飲食店DXとは?メリット・進め方・成功事例とおすすめツールをわかりやすく解説
その他、業種
「人手が足りない」「原価も人件費も上がる一方で利益が残らない」——飲食店の現場では、こうした課題が同時に押し寄せています。解決策として注目されているのが、デジタル技術で業務と経営の仕組みそのものを見直す飲食店DXです。
ただし、モバイルオーダーやセルフレジを入れれば自動的に成果が出るわけではありません。どの業務にどんな課題があり、どのツールで何を改善するのかを整理しないまま導入すると、費用だけがかさむ結果になりがちです。
この記事では、飲食店DXの基本的な考え方から、必要とされる背景、得られるメリット、ツールの種類と選び方、進め方の手順、成功事例、失敗しやすいパターン、活用できる補助金までを順に整理します。自店の状況に当てはめながら読み進めてみてください。
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確認したいポイント |
結論 |
詳細 |
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飲食店DXとは? |
デジタル技術で経営と顧客体験を変える取り組み |
注文や会計、予約、顧客管理などをデジタル化し、業務効率と売上の両方を高める経営改革を指します。 |
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デジタル化との違いは? |
目的が「効率化」か「経営変革」かで異なる |
紙の注文票をタブレットに置き換えるのがデジタル化、集めたデータで経営判断まで変えるのがDXです。 |
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DXが必要な理由は? |
人手不足と原価高騰への対応が急務だから |
飲食業は非正社員の不足感が全業種でも上位にあり、人手に頼らない運営体制の構築が前提になっています。 |
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導入メリットは? |
省人化・データ活用・再来店促進の3点 |
少ない人数で店舗を回せるうえ、蓄積した顧客データを販促に使えるためリピート率の改善が見込めます。 |
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代表的なツールは? |
モバイルオーダーとPOSレジ、店舗アプリ |
注文・会計・予約・集客の各領域にツールがあり、連携できる組み合わせを選ぶと効果が高まります。 |
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何から始めればいい? |
現状の業務洗い出しと課題の特定から |
手間や待ち時間が発生している工程を可視化し、影響の大きい業務から1店舗単位で試すのが現実的です。 |
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失敗しやすい原因は? |
目的が曖昧なままツールを導入すること |
導入自体が目的化すると現場で使われなくなり、ツールだけが増えてデータが分断される状態に陥ります。 |
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費用負担は減らせる? |
国の補助金で導入費の一部を補助できる |
デジタル化・AI導入補助金では対象のITツール導入費が補助されます。公募要領の確認が必要です。 |
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飲食店DXとは?デジタル化との違いを整理する
DXは「デジタル技術で経営の仕組みを変える」取り組み
DX(デジタルトランスフォーメーション)は、2004年にスウェーデンのウメオ大学に在籍していたエリック・ストルターマン教授が提唱した概念とされています。データやデジタル技術を使って製品やサービス、業務プロセス、さらには組織のあり方までを作り替え、競争上の優位を確立することを指す言葉です。
飲食店に置き換えると、注文・会計・予約・集客・顧客管理・在庫管理といった日々の業務をデジタルに載せ替え、そこから得られるデータをもとにメニュー構成や人員配置、販促の打ち方まで見直すのが飲食店DXにあたります。
つまりDXの本質は、ツールの導入そのものではなく、ツールを使って店舗運営の判断基準を変える点にあります。この視点を持てるかどうかが、投資に対する成果の差を大きく左右します。
デジタル化とDXの違いは「どこまで変えるか」
