顧客管理アプリ(CRM)おすすめ11選|機能・料金・選び方を徹底比較

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公開日:2022.04.05 更新日:2026.08.17
アプリでできるCRMとは?(個人情報を取らない以上のデータとは) 

顧客情報をExcelや紙で管理していると、更新漏れや属人化、分析の手間といった問題が起こりがちです。こうした課題を解消し、顧客一人ひとりに最適なアプローチを実現できるのが、顧客管理アプリ(CRM)です。

本記事では、顧客管理アプリの基本や主な機能、導入メリットに加えて、営業向け・ECサイト向け・飲食店/店舗向けのおすすめ11選、料金相場、選び方のポイント、導入時の注意点までを徹底比較します。自社に合ったCRMアプリ選びの参考にしてください。

あわせて、CRM・SFA・MAの違い、11サービスの比較表、無料で始められる選択肢、導入しても定着しない4つの原因も取り上げます。ツールを選ぶ前に何を解決したいかを絞り込むことが、失敗を避ける近道になります。

目次

顧客管理アプリ(CRM)とは

顧客情報を一元管理し売上向上につなげる

顧客管理アプリ(CRM)とは、顧客の氏名や連絡先、購買履歴、来店履歴、対応履歴といった情報をデータベースとして一元的に管理し、営業やマーケティングに役立てるためのツールです。CRMはもともと「Customer Relationship Management(顧客関係管理)」の略で、顧客との関係を効率よく管理してアプローチするという考え方を表す言葉ですが、近年ではツールそのものや機能を指して使われることも増えています。

顧客管理アプリを使えば、顧客一人ひとりの状況に合わせたパーソナライズした施策を打てるようになります。具体的には、顧客情報のセグメント分け、セグメントに応じたメール・プッシュ通知の配信、適切なタッチポイントやタイミングの把握といった動きを、CRMのデータを起点に行えます。Excelでの管理に比べて情報の検索性や分析効率が格段に高まり、属人化の防止やチーム全体のスキル平準化にもつながるのが大きな利点です。

押さえておきたいのが、CRMは本来ツールの名前ではないという点です。顧客との関係を管理して長期的な利益につなげるという考え方を指す言葉であり、ツールはそれを実現する手段にあたります。

そのため、ツールを入れただけでは成果は出ません。誰にどんなアプローチをするかという設計が先にあり、その実行を支えるのがツールという順番になります。

CRM・SFA・MAの違い

顧客データを扱うツールには、CRMのほかにSFAとMAがあります。名称が似ているため混同されやすいので、整理しておきましょう。

CRM(顧客関係管理)は、顧客情報と接点の履歴を軸にしたツールです。購入後も含めた関係の維持と、継続利用やアップセルにつなげることを目的とします。顧客が中心にあるのが特徴です。

SFA(営業支援)は、商談の進捗、確度、金額、活動履歴を管理するツールです。営業プロセスを標準化し、成果を安定させることを目的とします。案件が中心にあります。

MA(マーケティングオートメーション)は、フォーム、メール配信、スコアリングなどで見込み客の獲得と育成を自動化するツールです。商談化する前の段階を担います。

実務では境界が曖昧になっており、1つの製品が複数の役割を兼ねることも珍しくありません。自社が解決したいのが「既存顧客の維持」なのか「営業の効率化」なのか「見込み客の育成」なのかを先に決めておくと、選定がぶれません。

Excel管理との違いと乗り換えの目安

Excelやスプレッドシートでの管理にも利点はあります。すでに手元にあり、費用がかからず、自由に項目を設計できる点です。顧客数が数百件程度までなら、実務上は十分機能します。

乗り換えを検討する目安は、次のような状態になったときです。1つ目が、複数人で同時に更新するようになったときです。ファイルの版が分かれ、どれが最新か分からなくなります。

2つ目が、履歴を追いたくなったときです。誰がいつ何をしたかを時系列で残すのは、表計算では手間がかかります。3つ目が、配信やアプローチと連動させたいときです。抽出した顧客にそのまま通知を送りたい場合、ツールでないと手作業が発生します。

