自治体アプリの成功例と導入メリット|地域活性化・利便性向上術

地方自治体
公開日:2023.04.18 更新日:2026.08.17
自治体アプリの事例5選|自治体こそアプリを導入すべき理由とは

政府が「DX」を進めようと補助金制度などさまざまな政策を行っていますが、まずは政府自体や地方自治体などがお手本を見せられないと企業も足並みをそろえにくい側面はあるでしょう。そこで少しずつではありますが政府、そして各自治体でもデジタル化に関する改革が進んでいます。

特に自治体の場合、アプリを導入して問い合わせ業務負担軽減などを達成した事例は増えてきました。現在は小規模の自治体でも気軽にアプリを作成できるプラットフォームがあるので、ぜひ気になる方は活用してみてください。

この記事では、自治体アプリの概要やメリット、そして実際に活用へ成功している事例をご紹介します。

住民への情報発信や窓口業務の負担軽減を目的に、自治体アプリを導入する自治体が増えています。ただし、作ったものの使われないまま更新が止まってしまう例も少なくありません

本記事では、自治体アプリの概要と目的別の分類、導入すべき理由とメリット、実際の事例5選を取り上げます。あわせて、つまずきやすい課題と導入を進める手順、費用の考え方まで整理しました。

「どんな機能を載せるべきか」「どうすれば住民に使ってもらえるか」を検討している担当者の方は、参考にしてみてください。

目次

自治体アプリとは

自治体アプリとは、各地方自治体が業務効率化や住民への提供サービスに関する質の向上などを狙いとして導入しているアプリです。基本的には、下記のような機能を備えており、導入事例は増えています。

  • 住民への速やかな日常の情報発信
  • 緊急時に防災をサポートする
  • 観光支援のためのルート案内や各種情報の提供
  • チャットボットによる24時間365日の自動問い合わせ受付

もし現在地方自治体の担当としてアプリ導入を検討している場合は、最低限上記のような機能を備えたアプリを開発することをおすすめします。また、自治体アプリを導入することで、各媒体で発信していた情報を一元化して提供することが可能となります。スマートフォンで情報を閲覧されるケースが多く想定される場合は、アプリを用意しておいた方が良い効果を得られるでしょう。

ちなみに、LINEの公式アカウントを作ってそこで公式情報を提供する方法も考えられますが、友達追加しているアカウントが多い方には上手く情報が伝達されないリスクもあります。自治体アプリをインストールして活用してもらうようにすることで情報の取りこぼしがなくなり、効率よく情報を伝達できるようになるでしょう。

補足すると、自治体アプリは住民向けと来訪者向けで役割が分かれる点も押さえておきたいところです。住民向けならごみの収集日や広報誌、各種手続きの案内といった日常的に使う情報が中心になります。

来訪者向けなら、観光スポットやモデルコース、多言語対応が中心です。両方を1つのアプリに詰め込むと画面が複雑になり、どちらの層にも使いにくくなります。どちらを主な対象にするかを先に決めることが、設計の出発点になります。

目的別に見る自治体アプリの4タイプ

全国で提供されている自治体アプリは、目的によっておおむね4つに分類できます。自治体の課題に応じてどのタイプを目指すかを決めておくと、機能の選定がぶれません。

  1. 総合情報型は、広報誌、ごみ収集日、イベント、施設情報などをまとめて提供するタイプです。住民の日常利用を前提としており、利用率がもっとも伸びやすい形になります。
  2. 防災特化型は、避難所の検索、災害情報の地図表示、緊急のプッシュ通知に絞ったタイプです。平常時の起動は少ない一方、有事の際に確実に届く手段として価値があります。
  3. 観光・来訪者向け型は、観光スポットの案内、ルート検索、多言語対応を軸にしたタイプです。インバウンドや周遊促進を目的とする自治体で採用されています。
  4. 手続き・申請型は、各種申請や施設予約、電子申請への導線を担うタイプです。窓口の来庁数を減らす効果が見込めますが、既存システムとの連携が必要になります。多くの自治体アプリは総合情報型を土台に、防災や観光の機能を足していく形をとっています。

総合型と単機能型のどちらを選ぶか

機能を絞った単機能型と、幅広く載せる総合型では、それぞれ利点が異なります。

単機能型は、目的がはっきりしているぶん開発も運用も軽く済みます。防災アプリのように用途が限定されている場合は、こちらのほうが使い勝手がよくなります。一方で平常時に起動される機会が少なく、いざというときに存在を忘れられているリスクがあります。