混同されやすいのが「デジタル化」と「DX」です。デジタル化は、これまでアナログで行っていた作業をデジタルツールに置き換えて効率を上げること。紙の注文票をタブレットに替える、紙の会員カードをアプリに替える、といった取り組みが該当します。
一方でDXは、デジタル化によって集まったデータを使い、ビジネスモデルや意思決定の方法そのものを組み替える段階を指します。タブレット注文で蓄積した注文履歴を分析して売れ筋にメニューを絞り込む、時間帯別の来店傾向からシフトを組み直す、といった動きがDXです。
デジタル化はDXの前段階にあたるため、順序としては誤りではありません。ただ、デジタル化で止まってしまうと投資に見合う効果が出にくいため、着手の時点で「集めたデータをどう使うか」まで設計しておく必要があります。
飲食店DXが対象とする6つの領域
飲食店DXの対象は、店内オペレーションだけではありません。業務全体を整理すると、次の6領域に分けられます。
- 注文:モバイルオーダー、セルフオーダー端末、券売機
- 会計:POSレジ、キャッシュレス決済、セルフレジ、自動釣銭機
- 予約・待ち:ネット予約、順番待ち受付、配席管理
- 集客・販促:店舗アプリ、デジタルクーポン、SNS連携
- 顧客管理:デジタル会員証、ポイント、購買データ分析
- バックオフィス:勤怠管理、シフト作成、在庫・原価管理、情報共有
自店の課題がどの領域にあるのかを特定してから着手すると、投資対効果の高い順番で進められます。店舗全体のDXの基本的な考え方については、店舗DXとは?今さら聞けない基礎知識や実践方法もあわせて確認してみてください。
飲食店でDXが求められる4つの背景
人手不足が構造的な課題になっている
飲食業は、他業種と比べても人材の確保が難しい業種です。帝国データバンクの調査では、非正社員の人手不足を感じている企業の割合で飲食店が上位に位置し続けており、採用難が一時的な現象ではなくなっていることがわかります。
出典:帝国データバンク「人手不足に対する企業の動向調査(2026年7月)」
生産年齢人口が減り続けている以上、求人費を積み増して解決する発想には限界があります。限られた人数でも同じ売上を維持できる体制へ、店舗の作りそのものを変える必要が出てきます。
原材料費と人件費の高騰が利益を圧迫している
食材価格やエネルギーコスト、最低賃金の上昇が重なり、同じ売上でも手元に残る利益が細くなっています。値上げだけで吸収しようとすると客数の減少を招きやすく、コスト構造そのものの見直しが避けられません。
DXは、この局面で「売上を伸ばす」と「コストを下げる」を同時に狙える手段として位置づけられます。省人化で人件費を抑えつつ、データ活用で客単価や来店頻度を上げるという両輪の考え方です。
キャッシュレス決済の普及で会計の前提が変わった
経済産業省の発表によると、2025年のキャッシュレス決済比率は58.0%(決済額162.7兆円)となり、上昇が続いています。政府は2030年に65%、将来的に80%という目標を掲げており、現金前提の会計オペレーションは少数派になりつつあります。
出典:経済産業省「2025年のキャッシュレス決済比率を算出しました」
会計をキャッシュレスに寄せると、レジ締めや釣銭準備、現金管理の手間が減ります。会計データが自動で蓄積される点も大きく、売上分析の下地がそのまま整うことになります。
来店客の行動と期待値が変化している
スマートフォンで店を調べ、予約し、注文まで済ませてから来店する行動が一般化しました。待ち時間の長さや会計の煩雑さは、味やサービスとは別の理由で店舗評価を下げる要因になります。
訪日客の増加も無視できません。多言語メニューや非対面での注文受付は、接客工数を増やさずに客層を広げる手段として機能します。
飲食店がDXで得られる5つのメリット
少ない人数でも店舗が回る体制をつくれる
モバイルオーダーやセルフオーダー端末を導入すると、「注文を取りに行く」「レジを打つ」というホール業務の中心が置き換わります。ピークタイムでも注文の取りこぼしが起きにくくなり、スタッフは配膳や品質確認、常連客への声かけなど人でなければできない業務に時間を使えるようになります。
人件費の削減だけが目的ではありません。同じ人数でより多くの客数をさばけるようになれば、時間あたりの売上が上がり、結果として労働分配率の改善につながります。
注文業務の効率化については、レジ不要&人手不足解消!モバイルオーダーアプリが変える新しい接客スタイルで導入前後の実務を詳しく紹介しています。
顧客データが蓄積され、再来店施策の精度が上がる
これまで店長やスタッフの記憶に頼っていた「誰が、いつ、何を、どれくらい頼んだか」が、データとして残るようになります。来店頻度、客単価、注文内容、利用時間帯といった情報が揃えば、感覚ではなく数字で施策を組み立てられます。
