飲食店がリピート率増加のためにやるべきこととは?!再来店を促す必須機能とは?
飲食店
飲食店の経営者にとって、顧客の獲得とリピート率の向上は常に重要な課題です。スマートフォンの普及に伴い、アプリを活用した集客手法が注目されていますが、具体的にどのようにアプリを導入すればよいのでしょうか?
この記事では、飲食店がアプリを使って効果的なリピート集客を実現するための方法を詳しく解説します。アプリ導入を検討中の店舗担当者の方は、ぜひ参考にしてみてください。
飲食店の売上は、新しいお客様をどれだけ集めたかよりも、一度来てくれた人がどれくらい戻ってきてくれるかで安定度が変わります。同じ商圏で新規を奪い合う競争は厳しさを増しており、集めるだけの施策では販促費ばかりがかさんでしまいます。
再来店されない理由の多くは、味やサービスへの不満ではなく単に忘れられていることです。飲食店の選択肢は無数にあり、日常の中で思い出す機会がなければ、満足していたお客様でも自然と足が遠のきます。
つまりリピート率を上げるうえで必要なのは、思い出してもらう仕組みと、また行きたいと感じてもらう理由の2つです。この2つを届ける手段として、店舗アプリの活用が広がっています。
本記事では、飲食店がリピート率を高めるためにアプリで何ができるのか、必要な機能や導入時の注意点、成功事例までを解説します。
飲食店におけるアプリ活用の重要性
飲食店のリピーター獲得施策として、アプリを活用した「O2Oマーケティング」が注目されています。O2Oとは、Online to Offlineの略で、オンライン(アプリ)からオフライン(実店舗)への顧客誘導を意味します。なぜ飲食店がアプリ活用に力を入れるべきなのかについて、詳しく見ていきましょう。
スマートフォンの普及とアプリ利用の増加
現在、日本におけるスマートフォンの普及率は約8割に達しており、あらゆる年代で利用が進んでいます。それに伴い、アプリの利用も年々増加傾向にあります。
スマートフォンは、いつでもどこでも手軽に情報にアクセスできる利便性から、多くの人にとって欠かせない存在となっています。飲食店にとっても、このスマートフォンとアプリを活用することで、効果的な集客やリピーター確保が可能になるのです。
普及の水準は年々上がっています。総務省「令和7年版 情報通信白書」によると、2024年時点のスマートフォンの世帯保有率は90.5%、モバイル端末全体では97.0%に達しました。パソコンの66.4%と比べても差は大きく、店舗が情報を届ける先はスマートフォンに集約されつつあります。
紙のチラシやDMが無意味になったわけではありませんが、配布のたびに費用が発生し、誰が受け取って誰が来店したのかを追えないという制約は変わりません。アプリからの配信なら、配信数・開封数・利用数がそのまま記録に残るため、次の改善につなげやすくなります。
飲食店の顧客獲得・リピート率向上へのニーズ
飲食店業界は競争が激しく、新規顧客の獲得とリピーターの確保が経営上の重要課題となっています。従来のチラシやクーポン配布といった手法では、費用対効果の面で課題があり、より効率的な集客方法が求められています。
アプリを活用することで、店舗情報やクーポンをタイムリーに顧客に届けられるほか、来店履歴や顧客情報を分析し、一人ひとりに合わせたアプローチが可能になります。これにより、新規顧客の獲得とリピート率の向上が期待できるのです。
業界全体の状況を数字で見ると、この課題はより鮮明になります。一般社団法人日本フードサービス協会「外食産業市場動向調査(2025年年間結果)」によると、2025年の外食全体の売上高は前年比107.3%となった一方、その主な押し上げ要因は客単価の104.3%という上昇で、客数の伸びは102.9%にとどまりました。
つまり売上は伸びていても、来店客数そのものが大きく増えているわけではないということです。値上げによる押し上げには限界があるため、同じお客様に何度も来てもらう施策の重要性が高まっています。
一般に、新規のお客様を1人集めるコストは、既存のお客様に再来店してもらうコストより大きくなります。広告費を増やす前に、一度来てくれた人がなぜ二度目に来ないのかを検証するほうが、改善の余地は大きいといえます。