4つ目が、他システムと連携したいときです。POSや予約システムとつなぐには、API連携に対応したツールが必要になります。

関連記事:店舗アプリの導入効果とは?メリット・デメリットと成功事例を解説

関連記事:飲食・小売業のCRM活用術|店舗の顧客管理アプリで売上を伸ばす方法を解説

顧客管理アプリに搭載されている主な機能

基本情報管理とセグメント配信が中心

顧客管理アプリには、顧客の氏名(会社名)や年齢、性別、利用金額といった基本情報を管理する機能が備わっています。これに加えて、各顧客情報の一元管理、セグメントに応じたメールやプッシュ通知の設定・配信、対応履歴や商談詳細の紐づけ、フォームなど顧客へ配る資料の作成サポートといった機能もそろっています。製品によってはマーケティングオートメーションや営業プロセスの自動化まで含むため、自社の業務にどこまで適用したいか、何を達成したいかに応じて選ぶことが重要です。

ただし近年は、個人情報の取り扱いがますます複雑になっています。法律に触れないよう適切なスキルを身につけながら活用する姿勢が求められるため、導入前にプライバシー対応についても確認しておきましょう。

機能の一覧を見る際に気をつけたいのが、多機能であることが必ずしも良いわけではないという点です。使わない機能が多いほど画面は複雑になり、現場での定着率が下がります。

とくに店舗のように日々の業務が忙しい環境では、操作のステップ数が少ないほうが使われます。比較する際は「あるか・ないか」ではなく、自社が毎日使う機能が使いやすいかを基準にしましょう。

業種別に優先したい機能

必要な機能は業種によって変わります。優先順位の目安を整理しておきます。

BtoB営業では、商談の進捗管理、活動履歴、売上予測が中心になります。担当者ごとの案件を可視化し、次のアクションを明確にすることが目的です。

EC事業では、購買履歴の分析とセグメント配信が軸になります。購入商品や頻度に応じて出し分けができるか、メールやLINEなど複数チャネルに対応しているかを確認します。

実店舗(飲食・小売・サロン)では、来店履歴の記録とポイント・クーポンの管理が中心です。レジやPOSと連動して、来店のたびに自動で記録される仕組みが重要になります。

サロンやクリニックでは、施術や対応の詳細を残せるカルテ機能が加わります。担当者が変わっても同じ品質を再現できるかが、リピートを左右します。自社がどのタイプに当てはまるかを先に決めてから、機能を比較しましょう。

関連記事:飲食店の顧客管理はアプリが最適|おすすめシステム9選とデータ活用法を解説

顧客管理アプリを導入する3つのメリット

アプローチの手間とコストを削減できる

Excelで顧客データベースを組んでいると、離脱済み・リピーター・新規といったステータスが分かりにくい、誤った情報が放置される、情報が更新されず古いままになる、といった問題が起こりがちです。取引先が増えるほど管理の手間も膨らみ、人力での対応はいずれ限界を迎えます。

顧客管理アプリを入れれば一部の情報取得が自動化され、分析や検索の効率も大きく上がります。少人数でも効率よくCRMを実践できるのがポイントです。また属人化を防げるのも見逃せないメリットで、一部の担当者だけが最新データを持ち共有されていない状態では、顧客対応にばらつきが生じてしまいます。ツールでの共有を前提にすればスキルの平準化が進み、対応品質が安定します。結果としてコスト削減と業務効率化が実現し、少人数のチームでも質の高い顧客対応が可能になります。

効果を実感しやすいのが、情報を探す時間の削減です。顧客情報がファイルや紙に分散していると、1件確認するだけでも数分かかります。1日30分の削減でも、月に10時間以上が生まれます。

データに基づいた課題発見と施策立案ができる

今は、消費者が自ら情報を集めて商品やサービスの利用を決める時代です。良いものを作るだけでは競合に勝てず、体験まで含めてどんな満足を提供できるかを、企業として真剣に考える必要があります。そこで重要になるのが顧客データです。

なぜ自社の商品を買ったのか、どんな課題を抱えていたのか、今後どういった商品・サービスを求めているのか――こうした情報をCRMデータから読み解いて分析すれば、将来のマーケティング施策の布石にできるのが顧客管理アプリの強みです。データがなければ顧客の課題や意欲に気づきにくく、施策が的外れになるリスクが高まります。

分析を始める際は、見る指標を絞ることが大切です。多くの数字を一度に見ようとすると、結局どれも活用されません。

まずは来店(購入)頻度と最終接触日の2つから始めてみてください。この2軸だけで顧客を3グループに分けられ、それぞれに送る内容を決められます。

LTVを伸ばす継続的なフォローができる

サブスクリプションの普及にともない、顧客が自社と関係を持った期間の総価値を表す「LTV(Life Time Value)」の概念が、ますます重要になっています。短期間で離脱されるたびに新規顧客を獲得するより、既存顧客一人ひとりのLTVを伸ばして売上を確保するほうが、効率がよくコスト削減にもつながります。

