アプリマーケティングとは?戦略の立て方とプロモーション施策・成功事例を解説

業種全般
公開日:2024.01.19 更新日:2026.08.17
公式アプリを浸透させるマーケティング戦略の施策とは?

自社の公式アプリを浸透させて継続利用してもらうためには、計画的な施策の実行や見直し、改善が欠かせません。一連の工程をスムーズに効率よく回すためにはアプリマーケティング戦略が必須です。アプリマーケティングによってアプリに適した販促を考えて実行することで、やみくもに施策を実行するよりも圧倒的に有効なアプリ成長を促せます。本記事ではアプリマーケティングの基本やカスタマージャーニーに沿った戦略の立て方、興味・関心・比較検討・利用促進の各フェーズで実施すべきプロモーション施策まで詳しく解説します。

あわせて、Webマーケティングとの違い、成果を測るKPIの選び方、実際の店舗で成果が出た事例、運用が始まってからつまずきやすい点まで取り上げます。「何から手をつければよいか分からない」「施策は打っているが数字が伸びない」という担当者の方は、参考にしてみてください。

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    目次

    アプリマーケティングとは?

    インストール数や継続利用率を高める一連の施策

    アプリマーケティングとは、アプリ自体のインストール数や継続利用率を上昇させながら目標を達成するための一連のマーケティング施策を指します。たとえば実店舗でアプリマーケティングを行う場合は、アプリの利用者を増やしながらアプリ経由で目標の来店頻度や購入額を達成するためにさまざまな施策を実行していきます。アプリを介したあらゆる手法がアプリマーケティングに該当する点がポイントで、業種やアプリの種類ごとにどんな施策を実行すればよいのかは変わってきます。

    アプリマーケティングではアプリを知ってもらう・認知してもらう段階から、自社のアプリを比較検討の材料にしてもらう段階、選んでインストールしてもらった後に継続利用してもらう段階という順番で施策を実行していく必要があります。この順番は基本的にどの業種でもどのタイプのアプリでも変わりません。具体的な施策はアプリを提供している環境の違いで変わってくるため、各施策の事例を確認しながら自社にとって最適なマーケティング手法を理解してから実行する工夫が必要です。

    押さえておきたいのは、アプリマーケティングの目的がインストール数の獲得だけではないという点です。ダウンロードされた時点ではまだ成果は生まれておらず、起動して使ってもらい、来店や購入につながって初めて価値が出ます。

    そのためアプリマーケティングは、新規ユーザーを集める「獲得」の施策と、使い続けてもらう「継続」の施策を両輪で回す取り組みだと捉えるのが実態に近いといえます。片方だけに力を入れると、集めても抜けていく、あるいは既存ユーザーだけで頭打ちになるという状態に陥りやすくなります。

    Webマーケティングとの違いは顧客との接点の持ち方

    アプリマーケティングは、Webサイトを軸にしたマーケティングとよく比較されます。両者の最大の違いは、企業側から能動的に情報を届けられるかどうかにあります。

    Webサイトの場合、ユーザーが検索するか広告をクリックするまで接点が生まれません。訪問してもらうたびに集客コストがかかり、離脱すればそこで関係が途切れてしまいます。

    一方でアプリは、一度インストールしてもらえばホーム画面にアイコンが残り、プッシュ通知でこちらからきっかけをつくれます。接点を維持するための追加コストがほとんどかからないのが、アプリならではの性質です。

    取得できるデータの質も異なります。Webでは匿名の訪問データが中心ですが、アプリでは会員IDと来店・購買の履歴が紐づくため、誰がどう動いたかを個人単位で追えます。ただし、その前提としてインストールしてもらうハードルがある点は、Webにはない難しさです。両者は競合するものではなく、Webで見つけてもらい、アプリで関係を続けるという役割分担で考えると設計しやすくなります。

    関連記事:企業がスマホアプリを導入する目的は?メリットや成功の秘訣を解説

    アプリマーケティングで得られる主な効果

    アプリマーケティングに取り組むことで、店舗や企業側は次のような効果を得られます。まず、顧客との接点が増えます。プッシュ通知やアプリ内のお知らせを通じて、来店していない期間もこちらから情報を届けられるようになり、思い出してもらう回数そのものが増えます。

