紙のスタンプカードをアプリへ移行する方法|引き継ぎ手順と注意点を解説
業種全般
スタンプカードを紙で見る機会が少なくなりました。代わりにアプリを制作して、その中へ機能としてデジタルスタンプカードを組み込むケースが増えています。アプリを使うとスタンプカードやクーポンなどをデジタル化して統合できるため、コスト削減や業務効率化、ユーザビリティ向上などへつなげられるのがポイントです。ただし紙のスタンプカードからアプリへ移行する際は、事前計画や引き継ぎ手順、お客様への告知方法など押さえておくべき注意点があります。本記事ではスタンプカードのアプリ移行を検討している方へ向けて、計画立ての方法や実際の移行・引き継ぎ手順、注意点を詳しく解説していきます。
あわせて、紙のポイントカードが抱えている課題の整理、実際に紙からアプリへ切り替えた企業の事例、スマートフォンを持たないお客様への対応、移行後に確認したい指標までを取り上げます。告知の時期や換算方法で迷いやすいところを具体的に扱うので、これから移行を進める店舗の方も参考にしていただけます。
紙のポイントカード・スタンプカードが抱える課題
移行の手順に入る前に、そもそも紙のカードのどこに課題があるのかを整理しておきましょう。課題が明確になっていると、アプリで何を解決すべきかがはっきりします。
紛失や持参忘れで使われないまま終わる
紙のカードでもっとも多いのが、財布に入れたまま忘れられる、あるいは紛失してしまうケースです。せっかくスタンプを押しても、次回に持参されなければ再来店の動機になりません。
店舗側から見ると、配った枚数のうち実際に満了まで到達する割合は決して高くないのが実情です。カードを再発行する手間や、押印済みの枚数を統合する対応も現場の負担になります。
印刷・管理のコストがかかり続ける
紙のカードは、デザインの制作費と印刷費が発行のたびに発生します。デザインを変更したい場合は在庫を使い切るまで待つ必要があり、季節に合わせた展開もしづらくなります。
スタンプ台や印鑑の管理、レジ周りの保管スペースといった細かなコストも積み重なります。店舗数が多いほど、この負担は比例して大きくなるでしょう。
利用状況がデータとして残らない
もっとも大きな課題が、誰がどれだけ貯めているのかを把握できない点です。紙のままでは、満了までの平均日数や、途中で離脱している段階を数値で確認する手段がありません。
一方でスマートフォンはすでに広く行き渡っています。総務省の令和6年通信利用動向調査によると、個人のスマートフォン保有率は80.5%で、モバイル端末を1種類以上保有している人は87.0%です(参考:令和6年通信利用動向調査の結果(総務省))。多くのお客様がアプリを使える環境にあると考えてよいでしょう。
関連記事:店舗アプリの主要機能と導入事例|集客・売上アップにつながる活用術を解説
紙からアプリスタンプカードへ移行する際の事前計画ポイント
アプリスタンプカードの詳細設定を決める
いきなり紙からアプリスタンプカードへ移行しようとしても、お客様がスムーズに移行できないと失敗してしまいます。アプリを導入後に有効に活用してもらうには、詳細設定を事前に固めておく必要があります。スタンプコンプリート枠数・コンプリート特典・有効期限・スタンプ画像・スタンプカードの表示方法など、移行前に決めておくべき項目を順番に確認していきましょう。
スタンプコンプリート枠数の決定
スタンプコンプリート枠とは、何個集めれば特典が入手できるかという枠のことです。3個で粗品プレゼント、5個で100円OFFクーポンプレゼント、20個で1,000円OFFクーポンプレゼントというように、段階的な枠を設けている店舗も多いでしょう。既存スタンプカードと同じ枠でも通用する可能性はありますが、アプリへの移行を前提に計画を立てる場合は差別化を意識する必要があります。アプリを優遇することで移行を自然に促すのが有効な手段になります。