リピート率の測り方と改善の目安
施策に取り組む前に、自店舗の現状を数値で押さえておくことが出発点になります。感覚だけで「常連が多い」と判断していると、施策を打っても効果が出たのか判断できません。
基本となるのがリピート率です。一定期間内に来店したお客様のうち、2回以上来店した人の割合を指します。たとえば月間の来店者が500人で、そのうち2回以上来た人が150人なら、リピート率は30%という計算になります。
あわせて確認したいのが、初回来店者のうち2回目の来店に至った割合です。この初回から2回目への移行が最も脱落しやすい段階であり、ここを改善できるかどうかが常連客の総数を左右します。3回目以降になると来店が習慣化しやすく、離脱率は大きく下がる傾向にあります。
さらに平均来店間隔も追いかけてください。前回来店から何日で戻ってくるのかが分かれば、その日数を過ぎたお客様へ通知を送るという具体的な打ち手につながります。指標は多く持つ必要はなく、リピート率・2回目来店率・平均来店間隔の3つから始めれば十分です。
関連記事:継続率(リテンションレート)とは?計算方法とアプリの継続率を上げる施策を解説
オムニチャネル対応の必要性
オムニチャネルとは、実店舗とオンラインを統合し、どのチャネルからでもシームレスな顧客体験を提供するための仕組みです。単なるO2Oとは異なり、顧客視点に立った体験設計が特徴といえます。
飲食店においても、アプリと実店舗を連携させ、一貫した顧客体験を提供することが求められます。来店予約やテイクアウト注文、ポイント管理などをアプリ上で完結させることで、顧客の利便性を高め、満足度の向上につなげることができるでしょう。
この体験を成立させる土台になるのが、会員IDを共通にしておくことです。店内で食べてもテイクアウトでも同じお客様として記録が残る状態であれば、来店の傾向を一本の線でつなげて把握できます。
関連記事:飲食店や美容室でも注目のサブスクリプション!アプリとの組み合わせでリピーターを増やそう
飲食店アプリに求められる主要機能
飲食店がアプリを導入する際、どのような機能が必要不可欠なのでしょうか。ここでは、飲食店アプリに求められる主要な機能についてご紹介します。
来店促進機能
アプリを活用する上で、来店促進機能は欠かせません。プッシュ通知を使って、新メニューや期間限定イベントなどの情報を顧客に直接配信することで、来店のきっかけを作ることができます。
また、アプリ限定クーポンを発行することで、顧客の来店意欲を高めることも可能です。例えば、「次回来店時に使える10%オフクーポン」や「平日ランチタイム限定の無料ドリンクサービス」などを配信すれば、顧客のリピート率向上につながるでしょう。
配信で効果が出やすいのは、来店周期に合わせるやり方です。飲食店なら2週間から1か月が一つの目安で、この周期を大きく超えて来店がないお客様へ通知を送れば、押し付けがましさを与えずに思い出してもらえます。
配信する時間帯も結果を左右します。ランチの集客を狙うなら午前11時前後、ディナーなら夕方の帰宅前など、その場で行動を起こせるタイミングに届けることが基本です。文面は短くまとめ、1通につき伝える内容を1つに絞りましょう。
関連記事:プッシュ通知のパーソナライズ成功法則!売上を上げる5つの鉄則
顧客管理機能
顧客管理機能も、飲食店アプリには不可欠です。会員登録した顧客のデータを一元管理し、利用履歴や好みなどを分析することで、個別化されたアプローチが可能になります。
例えば、顧客の来店頻度や平均単価、好きなメニューなどを把握しておけば、その顧客に合ったクーポンや限定メニューを提案できます。こうした個別化されたアプローチは、顧客のロイヤルティ向上に大きく貢献すると考えられます。
従来の飲食店では、常連のお客様の顔や好みをスタッフの記憶に頼って管理してきました。この方法は担当者が変わった瞬間に引き継げなくなり、店舗数が増えるほど共有も難しくなります。
データとして残しておけば、誰が対応しても同じ水準の提案ができる状態を保てます。人の入れ替わりが起きやすい業種だからこそ、記録として残す意味は大きくなります。
決済機能