総合型は、日常的に開いてもらえる可能性が高く、防災情報を届ける土台としても機能します。ただし機能が増えるほど画面が複雑になり、更新の手間も増えます。

規模の小さい自治体では、日常的に使う機能を土台にして、そこへ防災を組み込む進め方が現実的です。

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自治体はアプリを活用すべき!その理由とは

自治体がアプリを活用すべき理由は次の通りです。

行政から公式情報を素早く発信するツールとして

以前は、回覧板や各種情報誌、フリーペーパーなどで住民に情報を伝えていました。しかし、こういった伝達方法は縮小の流れをたどっており、そもそも受け取ってくれない、情報を見ずにそのままゴミへ出してしまうといった方も増えています。地域住民との接点が少なくなっており、従来の情報提供方法に代わる手段が求められているのがポイントです。

自治体アプリでは、次のような情報をまとめて発信することが可能です。

  • 公共施設の受付時間やイベント情報
  • 現在提供中の申請サービス
  • FAQ
  • デジタル広報誌

こういった情報は決まった時間に即時アップロードされて閲覧できるようになるため、アプリがメンテナンス中や不具合発生中でない限りはすぐに確認することが可能です。ただ既存の情報提供方法をデジタル化できるだけでなく、自治体情報で必要とされる鮮度の高さまで確保しやすいのが自治体アプリの特徴となっています。

発信手段としての強みは、届いたことが数値で分かる点にもあります。回覧板や情報誌は配布した後どれだけ読まれたか分かりませんが、アプリなら通知の開封率や画面の閲覧数を確認できます。

どの情報が読まれ、どの情報が読まれていないかが見えると、次に何を優先して発信すべきかを判断できるようになります。

外国人観光客の増加

コロナ禍もある程度収まってきており、いよいよ外国人観光客の呼び込み等が本格化しようとしています。しかし、従来の紙を使った情報伝達では上手く外国人観光客の方に情報を発信しにくく、多言語対応まで考えると手間が大きいです。自治体アプリを使えばインストールするだけですぐ情報を閲覧できますし、各所にQRコードなどを貼って宣伝をすればすぐインストールしてもらえるでしょう。

アプリで情報をまとめて提供すれば、複数の情報誌を外国人の方が読みながら観光スポットや案内所を探す手間が省けます。また多言語対応や言語切り替えも簡単にできるので、紙の情報誌よりも読みやすく利便性が高いのもメリットです。ただしアプリをインバウンドの方向けに用意するときは、想定される観光客の地域でどんなスマートフォンモデルが使われているのか、またOSはどれがシェアが大きいのかなどを考える必要があるので注意しましょう。

多言語対応で気をつけたいのが、翻訳の運用まで含めて設計することです。リリース時に翻訳して終わりでは、イベント情報や施設の営業時間が更新されるたびに日本語だけが新しくなります。

更新頻度の高い情報は自動翻訳、正確さが必要な防災や手続きの情報は人が確認する、といったように扱いを分けておくと運用が回ります。

防災意識の高まり

防災専用のアプリがアプリストアで提供されるなど、年々、防災意識は高まっています。万が一地震や台風、そしてコロナウイルスのような感染症が発生した場合は自治体として速やかに正しい情報を発信しないといけません。自治体アプリではプッシュ通知も使いながら、緊急時に重要な情報を発信することが可能です。

こういった緊急情報はたとえユーザー側でアプリのプッシュ通知機能をOFFにしていても伝達できるため、確実に情報を届けることができるでしょう。また、下記のような機能をつけることで、多国籍な住民配分になっていてもより確実に必要な情報を伝達できるようになります。

  • 災害発生状況の地図表示
  • 避難所の検索
  • 多言語での情報発信

ちなみに、スマートフォンには現在緊急時に連絡をすぐ取れたりといったさまざまな防災関連機能が追加されていますが、その流れに乗ることで防災意識の高い自治体だというアピールをすることもできるでしょう。

防災機能を載せる際に押さえておきたいのが、通信が使えない状況への備えです。大規模災害では回線が混雑し、通信が不安定になることがあります。避難所の一覧やハザードマップをあらかじめ端末内に保存しておくオフライン対応にしておくと、通信が切れても最低限の情報は確認できます。

あわせて、平常時から起動してもらう仕組みも必要です。災害時にしか使わないアプリは、いざというときに入っていないという問題が起きます。日常的な情報と一体で提供する意義はここにあります。

