アプリ開発の開発コストは外部システム連携で省略可能 – さらに顧客体験も向上可能
業種全般
アプリ開発においては機能面でどれだけ妥協を行うのか、またどれくらい機能を搭載すればよいのかを考える必要があります。なるべく100%に近い状態で希望のアプリを開発したい場合は、アプリプラットフォームの基本機能などだけでは実現できないケースもあるでしょう。
しかしそういった場合も、API連携といった手法を使うことで外部システムから必要な機能を引っ張ってきて搭載することができます。ただしその際は連携ミスなどが起きないかチェックしないといけません。
今回はアプリ開発において重要となる、顧客体験を向上させるためのAPI活用のメリット・注意点などを解説していきます。
あわせて、APIの仕組みと種類、SDKやWebhookとの違い、セキュリティと法令の前提、連携を進める4ステップも取り上げます。
API連携は便利さと引き換えに外部への依存が生じる仕組みです。基本の理解から順に確認していきましょう。
アプリ開発における外部システム連携(API連携)とは?
アプリ開発において外部システムとの連携はよく行われます。連携においてよく利用されるのが「API」です。APIとは「アプリケーション・プログラミング・インターフェース」の略称であり、「外部システムの該当機能を自社システムに連携させて搭載するための技術」になっています。
たとえばあるWebサイトのログイン画面で、「Googleアカウントでログイン」というのを見た方は多いでしょう。これはGoogleの規定に基づいてAPI連携を行い、同社が提供しているアカウント連携サービスを使える状態になっているからです。Webサイトに指定のタグを入れ込むことなどでAPI機能を呼び出し、Googleアカウントでのログインを行うことができます。
アプリでも同じようにタグなどを埋め込み、こういった有名企業などのAPI機能を利用することが可能です。APIといった技術を使ってアプリと外部システムを連携させるのは、次のような理由があるからです。
補足すると、インターフェースとは「接点」や「橋渡し」を意味する言葉です。つまりAPIは、ソフトウェア同士がやり取りするための窓口にあたります。
身近な例に置き換えると、レストランの注文窓口に近い存在です。客は厨房の設備や調理方法を知らなくても、決められた形式で注文すれば料理が出てきます。APIも同じで、相手のシステムの中身を知らなくても、決められた形式で依頼すれば結果が返ってきます。
APIの仕組み|リクエストとレスポンス
APIのやり取りは、リクエスト(依頼)とレスポンス(応答)の2つで成り立っています。
リクエストは、自社のアプリから相手のシステムへ送る依頼です。「どこへ」「何を」「どんな条件で」という情報を、決められた形式にまとめて送ります。
レスポンスは、それに対する応答です。依頼された内容を処理した結果が、これも決められた形式で返ってきます。データ形式としてはJSONが広く使われています。
このやり取りで重要になるのが、エンドポイントという概念です。リクエストの宛先にあたるURLを指し、「商品情報を取得する」「注文を登録する」といった機能ごとに用意されています。
つまりAPI連携とは、提供元が決めたルールに沿って窓口に依頼を出し、返ってきた結果を自社のアプリで表示するという仕組みです。ここを理解しておくと、後述するエラーの原因も掴みやすくなります。
APIの主な種類
一口にAPIといっても、用途や公開範囲によって呼び方が変わります。整理しておきましょう。
|
分類 |
内容 |
|---|---|
|
Web API |
インターネット経由でやり取りするAPI。本記事で扱う連携の中心 |
|
ライブラリAPI |
プログラム内から特定の機能を呼び出すための仕組み |
|
OSのAPI |
カメラや位置情報など、端末の機能を使うための窓口 |
|
オープンAPI |
外部の事業者へ広く公開されているAPI |
|
パートナーAPI |
契約した相手にのみ提供されるAPI |
|
プライベートAPI |
自社内のシステム同士をつなぐために使うAPI |
設計の方式にも種類があり、代表的なのがRESTです。URLとHTTPメソッドの組み合わせで操作を表す方式で、現在もっとも広く採用されています。