ただしLTVを高めるには、CRMデータを活用して顧客満足度を引き上げるアプローチが欠かせません。顧客管理アプリで購買傾向や来店頻度を把握し、適切なタイミングでフォローアップを行うことで、優良顧客へと育てる仕組みづくりが求められます。サブスクに限らず、実店舗やECサイトでもLTVを意識した顧客管理を行うことが、安定した経営基盤の構築につながります。

LTVを測るなら、まず平均購入単価 × 購入頻度 × 継続期間という式を押さえておきましょう。どの要素を伸ばすかで施策が変わります。

単価を上げるならセット提案やアップセル、頻度を上げるならリマインドやスタンプ、継続期間を伸ばすなら離脱防止の施策が効きます。現状のLTVを算出し、3つの要素のどれに伸びしろがあるかを見極めてから施策を選ぶと、無駄な投資を避けられます。

関連記事:継続率(リテンションレート)とは?計算方法とアプリの継続率を上げる施策を解説

11のサービスを比較表で整理

ここから紹介する11のサービスを、先に一覧で整理しておきます。自社のタイプに近いカテゴリから詳細を読み進めてください。

タイプ

サービス名

主な特徴

営業向け

Sales Cloud

AIで案件の優先順位を可視化。カスタマイズ性が高い

営業向け

Zoho CRM

無料プランあり。コストパフォーマンスと外部連携に強み

営業向け

Sales Force Assistant

日本企業向け設計。AIが次のアクションを提案

営業向け

Mazrica Sales

入力負担が軽く、案件の進捗とボトルネックを可視化

営業向け

Translead CRM

営業プロセスの標準化とナレッジ共有を重視

EC向け

カスタマーリングス

顧客データの統合と高度な分析、複数チャネル配信

EC向け

GMOおみせアプリ

店舗とECの顧客情報を一元管理。セミオーダー型

EC向け

Yappli CRM

ノーコード運用。行動データを使ったパーソナライズ配信

EC向け

Commerce Cloud

EC構築と顧客管理が一体。大規模・グローバル対応

飲食・店舗向け

TableCheck

予約管理と顧客管理を一体化。事前決済にも対応

飲食・店舗向け

リザーブキーパー

シンプルな操作性。小規模店舗でも導入しやすい

 

タイプ別に見た向き不向き

表を踏まえて、選ぶ際の考え方を整理しておきます。営業向けは、BtoBで商談を伴う業種に適しています。案件ごとの進捗を追う設計になっているため、来店型のビジネスには機能が過剰になりがちです。

EC向けは、購買データが自動で貯まる事業に向いています。注文情報がそのまま顧客データになるため、分析を始めやすいのが特徴です。

飲食店・店舗向けは、予約や来店が起点になる事業に適しています。予約管理と顧客管理が一体になっているものが多く、現場のオペレーションに組み込みやすい設計です。

なお、実店舗で予約を伴わない業態(小売、物販など)の場合は、この3分類のどれにも当てはまりにくいことがあります。その場合は、会員証とポイントを軸にした店舗アプリ型のサービスが選択肢になります。

【営業向け】顧客管理アプリおすすめ5選

Sales Cloud

Sales Cloudは、顧客情報や商談状況、売上予測を一元管理できるCRMアプリです。AI機能によって案件の優先順位や成約確度を可視化でき、営業活動の精度向上に役立ちます。カスタマイズ性が高く、大規模企業から中小企業まで幅広い規模で導入実績があります。モバイルアプリにも対応しているため、外出先からでも商談情報の確認・更新ができ、営業担当者の生産性アップに直結します。

Zoho CRM

Zoho CRMは、コストパフォーマンスに優れたクラウド型の顧客管理アプリです。顧客管理や営業プロセスの自動化、メール連携といった基本機能が充実し、直感的に操作できるのも魅力です。無料プランも用意されているため、まず小規模に試したい中小企業やスタートアップでも導入しやすく、事業の成長に合わせて機能を広げられる柔軟さも備えています。多言語対応や豊富な外部連携もあり、グローバルに展開する企業にも向いています。