国の政策としても自治体DXが求められている

自治体アプリの導入は、個々の自治体の判断にとどまらず、国の方針としても後押しされています。総務省は「自治体デジタル・トランスフォーメーション(DX)推進計画」を策定し、行政手続のオンライン化や情報システムの標準化を進める方針を示しています。

出典:総務省「自治体DXの推進(自治体DX推進計画)」 https://www.soumu.go.jp/denshijiti/index_00001.html

計画では、住民に身近な行政を担う市区町村の役割が重要だとされ、誰一人取り残さないデジタル化が掲げられています。

アプリはこの流れの入口として取り組みやすい施策です。窓口を減らすのではなく、窓口以外の選択肢を増やすという位置づけで進めると、庁内の理解も得やすくなります。

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自治体アプリでできること、そのメリットとは

自治体アプリには次のようなメリットがあります。

最新情報をすぐに発信できる

従来のアナログな自治体情報発信は、自宅に情報誌がすぐ届かない、あるいは放置されたりして行き届かない可能性が高いのが課題でした。SNSで情報を発信する方法もありますが、現在SNSはおすすめツイートが表示されやすくなるなど表示方法のルールもそれぞれ異なり、確実に情報が届くとは限りません。そもそもタイムライン等は情報が流れやすく、閲覧されにくい状況になることも多いです。

自治体アプリを使うことで、自治体側でコントロールしながら上手く最新情報を発信することができます。たとえばプッシュ通知には、

  • リモートプッシュ通知:リアルタイムに情報を発信する
  • ローカルプッシュ通知:あらかじめ通知内容を仕込んでおき指定日時に発信する

という2種類の通知方法がありますが、今すぐ作って発信したい情報にはリモートプッシュ通知、定期的に発信したい情報にはローカルプッシュ通知のように使い分けることで、効率よく最新情報を伝達することが可能になります。

通知を使う際は、種類ごとに扱いを分けておくと住民に嫌がられません。災害情報は必ず届ける一方、イベント告知は受け取るかどうかを住民が選べるようにする、といった設計です。

すべての通知を同じ扱いにすると、通知そのものをオフにされ、肝心の緊急情報まで届かなくなります。

無駄なコストを削減できる

自治体の財源は無限というわけではありません。住民の税金も使っているため、無駄な情報発信等をしていると批判の対象になるリスクまであります。しかし、コストをむやみに削減して批判を買ってしまう状況も避けたいはずです。

自治体アプリで紙の媒体をデジタル化すると、発行部数削減等を達成できるので印刷代や紙代が減少します。そして情報伝達割合も増加する可能性が高いので、対比用効果から見ても大きなコスト削減効果を発揮するでしょう。さらにSNSやWebサイトなどのデジタル媒体の情報まで一元化して発信することで、情報管理や発信の手間を削減することも可能です。

こうして上手く自治体アプリを活用して提供できれば、情報発信を効率化しながらコスト削減まで同時に達成できます。最終的には自治体アプリを活用しながら組織改革まで行い、データ基盤で行政が実行されるようにして企業DX化のお手本になれるような状況まで持っていければ言うことはありません。

削減効果を見積もるときは、現在の紙媒体にかかっている実額を洗い出すところから始めます。広報誌の印刷費と配布費、各種チラシの制作費、封筒や郵送費などが対象です。

ただし紙をすぐ全廃するのは避けたほうが無難です。アプリが浸透する前に紙をなくすと、これまで届いていた層への接点が消えます。併用期間を設け、登録者数の推移を見ながら段階的に部数を減らしていく進め方が安全です。

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チャットボット等で業務を自動化・効率化できる

すでにチャットボット機能を取り入れた自治体アプリを提供しているところもあります。チャットボットは特に問い合わせ負担削減に効果のあるツールです。従来住民の問い合わせが多い自治体では、担当者に対して問い合わせ数が多くなってしまい大きな負担が掛かっていました。また定型的な受け答えが想定される事案も多く、そういった定型的な質問が重要な質問に掛ける時間を圧迫してしまうリスクまであります。

チャットボットでは、あらかじめ決まっているシナリオ、あるいはAIによる応答といった方法に沿って受け答えを自動化してくれるのがメリットです。一次問い合わせで定型的な質問があった場合はその場で情報を表示して解決できるので、無駄な問い合わせへ対応する必要がなくなります。また二次以降の問い合わせが必要な場合はそのまま担当者へつないで受け答えを続けることも可能なので、担当者は質問内容をある程度理解した上でスムーズに問い合わせ業務へ専念することが可能です。