ほかに、必要なデータだけをまとめて取得できるGraphQL、企業システムで使われてきたSOAPなどがあります。店舗アプリの連携では、RESTのWeb APIを使うケースがほとんどだと考えておけば実務上は足ります。
混同しやすい関連用語との違い
APIの周辺には似た用語がいくつかあります。役割が違うため、区別しておくと仕様の理解が早くなります。
|
用語 |
役割 |
APIとの関係 |
|---|---|---|
|
SDK |
開発を助ける道具一式 |
APIを使いやすくまとめたもの |
|
Webhook |
出来事が起きたら通知が届く |
APIが依頼型、こちらは通知型 |
|
エンドポイント |
リクエストの宛先URL |
APIの入り口にあたる |
|
APIキー |
利用者を識別する文字列 |
APIを呼ぶ際の鍵 |
|
iPaaS |
複数サービスをつなぐ基盤 |
API連携を画面操作で実現 |
とくに押さえておきたいのが、APIとWebhookの違いです。APIは「こちらから聞きに行く」仕組みで、Webhookは「相手から知らせが来る」仕組みになります。
たとえば決済の完了を知りたい場合、APIなら定期的に問い合わせる必要がありますが、Webhookなら完了した時点で通知が届きます。リアルタイム性が求められる場面ではWebhookのほうが適しているということです。
定型的な機能を開発せずに済む
アプリ開発において障害となるのは、「定型的な機能をどうやって省略して開発するか」という点です。たとえばアカウントのログイン機能やカート機能などは独自性が限られており、わざわざ自社開発して搭載するとセキュリティ面などでリスクを抱えることになります。
しかしAPI連携によって各機能を呼び出して連携することで、その該当の機能は自社開発する必要がなくなります。このように定型的な決まった機能の開発作業を省略して、独自性が必要な機能開発に時間を掛けやすくできるのがAPI連携のメリットです。また有名な企業のAPI連携機能を利用することで、セキュリティ面でもユーザーに安心できるコンテンツ環境を提供できるという側面もあります。
とくに効果が大きいのが、認証と決済の領域です。この2つは求められる安全性の水準が高く、自社で作り込むと開発費も保守の負担も大きくなります。
専門の事業者が提供する仕組みを借りるほうが、費用の面でも安全性の面でも合理的な場面が多くあります。
外部有名ツールと連携することで利用者を増やせる
先ほど説明したように、Googleといった企業は頻繁にAPIを提供しています。たとえばアカウントログイン機能においてメールアドレスとパスワードを設定する方法でしか登録ができない場合、面倒に感じて登録をしない層も出てきます。
しかしGoogleアカウントの場合はほとんどのユーザーが持っており、またすでに情報がアカウントに掲載されているのでアカウントの登録や連携・入力に手間が掛かりません。このように外部有名ツールなどと連携して機能を借りることで、コンテンツの利用者を増やせるという側面もAPI連携にはあります。
登録の手間が減るほど、入り口での離脱は減ります。入力項目が1つ増えるごとに完了率が下がるため、外部アカウントでの登録を用意しておく価値は大きいと言えます。
現状の環境だけでは搭載できない機能を追加できる
アプリ開発を行う場合、現状の開発環境だけでは搭載できない機能というものが出てくる場合があります。アプリ開発を行うのが初で基本的な機能だけ搭載すればOKという場合はそこまで不便を感じませんが、「すでにPOSレジといったシステムを導入しており連携しないと活用ができない」というケースもあります。
ということで現状の環境だけでは指定の機能を活用できない場合、API連携の出番が来ます。連携できるかどうかはPOSレジシステムといったサービスの提供先にもよりますが、幅広い分野でアプリのAPI連携が使えるので利用するだけでリッチなアプリを作ることができるでしょう。
検討する際に最初に確認したいのが、連携したい相手がAPIを公開しているかです。公開していない場合、そもそも技術的に連携できません。
あわせて、提供されているAPIで自社がやりたいことができるかも確認が必要です。データの取得はできても書き込みはできない、といった制限があるケースは珍しくありません。
関連記事:初心者でもAndroidアプリを開発できる!店舗アプリProをご紹介!
