法とコストを抑える方法を解説
デジタルメディア
デジタルメディアを介して自店舗の情報発信を行い、集客を行う方法もあります。
コンテンツマーケティングの一環としてオウンドメディアを構築すれば、長期的な集客が見込めるようになるのがメリットです。
ただし検索エンジン上でデジタルメディアを提供する場合、「SEO(検索エンジン最適化)」といった手法を駆使して上位にメディアを掲載するように持って行く必要があります。すぐに成果の出る手法ではありません。
SNS
「Twitter」といったSNSは多くの店舗が情報発信の場として利用しています。
情報を一方的に発信するだけでなく、お客様から評判などを集めて(UGCを集めて)、活用できるのもポイントです。
その性質からSNSを「アーンドメディア(外部からコンテンツを集めるメディア)」と呼ぶ場合もあります。
ただしSNSを活用する際は、炎上しないようにルールを定めるのが重要です。
広告
Web広告を活用すると、短期間で効率よく集客ができるようになります。
広告には検索エンジン上にリスト表示を行う「リスティング広告」やWebサイト上に画像表示する「ディスプレイ広告」、動画配信サイトなどで再生される「動画広告」などの種類があります。
広告を活用する際は上手くLPといった広告の遷移先までお客様を誘導して、コンバージョンを獲得できるよう導線を設計するのが重要です。キャッチコピーや画像、動画などの制作スキルも必要になります。
OMOの観点では、広告を「配信して終わり」にしないことが重要です。広告経由でアプリをインストールしたお客様がその後実際に来店したのかまで追えるよう、計測の設計を先に決めておきましょう。
メール配信
ユーザーに合わせて商品活用方法や関連商品紹介などのメールを配信できるようになれば、継続的にお客様をフォローしながらコンバージョンチャネルまで誘導できます。
プッシュ通知に比べればメールの開封率は低いですが、未だに多くの企業でメールを活用したリピーター創出手法が取られているのもポイントです。
ただしメール配信を行う際は、競合のメールに埋もれないよう文面などを工夫する必要があります。また新規顧客の獲得は難しいです。
Google Map
Googleが提供する「Google Map」は、オンライン上で地図を確認しながら店舗情報を閲覧できるサービスとして有名です。
そして実店舗ではGoogle Mapを活用して情報発信し、電話予約などのコンバージョンへつなげる「MEO(マップエンジン最適化)」の手法も導入されるようになっています。
MEOについてはまだ実践している店舗が少ないので、今の内に導入しておくと後でマーケティング上有利になります。
コンバージョンチャネル/オンライン領域
成約段階でのオンラインマーケティング手法は次の通りです。
Web問い合わせ
Web上での問い合わせは、商品やサービスに興味を持った見込み客へWebサイトなどを通じて情報提示を行い、コンバージョンまでつなげる手法として有効です。
電話といったオフラインの問い合わせよりも気軽にできるのもメリットになります。
ただしその場でコンバージョンにつながるとは限りませんし、すぐ対応できずに離脱が起きる可能性もあります。チャットボットといったツールを使ってリアルタイムで問題解決できるようにして24時間365日問い合わせができるようにしておくと安心です。
Web予約
Web上での予約は問い合わせと同じく簡単にできます。
店舗側では電話問い合わせといった従業員に掛かる負担を減らして、効率よくコンバージョンが取れるようになるのがメリットです。
ただしWeb上でお客様がスムーズに予約が完了できるシステム作りを行う必要があります。場合によってはポータルサイトに登録してWeb予約を行えるようにし、大手ポイント制度導入により集客を行おうという店舗もいます。
Web購入
ECサイトなどでWeb購入ができるようにすると、オフラインだけでなくオンライン上でも収益を挙げられるようになります。
コロナ禍で集客数が減少する店舗も多い中、ECサイトなどを活用したWeb購入のチャネルはコンバージョンとして重要になっています。
