アプリの保守費用・維持費はいくら?運用コストの相場・内訳と削減のコツを解説

業種全般
公開日:2023.06.13 更新日:2026.08.17
アプリ運用コストはどれくらい?保守費用やアップデートの対応に最低限かかるコストとは

アプリ開発を行う際、導入初期の費用だけを考えてしまうケースは多いですが、実際にはアプリを公開した後の保守費用や維持費(運用コスト)まで考慮する必要があります。運用コストはサーバー費用やOSアップデート対応、保守対応、機能追加などさまざまな項目で構成されており、開発方法や規模によっても金額は大きく異なります。

押さえておきたいのは、運用コストは開発方法によって数十倍の差が出るという点です。フルスクラッチで開発したアプリと、アプリプラットフォームで作ったアプリでは、同じ機能を維持するのにかかる費用がまったく違います。

また、金額として見えている費用だけがコストではありません。配信内容を考え、クーポンを設定し、結果を確認する作業には毎月一定の時間がかかります。この人件費まで含めて計算しないと、実際の負担は見えてきません。

本記事では、アプリの保守費用・維持費の内訳と相場、そして運用コストを抑えるためのポイントまでを解説します。アプリ開発を検討中の方はぜひ参考にしてください。

アプリの保守費用・運用コストとは

開発後に継続的に発生する維持費のこと

アプリの保守費用とは、開発・リリース後にアプリを正常に稼働させ続けるために継続的に発生する費用のことです。具体的にはサーバーの維持管理、スマートフォンOSのアップデート対応、バグや不具合の修正、機能追加やデザイン変更などの作業に伴うコストが該当します。

アプリの開発〜初期リリースはあくまでスタートに過ぎません。公開後にはサーバー等の機材保守、ユーザーからのフィードバックに基づく機能改善、OSアップデートへの対応、デザインや機能面でのトラブル対応といった運用・保守工程が継続的に発生します。こうした工程で発生する費用は長期にわたるため、初期導入費だけでなく運用コストまで含めた予算計画が不可欠です。

たとえば初期導入費が10万円でも年額の運用コストが20万円かかるようではコストパフォーマンスが悪化します。逆に初期導入費が100万円でも運用コストが年額5万円であれば、10年間運用した場合のトータルコストは前者を下回ります。このように初期費用だけでアプリ導入を判断してしまうと、後からコスト面で想定外のデメリットが発生するリスクがある点に注意が必要です。

比較する際は、何年運用する前提なのかを先に決めておくと判断しやすくなります。3年で見るのか10年で見るのかによって、初期費用と運用費のどちらを重視すべきかが変わってくるためです。

目安としては、店舗の販促アプリであれば最低でも3年から5年は使い続ける想定で計算しておくとよいでしょう。1年程度で作り直すことになると、初期費用を回収できないまま次の投資が必要になってしまいます。

保守費用を想定せずにアプリを導入するとどうなるか

運用や保守の工程を考えずにいきなりアプリを導入してしまうと、複数のリスクが発生します。まずコスト面では、運用にかかるあらゆる費用を計算に入れていなければ、後から予想外のコストが発生して混乱したり、当初の予算を大幅に超過する事態になりかねません。

人員面でも、保守・運用には専用のカスタマーサポートやエンジニアが必要ですが、あらかじめスケジュールが決まっていないと適切な人員配置ができず、トラブル発生時に対応が難しくなります。

さらにアプリの運用体制が不十分だとアプリの品質が劣化し、ユーザーとのトラブルが増える原因にもなります。トラブル対応に時間がかかるとさらにコストが増加し、アプリや企業のブランド力低下にもつながるため、開発段階から保守費用を含めた予算計画を立てておくことが重要です。

実際に起こりやすいのが、予算が尽きて更新が止まってしまうケースです。OSの更新に対応できないまま放置されたアプリは、ある日突然動かなくなったり、ストアで新しいバージョンを公開できなくなったりします。

そうなると、せっかく集めた会員との接点も失われます。作り直すには再び初期費用がかかるうえ、一度離れたユーザーに再インストールしてもらうのは容易ではありません。保守費用は削るものではなく、投資を守るための費用だと捉えてください。