枠数を決める目安になるのが、自店の平均来店頻度です。月1回の来店が中心なら10個で約10か月かかる計算になり、到達するまでに離脱が起きやすくなります。まずは数回の来店で届く小さな枠を用意し、その先に大きな特典を置く構成にすると続けてもらいやすくなります。
コンプリート特典の決定
特典の決定も重要です。段階的に内容を豪華にしてリピーターを増加させるのは基本的な施策になります。アプリへ機能を移行する場合は、特典をデジタル化できるのが特徴です。たとえばクーポンは紙で配布せずにアプリから自動発券できると利便性が増しますし、コスト削減につながります。大手店舗ではデジタルクーポンにバーコードやQRコードを結び付け、商品提示のタイミングですぐクーポン内容を読み取れるようにしているケースもあります。
特典を決める際は、原価率の確認も欠かせません。値引き額が大きいほど魅力は増しますが、満了する人数が増えるほど利益は圧迫されます。想定される満了率をもとに、月あたりどれくらいの原価がかかるかを試算してから決定しましょう。
有効期限の決定
有効期限も重要です。有効期限が長いとユーザー側のメリットは大きいですが、その分お客様の再来店が促進しないというデメリットが出てきます。たとえば期限が付与後1年と3年では、3年のほうが余裕がある分再来店のスパンが空いてしまうかもしれません。有効期限が短いと再来店を促しやすい分店舗側にはメリットがありますが、短過ぎるとすぐ失効してしまうため「ここのスタンプは集めたくない」というユーザーの店舗離れを加速させることにつながります。有効期限を上手く調整して、店舗とお客様双方のメリットを減らさないようにしておく必要があります。アプリへ移行する場合は紙よりもどうやってメリットを期限で提示するかがポイントになり、単に長くすればよいわけではなく、期限を短くする代わりにインセンティブを提示するといった工夫が必要です。
実務でよく使われるのが、「最終利用日から1年」という設定です。来店するたびに期限が延びる仕組みにしておけば、通っているお客様の期限は事実上切れず、離れているお客様だけが自然に整理されていきます。
スタンプ画像の決定
スタンプ画像は細かいですがブランディングにもかかわってきます。某コーヒーチェーンではプリペイドカードのデザインを地域によって変えています。これと同じように店舗ごとにスタンプ画像内容を変更するといった工夫でコレクション性を向上させて、リピーターの気を引く施策を考えられるでしょう。既存スタンプカードとアプリスタンプカードでは求められる画像が異なる場合があり、紙での印字とディスプレイでのデジタル印字では素材や解像度が違うため適している・適していないスタンプ内容が変わります。紙での印字に発色のよいスタンプを使っていてもアプリでは上手く色を出せないかもしれず、その場合は代替のカラー配色を考えるといった工夫が必要です。紙よりアプリのほうが制約がないためデザインの自由度が高い点もポイントですが、ブランディングに影響があるため自店舗のイメージを崩さない工夫を行ってデザイン制作を行いましょう。
スマートフォンでは画面が小さく表示されるため、細かい線や文字は潰れやすくなります。実機で確認し、縮小された状態でも何のスタンプか判別できるかをチェックしてから確定させてください。
スタンプカードの表示方法
スタンプカードがすぐ確認できないと利便性低下につながります。気づいてもらえない位置に設置してもそもそも認知されない可能性があります。固定メニューで「スタンプ」の欄を設けてすぐ表示できるようにする方法が考えられるでしょう。スタンプ機能説明や更新内容などを確認してほしいときは、アプリのお知らせメニューやプッシュ通知などで伝達をすれば伝わりやすくなります。特にプッシュ通知は配信頻度を調整すれば、効率よくユーザーの注意をスタンプへ向けることができる優秀な機能です。