アプリに決済機能を搭載することで、顧客の利便性を高められます。事前決済やサブスクリプション(定額制)に対応しておけば、スムーズな会計が可能になるでしょう。
また、キャッシュレス決済の需要も高まっているため、アプリ内で各種決済サービスと連携しておくのもおすすめです。
決済がデジタル化する利点は、会計が速くなることだけではありません。誰が・いつ・いくら使ったのかという購買データが残るため、次に打つ販促の精度が上がります。決済の導入は業務効率化だけでなく、リピート施策の土台づくりでもあると捉えてください。
デリバリー・テイクアウト予約機能
コロナ禍を機に、デリバリーやテイクアウトの需要が高まっています。アプリにこれらの予約機能を搭載しておけば、顧客の利便性を高められるでしょう。
テイクアウト需要は定着しており、昼の時間帯に店内で食事できない層を取り込む手段としても有効です。事前に注文が入ることで仕込みの量も読みやすくなり、廃棄の削減にもつながります。
導入する際は、受け取り場所と時間の伝え方を分かりやすく設計しておくことが大切です。受け取り口が分からず店内で迷ってしまうと、便利さがそのまま不満に変わってしまいます。
モバイルオーダー機能
飲食店ならではの機能として押さえておきたいのが、モバイルオーダーです。席から手元のスマートフォンで注文できる仕組みや、来店前に注文と決済を済ませておける仕組みを指します。
リピート率との関係で注目したいのは、待ち時間が短くなることで再来店のハードルが下がるという点です。昼休みが限られている層にとって、待たずに受け取れることは店選びの決め手になります。
店舗側の利点も大きく、注文の聞き間違いや会計時のやり取りが減るため、少人数のシフトでも回しやすくなります。ピークタイムに行列ができる店舗では、受け取りだけのお客様と店内利用のお客様を分けられることで回転率も上がります。
さらに、注文履歴が会員情報とひも付くため、前回頼んだメニューをもとにした提案もできるようになります。「いつもの」をすぐ注文できる導線を用意しておけば、常連化を後押しする仕組みとしても機能します。
関連記事:飲食店の集客には自社アプリを使うべき!ポータルアプリやアナログ販促にはないその効果とは
飲食店アプリ導入のメリット
アプリを活用した飲食店の集客は、単なるトレンドではありません。顧客とのコミュニケーションを深め、リピーターを増やし、売上を向上させるなど、様々な効果が期待できるのです。ここでは、飲食店がアプリを導入することで得られる主要なメリットを5つ紹介します。
顧客とのコミュニケーション強化
アプリを通じて、店舗は顧客とダイレクトにコミュニケーションを取ることができます。例えば、プッシュ通知機能を使えば、新メニューやイベント情報をリアルタイムで配信できます。
また、アプリ内にニュース配信ページを設けることで、店舗の最新情報を効果的に発信できます。顧客は自分の関心のある店舗の情報を手軽にチェックしやすくなります。
SNSとの違いは、届ける相手を店舗側で指定できる点にあります。SNSでは表示順を決めるのは運営側であり、フォロワー全員に投稿が届くわけではありません。アプリは、伝えたい相手に確実に届けられる数少ない手段といえます。
リピーター増加と客単価向上
アプリを活用すれば、顧客のリピート率を高められます。例えば、来店回数に応じてポイントを付与し、たまったポイントを割引に使えるようにするなどの施策が可能です。
さらに、アプリ限定クーポンを配布することで、客単価の向上も見込めます。顧客が通常よりお得な価格で提供されるクーポンを利用しようとすることで、顧客の追加注文を促す効果が期待できます。
ポイントやスタンプの制度を設計する際は、達成のハードルを下げることを意識してください。10回来店しないと特典がもらえない仕組みでは、多くのお客様が途中で諦めてしまいます。
3回目や5回目に小さな達成点を用意し、早い段階で得をしたという体験を届けるほうが継続につながります。あと1回で特典に届くという状態が画面に見えていることも、来店の後押しになります。
関連記事:スタンプカード機能搭載アプリで顧客満足度向上!メリットや活用方法などを徹底解説
関連記事:リピート強化で売上アップ!会員ランクを活用した顧客の囲い込み方とは?