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開発方法によって運用コストは大きく変わる

運用コストを考えるうえで最も影響が大きいのが、どの方法で開発したかという点です。方法によって、かかる費用の種類そのものが変わります。

フルスクラッチ開発の場合、サーバーの契約から保守、OS対応まですべてを自社または委託先で負担することになります。開発費が大きいぶん保守費も高くなり、年間で開発費の15%程度が保守費の目安とされるため、開発費が1,000万円なら年150万円前後という計算になります。

外注してパッケージを導入する場合は、保守を業者に任せられる一方で、軽微な変更まで都度見積もりになると運用のたびに費用が発生します。年間でどこまでの対応が含まれるのかを契約時に確認しておくことが欠かせません。

アプリプラットフォームを利用する場合は、サーバーやOS対応、セキュリティ更新までが月額料金に含まれているケースがほとんどです。個別の保守費が発生しないため、月額数万円程度で運用を続けられるのが大きな違いになります。中小規模の店舗が販促目的でアプリを持つ場合、この差は無視できません。

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アプリの維持費・保守費用の内訳と相場

サーバー費用

アプリはWebサイトと同様に、インターネットへ公開するための専用サーバーを契約する必要があります。サーバーは月額または年額でサービス料金を支払うことで利用でき、年額プランにすると月額より割安になるケースが多いです。

ただし料金が安いプランでは、同時接続数や通信データ量、セキュリティの面で制限が出る場合があります。たとえばキャンペーン時にアクセスが集中した際にサーバーがダウンしてしまうと、ユーザーに大きなストレスを与えるだけでなく、売上機会の損失にもつながります。初期は安いプランでスタートしても問題ありませんが、アプリの利用者が増えてきたらスムーズに上位プランへ移行できるサービスを選んでおくと安心です。

費用の相場としては、小規模のアプリで「年額2万円」程度、ある程度規模の大きいアプリであれば「年額30万円」程度が目安です。利用者数やデータ量の増加に応じてプランのアップグレードが必要になる場合もあるため、将来的なスケールアップも見据えてサーバーサービスを選定しましょう。

アクセスが集中しやすいのは、セール開始の瞬間やクーポン配信の直後です。プッシュ通知を一斉に送れば、その数分間に普段の何倍ものアクセスが発生します。平常時ではなくピーク時を基準にプランを選ぶという視点を持っておくと、想定外のダウンを防げます。

なお、アプリプラットフォームを利用する場合はサーバーの契約や管理が月額料金に含まれているため、この項目を個別に意識する必要はありません。

ドメイン費用

Webアプリを公開する場合は、インターネット上のコンテンツの位置を示すドメインの取得・維持にも費用が発生します。ドメインはユーザーがコンテンツにアクセスするための住所のようなもので、現在では独自ドメインを取得してブランディングに活用するケースが増えています。

なお、ネイティブアプリ(App StoreやGoogle Playからインストールするタイプ)の場合は、ドメインについて特に意識する必要はありません。ドメイン費用が発生するのは主にWebアプリを公開する場合です。費用の相場としては「年額1,000円〜5万円」程度で、ドメインの独自性やトップドメインの種類によって料金は変動します。

注意したいのが更新忘れです。ドメインは有効期限が切れると一定期間後に第三者が取得できる状態になり、同じアドレスを取り戻せなくなることもあります。自動更新の設定と、支払いに使っているカードの有効期限を確認しておきましょう。

SSL証明書の更新費

Webアプリではサーバー契約に伴い、暗号化技術であるSSLの証明書を取得・更新する必要があります。現在ではSSLを導入していないWebサイトやアプリはほとんどなく、実質的に必須の費用です。

SSL証明書には企業の所在地証明などランクがあり、ランクが高いほど年額も高くなります。費用の相場としては「年額3,000円〜8万円」程度です。アプリの規模や用途に応じて必要なSSL証明書のレベルを検討しましょう。