Sales Force Assistant

Sales Force Assistantは、日本企業向けに設計された営業支援型の顧客管理アプリです。案件管理や行動管理を効率化する機能に加え、営業担当者の活動履歴をもとにAIがアドバイスし、次のアクションを提案してくれるのが特徴です。現場主導で使いやすい設計が強みになっています。

Mazrica Sales

Mazrica Salesは、営業活動の見える化とデータ活用に強みを持つ顧客管理アプリです。シンプルなUIで入力の負担を抑えつつ、案件の進捗やボトルネックを可視化できます。レポート機能も充実しており、営業戦略の改善やチーム全体のパフォーマンス向上に役立ちます。

Translead CRM

Translead CRMは、営業プロセスの標準化とナレッジ共有を重視した顧客管理アプリです。案件ごとの進捗や成功パターンを蓄積して分析することで、再現性の高い営業活動を実現します。チーム全体で営業力を底上げしたい企業に適しています。

営業向けのCRMを選ぶ際に確認したいのが、入力の負担です。外回りの多い営業担当が使う場合、スマホからの入力が簡単でないと記録が溜まりません。

記録されないCRMは、分析も予測もできない箱になります。移動中に数タップで入力を終えられるかを、実際に触って確認しておきましょう。もう1つが、既存の名刺管理やメールとの連携です。手入力を減らせるほど、定着率は上がります。

【ECサイト向け】顧客管理アプリおすすめ4選

カスタマーリングス

カスタマーリングスは、EC事業者向けに特化した顧客管理アプリです。顧客データの統合管理と高度な分析機能が強みで、購買履歴や行動データをもとにしたセグメント配信が可能です。メールやLINEなど複数チャネルでのマーケティングを効率化し、LTVの最大化に貢献します。顧客の購買パターンを分析してリピート購入を促す施策を自動化できるため、EC運営における顧客管理の省力化にもつながります。

GMOおみせアプリ

GMOおみせアプリは、店舗とECの顧客情報を一元管理できるCRMアプリです。プッシュ通知やクーポン配信、ポイント機能などでリピーター育成を支えます。アプリを通じた継続的な接点づくりが可能で、来店促進や購買頻度の向上に役立ちます。IT大手のGMOグループが提供しているためブランドの信頼性が高く、セミオーダー型の開発スタイルで手軽さとカスタマイズ性のバランスが取れている点も魅力です。

Yappli CRM

Yappli CRMは、アプリマーケティングと連携した顧客管理機能が特徴のサービスです。ユーザーの行動データをもとに、パーソナライズした通知やコンテンツ配信ができ、顧客体験の向上に貢献します。ノーコードで運用できるため、マーケティング担当者でも扱いやすいのが魅力です。

Commerce Cloud

Commerce Cloudは、ECサイト構築と顧客管理機能を一体化したプラットフォームです。顧客データを活用したパーソナライズ施策やオムニチャネル対応が可能で、オンラインとオフラインを横断した顧客体験を実現します。大規模ECやグローバル展開にも対応できる拡張性の高さが特徴です。

EC向けを選ぶ際に確認したいのが、カートシステムとの連携です。注文データが自動で流れ込む仕組みでないと、顧客管理と購買データが分断されます。

もう1つが、配信チャネルの範囲です。メールだけでなく、LINEやアプリのプッシュ通知に対応しているかで、届く総数が変わります。実店舗も持っている場合は、店舗とECの会員情報を共通化できるかが重要になります。

関連記事:プッシュ通知のパーソナライズ成功法則!売上を上げる5つの鉄則

【飲食店・店舗向け】顧客管理アプリおすすめ2選

TableCheck

TableCheckは、予約管理と顧客管理を一体化した飲食店向けのCRMアプリです。来店履歴や顧客情報を蓄積し、リピーター分析やパーソナライズした接客に活用できます。オンライン予約やキャンセル管理、事前決済機能も備え、業務効率化と売上向上を両立します。予約時に顧客のアレルギー情報や好みの席を記録できるため、きめ細やかなおもてなしにもつなげられます。

リザーブキーパー

リザーブキーパーは、予約管理と顧客管理を効率化できる店舗向けのCRMアプリです。顧客情報や来店履歴をもとにした販促を実行でき、リピーター獲得を後押しします。シンプルな操作性で現場のスタッフでも使いやすく、小規模な店舗からでも導入しやすいのが特徴です。予約台帳との連動により二重予約の防止にも対応し、日常業務の負担を軽くします。