顧客データの可視化と行動分析
アプリを通じて、顧客の属性や行動履歴などのデータを収集・分析できます。それにより、顧客一人ひとりのニーズや嗜好を把握し、パーソナライズされたアプローチが可能になります。
例えば、ある顧客が平日のランチタイムによく来店するとわかれば、その時間帯に合わせたクーポンを配信できます。また、顧客の行動パターンを分析することで、店舗運営の改善につなげられるでしょう。
数値を確認する際は、単月の結果だけで判断しないことがポイントです。飲食店は天候や連休の位置で来店数が動くため、前月比や前年同月比と並べて見なければ、季節要因なのか施策の効果なのかを切り分けられません。
情報発信の効率化とコスト削減
チラシの印刷・配布には、少なくない費用がかかります。一方、アプリを活用すれば、ペーパーレスで情報発信できるため、コストを大幅に削減できるのです。
しかも、アプリ上の情報は瞬時にアップデートできるため、リアルタイム性の高い情報発信が可能です。突発的なイベントやキャンペーンにも柔軟に対応できるでしょう。
コスト構造そのものが違う点も見逃せません。紙の販促は配布のたびに費用が発生しますが、アプリからの配信は会員数が増えても1件あたりの追加コストがほとんど変わりません。顧客数が増えるほど1人あたりの販促コストが下がっていく構造になっています。
関連記事:デジタルクーポンとは?種類・紙との違い・アプリで配信するメリットや活用のコツを解説
アプリで顧客に「お店を思い出してもらう」
スマートフォンにアプリをインストールしてもらうことで、顧客は日常生活の中で自然とお店を思い出すようになります。スマートフォンの画面にあるアプリのアイコンを見るだけでも、お店の存在を意識してもらえます。
また、来店ポイントカードのような楽しい仕組みをアプリに取り入れることで、顧客は定期的にアプリを開くようになり、お店への興味も続きやすくなります。このように、アプリを通じて日々お店と関わることで、顧客とお店の結びつきが深まっていきます。
この効果を高めるには、アイコンのデザインも意識しておきたいところです。店名やロゴが一目で分かる形にしておけば、画面を開くたびに視界に入り、記憶に残りやすくなります。
関連記事:飲食店のリピート率がアップする!アプリでできる“今日からの集客施策”とは?(カフェ版)
飲食店アプリ導入の前に気を付けるべきこと
飲食店がアプリを導入する際には、さまざまな注意点や課題を把握しておくことが重要です。ここでは、アプリ導入の際に考慮すべきポイントを詳しく見ていきましょう。
初期開発コストと運用コストの考慮
飲食店アプリを導入する際、まず考慮すべきは初期開発コストと運用コストです。アプリの開発には一定の費用がかかるため、予算との兼ね合いを慎重に検討する必要があります。
初期開発コストには、アプリの設計・開発費用、サーバー費用、テスト費用などが含まれます。一方、運用コストには、アプリの保守管理費用、サーバー維持費用、アップデート費用などが含まれます。これらのコストを長期的な視点で捉え、投資対効果を見極めることが肝心です。
また、アプリ開発会社の選定も重要なポイントです。開発実績や技術力、サポート体制などを総合的に評価し、自社に適したパートナーを見つけることが求められます。
費用対効果を測る際は、アプリ経由の来店が月に何組増えれば費用を回収できるかを先に計算しておくと判断しやすくなります。客単価が3000円の店舗で月額費用が3万円なら、月に10組の追加来店で採算が取れるという計算です。
中小規模の飲食店であれば、ゼロから開発するのではなくアプリプラットフォームを使う方法が現実的です。必要な機能があらかじめ用意されており、初期費用を大きく抑えたまま運用を始められます。
関連記事:飲食店のアプリ開発方法を徹底解説|導入メリット・手順・おすすめサービス5選
アプリ運用に必要な人的リソースの確保
アプリの運用には、専門知識を持った人材の確保が欠かせません。アプリの管理、コンテンツの更新、顧客サポートなど、さまざまな業務が発生するためです。