証明書の有効期限が切れると、ブラウザに警告が表示されて利用者が離れてしまいます。無料で利用できる証明書もありますが、有効期間が短く更新頻度が高くなるため、更新作業を誰が担当するのかを決めておくことが実務では重要になります。

アプリストア登録費用

ネイティブアプリを公開する場合は、アプリストアへの登録費用も必要です。Google Playでは初回登録時に25米ドルの一括支払いのみで済みますが、App Storeでは登録費用として「年額99米ドル」が継続的に発生します。

実際の日本円換算での金額は為替レートによって変動するため、申請時に最新の料金を確認しておきましょう。iOS・Androidの両方に対応する場合は、両ストア分の費用を見込んでおく必要があります。

金額としては大きくありませんが、支払いが止まるとアプリがストアから削除されるという点で影響は小さくありません。クレジットカードの有効期限切れで更新に失敗する事例もあるため、支払い情報の管理担当を決めておくと安心です。

なお、アプリプラットフォームを利用する場合でも、ストアのアカウント自体は自社名義で取得するケースが一般的です。誰の名義で登録するのかは、契約前に確認しておきましょう。

OSアップデート対応費用

スマートフォンのOS(iOS・Android)がアップデートされた際に、アプリが正常に動作するかを確認し、不具合があれば修正する対応が必要です。特に機能面で複雑な仕様を搭載しているアプリでは、OSアップデート時に操作中のフリーズ、強制終了、デザイン崩れなどの不具合が発生するリスクが高まります。

大手アプリでもOSアップデートに起因する不具合がニュースになることがあるほどで、運営側ではこうした問題にいち早く対応する体制を整えておく必要があります。対応が遅れるとユーザーからの低評価レビューが増え、アプリストアでの評価低下やダウンロード数の減少といった悪影響につながる可能性もあります。

費用はトラブルに対応する担当者の人件費で決まるため、自社や外注先の人件費を基に対応時間を見積もっておくと相場を把握しやすくなります。iOSとAndroidの両方に対応しているアプリの場合は、それぞれのOS向けに個別の対応が必要になるため、費用も倍近くかかるケースがある点を考慮しておきましょう。

OSの更新は毎年行われるため、年に一度は必ず発生する費用として最初から予算に組み込んでおくことが現実的です。突発的な支出として扱っていると、そのたびに稟議が必要になり対応が遅れます。

セキュリティ面のリスクも見過ごせません。独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)「情報セキュリティ」では脆弱性関連情報の届出状況や注意喚起が継続的に公表されており、スマートフォン向けアプリもその対象に含まれます。古い状態のまま放置することは、利用者の情報を預かる立場として避けたいところです。

あわせて、アプリストア側が一定より古い開発環境で作られたアプリの新規公開や更新を受け付けなくなる場合もあります。対応を先送りしていると、ある日突然アップデートを出せなくなる事態にもなりかねません。

保守対応費用

アプリが常に正常に稼働するよう維持するための保守対応にも費用が発生します。保守対応はトラブルが発生していないときにも継続して行う必要があるため、保守費用は比較的高額になりがちです。

具体的にはバグや不具合が発生したときの緊急対応や、アプリの仕様アップデート作業、セキュリティパッチの適用、サーバーの監視・メンテナンスなどが含まれます。費用の相場としては「アプリ開発費の15%程度」が年間の保守対応費用の目安です。たとえば開発費が200万円のアプリであれば、年額30万円程度の保守費用が見込まれます。

開発費が高いアプリほど保守対応費用も高額になる傾向がありますが、バックオフィス作業だからとうかつに費用を削減すると、アプリの品質維持が困難になり施策全体に悪影響を及ぼすリスクがあるため注意が必要です。保守対応を外注する場合は、月額固定費で対応してくれる業者と、対応件数に応じた従量課金の業者がいるため、自社のアプリの特性に合った契約形態を選びましょう。

契約する際に確認しておきたいのが、対応の範囲と速度です。何時間以内に一次対応するのか、休日や夜間も含まれるのかによって、同じ月額でも実質的な価値は変わります。

特に決済機能を持つアプリでは、障害が売上に直結します。対応が翌営業日になる契約だと、週末に不具合が起きた場合の損失が大きくなるため、自社のアプリがどれだけ止まると困るのかを基準に契約内容を選んでください。