レジ前で提示してもらう場面を考えると、起動から1タップで表示できる位置に置くのが理想です。会計の列が進むわずかな時間で開けるかどうかが、現場でのスムーズさを左右します。
関連記事:プッシュ通知の効果とデメリット|開封率・許諾率を上げるコツとNG例を解説
紙スタンプカードの終了告知方法を決める
アプリスタンプカードへ移行するためには、ユーザーへ事前に既存のスタンプカードを終了する旨の告知を実施しなければなりません。告知の時期と内容を計画的に決めていきましょう。
終了告知の時期について
アプリをリリースしてからすぐに移行を実行するのはやめておきましょう。急にアプリをリリースしてすぐにスタンプの移行を行おうとすると、対応できない方が出てくるためです。そこからクレームにつながったりすると問い合わせ対応に時間を取られたりして、アプリのコスト削減メリットが薄れてしまうリスクがあります。たとえばアプリリリースが1月初旬で、そこからアプリスタンプカードへスタンプを統合したい場合、1か月や2か月は移行の猶予期間が必要です。周知を行ったうえでアプリへの移行シェアを都度確認して、紙スタンプカードの保有率が基準を下回ったときに完全終了のタイミングを見計らうのが望ましいでしょう。事例としてはまず半年以上のスパンを置いて紙スタンプカード終了を告知し、新規発行を終了、半年後に捺印を終了することを告知、捺印終了後も紙スタンプカードの引換期間猶予を半年程度設けるといったように段階的に終了を実行していくケースもあります。自店舗のスタンプカード利用状況やカード利用率に応じて終了方法を考えるのも有効です。
告知内容について
告知内容についても利用者の混乱が起きないように工夫する必要があります。盛り込むべき内容は、紙スタンプカードの完全終了時期・期間が来たら全面終了するのか段階的に終了するのか・既存スタンプカードとアプリスタンプカードの違い・アプリにする背景やメリット・引き継ぎの際の操作方法などです。スタンプカードの内容が複雑な場合は段階的に機能を終了させて移行したほうが混乱が少なくて済みます。アプリにすることでスマートフォンからすぐ表示できる、スタンプカード以外の情報確認も簡単、アプリ限定のデザインが追加される、アプリだとスタンプが多く付与されるといった移行メリットがあることを説明し、シェアを伸ばせるように工夫することも重要です。初期導入においてシェアを一気に伸ばしたい場合は、インストール&スタンプカード設定終了でスタンプ5個付与といったインセンティブを付けておくとよいでしょう。操作方法についてはアカウントをどうやって発行するのか、スタンプカードをどこから表示するのか、履歴はどこから確認できるのかといった必要な項目を網羅しておきましょう。実際のアプリ画面を介して説明する、動画でスタッフが操作方法をレクチャーするといった方法も有効です。
告知の手段は1つに絞らないことが大切です。レジ横のPOP、カード自体への印字、店内ポスター、公式サイトのお知らせ、SNS投稿と複数に分散させておくと、来店頻度の低いお客様にも届きやすくなります。
また、告知文には「いつまでに何をすればよいか」を1行で書くことを意識しましょう。理由や背景を長く説明するより、期限と必要な行動が先に目に入るほうが行動につながります。
関連記事:飲食店の売上アップアイデア10選|客単価・客数を増やす具体的な施策を徹底解説
関連記事:スタンプカードアプリ導入のメリット7選|紙では実現できない効果を解説
紙スタンプカードをアプリへ引き継ぐ手順
来店時にアプリのインストールと操作レクチャーを行う