たとえば3か月来店のない顧客にだけクーポンを配る、来店頻度の高い顧客へ先行して新メニューを案内する、といった出し分けが可能になります。全員に同じチラシを配る販促と比べると、費用対効果の差は明確です。
リピート施策の具体的な組み立て方は、飲食店のリピーターを増やす!アプリ活用で売上を伸ばすための機能7選が参考になります。
注文・会計ミスが減り、クレーム対応の負担が軽くなる
口頭での注文伝達は、聞き間違いや伝票の書き漏れが一定の確率で発生します。顧客自身の端末から注文が入る仕組みにすれば、人を介した伝達の工程が減るぶん、ミスの発生源も減ります。
経験の浅いスタッフでも一定の水準で業務を回せるようになる点も見逃せません。教育にかかる時間が短くなり、繁忙期の増員やシフトの穴埋めにも対応しやすくなります。
販促コストを抑えながら集客チャネルを増やせる
紙のチラシやポイントカードは、印刷費と配布の手間がかかるうえ、どれだけ効果があったのかを測りにくい施策です。デジタルに置き換えると配信コストがほぼゼロになり、開封率や利用率まで数値で追えるようになります。
自店アプリを持てば、プッシュ通知という自社発信のチャネルを確保できます。グルメポータルサイトへの掲載費に依存しない集客導線を作れる点は、長期的な収益構造の改善につながります。
アプリを使った集客の考え方は、飲食店の集客には自社アプリを使うべき!ポータルアプリやアナログ販促にはないその効果とはで整理しています。
業務の属人化が解消され、多店舗展開しやすくなる
レシピや接客手順、クレーム対応の判断基準が個人の頭の中にあると、担当者の離職とともに店舗の品質が落ちます。マニュアルや連絡事項をデジタルで一元管理すれば、同じ情報が全店舗に同時に届く状態を作れます。
新店舗の立ち上げスピードも変わります。業務手順が仕組みとして残っているぶん教育期間を短縮でき、出店計画そのものが立てやすくなります。
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飲食店DXに使われる主なツールと選び方
モバイルオーダー・セルフオーダーシステム
顧客のスマートフォンや店内のタブレットから注文を受ける仕組みです。ホールの注文業務を大きく削減できるほか、写真付きメニューやおすすめ表示によって客単価が上がりやすいという副次的な効果もあります。
テイクアウトや事前注文に対応させれば、店内の座席回転とは別の売上チャネルを確保できます。店内飲食での具体的な活用方法はモバイルセルフオーダーで店内飲食を効率化!アプリとの連携で売上アップを狙うで解説しています。
POSレジ・キャッシュレス決済
売上をリアルタイムで記録し、時間帯別・メニュー別の分析まで行えるのがクラウド型POSレジです。キャッシュレス決済端末や自動釣銭機と連携させると、レジ締め作業と現金管理の負担が大きく減ります。
選定時は、既存の会計ソフトや予約システムとデータをやり取りできるかを確認しておくと、後の手戻りを防げます。決済手数料の水準も総コストに影響する要素です。
予約管理・順番待ちシステム
電話予約を受けながら接客もこなす状態は、機会損失とミスの温床になります。ネット予約と自動配席に対応したシステムを使えば、予約受付が営業時間外にも動き続け、配席作業にかかる時間も短縮されます。
順番待ちの受付をデジタル化すると、店頭の行列を分散でき、待ち時間を理由とした離脱も抑えられます。呼び出し通知をスマートフォンに送る仕組みなら、周辺での時間つぶしも案内できます。
店舗アプリ・デジタル会員証
アプリは、注文・会員証・ポイント・クーポン・通知を1つにまとめられる点が強みです。紙の会員カードと違って紛失や持ち忘れが起きにくく、利用データもそのまま蓄積されていきます。
顧客との接点を自社で保有できることが、他のツールとの最大の違いです。会員証機能の詳細はデジタル会員証とは?アプリで一括管理が便利で確認できます。
勤怠管理・シフト管理・情報共有ツール
ホール周りだけがDXの対象ではありません。シフト作成、勤怠打刻、給与計算、店舗間の連絡といったバックオフィス業務は、店長の残業時間を押し上げている代表的な要因です。
クラウドで管理すれば、店長が現場に立てる時間が増えます。売上に直結しにくい領域ですが、離職防止やマネジメント品質の観点では優先度の高い部分です。
ツールを選ぶときに確認したい4つの視点
候補を比較する際は、次の4点を軸に据えると判断がぶれません。機能の多さで選ぶと、使わない機能に費用を払い続ける状態になりがちです。
- 課題との一致:解決したい業務課題に直接効くか
- 連携性:既存のPOSレジや予約システムとデータをやり取りできるか
- 運用負荷:スタッフが説明なしで使えるか、管理画面が分かりやすいか
- 費用構造:初期費用・月額費用・決済手数料まで含めた総額はいくらか