あわせて確認しておきたいのが、保守の対象範囲です。アプリ本体だけが対象なのか、管理画面やサーバー、外部システムとの連携部分まで含まれるのかによって、トラブル時に対応してもらえる範囲が変わります。

連携しているPOSレジや予約システム側で不具合が起きた場合、どちらの業者に問い合わせればよいのか分からず対応が遅れるケースは少なくありません。問い合わせ窓口を一本化できる契約になっているかを、導入前に確認しておくと安心です。

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機能追加にかかる費用

アプリの機能は運用を続ける中で追加・削除・変更が必要になる場合が多く、その都度費用が発生します。マーケティング上不要になった機能の削除や、新たに必要になった機能の追加、それに伴う調整作業などが対象です。

機能追加は保守費用とは別に発生する

注意したいのは、機能追加に伴う費用は保守対応費用とは別に発生する点です。また機能1つにつきコストが決まるため、追加したい機能が多いほど費用も増えていきます。無駄な費用が発生しないよう、優先順位の高い機能から段階的に追加していくのがポイントです。

追加したい要望が出てきたときは、すぐ発注せずに一度リストへ書き出しておくことをおすすめします。数か月分をまとめて依頼したほうが、都度発注するより費用も工数も抑えられるケースが多いためです。

機能別の費用相場

機能追加の費用相場としては、個人情報の登録機能で「10万〜20万円」、メールアドレスでのログイン機能で「20万〜40万円」、決済システムの導入で「20万〜50万円」、アクセス解析の導入で「約5万円」、デザイン変更で「50万〜100万円」といった金額が発生します。年額制ではなく、基本的には追加1回につき費用が発生する点も把握しておきましょう。

これらはフルスクラッチや外注で個別開発した場合の目安です。アプリプラットフォームであれば、これらの機能はあらかじめ用意されており、管理画面で有効にするだけで使えるケースがほとんどです。追加費用がかかるとしてもオプション料金として月額数千円程度に収まることが多く、個別開発との差は非常に大きくなります。

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見落とされやすい運用の人件費

金額として請求される費用のほかに、必ず発生しているのが社内の作業時間です。この人件費を計算に入れていないと、実際の運用コストを見誤ります。

日常的に発生するのは、配信内容を考える、クーポンを設定する、画像を用意する、結果の数値を確認するといった作業です。週に1時間程度でも、年間では50時間を超える工数になります。担当者の時給に換算すれば、決して小さくない金額です。

加えて、問い合わせ対応の時間も見込んでおく必要があります。ログインできない、クーポンが表示されないといった相談は一定数発生するため、誰が対応するのかを決めておかないと現場が混乱します。

この負担を減らすうえで効くのが、管理画面の使いやすさです。設定に毎回調べ物が必要な仕組みだと、実質的な運用コストは月額料金以上に膨らみます。無料相談やデモがあれば、実際に操作する担当者に触ってもらって判断すると確実です。

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アプリの運用コストを抑えるためのポイント

開発前に要件・機能を明確に決めておく

無駄な費用を発生させないためには、開発前の要件定義を明確にしておくことが重要です。アプリにはプッシュ通知、決済システム、予約システム、クーポン配布、デジタル会員証など、さまざまな機能を追加できますが、すべてが自社にとって必要とは限りません。

たとえばEC機能を搭載しない場合は、決済システムを独自にアプリへ組み込む必要性は低くなります。このようにアプリの制作目標や用途によっては優先順位の低い機能もあるため、不要な機能の開発にコストをかけないよう事前に見極めることが大切です。

アプリの導入目的を明確にした上で必要なデザイン・機能を洗い出し、優先順位をつけることで、開発費だけでなく運用コストも抑えることができます。外注の必要性が低いデザインや機能については内製で対応すれば、さらにコスト削減につなげられるでしょう。

機能を絞ることは、コスト以外の面でも効果があります。使われない機能が増えるほど画面は複雑になり、顧客が目的の操作にたどり着けなくなるためです。最初に載せる機能は3つから4つに絞るくらいがちょうどよく、必要になった段階で追加していく形が現実的です。