実際に引き継ぐ前に、いくつか準備しておきたいことがあります。来店してくれたお客様がアプリをインストールしていない場合は、その場でインストールしてもらう必要があります。店舗内でのインストールではWi-Fi環境がないとインストールにデータが消費されてしまうため、快く思わない方もいらっしゃいます。今後DXを実現したい場合はインターネット環境が必須になっていくため、補助金活用なども検討しながらWi-Fi環境を整備すると安心できるでしょう。アプリの用意ができている場合はスタンプカードの利用方法や付与方法などをその場でレクチャーしていきます。スムーズにレクチャーできるよう各スタッフに研修を行い、違和感のない接客に努めていきましょう。1人でもスタンプ付与に戸惑うスタッフがいると、接客がなっていない・研修がきちんとできていないと思われて評判が悪くなるリスクもあるので注意が必要です。
レジが混み合う時間帯に長い説明を挟むと、後ろに並ぶお客様の待ち時間が延びます。混雑時は二次元コード付きの案内カードを渡して自宅で登録してもらい、次回来店時に移行するという流れを用意しておくと現場が回りやすくなります。
関連記事:アプリのインストール数を増加させる方法|ダウンロード促進の準備・事例・ASO対策まで解説
スタンプを移行する2つの方法から選ぶ
ここからは紙からアプリへのスタンプ移行方法を2種類ご紹介していきます。QRコードを読み取って付与する方法と、管理画面でユーザーIDを検索して付与する方法から、店舗の運用に合わせて選択しましょう。
QRコードを読み取って付与する方法
QRコードを作成する方法は簡単です。管理画面から「5個はこのQRコード」というように必要なQRコードを作成してお客様へ提示するだけだからです。あとはお客様にコードをカメラで読み取ってもらうだけになります。ただしこの方法だとスタンプ個数によってQRコードを分ける必要があります。なるべく発行コード数を減らしたい場合は1個・5個・10個と段階的にQRコードを用意して、個数によって都度読み取ってもらい付与できる仕組みを構築する必要があるでしょう。読み取り回数が多いと不服を覚える方もいらっしゃるため、数回で読み取りが済むと安心です。中途半端な付与が面倒な場合は、移行時にスタンプを調整して切りのよい数を付与できるように準備しておいてください。
注意しておきたいのが、QRコードが第三者に共有されるリスクです。撮影されてSNSなどに拡散されると、来店していない人にもスタンプが付与されてしまいます。移行期間限定で発行する、定期的にコードを差し替えるといった対策を決めておきましょう。
管理画面でユーザーIDを検索して付与する方法
細かい調整が必要なときは管理画面からの付与が適しています。会計時にお客様のアプリIDをメモしておき、後ほど管理画面から検索を掛けて見つけます。そして必要なスタンプを付与して移行を完了させることが可能です。この方法だとお客様がカメラを起動させてQRコードを読み取る必要がありません。手間を掛けずにお客様が移行を完了させたいと思っている場合はこちらの方法が適しています。ただし店舗側での作業量が増加してしまうリスクはあります。スタンプ付与を管理画面操作時に間違わないよう、付与前後でダブルチェックなどを行ってみてください。
後日付与にする場合は、いつ反映されるのかをその場で伝えておくことも大切です。「翌営業日までに反映します」と案内しておけば、反映前に確認したお客様が不安を感じることを防げます。
移行時の換算ルールを先に決めておく
紙とアプリで枠数や特典が異なる場合、そのまま同じ個数を移すと不公平が生じます。移行を始める前に、紙のスタンプ1個をアプリの何個分として扱うのかという換算ルールを決めておきましょう。
紙が20個満了・アプリが10個満了であれば、紙2個をアプリ1個に換算する方法が分かりやすい形です。端数が出る場合は切り上げにしておくと、お客様が損をしたと感じにくくなります。
決めたルールは、必ず文書にしてスタッフ全員へ共有してください。店舗やスタッフによって対応が変わると、その差がそのままクレームの原因になります。
関連記事:ポイントカードをデジタル化すべき理由|アプリ化するメリットとは?