社内にアプリ運用のための専任者を置くことが理想的ですが、人員確保が難しい場合は、外部の専門家に業務を委託することも検討すべきでしょう。いずれにせよ、アプリ運用に必要な人的リソースを事前に見積もり、体制を整えておくことが重要です。
また、アプリ運用に関わるスタッフにはアプリの機能や操作方法、顧客対応の基本などを身につけさせ、、適切な教育・トレーニングを行う必要があります。
飲食業は人手不足が慢性化しているため、運用の負担を最小限にする設計が欠かせません。レジ業務の流れを大きく変えない、確認する画面を絞る、レポートは自動で出力されるようにするなど、日々の業務に組み込みやすい形を優先してください。
配信の頻度や担当者を先に決めておくことも有効です。誰がいつ更新するのかが決まっていないと、担当者が変わった瞬間に運用が止まってしまいます。
アプリ内の継続的な情報更新と改善
アプリ内の情報を常に最新の状態に保ち、顧客の利便性を高めていくことも重要な課題です。メニューの更新、店舗情報の変更、新サービスの追加など、こまめな情報更新が求められます。
また、顧客の行動分析に基づいて、アプリの機能や操作性を継続的に改善していくことも欠かせません。顧客の声に耳を傾け、ニーズに柔軟に対応することが、アプリの長期的な成功につながるでしょう。
そのためには、アプリの利用状況を定期的にモニタリングし、課題を抽出する必要があります。アクセス解析ツールを活用して、顧客の行動パターンを把握し、改善につなげていくことが重要といえます。
見直しの対象として特に重要なのが、会員証やクーポンを表示するまでの手順です。レジの前で何度もタップが必要な作りだと、お客様もスタッフも待たされることになり、提示自体をやめられてしまいます。
ダウンロードしてもらう導線を用意する
見落とされやすいのが、アプリを配布する導線です。どれだけ機能が充実していても、お客様の手元に入っていなければ施策は始まりません。導入直後に力を入れるべきなのは、来店客へ確実に案内する仕組みづくりです。
卓上POP、レジ横の案内、メニュー表への掲載、QRコード付きのショップカードなど、目に入る場所を複数用意しておきます。あわせてスタッフからの声かけを統一しておくと、案内漏れを防げます。
案内の際は、その場で得られる利点を明確に伝えることがポイントです。「アプリを入れると便利です」ではなく「今すぐご登録いただくと本日のお会計から使えるクーポンをお渡しします」と伝えるほうが、登録率は大きく変わります。
会計を待っている時間や、料理の提供を待っている時間は案内の好機です。手が空きやすいタイミングを店舗ごとに決めておけば、忙しい時間帯でも案内が止まりません。
関連記事:アプリダウンロード促進の事例7選|DL数を増やす方法と成功のコツを解説
飲食店アプリ導入の基本的なプロセス
飲食店アプリを導入するには、いくつかの重要なプロセスを踏む必要があります。ここでは、アプリ開発の基本的な流れについて見ていきましょう。
必要機能の洗い出しと優先順位付け
まず最初に行うべきことは、アプリに必要な機能を明確にすることです。店舗の特性や顧客ニーズに合わせて、どのような機能が求められているのかを整理します。
次に、洗い出した機能の中から優先的に実装すべき項目を選定します。コストや開発期間、効果の大きさなどを総合的に判断し、優先順位を付けていきます。この作業により、アプリ開発の方向性が明確になります。
この段階で機能を盛り込みすぎないことも大切です。使われない機能が増えるほど画面は複雑になり、お客様が目的の操作にたどり着けなくなります。最初に載せる機能は3つから4つに絞るくらいがちょうどよく、必要になった段階で追加していく形が現実的です。
現場スタッフに意見を聞いておくことも有効です。レジ前でどんな手間が発生しているのか、お客様からどんな質問が多いのかといった情報は、優先すべき機能を判断する材料になります。
要件定義
優先順位が決まったら、具体的な要件定義に入ります。機能の詳細や画面遷移、データ構造などを文書化し、開発チームと共有します。