店舗向けを選ぶ際に確認したいのが、予約が入らない来店も記録できるかです。予約管理を軸にしたサービスでは、飛び込み来店の記録が残らない場合があります。

飲食店でも小売でも、会員証やアプリの提示で来店を記録する仕組みがあると、予約の有無にかかわらずデータが貯まります。

もう1つが、レジとの連携です。会計時に自動でポイントが付与され、購入内容が記録される流れができていると、現場の負担なくデータが蓄積されます。

関連記事:美容室の顧客管理はアプリが最適|デジタル化のメリットとリピート集客のコツを解説

無料で始められる選択肢はあるか

導入のハードルとして最初に挙がるのが費用です。無料で使える選択肢について整理しておきます。

無料プランでできること・できないこと

CRMのなかには、無料プランを用意しているサービスがあります。小規模での利用や、まず試してみたい場合の入口になります。

無料プランでできることの目安は、顧客情報の登録と管理、基本的な検索と絞り込み、少人数での共有といった範囲です。顧客管理の基本を回すだけなら足りるケースもあります。

一方で、制限がかかりやすいのが次の4点です。1つ目が登録できる件数、2つ目が利用できるユーザー数、3つ目が外部システムとの連携、4つ目がサポートの範囲です。

とくに注意したいのが、データのエクスポート可否です。無料プランで貯めたデータを、後から有料プランや他サービスへ移せるかを確認しておきましょう。ここが制限されていると、乗り換えの際に一から入力し直すことになります。

無料トライアルの活用方法

多くのサービスが、期間限定の無料トライアルを用意しています。有効に使うには、試す前に確認項目を決めておくことが大切です。見るべきは3点です。

1つ目が、実際に使うスタッフが操作できるかです。管理者だけでなく、日々入力する人に触ってもらいましょう。

2つ目が、自社のデータを入れてみたときの挙動です。サンプルデータではなく、実際の顧客データを数十件入れて、必要な抽出ができるか試します。

3つ目が、既存システムとの連携です。POSや予約システムとつなげたい場合は、トライアル期間中に連携を試せるか確認しておきましょう。なんとなく触って終わるのではなく、業務の一場面を再現して試すことで、導入後のギャップを減らせます。

顧客管理アプリの料金相場と費用を抑えるコツ

クラウド型と独自開発の料金目安

顧客管理アプリの料金は、クラウド型サービスを使う場合と独自開発する場合とで大きく変わります。クラウド型なら、初期費用が無料または数万円程度、月額が数千円から数万円程度で使えるサービスも多くあります。一方、独自開発のCRMアプリは開発費として数百万円以上かかるのが一般的で、開発後も保守費やシステム運用費が継続的に発生します。2つの料金目安を整理すると、次のとおりです。

タイプ

初期費用

月額・運用費

クラウド型

無料〜数万円程度

月額数千円〜数万円程度

独自開発

数百万円以上が目安

保守・運用費が継続発生

 

料金が変わる主な要因は、導入する機能の範囲、利用ユーザー数、サポート体制の充実度です。顧客管理やデータ分析といった基本機能だけなら比較的低コストで使えますが、マーケティングオートメーションや外部システム連携を加えると費用が上がる傾向にあります。

料金を比較する際に見落とされがちなのが、ユーザー数による課金です。1ユーザーあたり月額いくらという形式が多いため、使う人数が増えると費用も比例して上がります。

店舗のように多くのスタッフが使う場合は、ユーザー数無制限のプランがあるかを確認しておきましょう。

基本機能から始めて段階的に拡張する

導入コストを抑えるには、必要な機能を明確にしたうえでサービスを選ぶことが重要です。すべての機能を最初からそろえるのではなく、基本機能からスタートし、運用状況に応じて段階的に追加していく方法が効果的です。クラウド型の顧客管理アプリを使えば、初期費用を抑えながら短期間で導入できるメリットもあります。無料トライアルを用意したサービスも多いので、実際に操作性や機能を確かめてから本格導入を検討するとよいでしょう。

段階的に広げる際は、追加費用の発生条件を先に確認しておきましょう。機能の追加、ユーザーの増加、データ容量の超過といったタイミングで料金が上がるサービスがあります。