関連記事:店舗アプリの導入効果とは?メリット・デメリットと成功事例を解説
紙からアプリへ移行した企業の事例
実際に紙のカードを終了してアプリへ移行した企業の進め方は、自社の計画を立てるうえで参考になります。ここでは公式に発表されている2社の例を取り上げます。
ハニーズ|約11か月前から告知して紙のスタンプカードを終了
レディスファッションのハニーズは、紙のスタンプカードを2024年12月31日をもって終了しました。この日付は、スタンプの押印と満了時の割引利用の両方の期限にあたります(参考:スタンプカード(紙)ご利用のお客様 サービス終了のお知らせ|ハニーズ)。
注目したいのが告知のタイミングです。同社の案内によると、終了については2024年2月から店頭で案内を始めており、実際の終了まで約11か月の周知期間が取られています。
そのうえで、2025年1月からはアプリへの切り替えを案内する流れになっています。告知から終了まで十分な期間を置き、切り替え先を明示するという基本を押さえた進め方だといえるでしょう。
マーロウ|アプリと同条件のカードを併設して移行先を2つ用意
ビーカープリンで知られるマーロウは、紙のスタンプカードを2025年3月31日で廃止し、その半年以上前の2024年9月1日から新しいポイントカードを開始しました(参考:スタンプカードに代わる新しいポイントカードが始まります|マーロウ)。
特徴的なのは、移行先をアプリだけに絞らなかった点です。同社の案内では、スマートフォンを持っていない方やアプリが苦手な方に向けて、アプリと同じサービス内容のカードタイプを用意したと説明されています。
新ポイントカードの条件は、税込108円ごとに6ポイント、1,000ポイント貯まると1,000円分の値引き、有効期間は最終利用日から1年とされています。発行時に税込100円がかかる代わりに、100ポイントが付与された状態で渡される仕組みです。
旧スタンプカードのポイントについては、2025年3月31日までに店舗へ持参すれば新ポイントカードまたはアプリへ移行できると案内されていました。移行の受付期間と方法を明確に示している点も参考になります。
2社の事例から読み取れる3つのポイント
1つ目は、告知から終了までの期間を長めに取っていることです。いずれも半年から1年近い猶予を設けており、来店頻度の低いお客様にも情報が届く設計になっています。
2つ目は、移行の受付期限を明示している点です。「いつまでに、どこへ持って行けばよいか」が具体的に書かれているため、お客様が迷いません。
3つ目は、切り替え先を用意したうえで終了を告げていることです。終了だけを伝えるのではなく、代わりに何が使えるのかをセットで示すことが、離脱を防ぐうえで重要になります。
関連記事:店舗アプリの成功事例を紹介|業種別のモバイルマーケティング術
紙とアプリスタンプカードを同時提供する場合の注意点
紙スタンプカードとアプリスタンプカードを差別化する
移行期間中は紙もアプリスタンプカードも両方提供できるようにしたほうがユーザビリティが高いです。紙スタンプカードからアプリスタンプカードへの切り替えを促進するためには、アプリのほうがメリットがあると思わせる必要があります。スタンプコンプリート枠・コンプリート特典・有効期限などの項目を差別化して、アプリのほうが有利になるよう調整する必要があるでしょう。スタンプコンプリート枠についてはアプリのほうがハードルが低くなるよう設定することで移行を促せます。移行時にキャンペーンスタンプなどを付与してみてもよいでしょう。コンプリート特典についてはアプリでデジタル化する分豪華にする方針が考えられ、たとえば紙では500円OFFのところアプリでは700円OFFとすることで、アプリでゲットしたほうがお得だと訴求できます。割引額が増えた分は紙代や人件費削減などで吸収できるでしょう。有効期限については下手に手を加えるとクレームが来る可能性が高まるので、変更する場合は周知を徹底しておく必要があります。紙よりアプリのほうを長めに設定するといった方法で差別化を行いながら適切な期限を決めましょう。
ただし、併用期間を長く取りすぎると管理が二重になり、現場の負担が減りません。あらかじめ併用の終了時期を決めておき、期限を区切って運用することが大切です。
アプリへ移行するメリットをお客様に周知する
機能面で紙とアプリスタンプカードを差別化した後は、内容を周知しないといけません。機能が周知されないとメリットが伝わらず、移行が遅れてしまうリスクがあります。店舗側ではなくお客様目線からのメリットを謳わないと、店舗側の負担を減らしたいだけかと思われて印象が悪くなるかもしれません。なぜ移行する必要があるのか、そしてどういったメリットがあるのかをお客様目線でまとめてスムーズに伝えておきましょう。