関連記事:アプリ開発の費用相場はいくら?内訳・人月の計算方法とコストを抑える方法を解説
アプリと連携できる外部システムの例
アプリと連携できる外部システムには次のようなものがあります。
ポイントカードシステム
API連携においてよく事例が出てくるのが、ポイントカードシステムです。アプリ連携によってAPIでポイントカードシステムを呼び出せると、1からポイントカード画面を制作しなくても該当のサービスからデジタルポイントカードを表示して提示することができるようになります。
たとえばTポイントは提携先の小売店舗などにポイントカードシステムのAPI連携を提供しています。利用することで手軽に既存のTポイントカードをデジタル化してユーザーが提示できるようになるのがメリットです。
なお、共通ポイントのサービス名は統合や改称が起きる領域です。Tポイントは2024年4月にVポイントと統合されており、名称や仕様が変わっています。
連携を検討する際は、最新の提供状況と仕様を提供元の公式情報で確認するようにしましょう。
CRM、MAツール
アプリとCRM、MAツールを連携させると、マーケティングの利便性が向上します。たとえばCRMと連携させると、CRMの顧客管理画面にアプリの利用履歴が掲載されます。購入頻度や来店頻度といった各アプリ関連のデータを既存のデータと連携させることで、高い分析効果を実現できるのがポイントです。
またMAと連携させるとCRMで分析したデータを基にセグメントを行ったり、アプリと連携したメールの配信設定を行ったりできます。アプリだけだとマーケティングの効率化に限界が来る可能性がある恐れを、CRMおよびMAでサポートすることで解消できます。
連携する際に決めておきたいのが、どちらを正とするかです。同じ顧客の情報が両方に存在する場合、更新のたびにどちらの内容を優先するかを決めておかないと、データの不整合が起きます。
関連記事:顧客管理アプリ(CRM)おすすめ11選|機能・料金・選び方を徹底比較
SNS
SNSとのAPIで主に使われるのは、投稿のアプリ内表示とアカウント連携です。投稿のアプリ内表示では、指定のタグを埋め込むことによってアプリ内でSNS投稿を埋め込んで表示できます。またアカウント連携ではLINEやXといった対象のアカウントでアプリのアカウント登録をすることができるように調整が可能になっています。
これによってSNSを同時運営している場合も管理が楽になり、相乗効果が得られるメリットがあります。またアカウント登録のスムーズ化によって利便性向上も狙えるでしょう。
SNSのAPIは、仕様変更や有料化が起きやすい領域でもあります。無料枠の縮小や機能の制限が突然行われることがあるため、中核の機能をSNSのAPIに依存させない設計にしておくのが安全です。
ECサイト
ECサイト分野ではカートや決済などの場面でAPI連携が活用されます。カート機能では指定のサービスと連携することで、自社ECサイト内にカートに商品を入れてキープする機能を追加可能です。サービスによっては単にかごに入れるだけでなく、指定期間が過ぎるとメールを送ってかご落ちを防いでくれる機能が搭載されている場合があります。
また決済システムと連携すると、PayPayやLINE Payなどの有名決済サービスを一括して自社ECサイト内で使えるようにできるので便利です。このようにECサイトにおいてはさまざまな場面でAPI連携がされており、顧客の購買行動における利便性向上を達成するために使われています。
実店舗とECの両方を持つ場合に重要なのが、在庫と会員情報の同期です。ここが連携できていないと、片方で売り切れているのにもう片方で注文が入るといった問題が起きます。
ただし、同期の頻度を上げるほど開発費も上がります。秒単位の同期が必要なのか、1日1回で足りるのかを先に決めておくとコストを抑えられます。
関連記事:ECアプリとは?メリット・デメリットやECサイト連携のポイント・費用相場を解説
予約機能
予約機能のAPI連携は、美容室や飲食店といった店舗で使われています。予約機能をAPI連携すると、たとえば美容室で指定の担当者に3日後の16時に切ってもらいたいといった設定をアプリ内だけで行えるようになります。これによってスタッフが電話等で注文を聞く際に起こる、聞き間違いや予約登録のミス防止が可能です。
また飲食店の場合は単に来店日時を登録するだけでなく、事前決済機能まで連携させることでモバイルオーダーが実現します。モバイルオーダーが実現すると後は店舗で受取するだけで注文が完了するため、スタッフの負担削減や回転率向上などが達成できるのがメリットです。
予約の連携で確認しておきたいのが、外部の予約サイトとの在庫の整合です。複数の経路から予約を受ける場合、枠の管理が一元化されていないと二重予約が発生します。
