プッシュ通知の配信頻度って?アプリ削除されない適切な方法を解説
プッシュ通知はアプリマーケティングにおいての基本であり、同時にとても重要な機能です。プッシュ通知を活用することで効率よくアプリ起動率を増加させたり、リピーターを増やしたりすることが可能になります。
しかし、プッシュ通知は配信頻度やタイミングを間違えると、マーケティングの足を引っ張ってしまいかねません。そこで適切な配信頻度やタイミングに関して重要な注意点を理解した上でマーケティングに活用できるよう、基本的な知識を押さえておきましょう。
この記事ではプッシュ通知の概要やメリット・注意点、そして適正化するためのポイントなどをご紹介します。
目次
プッシュ通知とは
プッシュ通知とはアプリからユーザーへ向けて能動的に発信される通知です。
通知されると音で通知が鳴ったり、通知欄に情報概要が表示されたりします。
店舗アプリの場合、イベント・キャンペーンの情報やクーポンの配信といった新着情報に関してプッシュ通知が用いられます。プッシュ通知はユーザー側に気付かれやすいだけでなく、通知欄に表示された概要をタップするだけでもアプリの詳細画面が立ち上がるのでアクセス手段としても優秀です。
ちなみにプッシュ通知の頻度や時間帯などはアプリの種別や機能などによってまちまちです。プッシュ通知には事前に内容を決めて設定しておいて配信するローカル通知と、その場で通知内容を作成して送信するリモート通知の2種類が存在します。
プッシュ通知のメリット
プッシュ通知には次のようなメリットがあります。
メールよりも圧倒的に開封率が高い
プッシュ通知は総じてメールよりも開封率が高いとされています。
厳密にはプッシュ通知とメールでは用途が少々異なるので単純な比較は意味がないケースもありますが、メールとプッシュ通知どちらかしか利用できない状態を想定する場合はプッシュ通知のほうが数値的には有利です。
一説ではメールでの情報配信が開封率10%前後と言われる場合が多い中、プッシュ通知では開封率が30%〜40%になるケースも多く、数値面での効果の違いを実感できるでしょう。
この開封率の差には開封までの工程数が影響していると考えられています。具体的にはメールの詳細確認には数工程が必要ですが、プッシュ通知の場合通知欄を1回タップするだけで情報を確認可能です。細かい違いですが開封率の面では差を発生させるポイントになっています。
アプリを起動してもらいやすい
プッシュ通知は前述した通り、1タップでアプリが起動して詳細画面を確認できます。
そのため、上手く配信を行うと自然にアプリの起動回数や利用時間を増やすことが可能です。
ホーム画面に複数のアプリが配置されており、アイコンからタップして起動することを面倒だと感じる方もいらっしゃいます。そのような方には1タップで必要な情報へアクセスができるプッシュ通知は有効なアクセス手段となりえるでしょう。またプッシュ通知を活用することで、他のインストールされているアプリに埋もれることなくアプリ起動数などを増やせるというメリットもあります。
1:プッシュ通知が定期的に届く
↓
2:有益な情報だからアクセスする
↓
3:すぐアプリが開いて情報が確認できるようになる
というサイクルが継続すると、アプリの利用に関するLTVも伸ばせる可能性が高いです。
顧客ロイヤリティが高められる
プッシュ通知の配信内容に上手く顧客に関係するイベント情報やクーポンなどを載せられると、アプリの利用率も軌道に乗り顧客ロイヤリティ向上によい影響を与える可能性もあります。
顧客ロイヤリティを向上させるという点で、プッシュ通知は他の顧客フォロー方法と比べて鮮度の面で有利です。
たとえばチラシやDMなどは投函されたり店舗で受け取ったりするのに時間が掛かり、すでに紹介されているイベントやキャンペーンが終了している可能性もあります。またメールの配信も競合に埋もれやすく、すぐには気付かれないリスクがあるでしょう。