ただしWeb購入の仕組みを整えてもすぐ収益が出るようになるとは限りません。Web購入をチャネルとして導入する際は、半年や1年先など長い目で収益を成長させられるように施策を取っていく必要があります。
リードチャネル→コンバージョンチャネルへの誘導は当たり前のことです。しかしOMOを実現させるためには各チャネルを分断させて考えてはいけません。
各チャネルで収集できたオンラインとオフラインのデータを分割せずに統合して管理を行い、マーケティング施策に活用できるような体制を構築することが重要です。
関連記事:「位置情報」データが店舗経営にもたらすメリットとは?位置情報を活用したマーケティング
地理情報を活用した広告とOMOの組み合わせ
OMOのなかでも店舗ビジネスと相性がよいのが、地理情報を活用した広告です。特定のエリアにいるユーザーだけへ配信するジオターゲティング広告を使えば、商圏外への無駄な配信を減らし、来店見込みの高い層に予算を集中できます。
さらに一歩進んだ手法が、店舗の周囲に仮想的な境界線を設定するジオフェンシングです。半径500メートル以内に入ったアプリ会員へ自動でクーポンを配信すれば、「今なら寄れる」というタイミングを逃さず来店を後押しできます。競合店舗の周辺にいるユーザーへ自店舗の広告を配信する使い方も可能です。
地理情報を活用した広告がOMOにおいて価値を持つのは、配信結果を来店データと突き合わせられるからです。広告を見た人のうち何人が実際に店舗を訪れたのかという来店計測ができれば、オンライン広告の費用対効果をオフラインの売上で判断できるようになります。
なお位置情報の取得は同意が前提となるため、取得目的を分かりやすく伝え、お客様にとってのメリットを明示することが欠かせません。「近くのお店の在庫が分かる」「来店時に自動でスタンプがたまる」といった利点を示せば、許諾率は大きく変わります。
関連記事:位置情報マーケティングとは?店舗集客に活かす手法・メリット・活用事例を解説
アプリをタッチポイントの中心に据える理由
来店していない時間の行動まで把握できる
店舗が接点を持てるのは、通常お客様が来店している数十分だけです。しかしアプリを入れてもらえれば、来店していない時間帯にどの商品ページを見ているか、どのクーポンに反応したかといった関心の動きを継続的に把握できます。
この「来店前」と「来店後」のデータが加わることで、購買履歴だけでは見えなかった検討段階の行動が見えるようになります。結果として、値引きに頼らない提案がしやすくなります。
プッシュ通知でオンラインとオフラインを往復させる
集めたデータを活かす出口として機能するのがプッシュ通知です。最終来店日から30日が経過した会員だけに配信する、雨の日に近隣の会員へ配信するといった条件を設定すれば、全員へ同じ内容を送るより高い反応が期待できます。
通知はあくまでお客様にとって役立つ情報であることが前提です。配信頻度が高すぎると通知を切られてタッチポイント自体を失うため、開封率と解除率の両方を見ながら調整していきましょう。
関連記事:プッシュ通知の開封率の平均は?開封率を上げる方法と配信時の注意点を解説
OMOのデータ活用を進める4つのステップ
ステップ1:目的とKPIを先に決める
OMOは範囲が広いため、目的を決めずにデータを集め始めると手段が目的化してしまいます。「再来店率を10%上げる」「アプリ会員の年間購買回数を1回増やす」といった形で、数値で判断できる目標を先に置きましょう。
ステップ2:タッチポイントを絞ってデータを集める
最初からすべてのチャネルを統合しようとすると、システム改修の負担が大きくなり途中で止まりがちです。まずはアプリとレジという、店舗にとって最も重要な2つの接点を確実につなぐところから始めるのが現実的です。
ステップ3:セグメントを作って小さく試す
データがたまってきたら、来店頻度や購買金額でお客様をいくつかのグループに分け、グループごとに違う打ち手を試します。全体へ一斉配信するのではなく対象を絞って比較することで、何が効いたのかを判断できるようになります。
ステップ4:結果を店舗オペレーションに戻す