関連記事:飲食店・美容室・クリニック必見!アプリ予約システムのメリットと導入のコツ
プッシュ通知
現在はプッシュ通知のみをAPI連携で機能提供している事例もあります。メールマーケティングの効果が限定的になっている方には、開封率等が高いプッシュ通知の利用がおすすめです。
プッシュ通知をAPI連携して搭載することで、開発の手間を省いて提供先の通知に伴う関連機能を利用することができます。また場合によってはアプリと連携せずに、Webブラウザーがあればプッシュ通知を送信できるAPIもあるのでおすすめです。
なお、プッシュ通知はiOSとAndroidそれぞれのOSが提供する仕組みを経由して届きます。配信サービスを使う場合も、最終的にはOS側の仕様に従う点は押さえておきましょう。
関連記事:アプリプラットフォームとアプリ開発のメリット・デメリット
アプリと外部システムを連携するメリット
アプリと外部システムを連携すると、次のようなメリットを得られます。
顧客体験を向上できる
先ほども説明しましたが、アプリと外部システムをAPI等で連携することで機能が拡張されます。拡張されて多機能なアプリになるとさまざまな操作がアプリ1つで行えるようになり、顧客体験の向上が達成しやすくなります。
ただし必要ない機能までAPI連携すると使いにくいアプリになって顧客体験が悪くなってしまうのがネックです。連携し過ぎるとアプリの挙動が遅くなるリスクもあるのでしっかり優先度合いの高いものからAPI連携しましょう。
挙動が遅くなる理由は、外部への問い合わせが増えるほど応答を待つ時間が積み重なるためです。1つの画面で複数のAPIを呼んでいると、そのすべてが返ってくるまで表示が完了しません。
対策としては、取得したデータを一定時間保持して再利用する設計が有効です。毎回問い合わせるのではなく、必要なタイミングだけ最新を取りに行く形にします。
顧客情報管理の手間がかからなくなる
POSレジのような顧客情報を集計・管理できるシステムと連携することで、顧客情報が管理しやすくなります。こういった管理システムは大体がCRM機能を搭載しており、効率よくアプリで収集したデータを総合分析できる環境を構築可能です。
またCRMによっては、ホットな顧客とそうでない顧客をスコアで数値表示する、といった機能が搭載されているケースがあります。こういった機能を利用することで数値による確実なマーケティングがアプリにおいても実現するでしょう。
連携でもっとも効果が出るのが、手入力をなくすことです。会計時に自動で購入内容が記録される流れができれば、スタッフの負担を増やさずにデータが蓄積されます。
DX・OMOマーケティングを促進できる
DXやOMOマーケティングを今から開始する場合、手間がかなり掛かります。次のようなDX・OMOマーケティングにおいて達成したい項目を、ノウハウがない企業が1からアプリ制作して実現するのは無理があるでしょう。
- 情報をペーパーレスに管理したい
- 最新の機能を導入して競合と差別化したい
- オンラインストアと実店舗の在庫を共有させたい
しかし外部システムと連携させてこういった項目を解決できる機能を導入することで、スピーディーにDX・OMOマーケティングをアプリをベースに実現できます。
進める順番としては、すでに使っているシステムとの連携から着手するのが現実的です。新しい仕組みを増やすより、手元のデータをつなぐほうが早く成果が出ます。
新しい機能をアプリに実装しやすくなる
外部システムを連携しやすい作りのアプリは、さまざまな外部システムと連携しやすいので、便利な機能を新しく実装することができます。API連携等によって拡張性を確保することで、急に必要となった機能もスムーズに導入可能です。
ちなみにアプリプラットフォームの場合、API連携をしなくてもサービス側のアップデートによって新技術等が使えるようになることがあります。こういったAPIを介さない機能もうまく利用することで、動作面でも安定したアプリを作ることができるでしょう。
選定の段階で確認しておきたいのが、そのプラットフォームがAPI連携に対応しているかです。標準機能だけで足りるうちは問題なくても、規模が大きくなると外部との接続が必要になります。
関連記事:どんな小売店でも自社アプリ開発の意味はあるの?アプリ活用が向いていない、向いているを判断する材料とは
関連記事:店舗アプリの導入効果とは?メリット・デメリットと成功事例を解説
API連携で押さえるセキュリティと法令の基本
API連携は、外部との出入口をつくる作業でもあります。扱いを誤ると情報漏えいにつながるため、基本を押さえておきましょう。
APIキーの管理
APIキーは、利用者を識別するための鍵にあたります。第三者に知られると、自社になりすまして利用される恐れがあります。