しかしプッシュ通知での情報配信を有効に使うと、1日限定のイベントについて即時緊急で情報発信することや、1週間限定のクーポンを配信して利用期限を後ほど分かりやすく知らせるといったことも可能です。鮮度に関してリアルタイム性を確保しやすいので施策の幅が広がり、ロイヤリティに関しても確実に向上を見込めるのがメリットになっています。
パーソナライズ化された情報発信が可能
プッシュ通知等を介して収集できたデータは、顧客ごとにリスト化した上でアプリプラットフォームのCRMといった機能で確認ができます。
そこからアプリの利用率や来店頻度などに応じてセグメント分けを行い、パーソナライズした情報を配信できるようにすることでより購入意欲を高めたり、来店頻度を増加させたりといったことが可能です。
一律で同じ情報を送信するよりも「、Aの顧客は新規だから割引率の高いクーポンを配信して様子を見る」、「Bの顧客はすでにお得意さまだから限定イベントのお知らせを送る」といった情報の出し分けを行うことでより高い配信効果を獲得できます。実際に検証しながら情報を出し分け、配信内容を調整してみてください。
プッシュ通知の配信頻度が多いのは危険
プッシュ通知は便利で気付かれやすいという反面、使い方を間違えるとかえって不便になり嫌がられる結果につながる可能性があります。たとえばあまり有名でないゲームアプリでは1日に何度も迷惑なプッシュ通知を配信して、アンインストールを促進するといったケースもありました。
プッシュ通知の過剰な配信頻度がアンインストールにつながるというのは、調査会社のデータ結果にも出ています。
外国の「Appiterate」によると、モバイルアプリをアンインストールする7つの理由のうちで1位になったのは「煩わしいプッシュ通知」でした。
数値で言うと調査対象者の71%が理由に挙げており、プッシュ通知が迷惑に思われるとどれだけアンインストールにつながるかがよく理解できる結果だと言えるでしょう。
できるだけ無駄なプッシュ通知の配信は避けるべきです。そのため、下記のような内容は、プッシュ通知の配信としてはふさわしくないと考えられます。
- 通知しても分からない技術的な内容
- すぐに終わるエラー修正
- アプリと関係ない広告などに関する情報
アプリをアンインストールされると、再度インストールを促すのに相応の手間とコストが発生します。休眠状態ならばともかく一度離脱されると大変なのでむやみなプッシュ通知は避けるのが無難です。
プッシュ通知の適切な配信頻度は?配信内容やターゲット層によっても変わる
ここではプッシュ通知の適切な配信頻度について考察します。
プッシュ通知の適切な配信頻度については、アプリの種類や提供している機能、店舗側の目標やユーザー層など複数の項目によって変わってきます。また配信頻度だけでなく配信するタイミングについても考える必要があるので、意外と調整するのが難しいです。
そこで参考になるデータを確認しながら、自店舗でのプッシュ通知開封状況などをトラッキングして最適な頻度へ調整する必要があります。
ここからは参考になる頻度などに関するデータをご紹介します。
週何回が適切?
配信頻度の決定は難しい問題です。前述の通りアプリやユーザー層などの性質により適切な頻度は異なり、また時代の変化や季節といった内容によっても頻度を調整する必要が出てくるからです。そのため絶対これくらいとは言えませんが、参考になるデータを用意してみます。
食品スーパーでは、2日〜3日ごとに1回というのが平均的な来店頻度となっています。それに合わせて2日や3日ごとにプッシュ通知を配信するというのは有効でしょう。
ただし緊急のイベントやクーポンを配信する必要性も出てきますから、その場合は追加してプッシュ通知を配信する必要性が出てきます。
飲食店を想像してみると、人によっては来店頻度が1週間に1回といった可能性もあります。
この場合1週間に1回来店するお客様には1週間に1回というタイミングを参考に頻度を調整する方法があるでしょう。
もちろん来店頻度がそれより高ければ、1週間に1回より多く通知を送っても嫌がられる可能性は低いです。
このように自店舗への来店頻度なども検討して適切な配信頻度を決定してみるのがおすすめです。
時間帯は10時・12時・18時がおすすめ?