自治体用の受け答えに関するデータがすでに蓄積されている場合は、チャットボットに取り込むことで大きな効果を得られるでしょう。またAIチャットボットであれば、複雑な問い合わせまで将来的に自動化できる可能性があります。

導入して効果が出やすいのは、同じ質問が繰り返し寄せられている業務です。ごみの分別、証明書の取得方法、施設の開館時間などが典型例になります。

まずは問い合わせ履歴を集計し、上位を占める質問を洗い出しましょう。数十件のシナリオを整備するだけでも、電話対応の件数は目に見えて減ります。

住民がいつでも問い合わせできる

自治体アプリの中でFAQやチャットボットなどを導入すると、住民がいつでも問い合わせできるようになります。たとえば、会社帰りに自宅で自治体情報を閲覧したい人がいると想定しましょう。その情報は紙で手元を見ながら確認できるものではないとした場合、インターネット上から情報を確認する必要がありますが、SNSやWebサイトで検索して調べるのは少々面倒です。また問い合わせを電話でしたくてもすでに役所が閉まっていたら問い合わせられません。

スマートフォンに常駐している自治体アプリを活用することで、住民は好きなタイミングですぐに必要な情報を閲覧することができます。住民への情報提供に関する利便性を向上させるためにも、自治体アプリは役立つでしょう。

時間外に対応できることは、職員側の負担軽減にも直結します。始業直後に電話が集中する状況が緩和されれば、その分を窓口対応や本来の業務に回せます。

住民の利便性と職員の働き方の両面で効果が出る点は、庁内で予算を通す際の説明材料にもなります。

住民側から見たメリットを整理する

ここまでは行政側の視点が中心でしたが、住民にとっての利点も整理しておきます。庁内で説明する際も、住民側のメリットを示せるかどうかで通りやすさが変わります。

1つ目が、必要な情報を探す手間が減ることです。Webサイトの階層をたどらずに、アプリを開けばごみの日やイベント情報にたどり着けます。

2つ目が、見落としが減ることです。回覧板や広報誌は目を通さないまま処分されることがありますが、通知なら画面に表示されます。

3つ目が、時間を気にせず使えることです。役所の開いていない時間帯でも情報の確認や問い合わせができます。4つ目が、世帯単位ではなく個人単位で届くことです。単身世帯や共働き世帯にも、直接情報を届けられるようになります。

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自治体アプリの事例5選をご紹介

ここからは自治体アプリの事例を5つほどご紹介します。多くのユーザーに使われて、高評価を受けているアプリもあるため、ぜひ参考にしてみてください。

埼玉県公式アプリ「ポケットブック まいたま」

埼玉県に関する、イベント・グルメ・スポーツといった情報を収集できるアプリです。県内の博物館や公園などでアプリを切り替えながら使えるのことに加え、お得な特典を受けることができます。

ダウンロード数はGoogle Playで10万を突破していることからも、かなりの方が利用していることがわかります。また防犯ツールとして防犯ブザーや安心ライトといった機能を使うこともできるので、利便性も高いアプリです。

注目したいのは、防犯機能まで載せている点です。情報を見るだけのアプリでは日常的に開く理由が生まれにくいところを、防犯ブザーのような実用機能で補っています。

京都府公式アプリ「京都なび」

観光客の多い京都では、観光機能の充実した「京都なび」を提供しています。飲食・体験・お土産などから好きなメニューを選んで、観光スポットやおすすめの食品などを探すことが可能です。

また、地元の方のレビューを参考にしながら観光スポットを確認して回れるので、穴場のスポットを見つけたりといった用途としても使えます。GPSでの探索機能といった基本的な観光機能もそろっており、充実度の高いアプリです。

観光型のアプリで参考になるのが、地元の人のレビューを載せている点です。行政の公式情報だけでは伝わりにくい店の雰囲気や穴場の情報を、住民の声で補っています。

目黒区防災アプリ「目黒区防災地図アプリ」

「目黒区防災地図アプリ」では、区内の避難所・AED設置場所・給水施設の場所といった防災に関係する情報をすぐに調べられます。また、コンパスを使いながら目的地に案内してもらえる便利な機能もあり、災害時に活躍することができるでしょう。

さらに雨雲レーダーといった情報を地図に重ね合わせて状況を確認できるので、災害が起きそうな際も事前対応がしやすいです。その他にも、防災知識の情報まで簡単に仕入れられるので、地図機能以外も活用できる防災アプリとして役立ちます。