OMOが本当に機能しているかどうかは、分析結果が売場や接客の変更につながっているかで分かります。売れ筋の並べ替え、スタッフへの共有、仕入れの調整といった現場の動きにまで落とし込めて、初めてデータが利益に変わります。
関連記事:入れた方がいいお店アプリは?店舗アプリの成功事例と人気機能ランキングを解説
OMOのデータ活用でつまずきやすい点
最も多いのがデータの分断です。ECサイト、POSレジ、アプリ、予約システムがそれぞれ別々に顧客情報を持っている状態では、いくら施策を打っても効果を正しく測れません。導入前にどのIDを共通のキーにするかを決めておく必要があります。
次に多いのが同意の取り扱いです。位置情報や購買履歴は個人情報にあたる場合があり、取得目的の明示と利用範囲の管理が求められます。プライバシーポリシーの整備と、アプリ内での分かりやすい説明を必ずセットで行いましょう。
そして見落とされがちなのが現場の運用です。レジでの会員証提示が徹底されなければ、どれだけ優れた仕組みを導入してもデータは集まりません。スタッフが数秒で対応できるオペレーションへ設計し直すことが、結果的に最も効果の大きい改善になることも珍しくありません。
参考:個人情報保護委員会
データ活用による課題解決
自店舗のアプリを使ったアプリマーケティングを活用すれば、
・位置情報
・年齢
・性別
・居住エリア
・来店店舗
・来店頻度
・活動エリア
・行動履歴
といった現実世界の情報をデジタルデータとして収集できるようになります。そしてオンラインで取得できた各データと統合させて分析を行い、OMOに関する施策を行うのも簡単です。
アプリから自店舗に必要なさまざまなデータを取得し、セグメントを行いながらお客様へ適したアプローチを実施しましょう。また最終的にはオンラインとオフラインのチャネル相互のアクセス性を上げていき、「UX(ユーザーエクスペリエンス)」や「CX(カスタマーエクスペリエンス)」などを向上させてみてください。
取得したデータは、集めるだけでは価値を生みません。たとえば「活動エリアが自宅から離れている会員が多い」と分かれば営業時間や品ぞろえを見直す判断につながりますし、「来店頻度は高いが購買単価が低い」層が見つかればセット商品の提案という打ち手が見えてきます。
重要なのは、データから仮説を立て、小さく試し、結果を測り、また次の施策へ戻すという流れを止めないことです。OMOは一度の施策で完成するものではなく、オンラインとオフラインを行き来する顧客の動きに合わせて継続的に精度を上げていく取り組みだと捉えてください。
関連記事:アプリマーケティングのデータ活用術|モバイルユーザー獲得の基本
まとめ
今回はOMOとは何か、そしてO2Oやオムニチャネルといった混同されがちな単語との違いや実践方法などをご紹介してきました。
OMOはオンラインとオフラインの融合を表した、ユーザー目線で将来的な社会をとらえたマーケティング分野に限らない広い概念です。アプリからオフラインのデータを得ながらオンラインツールでオンラインのデータも収集して統合して活用できるようになれば、OMOに一歩近づいたと言えます。
ぜひOMOを考えたビジネスモデルを実現してお客様に満足されるお店作りを行ってみてください。
OMOのデータ活用は、最新の技術をそろえることよりも、いま自店舗にある接点を1つのIDでつなぎ直すことから始まります。アプリを会員証として使ってもらい、レジでの提示を習慣にしてもらうだけでも、オフラインの行動がデータとして残るようになります。
そこにプッシュ通知や地理情報を活用した広告を組み合わせれば、オンラインとオフラインを自然に往復する導線ができあがります。まずは目的を1つに絞り、測れる形で小さく始めてみてください。
弊社ではOMOにも活用できる専用店舗アプリの作成を承っております。気になる方は下記からお問い合わせをお願い致します。
この記事を監修した人
店舗アプリ公式。累計1,000社以上の導入実績を誇る店舗アプリ構築プラットフォーム。 単なる集客に留まらず、リピーター創出による売上最大化を得意としている。
>>運営メディアトップへ