関連記事:アプリ開発を依頼するには?依頼の流れや開発費用、事前に決めておくべきこと

初期費用の安さだけで開発業者を選ばない

業者によってアプリの開発費だけでなく、アップデート費や機能追加費なども異なります。初期開発費が安い業者は運用コストが高めに設定されていることが多いため、初期費用だけではなく総合的なコストで業者を選定することが重要です。

アプリの予定運用期間まで考えて長期的なコスト算出を行えば、より適切な業者・プランを選べるようになります。運用予定期間が5年と10年では、最適な業者やプランが異なる可能性があります。見積もりを取る際は、初期開発費だけでなく月額の運用費、OSアップデート対応費、機能追加時の追加費用まで含めた「トータルコスト」を比較するようにしましょう。

外注の場合は、アプリで得られる利益を制作業者とクライアントで分ける「レベニューシェア」方式が採用できるケースもあります。この方式なら初期導入費や運用費を抑えられるため、長期的な運用コストの観点から検討してみるのもよいでしょう。

比較の際は、店舗数や会員数が増えたときに料金がどう変わるのかも確認してください。会員数に応じて費用が跳ね上がる料金体系だと、事業が伸びるほど負担が重くなるという逆転が起こります。

あわせて、途中で別のサービスへ乗り換える場合に会員データを引き継げるかも聞いておきましょう。移行できない契約だと、実質的にそのサービスから抜けられなくなります。

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誰でも簡単に運用できるアプリを導入する

内製で運用を行う場合、専門知識が必要なアプリだと人件費がかさんでコストが膨らむリスクがあります。コンテンツの追加、クーポンの発行、データの分析といった日常的な運用作業を、初心者でもすぐに実行できる仕様にしておくことで、運用コストを抑えながらスムーズな運用が可能になります。

アプリ運用に専任の担当者を配置するのが難しい場合でも、操作が簡単であれば既存のスタッフで対応できるため、余計な人件費の増加を防ぐことができます。

運用が特定の担当者に依存しないことも重要です。前任者しか操作方法を知らない状態だと、異動や退職の際に更新が止まってしまいます。手順書を残し、複数人が操作できる状態にしておくことで、引き継ぎにかかるコストも抑えられます。

アプリプラットフォームを活用する

現在ではフルスクラッチでの内製や外注だけでなく、「アプリプラットフォーム」を利用してアプリを開発する方法も広がっています。アプリプラットフォームではノーコードまたはローコードで簡単にアプリを制作でき、独自デザインも実現できるのが特徴です。

フルスクラッチでの開発と比べてコストが大幅に抑えられ、少人数で効率よく運用できる点がメリットです。プラットフォーム提供業者は初心者が操作することも想定して管理画面をわかりやすく設計しているため、専門知識がなくても運用に困りません。さらにトレンド機能の追加やより使いやすいUIへのアップデートなども提供業者が行ってくれるため、自社で保守対応のすべてを担う必要がなくなります。

特に店舗向けのアプリ開発では、プッシュ通知やクーポン配信、ポイント管理といった集客に必要な機能がパッケージ化されたプラットフォームを選ぶことで、個別の機能開発にかかる費用を大幅に削減できます。アプリの保守費用・運用コストを最小限に抑えたい方にとって、アプリプラットフォームの活用は最も現実的な選択肢だといえるでしょう。

見落とされやすい利点として、OS対応やセキュリティ更新が月額料金に含まれている点があります。毎年発生するはずの改修費を個別に負担しなくて済むため、年単位で見たときの差はさらに広がります。

導入コストを抑える方法として、国や自治体の補助金を活用する選択肢もあります。業務効率化やデジタル化を目的としたITツールの導入は補助の対象になりやすく、プラットフォームの初期費用や利用料が対象となるケースもあります。ただし採択されるとは限らないため、補助金を前提にした計画にしないことが大切です。