多機能であることよりも、現場が毎日使い続けられるかを重視したほうが定着します。無料トライアルがある場合は、実際の営業時間帯に近い条件で試してみてください。
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▼ ツール選定の前に、機能一覧をチェックしてみてください モバイルオーダー連携、ポイント、会員ランク、スタンプカード、アンケートなど、飲食店に必要な機能をまとめた資料をご用意しています。導入後の運用イメージもあわせて掲載中です。 |
飲食店DXの進め方【5ステップ】
STEP1:現状の業務を洗い出して課題を特定する
最初にやるべきは、ツールの比較ではなく業務の可視化です。開店準備から閉店作業まで、誰が何にどれくらいの時間を使っているかを書き出していきます。
洗い出したら、「時間がかかる」「ミスが起きやすい」「顧客を待たせる」の3つの観点で問題箇所に印をつけます。ここで特定した課題が、そのまま導入の目的になります。
STEP2:目標数値と優先順位を決める
「効率化したい」だけでは成果を判定できません。ピーク時の注文待ち時間を5分から2分に、レジ締め作業を30分から10分に、といった形で数値の目標を先に決めます。
複数の課題がある場合は、影響額の大きい順に並べ替えます。売上への影響と削減できる工数を並べて比較すると、最初に着手すべき領域が絞り込めます。
STEP3:1店舗・1業務からスモールスタートする
全店舗で一斉に切り替えると、トラブルが起きたときの影響範囲が大きくなります。まずは1店舗、あるいは1つの業務に限定して試し、現場から出る不具合や要望を拾ってから展開範囲を広げます。
無料トライアルやデモ環境を用意しているサービスも多いため、契約前に実機で操作感を確かめておくと判断を誤りにくくなります。繁忙時間帯での挙動も確認しておきたい点です。
STEP4:スタッフ教育と運用ルールを整える
ツールが定着しない原因の多くは、性能ではなく運用側にあります。操作方法だけでなく、注文が入らないときの対処、返金対応、キャンセル時の判断基準まで含めた手順を用意しておきます。
導入前にテスト注文を行い、つまずきやすい箇所を洗い出しておくと現場の混乱を抑えられます。厨房側の受け取り方法やキッチンモニターの確認頻度も、あらかじめ決めておきましょう。
STEP5:データを検証して改善を繰り返す
導入して終わりにせず、STEP2で決めた数値を定期的に確認します。待ち時間、客単価、リピート率、人時売上高といった指標を月次で追えば、効果が出ている施策と止めるべき施策が分かれます。
スタッフや顧客の声も併せて集めると、数字に表れない摩擦を発見できます。改善を回し続ける体制そのものが、DXの成果を左右する要素です。
飲食店DXの成功事例
大手チェーンはアプリと注文の統合で成果を出している
スターバックスコーヒーは、モバイルオーダーと事前決済、独自のポイント制度をアプリに集約しています。カスタマイズ注文の比率が上がるなど、注文体験の改善が客単価に直結した例として知られています。
マクドナルドは、紙のチラシからアプリ配信へ販促の主軸を移し、クーポンのモバイルオーダー自動適用まで実装しました。配布コストを抑えながら、利用データを次の施策に回す循環ができています。
チェーン店での活用例は飲食チェーン店のアプリ活用法|店舗アプリの成功事例と導入のコツにまとめています。
小規模店は「1つの課題」に絞って成果を出している
個人店や数店舗規模の場合、大手と同じ範囲をカバーする必要はありません。予約の電話対応に追われていた店がネット予約に切り替え、繁忙期の配席作業を数時間から30分程度まで短縮した例のように、特定の業務に絞った導入でも効果は出ます。
紙のポイントカードをアプリに置き換え、休眠顧客への通知配信だけを始めた店舗が、印刷費を削減しながら再来店率を改善した例もあります。投資額が小さいぶん、回収も早く進みます。
成果が出ている店舗に共通する3つの視点
事例を並べていくと、成果が出ている店舗にはいくつかの共通点が見えてきます。規模や業態を問わず当てはまる要素です。
- 目的が具体的:「待ち時間の短縮」など、達成状況を判定できる目標を持っている
- 現場を巻き込んでいる:導入前にスタッフの意見を聞き、運用ルールを一緒に作っている
- データを見る習慣がある:導入後の数値を定期的に確認し、施策を入れ替えている
裏を返せば、ツールの性能差よりも運用の設計が結果を分けているということです。導入前の準備にかける時間が、そのまま成果の差になって表れます。
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▼ 他店の導入事例を、まとめてご覧いただけます 飲食チェーンから個人店まで、どの機能をどう使って成果につなげたかを事例集にまとめました。自店に近い規模・業態の事例から進め方のヒントが見つかります。 |