押さえておきたいのが、アプリの中に直接書き込まないという原則です。アプリは端末に配布されるため、解析されればキーも読み取られます。
実務では、自社のサーバーを経由して呼び出す設計が基本になります。アプリからは自社サーバーへ依頼し、サーバー側が外部のAPIを呼ぶという流れです。
あわせて、定期的にキーを入れ替える運用も決めておきましょう。担当者の退職や委託先の変更があった際は、その都度更新するのが安全です。
認証・認可の仕組み
外部アカウントでのログインを実装する場合、OAuthという仕組みがよく使われます。パスワードを預からずに、必要な範囲の権限だけを借りる方式です。
ここで重要になるのが、要求する権限の範囲です。必要以上に広い権限を求めると、利用者に不信感を与え、連携そのものを避けられます。
取得するのは本当に必要な情報だけにとどめ、何のために使うのかを画面上で説明しておきましょう。
個人データを扱う際の前提
API連携で個人情報をやり取りする場合、法令面の確認が欠かせません。押さえておきたいのは2点です。
1つ目が、利用目的の特定と公表です。個人情報保護法では、利用目的をできる限り特定し、あらかじめ公表するか本人に通知することが求められています。
個人情報保護委員会のガイドラインでは、購買履歴などを分析して個別に案内を送る場合、その旨を具体的に記載する必要があるとされています。抽象的な記載では足りません。
出典:個人情報保護委員会「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編)」
あわせて、外部の事業者へ個人データを渡す場合は第三者提供にあたる可能性があります。委託にあたるのか提供にあたるのかで必要な手続きが変わるため、設計の段階で確認しておきましょう。
2つ目が、外部送信規律への対応です。2023年6月に施行された改正電気通信事業法により、アプリが利用者の端末に記録された情報を外部へ送信する際、その内容と送信先について確認の機会を与える義務が定められました。
分析ツールや広告用のSDKを組み込んでいる場合は対象になり得ます。連携を追加するたびに、プライバシーポリシーの記載と実際の運用が合っているかを確認しましょう。
アプリと外部システムの連携を行う際の注意点
アプリと外部システムの連携を行う際は、次の点に注意する必要性があります。これから説明する課題・注意点を回避するには、API技術について詳しくシステム面でのアフターサポートも充実しているようなアプリ開発会社に制作を依頼するとよいでしょう。
サービスが利用できるかどうかがAPIの提供元に依存しており、APIの提供が打ち切られるとシステムが使えなくなる可能性がある」ということを解説する。
連携エラーが起きるリスクがある
APIは特殊なタグなどを使って外部システムと自社アプリを連携させます。この手順や設定情報が間違っていると、正しく連携がされず画面が表示されなかったりといったエラーが起きる可能性があります。
たとえばAPIキーという情報がタグに含まれることがありますが、このAPIキーの文字列情報が間違っているだけでも正常にアプリが使えなくなってしまうのがポイントです。自社でAPI連携を手作業で行う場合は、ある程度ITやAPI関連の詳しいスタッフに依頼をするのが安心です。
エラーの原因を切り分ける手がかりになるのが、レスポンスに含まれるステータスコードです。認証の失敗、宛先の誤り、回数制限の超過など、どの段階で止まっているかが分かります。
見落とされやすいのが、利用回数の上限(レートリミット)です。短時間に大量の呼び出しを行うと制限がかかり、一時的に使えなくなることがあります。
API連携元のサービスがシステムエラーを起こすと使えない
APIで呼び出す外部システムは、提供先の企業が管理しています。よってエラーが起きて使えなくなったといった状況が起きても、提供元が対応しないと使えるようになりません。このように自社で完全なシステム管理ができない点が、API連携のデメリットとして挙げられます。
たとえば決済システムがエラーを起こした場合は、紐づいているすべての決済方法がECページ内で使えなくなってしまう恐れがあります。このようにAPI連携で各機能を搭載するとどのような問題が発生するのかを事前に理解しておいてください。
備えとして有効なのが、障害時の代替手段を用意しておくことです。決済が止まった場合に別の手段へ切り替えられるか、予約が止まった場合に電話で受けられるかを決めておきましょう。
あわせて、提供元の稼働状況を確認できるページを控えておくと、原因の切り分けが早くなります。
サポートが急に終了する危険性がある
API連携を行っているシステムが、この先も提供継続されているとは限りません。残念ながら大手の外部システムでも、急にAPIの連携サポートが終了する危険性があります。