    次に、リピート率の改善です。ポイントやスタンプ、クーポンといった機能を通じて再来店の動機をつくれるうえ、来店間隔が空いた顧客を狙って声をかけることもできます。

    3つ目が顧客データの蓄積です。誰がいつ来店し、何を買い、どのクーポンに反応したかが記録されるため、勘に頼らない施策の検討が可能になります。

    4つ目が販促コストの削減です。チラシやDMのように印刷費や郵送費がかからないため、配信回数を増やしても費用はほとんど変わりません。加えて、アプリ限定の特典や世界観のあるデザインを通じてブランドへの愛着を育てられる点も、見逃せない効果です。

    関連記事:MAUとは?アプリのアクティブユーザー数の計算方法と増やし方を解説

    アプリマーケティングが必要とされる背景

    スマートフォンとアプリが日常的なインフラになった

    アプリマーケティングが必要になってきたのは、スマートフォンやアプリの普及率や現状に大きく関係があります。スマートフォンについては総務省の情報通信白書などを見ればすぐにその重要度が分かります。固定電話より普及率が高く、PCといった競合デジタル機器よりも圧倒的に普及率が大きい時点でインフラといってよいでしょう。スマートフォンを利用する際は必ずアプリを使うため、生活に欠かせないアプリも増加しました。こうした中でスマートフォンやアプリが日常的なものになったのが、アプリマーケティングが重要視される理由の1つです。

    実際の数値を見ると、その差ははっきりしています。総務省の令和7年版情報通信白書によると、2024年の情報通信機器の世帯保有率はモバイル端末全体で97.0%、そのうちスマートフォンは90.5%で、パソコンの66.4%を大きく上回っています。

    出典:総務省「令和7年版 情報通信白書(情報通信機器・端末)」 https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r07/html/nd21b110.html

    インターネットへの接続手段としても差は開いています。同白書では、個人のインターネット接続端末としての利用率はスマートフォンが74.4%、パソコンが46.8%で、27.6ポイントの開きがあると示されています。60代でも78.8%がスマートフォンから接続しており、年齢層を問わずスマホが主役になっていることが読み取れます。

    出典:総務省「令和7年版 情報通信白書(インターネット)」 https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r07/html/nd21b120.html

    つまり、生活者に情報を届けたいならスマホの画面をどう押さえるかが出発点になります。その中でも、通知とアイコンという2つの接点を持てるアプリは、もっとも粘り強く顧客とつながり続けられる手段だといえます。

    競合アプリの増加で明確な戦略なしには成長が難しくなった

    アプリの数が増加しているのも要因の1つです。マーケティングにおいて自社の競合となる企業もアプリを出して販促を行っており、ジャンルにかかわらずさまざまなアプリが登場しています。以前はアプリ自体の数が少なく、リリースして提供するだけでも珍しさである程度はユーザー数が確保できていました。しかし今ではそうはいきません。競合アプリの数が増加したことで、明確な目標を基にブランディング等の施策を行わないと想定通りにユーザー規模を確保できない事態になっています。確実にアプリを認知させて利用者数を継続成長させるためにも、アプリマーケティングが必須になってきています。

    注意したいのは、競合が増えたことでユーザー側の目も厳しくなっている点です。スマホに入れられるアプリの数には限りがあり、使わないと判断されたアプリは早い段階で削除されます。

    そのため、リリース直後にどれだけ「使う理由」を伝えられるかが重要になります。初回起動時に何ができるアプリなのかを示し、最初の数日のうちにクーポンやポイントといった具体的なメリットを体験してもらう設計が有効です。

    競合との差別化も、機能の多さで勝負する必要はありません。自店舗の顧客が本当に必要としている機能に絞り込んだほうが、結果として使われるアプリになりやすくなります。

    関連記事:店舗のモバイルマーケティング手法と事例|アプリ活用の成功法則

    カスタマージャーニーマップで考えるアプリマーケティング戦略

    戦略を立てる前に目的とターゲットを固める

    カスタマージャーニーマップを描く前に決めておきたいのが、アプリで何を達成したいのかという目的です。「来店頻度を月1回から月2回に引き上げる」「休眠客の10%を復帰させる」といった具体的な状態まで落とし込むと、必要な機能や施策が自然に絞り込まれます。