飲食店DXでよくある失敗と防ぎ方
目的が曖昧なまま導入してしまう
「周りが入れているから」という理由で始めると、導入自体がゴールになってしまいます。結果として使われない機能が残り、月額費用だけが積み上がる状態になりがちです。
防ぐには、導入前に「どの数値をどこまで改善するか」を書き出しておくことです。判断基準があれば、契約更新の可否も感覚ではなく事実で決められます。
現場スタッフの理解が得られない
「仕事を奪われる」「操作を覚えるのが負担」という不安が残ったままだと、運用は形骸化します。導入の目的が人員削減ではなく負担軽減であることを、事前に共有しておく必要があります。
意見を出す機会を設け、現場の要望を1つでも設定に反映させると当事者意識が生まれます。導入後は、削減できた時間が何に使われたかを共有すると納得感が高まります。
ツールが乱立してデータが分断される
注文はA社、予約はB社、会員管理はC社、と個別に導入していくと、同じ顧客の情報がバラバラの場所に保存されます。分析のたびに手作業で突き合わせる羽目になり、かえって工数が増えてしまいます。
回避するには、導入前に「どのツールを中心に据えるか」を決めておくことです。連携できるかどうかを選定基準に入れるだけでも、後々の分断はかなり防げます。
効果検証をしないまま運用が続く
数か月後に「結局どう変わったのか分からない」となるケースは珍しくありません。導入前の数値を記録していないと、比較する基準そのものがなくなってしまいます。
着手前に、現状の待ち時間・客単価・リピート率などを控えておくことをおすすめします。比較対象があれば、改善の継続も撤退の判断も早く下せます。
飲食店DXに使える補助金と支援制度
デジタル化・AI導入補助金(旧:IT導入補助金)
中小企業・小規模事業者がITツールを導入する際、費用の一部が補助される制度です。2026年度からは名称が「デジタル化・AI導入補助金」に変わり、AI活用への支援が強化されました。
飲食店の場合、POSレジやモバイルオーダー、予約システムなどが対象になり得ます。対象は事務局に登録されたITツールと支援事業者の組み合わせに限られるため、公募要領の確認が欠かせません。
出典:デジタル化・AI導入補助金2026(独立行政法人中小企業基盤整備機構)
申請前に押さえておきたい3つのポイント
補助金は申請すれば必ず通るものではなく、締切ごとに審査があります。準備を進めるうえでは、次の点を押さえておくと動きやすくなります。
- スケジュール:交付決定前に発注・契約すると対象外になる場合がある
- 必要書類:決算書やgBizIDプライムの取得など、事前準備に時間がかかる
- 効果報告:採択後は一定期間、成果の報告義務が発生する
自治体が独自に上乗せ補助を行っているケースもあるため、国の制度と地域の制度を並行して確認すると負担をさらに抑えられます。商工会議所や地域の支援機関でも相談を受け付けています。
まとめ|飲食店DXは自店の課題を特定するところから始まる
飲食店DXは、モバイルオーダーやPOSレジを入れること自体が目的ではありません。人手不足と原価高騰が同時に進むなかで、限られた人数でも売上と品質を維持できる仕組みへ店舗を作り替える取り組みです。
進め方の要点を整理すると、次の4点になります。
- 業務を洗い出し、時間・ミス・待ち時間の観点で課題を特定する
- 改善したい数値を先に決め、影響の大きい順に優先順位をつける
- 1店舗・1業務からスモールスタートし、現場の声を運用に反映する
- 導入後は数値を追い続け、効果の薄い施策を入れ替えていく
注文・会計・予約・集客・顧客管理のうち、どこに一番の詰まりがあるかを見極めることが出発点です。そのうえで、店舗アプリのように顧客接点を自社で持てる仕組みを組み込めば、データ活用と再来店施策の土台が整います。
アプリがリピート増加につながる仕組みは、なぜアプリを導入するとリピーターが増えるのか?その仕組みを解説でも整理しています。自店の現状と照らし合わせながら、着手できる領域から進めてみてください。
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▼ 顧客接点を自社で持つ一歩を、店舗アプリから始めませんか 「店舗アプリDX版 raiten」は、リピート率の向上と集客の自動化を実現するアプリプラットフォームです。オプションでAPI連携による会員証・ポイント表示にも対応しています。 |
この記事を監修した人
店舗アプリ公式。累計1,000社以上の導入実績を誇る店舗アプリ構築プラットフォーム。 単なる集客に留まらず、リピーター創出による売上最大化を得意としている。
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