契約時に「1年後に想定される規模で試算するといくらか」を聞いておくと、後から予算が膨らむ事態を避けられます。

関連記事:店舗アプリ作成サービスおすすめ比較8選!選び方や費用を解説

顧客管理アプリを導入する際の注意点

必要以上の個人情報を取得しない

顧客管理アプリでは、顧客情報を集めて分析することで効果的なマーケティングを実施できますが、必要以上に個人情報を取得すると、情報管理のリスクが高まります。サービス提供やマーケティングに本当に必要なデータだけを集めることが重要です。不要な情報まで集めると、万が一の漏えい時の影響が大きくなるだけでなく、法的リスクにもつながりかねません。取得するデータの範囲を明確にし、適切な管理体制を整えておきましょう。

個人情報保護法では、利用目的をできる限り特定し、あらかじめ公表するか本人に通知することが求められています。

個人情報保護委員会のガイドラインでは、閲覧履歴や購買履歴を分析して趣味嗜好に応じた案内に利用する場合、その旨を具体的に記載する必要があるとされています。「サービスの提供のため」といった抽象的な記載では足りません。

出典:個人情報保護委員会「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編)」 https://www.ppc.go.jp/personalinfo/legal/guidelines_tsusoku/

CRMを導入する際は、プライバシーポリシーの記載内容が実際の運用と合っているかを確認しておきましょう。

個人情報保護法やCookie規制に対応する

近年は世界各国で個人情報保護の規制が強まっています。ヨーロッパではGDPR(一般データ保護規則)が施行され、Cookieを使ったターゲティング広告が厳しく制限されました。アメリカのカリフォルニア州ではCCPAが施行され、企業による個人情報の取り扱いへの規制が強化されています。日本でも個人情報保護法が改正され、Cookieなどの情報と個人データを結びつける場合は本人の同意が必要になるなど、ルールが厳格化しています。

また、これまで広く使われてきたサードパーティーCookieによるターゲティング広告は、今後利用が難しくなるとされています。そのため、ファーストパーティーCookieの活用や会員データを使ったマーケティングなど、Cookieに依存しない手法への移行が求められています。顧客管理アプリを使えば、自社が持つ顧客データをもとにした施策を実施できるため、こうした環境変化への対応にも有効です。CRMアプリの導入は、単なる業務効率化にとどまらず、今後の広告環境の変化に備える戦略的な選択でもあります。

国内でもう1つ押さえておきたいのが、外部送信規律です。2023年6月に施行された改正電気通信事業法により、WebサイトやアプリがSDKやタグを通じて利用者の情報を外部へ送信する際、その内容と送信先について確認の機会を与える義務が定められました。

出典:総務省「外部送信規律(電気通信消費者情報コーナー)」 https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/d_syohi/gaibusoushin_kiritsu.html

確認の機会の与え方としては、通知、公表、同意取得、オプトアウトの提供のいずれかが必要です。CRMや分析ツールを組み込む場合は対象になり得るため、導入時に確認しておきましょう。

顧客データの取り扱いに慎重に対応する

顧客管理アプリでも、ユーザーの行動データやアプリ識別子などを取得する場合があります。これらを個人の氏名や趣味嗜好と結びつけて使う際は、法規制に触れる可能性があるため注意が必要です。取得するデータの範囲や利用目的を明確にし、必要以上の情報収集を避けることが大切です。法規制やガイドラインの変更にも柔軟に対応できる体制を整えておけば、安全に運用できます。

運用面で決めておきたいのが、アクセスできる人の範囲です。全スタッフが全顧客の情報を見られる状態は、リスクが大きくなります。

役割ごとに閲覧できる範囲を分け、退職や異動のたびにアカウントを棚卸しするルールを作っておきましょう。

導入しても定着しない4つの原因

導入したものの使われなくなるケースは少なくありません。よくある原因を先に押さえておきましょう。

入力の手間が大きい

もっとも多いのがこれです。入力項目が多いほど、忙しい日に記録が飛びます。対策としては、必須項目を3つ程度に絞ることです。慣れてきてから増やす順番にすると続きます。

自動で入るデータを増やすのも有効です。レジや予約システムと連携して、手入力の量そのものを減らす設計にしておきましょう。

使う目的が共有されていない

現場に「なぜ入力するのか」が伝わっていないと、作業だけが増えたと感じられます。入力したデータがどう使われ、誰の役に立つのかを最初に共有しておきましょう。

「記録があれば担当が変わっても同じ対応ができる」といった具体的な説明が効きます。あわせて、書き方の見本を用意することも大切です。人によって粒度が違うと、後から使えるデータになりません。