たとえば旧TwitterであるXでは、対象のAPI連携が打ち切られてサービス内で使えなくなってしまう事件が起こりました。またXのアカウント連携についてもAPI関連でエラーが発生して使えなくなった事例があります。このように大手システムでも経営状況等によっては急に対応が変わってしまうリスクを頭へ入れておきましょう。
終了以外にも、仕様変更やバージョンの切り替えが起きます。旧バージョンの提供が止まると、対応しない限り動作しなくなります。
そのため、提供元からのお知らせを受け取る窓口を決めておくことが必要です。開発者向けのメール通知に登録し、担当者が変わっても届く体制にしておきましょう。
依存リスクを下げる3つの備え
外部への依存は避けられませんが、影響を小さくする備えは用意できます。
1つ目が、中核の機能を外部に依存させないことです。会員情報や購買履歴といった事業の根幹にあたるデータは、自社側で保持しておきます。
2つ目が、乗り換えやすい設計にすることです。外部との接続部分を1か所にまとめておけば、提供元が変わってもその部分だけの改修で済みます。
3つ目が、データを取り出せるか確認しておくことです。連携先に蓄積されたデータをCSVなどで出力できるかを、契約前に確かめておきましょう。
API連携の進め方4ステップ
実際に連携を進める際の流れを整理しておきます。順番を守ると、後戻りを減らせます。
1. 目的と対象の整理
まず決めるのが、何を解決したいかです。「POSと連携したい」ではなく、「会計時に自動でポイントを付与したい」というところまで具体化します。
目的が定まったら、それを実現できる連携先を洗い出します。複数の候補がある場合は、実績と提供の安定性を優先して比較しましょう。
2. 仕様の確認
候補が絞れたら、提供元の技術資料を確認します。見るべきは、取得できるデータの範囲、更新の頻度、利用回数の上限、料金体系の4点です。
とくに料金体系は注意が必要です。無料枠を超えると従量課金になる場合があり、利用が増えるほど費用が膨らむ設計になっていることがあります。
3. テスト環境での検証
多くのサービスが、本番とは別のテスト環境を用意しています。実際のデータを使う前に、ここで動作を確認します。
確認したいのは、正常に動く場合だけではありません。エラーが返ってきたとき、通信が切れたときにどう見えるかまで試しておきましょう。
4. 本番稼働と監視
稼働後は、連携が正常に動いているかを継続的に確認する必要があります。エラーが発生した際に気づける仕組みを用意しておきましょう。
あわせて、誰が対応するかを決めておくことも重要です。障害の連絡先、提供元への問い合わせ手順を文書に残しておけば、担当者が不在でも対応できます。
関連記事:アプリ開発の手順と企画の考え方|仕様変更の注意点や成功のコツ
外部システムとの連携を取り入れたアプリ開発なら「店舗アプリDX raiten」
外部システムとの連携まで検討する場合は、「店舗アプリDX 版 raiten」がおすすめです。次のような各システムを当サービスで自作したアプリと連携できるので、さまざまな機能を搭載したアプリが手軽に作れます。
- ポイントカード
- 予約
- ECサービス
気になる方はぜひ弊社へご連絡ください。アフターサポートも充実させております。
ノーコードで構築できるため、標準機能で足りる部分は開発せずに済みます。API連携が必要になるのは、既存システムとつなぐ場面に限られます。
導入から運用までは専任の担当者が伴走し、連携の可否や進め方についても相談できます。
関連記事:店舗アプリ作成サービスおすすめ比較8選!選び方や費用を解説
まとめ
今回はアプリ開発における外部システム連携について解説してきました。アプリ開発では工程省略や機能追加などのために、APIといった技術で外部システムを連携させる事例が多いです。ただしシステムエラーや提供終了といったリスクがあるので、利用の際は注意しましょう。
またアプリプラットフォームを利用する際は、運営元がどこまでAPI連携のサポートをしてくれるのかまで確認しておきましょう。
あわせて、APIの仕組みと種類、関連用語との違い、セキュリティと法令の前提、連携を進める4ステップも取り上げました。
APIは便利さと引き換えに外部への依存が生じる仕組みです。中核のデータは自社で持つ、接続部分は1か所にまとめる、データを取り出せるか確認する、という3つの備えを設計時に組み込んでおきましょう。
そのうえで、まずは「何を解決したいか」を具体化するところから検討を始めてみてください。
この記事を監修した人
店舗アプリ公式。累計1,000社以上の導入実績を誇る店舗アプリ構築プラットフォーム。 単なる集客に留まらず、リピーター創出による売上最大化を得意としている。
>>運営メディアトップへ