伝え方としては、「カードを持ち歩かなくてよい」「なくす心配がない」「残りいくつで特典かがすぐ分かる」といった日常的な不便の解消から挙げると伝わりやすくなります。機能名を並べるより、困りごとがなくなる形で説明しましょう。
関連記事:来店促進キャンペーンのアイデア10選|事例とアプリ活用のコツを解説
スマホを持たない・アプリが苦手な層への配慮
移行で必ず出てくるのが、スマートフォンを持っていない、あるいはアプリの操作に不安があるお客様への対応です。ここを想定していないと、長年通ってくれていた層が離れてしまうおそれがあります。
対応としては、先ほどのマーロウの例のようにアプリと同条件のカードタイプを併設する方法があります。全員をアプリに寄せるのではなく、選べる状態にしておくほうが結果的に離脱を抑えられるでしょう。
カードを併設しない場合でも、店頭で登録を代行する時間帯を設ける、操作手順を大きな文字で印刷した紙を用意するといった配慮は有効です。移行率が伸びない原因の多くは、興味がないことではなく操作への不安にあります。
関連記事:ポイントカードをアプリ化するメリット|紙からの移行でリピート率を上げる秘訣
移行後に確認したい指標と改善の進め方
移行率とアプリ会員数を追う
移行を始めたら、まず追いたいのが移行率です。紙のカード利用者のうち、どれだけがアプリまたは新カードへ切り替えたかを月ごとに記録しましょう。
あわせて、アプリ会員数と月間の起動ユーザー数も確認します。会員数だけが増えて起動されていない場合は、スタンプ以外にアプリを開く理由がない状態だと考えられます。
関連記事:MAUとは?アプリのアクティブユーザー数の計算方法と増やし方を解説
スタンプ付与のオペレーションを見直す
導入直後は、レジでの付与に時間がかかることがあります。1組あたり何秒増えたかを実際に測ってみると、改善すべき箇所が具体的に見えてきます。
読み取りの位置が悪い、スタッフごとに手順が違う、お客様がアプリを開くまでに時間がかかるなど、原因は現場ごとに異なります。月に一度は現場の声を集めて手順を更新する運用にしておきましょう。
満了率を見ながら特典内容を調整する
デジタル化の利点は、途中で離脱している段階が分かることです。5個目までは順調なのに10個目までたどり着く人が少ない、といった傾向が見えたら、枠数や特典の配置を見直すサインになります。
変更するときは一度に多くを変えず、枠数だけ、あるいは特典だけと絞って調整します。変更日を記録しておけば、数値の変化と施策の関係を後から検証できます。
関連記事:販促アイデア20選|店舗の集客・売上を伸ばす施策と成功事例
スタンプカードのアプリ化なら店舗アプリDX版raiten
紙のスタンプカードからアプリへの移行を検討するなら「店舗アプリDX版raiten」がおすすめです。スタンプカード機能を搭載したオリジナル店舗アプリをスピーディーに制作可能で、初心者でもオリジナルのデザインアプリを作成できる点が強みです。プッシュ通知やクーポン配信、デジタルポイントカード、データ分析といった機能と組み合わせて運用でき、紙からアプリへの段階的な移行をサポートします。気になる方はぜひお問い合わせください。
まとめ
今回はスタンプカードのアプリ移行を検討している方へ向けて、計画立ての方法や実際の移行・引き継ぎ手順、紙とアプリを併用する際の注意点などを解説しました。数年経過するとキャリアの3Gプランが終了するためスマートフォン利用者が増える可能性が高く、今のうちにスタンプカードのアプリ化や啓蒙にかじを切ることで将来的なDX実現にもつながります。事前の計画決めや移行方法設計などをしっかりしておき、スムーズな移行に備えましょう。スタンプカードのアプリ化について詳しく知りたい方はぜひお問い合わせください。
あらためて整理すると、紙からアプリへの移行で押さえるべきなのは「早めに告知する」「換算ルールを統一する」「切り替え先を用意する」の3点です。この3つが揃っていれば、現場での混乱は大きく減らせます。
先に紹介した2社の事例でも、半年から1年近い周知期間を確保し、移行の受付期限と切り替え先を明示していました。急いで切り替えるより、期間を取って段階的に進めるほうが結果的に定着します。
そして移行は終わりではなく出発点です。デジタル化によって初めて見えるようになった数値をもとに、枠数や特典を調整していくことで、スタンプカードは再来店を生む仕組みとして機能し続けます。
関連記事:アプリ開発の費用相場はいくら?内訳・人月の計算方法とコストを抑える方法を解説
この記事を監修した人
店舗アプリ公式。累計1,000社以上の導入実績を誇る店舗アプリ構築プラットフォーム。 単なる集客に留まらず、リピーター創出による売上最大化を得意としている。
>>運営メディアトップへ