既存システムと分断されている

CRMだけが独立していると、来店や購入のたびに二重入力が発生します。これが定着しない大きな原因になります。

導入前に、POS、予約システム、ECカートとの連携可否を必ず確認しておきましょう。API連携に対応しているか、CSVでの取り込みができるかが判断材料になります。

効果を測っていない

数字を見ていないと、続けるべきか判断できません。導入から数か月経っても効果が見えなければ、現場のモチベーションも下がります。

最低限見ておきたいのが、入力率、配信の反応率、リピート率の3つです。とくに入力率は定着度をそのまま表します。登録された顧客のうち、何件に対応の記録が入っているかを確認してみてください。

顧客管理アプリの選び方のポイント

自社の目的に合った機能があるか確認する

顧客管理アプリは、サービスごとに搭載機能が異なります。顧客情報の管理だけを目的としたシンプルなCRMもあれば、マーケティングオートメーションや高度な分析機能を備えた多機能なCRMもあります。まずは導入の目的をはっきりさせることが重要です。顧客管理の効率化が目的なのか、リピーター獲得に向けたマーケティング強化が目的なのかで、必要な機能は変わってきます。自社の課題を整理したうえで、過不足のない機能を備えたサービスを選びましょう。

操作性や使いやすさも見落とせません。操作が複雑なシステムを入れると、スタッフが使いこなせず、結局活用されなくなることもあります。とくにITツールに不慣れな店舗スタッフが日常的に使う場合は、入力のしやすさや画面の見やすさが重要です。無料トライアルやデモを用意したサービスも多いので、実際に操作して使い勝手を確かめるのがおすすめです。導入前にスタッフにも試してもらい、現場での使い勝手を把握しておくと、スムーズに運用を始められます。

目的を絞る際は、「〜を〜にする」という形で書き出すと具体的になります。「顧客管理を効率化したい」では曖昧ですが、「休眠顧客への案内を月1回自動で送れるようにする」なら必要な機能が決まります。

書き出した目的が3つ以上あるなら、優先順位をつけて1つに絞りましょう。

既存システム連携とセキュリティを確認する

顧客管理アプリを導入する際は、今使っているPOSシステムやECサイト、予約システムなどと連携できるかどうかも重要な判断基準です。複数のシステムを連携させれば、来店履歴や購入履歴をまとめて分析でき、より精度の高いマーケティングが実施できます。導入前に、API連携の可否や既存システムとの相性を確認しておきましょう。

また、顧客の個人情報を扱うシステムなので、セキュリティ対策やサポート体制も必ずチェックすべきポイントです。データの保護体制やアクセス制限、バックアップ機能が整っているか、トラブル時に迅速に対応してもらえるサポートがあるかを導入前に確認しておけば、安心して運用できます。情報漏えいが起きた場合のリスクは企業活動の存続に関わる深刻な問題のため、セキュリティ体制の確認にはとくに慎重を期すべきです。

セキュリティを確認する際は、認証の仕組みとログの記録も見ておきましょう。二要素認証に対応しているか、誰がいつどのデータにアクセスしたかの記録が残るかが判断材料になります。

あわせて、データの保管場所も確認しておくと安心です。国内保管か海外保管かで、対応が必要な法令が変わる場合があります。

導入までの4ステップ

選定から運用開始までの流れを整理しておきます。1つ目が、課題と目的の整理です。現状の管理方法で何に困っているかを書き出し、解決したいことを1つに絞ります。

2つ目が、候補の絞り込みです。業種と目的から3社程度に絞り、資料を取り寄せて機能と料金を比較します。3つ目が、無料トライアルでの検証です。実際に使うスタッフに触ってもらい、業務の一場面を再現して試します。

4つ目が、初期設定とデータ移行、そして運用ルールの共有です。既存データの取り込み方法と、誰が何を入力するかを決めてから開始します。運用ルールを決めずに始めると、書き方がバラバラになり後で使えないデータが溜まります

関連記事:店舗の顧客管理(CRM)はアプリが最適。来店履歴などのデータを有効活用

店舗アプリDX版raitenにおける顧客管理(CRM)

プッシュ通知でセグメント配信ができる

アプリプラットフォームで自店アプリを作る際は、そのアプリが余計な個人情報を取得しないかを確認する必要があります。店舗アプリDX版raitenは詳細な個人情報を取得せず、アプリを介してIDを取得することでターゲティングできる環境を整えています。ユーザーに登録してもらうのはニックネームと誕生日(誕生月のみでも可)、お気に入り店舗の3つだけで、必要最低限のデータ取得でプライバシーと精度を両立しています。名前や住所など個人を特定できる情報を取得しなくても、「いつ・どこで・どんなアクションをしたか」をトラッキングできるため、十分に効果的なマーケティングが可能です。