防災アプリで押さえたいのが、平常時にも使える情報を入れておくことです。防災知識や雨雲レーダーは災害が起きていない日でも役立つため、起動する理由になります。

鳥取県防災アプリ「あんしんトリピーなび」

「あんしんトリピーなび」は目黒区防災地図アプリと同じく、防災に関する情報を提供するアプリです。気象注意報・道路規制情報・防犯情報といった防災・防犯に関する各情報をリアルタイムで発信しています。

また、最寄りの避難所をリストアップしてから現在地から赴いた場合のルートを表示できるので、防災時に役立つこと間違いなしです。リアルタイムで河川・道路の状況に関する画像を確認できる機能もあり、フェイクニュースで騙される事態を防ぐこともできます。さらに多言語対応まで行っているので、外国籍の方でも気軽に使うことが可能です。

河川や道路の画像をリアルタイムで確認できる仕組みは、根拠のない情報に振り回されないという点でも意味があります。公式が一次情報を出すこと自体が、住民の安心につながります。

仙台市公式アプリ「まちくる仙台ライフ」

仙台市住民の毎日に関する情報を提供しているアプリです。今日の天気・仙台でのニュース・話題・ごみの収集日・街のおすすめスポットなどを気軽に確認できるので普段使いしやすいです。

また機能限定版としてWebアプリが提供されています。試用版としてWebアプリ上である程度機能を確かめてからアプリをインストールするか決められるのも、面白い取り組みです。

Web版を用意して試してもらう進め方は、インストールのハードルを下げる工夫として参考になります。まず使ってもらい、便利だと感じた人にアプリへ移ってもらう流れです。

5つの事例に共通する3つのポイント

取り上げた5つのアプリを並べると、共通する設計が見えてきます。1つ目が、日常的に開く理由を用意している点です。天気、ごみの収集日、防犯機能など、災害やイベントがない日でも使う場面があります。

2つ目が、地域ならではの情報を載せている点です。全国どこでも同じ内容なら既存のアプリで足ります。地元の店舗情報やレビュー、地域限定の特典があるからこそ、その自治体のアプリを入れる意味が生まれます。

3つ目が、用途を絞り込んでいる点です。防災に特化する、観光に特化するといった判断がはっきりしており、機能の詰め込みすぎになっていません。自治体アプリを検討する際も、この3つを満たせているかを確認しておくと方向性を外しにくくなります。

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自治体アプリでつまずきやすい3つの課題

導入した自治体すべてが成果を出しているわけではありません。実際に多い課題を先に押さえておきましょう。

インストールされない・使われない

もっとも多いのがこれです。公開しただけでは住民に気づかれません。広報誌の片隅で告知するだけでは、登録数は伸びないのが実情です。

対策としては、住民が必ず接する場面に導線を置くことが基本になります。窓口での案内、住民票や税の通知に同封する二次元コード、公共施設への掲示、自治会や学校を通じた案内などです。

登録して終わりにならないよう、入れた直後に価値を感じてもらう仕組みも要ります。ごみの収集日通知のように、すぐ役立つ機能を最初に案内すると定着しやすくなります。

庁内の部署間調整が進まない

自治体アプリは、防災、広報、環境、観光、子育てなど複数の部署にまたがります。担当が決まらないまま企画が止まるケースは珍しくありません。

有効なのが、最初からすべてを載せようとしないことです。住民のニーズが高く、業務の変更が少ない機能から始める進め方が現実的になります。

防災情報の通知やごみ収集日のカレンダーは、既存の業務フローをほとんど変えずに載せられます。小さく始めて成果を数字で示し、そこから他部署へ広げる順番が動かしやすい進め方です。

高齢者やデジタルに不慣れな層への対応

アプリだけに情報発信を寄せると、スマホを使わない層が取り残されます。紙や回覧板を完全にやめないという前提で設計しておく必要があります。

あわせて、使い方を支援する取り組みも効果があります。公民館でのスマホ教室、窓口での登録サポート、文字サイズを大きくできる設定などが該当します。

登録の手順が複雑だと、それだけで諦められます。氏名や住所を求めず、地域と関心のあるジャンルを選ぶだけで使い始められる設計にしておきましょう。

関連記事:継続率(リテンションレート)とは?計算方法とアプリの継続率を上げる施策を解説

自治体アプリの導入を進める5ステップ

実際に導入を進めるときの流れを整理しておきます。順番を守ることで、後戻りを減らせます。

1. 目的と対象を絞る

最初に決めるのは、誰の何を解決するのかです。「窓口への電話問い合わせを減らす」「災害時の情報伝達率を上げる」「来訪者の周遊時間を延ばす」といった具体的な状態まで落とし込みます。