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使われていない機能を定期的に整理する

運用が長くなるほど、機能は増えていきがちです。しかし追加した機能がすべて使われているとは限らず、使われていない機能も維持している限りは保守の対象になります。

年に一度は、機能ごとの利用状況を確認してみてください。ほとんどタップされていない項目があれば、目立たない場所へ移すか思い切って外すことで、保守の対象を減らせます。

整理は画面の使いやすさにも直結します。項目が少ないほど目的の操作にたどり着きやすくなるため、コスト削減と利便性向上を同時に実現できる数少ない打ち手といえます。

関連記事:アプリデザイン(UIデザイン)のトレンド10選|基本の考え方から最新の注目手法まで解説

運用コストを見積もるときの確認事項

契約前に確認しておきたい項目

見積もりを比較する際、金額の総額だけを見ていると後から差が出ます。次の項目は契約前に必ず確認しておきましょう。

1つ目は、月額料金に何が含まれているかです。サーバー、保守、OS対応、セキュリティ更新のうちどこまでが料金内なのかによって、実質的な負担は大きく変わります。

2つ目は、自社で更新できる範囲です。文言や画像の差し替え、クーポンの設定といった日常的な作業が都度見積もりになるのか、管理画面から自分で行えるのかは、運用コストを左右する最大の要素になります。

3つ目は料金が変動する条件、4つ目は解約時のデータ移行の可否です。会員数や店舗数が増えたときの料金、そして別のサービスへ移る際に会員情報を引き継げるかどうかを、契約前に書面で確認しておくと安心です。

関連記事:アプリ開発期間の目安は?最短でリリースする工程や短縮のコツを紹介

回収ラインを数字で持っておく

運用コストが妥当かどうかを判断するには、いくら稼げば費用を回収できるのかを計算しておくことが有効です。

たとえば客単価が3,000円の店舗で月額費用が3万円なら、月に10組の追加来店で採算が取れるという計算になります。この数字を先に出しておけば、導入後の評価を感覚に頼らずに済みます。

既存の販促費と置き換える形で考えるのも現実的です。紙のチラシやポータルサイトへの掲載料をアプリの費用に振り替えられれば、追加の持ち出しを抑えながら移行できます。

運用が始まったら、ダウンロード数・アクティブユーザー数・クーポン利用率といった指標を毎月確認してください。費用に対して成果が出ているかを継続的に見ておけば、プランの見直しや追加投資の判断もしやすくなります。

契約から時間が経っている場合は、年に一度は費用の内訳を見直す機会をつくりましょう。使っていないオプションが残っていたり、当初より安いプランが新設されていたりすることがあります。

特にサーバーのプランは、会員数の増減に対して過剰なまま契約が続いているケースが少なくありません。実際の利用状況と契約内容がずれていないかを定期的に確認するだけでも、無駄な支出を抑えられます。

関連記事:アプリマーケティングのKPIとは?ダウンロード数など主要指標の見方と設定のコツを解説

関連記事:継続率(リテンションレート)とは?計算方法とアプリの継続率を上げる施策を解説

まとめ

本記事では、アプリの保守費用・維持費の内訳として、サーバー費用、ドメイン費用、SSL証明書、アプリストア登録費、OSアップデート対応費、保守対応費、機能追加費の7項目について相場を解説しました。アプリ開発では初期導入費だけでなく、その後の運用コストまで含めた長期的な予算計画が不可欠です。

運用コストを少しでも抑えたい方には、ノーコードで制作・運用ができるアプリプラットフォームの活用がおすすめです。「店舗アプリDX版 raiten」は、月額低コストで運用でき、基本プランだけで十分にアプリを運用可能です。アプリ申請のサポートや他サービスからの乗り換えにも対応しているので、アプリの保守費用・運用コストにお悩みの方はぜひお気軽にお問い合わせください。

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費用を比べる際は、何年使う前提なのかを決めたうえで、社内の作業時間まで含めた総額で見ることを意識してください。月額の数字だけを並べても、実際の負担は見えてきません。

そのうえで、必要な機能を絞って小さく始め、成果を確認しながら広げていけば、無理のない範囲でアプリを運用し続けられます。

参考:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)「情報セキュリティ」

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