この段階で、既存システムとの連携可否も確認しておいてください。POSレジや予約システムを使っている場合、それらと会員情報がつながるかどうかで運用の手間が大きく変わります。手作業での入力が必要な形だと、忙しい時間帯には運用が止まってしまいます。
設計・開発・テスト
要件定義が完了したら、いよいよ設計・開発フェーズに突入です。UIデザインや各機能の実装を、要件に沿って進めていきます。
検証は、開発に関わっていない人にも依頼すると精度が上がります。実際にレジ前で使う場面を想定して操作してみると、机上では気付かない不便さが見えてきます。
リリース後の保守管理とダウンロード促進
開発が完了し、いよいよアプリのリリースです。リリース後は継続的な保守管理が求められます。
また、せっかくリリースしたアプリをより多くの顧客にダウンロードしてもらうための施策も必要です。SNSでの告知やアプリ専用のクーポン配布など、様々なプロモーション活動を展開していきましょう。
目標として置きやすいのは、月間の来店客数に対する割合です。月に1000人が来店する店舗であれば、3か月で300件といった形で設定できます。既存の来店客数という現実的な母数から逆算することで、達成可能で意味のある目標になります。
継続的な改善と顧客フィードバックの収集
アプリを運用していく中で、顧客から様々なフィードバックが寄せられるはずです。要望や不具合報告など、それらの声に真摯に耳を傾けることが重要です。
収集したフィードバックを分析し、アプリの継続的な改善につなげていきましょう。顧客目線に立った改善を積み重ねることで、より使いやすく価値の高いアプリへと成長させることが可能です。
アプリのアンケート機能を使えば、来店後のタイミングで自動的に意見を集めることもできます。回答してくれた方にクーポンを付与する設計にすれば回収率が上がり、同時に次回来店のきっかけも作れます。
集まった声は、改善した結果まで伝えることが大切です。要望に応えたことをアプリで知らせれば、意見が届く店という印象が定着し、関係はさらに深まります。
飲食店アプリの導入事例
大手飲食チェーンのアプリ導入事例を3つご紹介します。
マクドナルド
マクドナルドのモバイルアプリは、モバイルオーダーやクーポン配信を中心とした機能を提供しています。主な特徴として、モバイルオーダー&ペイで事前注文・決済が可能、来店ポイントを貯めてクーポンと交換できるプログラム、定期的な割引クーポンの配信、店舗検索機能と営業時間の確認といったものがあります。
参考にしたいのは、クーポンとモバイルオーダーが連動している点です。配信したクーポンを注文画面でそのまま適用できるため、見てから使うまでの手順が短くなっています。機能を単独で並べるのではなく、つなげて設計する発想が学べる事例です。
くら寿司
くら寿司のアプリは、待ち時間解消と来店促進に焦点を当てています。事前予約による待ち時間の短縮、ビッくらポンポイント制度によるリピーター促進、お持ち帰り予約機能、メニュー情報の閲覧とアレルギー情報の確認といった機能が用意されています。
待ち時間という不満に正面から向き合っている点が特徴です。行列ができる業態では、待たされることが再来店をためらう最大の理由になります。不満を1つ取り除くことが、そのままリピート率の改善につながるという分かりやすい例といえます。
スターバックス
スターバックスのアプリは、決済とロイヤリティプログラムを統合したサービスを提供しております。モバイルオーダー&ペイによる事前注文、スターバックスリワードによるポイント制度、プリペイドカード機能との連携、新商品情報やキャンペーン情報の配信といった機能があります。
これらの事例は、顧客の利便性向上とリピート率の向上を実現し、デジタル戦略の成功例として注目されています。
プリペイド機能とポイント制度を結び付けている点が特徴です。先に金額をチャージしてもらうことで、次回の来店理由が生まれる仕組みになっています。
3つの事例に共通していること
規模の大きな企業の事例ですが、共通点を整理すると中小規模の店舗にも応用できます。
1つ目は、機能を単独で置かずに連動させている点です。注文・決済・ポイント・クーポンがつながっているため、1つの行動が次の来店理由を生む流れになっています。