目的が「DXを進める」といった曖昧なままだと、機能を詰め込みすぎて使いにくいアプリになります。対象も住民向けか来訪者向けかを先に決めておきましょう。

2. 搭載する機能を決める

目的が決まったら、必要な機能を選びます。最初から全部載せる必要はありません

住民向けなら、ごみ収集日、広報誌、イベント情報、防災通知あたりが土台になります。ここに施設予約や子育て情報を段階的に足していく形が現実的です。既存のWebサイトやシステムと重複する機能は、リンクで済ませられないかも検討しましょう。

3. 調達方法と費用を検討する

アプリを用意する方法は大きく3つあります。ゼロから開発するフルスクラッチは初期費用が数百万円から、開発会社へのパッケージ開発は数十万円から数百万円、アプリプラットフォームの利用は初期費用数十万円程度、月額数万円前後からが目安です。

自治体の場合は、初期費用だけでなく毎年の保守費用と更新作業の負担まで含めて比較する必要があります。担当者が異動しても運用を続けられるかという観点も欠かせません。

調達にあたっては、仕様書に必要な機能と運用範囲を明記し、公開後のサポート体制まで確認しておきましょう。

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4. 公開前に周知の計画を立てる

公開してから告知方法を考えるのでは遅くなります。いつ、どこで、誰が案内するかを公開前に決めておくことが登録数を左右します。

広報誌での特集、窓口でのチラシ配布、公共施設への掲示など、複数の手段を同じ時期に走らせると認知が広がります。職員向けの説明会も忘れずに実施しましょう。窓口で聞かれたときに答えられる状態にしておくことが、登録の後押しになります。

5. 公開後は数値を見ながら改善する

公開後に見るべきは、ダウンロード数だけではありません。月に1回でも起動した人の割合、通知の開封率、機能ごとの利用状況をあわせて確認します。

使われていない機能が分かれば、画面から外すか案内を強化するかの判断ができます。よく使われている機能が分かれば、そこを起点に別の情報へ誘導する設計も組めます。

なお、全国の自治体の取り組み状況は、デジタル庁が公開しているダッシュボードで確認できます。他自治体の進捗と比べることで、自団体の位置づけを把握しやすくなります。

出典:デジタル庁「自治体DXの取組に関するダッシュボード」 https://www.digital.go.jp/resources/govdashboard/local-government-dx

関連記事:プッシュ通知の開封率の平均は?開封率を上げる方法と配信時の注意点を解説

自治体アプリを作るなら「店舗アプリDX版 raiten」

自治体アプリを制作する上でネックとなっていたのが予算です。企業へ外注してアプリを制作してもらうと数百万円といった予算が必要なケースもあり、小規模の自治体では対応しきれない面もありました。しかし、現在ではアプリプラットフォームによってそのデメリットが解消されています。

アプリプラットフォームでは自治体内でのアプリを作ることができ、月額2万円といった運用費で継続してアプリをアップデート・提供することが可能です。弊社が提供している「店舗アプリDX版 raiten」もその1つであり、防災情報発信や観光情報の提供など好きな機能を自分で好きなだけ搭載した便利な自治体アプリを作ることできます。制作が初めての方にも、充実したサポートを行っているので、ご興味のある方はぜひご連絡くださいませ。

ノーコードで作成できるため、専門知識がなくても職員側で運用を完結できます。イベント情報や広報誌の差し替えも管理画面から即座に反映できるので、担当者が変わっても引き継ぎやすいのが特徴です。

導入から運用までは専任の担当者が伴走し、配信の内容や頻度の相談にも対応しています。

まとめ

この記事では、自治体アプリの概要やメリット、事例などをご紹介しました。自治体にもDXの必要性が出てくる中、既存の情報をデジタル化しながらまとめて配信できる自治体アプリは改革のベースにできるツールです。アプリプラットフォームを使えば格安で自治体アプリを用意することも可能なので、ぜひ導入を検討してみてください。

また、今回のアプリ事例以外にもさまざまな成功ケースが公表されているので、気になる方はそういった情報も定期的に調査しておくことをおすすめします。

あわせて、目的別の分類、つまずきやすい3つの課題、導入を進める5ステップ、費用の考え方も取り上げました。自治体アプリは、作ることより住民に使い続けてもらうことのほうが難しい施策です。まずは日常的に使われる機能を土台に据え、そこへ防災や観光の情報を組み込む形から検討してみてください。

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