CRMデータはアプリのプッシュ通知と相性がよく、性別や年齢ごとのセグメント配信、個別配信、CSVによる一括配信を目的に応じて使い分けることで、効果的にアプローチできます。「最終クーポン利用日から○○日」「アプリ登録日から○○日」「1ヵ月以内にA店へ2回来店」といった条件で、サンクスメールやクーポン配布を自動化できます。アプリを使えば、従来の「個人名・住所を取得してDMを送る」方法で必要だったデータ取得の手間や紙代も抑えられます。

セグメント配信を始める際は、細かく分けすぎないことが大切です。データが少ないうちは、来店頻度で3つに分けるだけでも一斉配信との差は明確に出ます。

分類と送る内容をセットで決めておけば、毎回考え直す必要がなくなり、運用に乗せやすくなります。

休眠顧客へのリテンション施策を実行できる

アプリ内のCRMデータを活用すれば、数か月間アプリを使っていない顧客を自動で検知できます。アンインストールされる前に「久しぶりですね、キャンペーン中に来店してみませんか?」「しばらく使っていない方限定の一品無料クーポンをどうぞ」といったメッセージを送ることで、再起動を促し離脱を防げます。

リテンション施策を続けてリテンション率が安定すれば、ひとまず安心です。効果を確かめるには「リテンションカーブ」が便利で、利用期間ごとのリテンション率の推移を見て、途中から横ばいになれば施策の効果が出ていると判断できます。ただし、いったん離脱を防げても、根本的にアプリの機能やサービスに問題があっては意味がないため、継続的な改善を前提にリテンション施策を進めてください。

休眠の定義は、自社の来店周期から逆算して決めましょう。平均の来店間隔が30日なら、その1.5倍にあたる45日を過ぎた時点を目安にするといった考え方です。一律で「3か月」と決めるより、業態に合った基準のほうが精度が上がります。

既存CRMとAPI連携でデータを統合できる

既存のCRMデータがWebなどにある場合は、APIを使ってアプリの情報と連携させることで、より密度の高いデータを取得できます。顧客管理ツール上の対応履歴や購入履歴に、アプリの利用状況データを組み合わせれば、既存のお客様がアプリをうまく活用できているかを把握し、次の施策につなげられます。

ただし、CRMの個人情報をアプリと組み合わせて個人を特定できる状態にすると、法律に触れる可能性があります。データを結びつける際は、アプリやWeb内で事前に利用者の許可を取ってから行いましょう。アプリだけでも十分にマーケティングできるケースが多いため、無理に既存CRMデータと結びつける必要がない場合もあります。顧客管理アプリの制作を検討している方は、ぜひお問い合わせください。

連携を検討する際は、何のために統合するのかを先に決めておきましょう。目的が曖昧なまま統合すると、扱う情報が増えるだけでリスクが上がります。

「Web上の購入履歴とアプリの来店履歴を結びつけて、両方使う顧客を優遇したい」といった具体的な目的があるかを確認してから進めてください。

関連記事:アプリでマーケティングオートメーション

まとめ

顧客管理アプリ(CRM)は、顧客情報を一元管理し、マーケティングやリピーター獲得に活かせる強力なツールです。営業向け、ECサイト向け、飲食店・店舗向けなど、業種に特化したサービスも増えており、自社の目的や課題に合ったアプリを選ぶことが導入成功の鍵になります。

導入にあたっては、個人情報保護法やCookie規制への対応をふまえた運用体制の整備も欠かせません。必要以上の個人情報を取得しない設計を心がけながら、顧客データを有効に活用していきましょう。店舗アプリDX版raitenでは、詳細な個人情報を取得せずに、プライバシーとマーケティング精度を両立した顧客管理アプリを制作いただけます。導入を検討している方は、ぜひお問い合わせください。

あわせて、CRM・SFA・MAの違い、11サービスの比較表、無料で始められる選択肢、定着しない4つの原因も取り上げました。

ツールの多機能さより、現場が毎日使えるかどうかが定着を左右します。まずは解決したい課題を1つに絞り、無料トライアルで実際に触ってから判断してみてください。

そのうえで、入力率と反応率を月次で確認しながら、使う範囲を段階的に広げていきましょう。

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