時間帯については、まず夜遅くや朝早くといったタイミングは避けるべきかもしれません。これは店舗アプリにおいてプッシュ通知を配信することを想定しています。
店舗の販促にプッシュ通知を利用する場合、まず店舗を利用できない25時や26時といったタイミングで配信をするとそもそも気付かれない可能性があります。また出勤等の準備をしている7時や8時でも、店舗がまだ開いていない場合は迷惑に感じるかもしれません。
基本的には10時や12時など、すでに店舗が開店してアプリも利用できるタイミングで情報を通知するのが無難です。
また12時〜13時はお昼休み、18時以降は帰宅といったタイミングと被るので、プッシュ通知が閲覧されやすい状況だと言えます。
まだプッシュ通知を検証したことがない方は、まず上記のような閲覧されやすい時間帯に絞って配信をやってみると参考になるでしょう。
プッシュ通知の効果を上げる方法
ここからはプッシュ通知の効果をより向上させる方法をご紹介します。
タイトルの見せ方を工夫する
メール配信と同じく、プッシュ通知においてもタイトルの見せ方を工夫する必要が出てきます。基本なポイントは下記の通りです。
- キーワードを考える
- キーワードの配置は左寄せにする
- 短いタイトルにする
まずキーワードについては、たとえば1日限定売り出しの場合は「1日」「限定」「売り出し」などを当然キーワードとして入れるべきです。そして「1日限定売り出し!注目商品続々」といったように重要なキーワードをなるべく左寄せにして見やすくするのがポイントになってきます。
タイトル自体も短いものにして、途中で切れて意味が分からないようにするのも有効です。短くするのがケースによって難しい場合もあるので、作業の中で調整方法を見つけていきましょう。
絵文字や記号を使用する
ターゲットやサービス・商品カテゴリーによってはそぐわない場合もあるので危険ですが、絵文字や記号を利用する方法もあります。こういった特殊な文字を利用してプッシュ通知を押してもらう方法は、ユーザー層が10代や20代前半といった文字を多用する場合に有効です。
単に普通の文字を使ってタイトルや内容を記載するのではなく、要所に顔文字といった文字情報を掲載することで何が表現したいのかを伝達しやすくなります。また文章が目立つという効果も得られるでしょう。
ただし先ほども言ったようにそれが気に入らないユーザー層もいるので注意しましょう。またスマホ環境によっては特殊文字を使うと文字化けが起きる原因ともなるので、検証して問題がないか確認するのも重要です。
ユーザーにとって有益な情報にする
プッシュ通知はユーザーにとって有益な情報だから送るものです。そのため、わざわざ送らなくても分かる情報や技術的な意味の分からない情報は配信するべきではありません。
店舗においては、
- クーポン
- 限定キャンペーンやイベント
- ポイント失効のアラート
といった用途で使う分には構いませんが、それ以外の用途で使う際は送信の意義があるのかよく確認する必要があります。
内容を簡潔に記載する
タイトルもですが、プッシュ通知本文の内容も簡潔にすべきです。
特にプッシュ通知ではそもそも利用できる画面範囲が限定されるので、シンプルに何が伝えたいのか記載する必要性があります。プッシュ通知はスワイプで簡単に消せるので、内容がすぐ分からないとあっという間に効果がなくなると思ってください。
文章については詳細はタップ後に閲覧できることを念頭に入れながら、タップすることでどんなことに関する情報が出現するのか、閲覧できるのかを把握できるようにしていきましょう。
あるプッシュ通知作成ツールでは「本文は40文字程度」が推奨がされています。
これはメールで換算すると1文ちょっとといった感じです。
配信時間を変えてみる
たとえば主婦層が多いときは16時といった夕方の買い物時になる時間帯にプッシュ通知を送ると効果が出る可能性があります。またサラリーマンが多いときは18時や19時などにプッシュ通知を送ると、自店舗に寄ってくれやすいかもしれません。ただし一般的に見やすいと思われる時間帯に送っても、ユーザー層がずれていたりといった状況が起こると効果がなくなります。
そこで検証を都度行いながら配信時間を分析を基に少し変えてみるのがおすすめです。
配信時間を変更する際は、データを基に理由がしっかりしていないといけません。何となくで変更を何度もしてしまうとユーザーの迷惑につながりかねないのでやめましょう。
配信タイミングを変えてみる
配信タイミングについてもじっくり考えてみてください。たとえ、
- ポイントやクーポンの期限が後2~3日で切れそう
- 後1週間後に大々的なキャンペーンが開始される
- アプリ機能が大きくアップデートされる
といったタイミングではプッシュ通知を送ったほうがよいです。配信しないと機会損失につながるだけでなく、アプリ自体のユーザビリティが低下してしまいます。
プッシュ通知を使った販促をするなら「店舗アプリDX raiten」
プッシュ通知を効率よく活用したい方には、弊社が提供するアプリプラットフォーム「店舗アプリDX版 raiten」がおすすめです。
プッシュ通知のデザインや内容を簡単に制作できるだけでなく、CRM機能に合わせて個別の配信設定を行ったセグメント配信もできます。
ぜひCRMも活用しながら適切なプッシュ通知の配信頻度・タイミング調整を実行してみましょう。
詳細について気になる方はぜひ弊社へご連絡くださいませ。
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まとめ
今回はアプリのプッシュ通知に関して、利用のポイントや注意点などを解説しました。
プッシュ通知はアプリマーケティングを加速させてくれますが、頻度が多過ぎたりタイミングを間違えたりするとアンインストールされてマーケティングが失敗する要因にもなります。その点に注意してアプリタイトルや文章内容なども調整して、最適化できるようにしましょう。