2つ目は、お客様の不満を減らす機能を軸にしている点です。待ち時間、会計の手間、クーポンの持ち忘れといった小さなストレスを取り除くことが、結果として再来店の後押しになっています。
3つ目は、来店するたびに何かが貯まる仕組みを備えている点です。ポイントでもスタンプでも、積み上がっている実感があると、別の店を選ぶ理由が減っていきます。自店舗で取り入れる際も、この3点を意識すると設計の軸が定まります。
関連記事:飲食チェーン店のアプリ活用法|店舗アプリの成功事例と導入のコツ
飲食店のリピート促進を成功させる進め方
初回来店から2回目までの導線を設計する
リピート施策で最も力を入れるべき場面は、初めて来店したお客様に2回目の来店をしてもらうところです。ここを越えられるかどうかで、常連客に育つ人数が大きく変わります。
初回来店時にやっておきたいのは、次につながる接点を必ず1つ残すことです。アプリのダウンロードを案内する、次回使えるクーポンを渡す、スタンプを1つ押すといった行動が、次回の来店理由になります。何も残さないまま帰ってもらうと、再来店は偶然に頼るしかなくなります。
初回来店から数日後にお礼の通知を送る運用も効果的です。来店の記憶が残っているうちに接点を持つことで、店舗の存在が定着しやすくなります。特典を付ける場合は有効期限を短めに設定すると、2回目までの期間を縮められます。
関連記事:レストラン集客はアプリで変わる!“もう一度来たくなる”仕組みのつくり方
離れかけたお客様を呼び戻す
来ているお客様を伸ばすことと同じくらい、来なくなりかけている人への対応が重要になります。休眠状態が長引くほど復帰率は下がるため、兆しを早く捉えることが求められます。
兆候は来店が完全に止まる前から現れます。来店間隔が少しずつ延びる、注文点数が減る、これまで反応していた通知を開かなくなるといった変化がその例です。こうした小さな変化は日々の接客では気付けず、データとして追跡してはじめて見えてきます。
呼び戻しの案内では、最終来店日からの経過日数でグループを分けて内容を変えると効果的です。30日程度なら軽い案内で十分ですが、半年以上空いたお客様には特典の魅力を高めた内容が必要になります。ただし期間が長いほど反応率は下がるため、予算を投じすぎない判断も大切です。
関連記事:飲食店のリピーターを増やす!アプリ活用で売上を伸ばすための機能7選
関連記事:アプリで差がつく!飲食店の“今どき集客”はこう変わる(居酒屋編)
まとめ
本記事では、飲食店がアプリを活用して効果的なリピート集客を実現する方法について解説しました。飲食店アプリには、来店促進機能や顧客管理機能、決済機能などが求められます。これらの機能を適切に組み合わせることで、顧客とのコミュニケーション強化、リピーター増加と客単価向上、顧客データの可視化と行動分析、情報発信の効率化とコスト削減、店舗を想起させるきっかけづくりといったメリットが期待できます。
ただし、アプリ導入には初期開発コストや運用コストの考慮、人的リソースの確保、顧客のアプリ利用習慣の形成など、注意点や課題も存在します。これらを適切にマネジメントしながら、継続的にアプリを改善していくことが重要です。
飲食店経営者の皆様には、自店の特性やニーズに合わせたアプリ活用を検討いただきたいと思います。導入に際してご不明な点やご相談などございましたら、ぜひ下記のお問い合わせページよりご連絡ください。
お問い合わせページ
最初からすべての機能を使いこなす必要はありません。まずは自店舗のリピート率と平均来店間隔を確認し、初回来店から2回目までの導線を整えるところから始めてみてください。身近な数字を押さえるだけでも、次に打つべき施策は十分に見えてきます。
参考:一般社団法人日本フードサービス協会「外食産業市場動向調査(2025年年間結果)」
この記事を監修した人
店舗アプリ公式。累計1,000社以上の導入実績を誇る店舗アプリ構築プラットフォーム。 単なる集客に留まらず、リピーター創出による売上最大化を得意としている。
>>運営メディアトップへ