    目的が「とりあえずDXを進める」といった曖昧なままだと、機能を詰め込みすぎて使いにくいアプリになったり、社内で判断がぶれたりする原因になります。

    次に決めるのがターゲットです。年齢や性別だけでなく、来店の動機、よく使う時間帯、どんな情報を求めているかまで具体化しておくと、通知の文面や配信タイミングを決めるときの判断材料になります。

    既存の顧客データがあるなら、まずはそこから読み取るのが近道です。実際に来店している人の傾向を出発点にしたほうが、想像でつくったターゲット像よりも現実に即した設計ができます。

    興味・関心から共有までのユーザー行動を可視化する

    アプリマーケティングは、ユーザー目線でどうアプローチすればよいかを検討するためにユーザーの動向を表現したカスタマージャーニーマップを用意してから行うのが基本です。カスタマージャーニーマップはコンテンツに対するユーザーの認知や検討、購入(利用)といった各アクションをマップ上に分かりやすくまとめたもので、このマップの矢印に沿ってさまざまな施策をタイミングを見計らって行い効果を測定していきます。

    具体的にはユーザーの行動は、コンテンツを知っているか・興味があるかという興味・関心の段階、興味・関心がある上で使いたいか検討する比較・検討の段階、実際に利用する段階、そして利用で得られた体験を関係者と共有する段階に分かれています。共有のプロセスはSNSなどが広まっている最近において追加された工程です。

    各段階でユーザーに取るべきアプローチは異なります。たとえば興味・関心段階の場合は比較・検討段階へ誘導するために広告や自社メディアでの宣伝を通してアプリを知ってもらう活動を行います。その後は比較・検討から利用へと誘導できるよう、ASO対策などを通してスムーズにアプリの説明を理解してダウンロードしてもらう導線を構築します。利用が継続するようにプッシュ通知や分析を通じて有益な情報を発信し、データに基づいて新規施策を追加することで長期的な利用へつなげていきます。さらに最近のユーザー行動である共有においては、ユーザーコミュニティの意見をフィードバックしたり自社メディアへ引用したりといった方策を実施することでサービス改善とUGCの活用を同時に進められます。カスタマージャーニーマップを意識することで、適切なタイミングで必要な施策を考えやすくなり、関係者へのイメージ共有も容易になります。

    マップを描くときは、各段階でユーザーが何を考え、何につまずいているかまで書き込んでおくと施策に落とし込みやすくなります。

    たとえば比較・検討の段階なら「レビューの点数が気になる」「容量が大きいと入れたくない」といった心理が働きます。こうした障害を1つずつ潰していく作業が、そのまま施策のリストになります。

    また、マップは一度作って終わりではありません。施策の結果を反映して更新し続けることで、実際のユーザー行動に近い精度の高いマップへ育っていきます。

    KGIから逆算してKPIを設計する

    目的が定まったら、それを数値に置き換えます。最終目標であるKGIを決め、そこへ至る中間指標としてKPIを設定する流れです。

    たとえばKGIを「アプリ経由の年間売上◯◯円」と置いた場合、売上はアクティブユーザー数と1人あたりの購入額に分解できます。さらにアクティブユーザー数は、新規インストール数と継続率に分解できます。上位の目標を分解していくと、どの数字を動かせば成果につながるのかが見えてきます。

    分解した指標のうち、自社が今いちばん改善できそうなものから手をつけるのが現実的です。すべてを同時に追いかけようとすると施策が分散し、どれも中途半端に終わってしまいます。

    関連記事:商業施設のアプリ成功事例4選!モールやSCこそアプリマーケティングと相性がよい

    関連記事:店舗アプリの導入効果とは?メリット・デメリットと成功事例を解説

    興味・関心フェーズのPR戦略

    オンライン広告でターゲットに効率的にリーチする

    アプリや自社の認知度がまだ小さい場合は、広告を使って効率よくターゲットユーザーへ訴求する方法が有効です。料金は発生しますが広告の出し分けなどをある程度自動化できるため手間がかかりません。ただしどの媒体へ広告が掲載されるかはサービスによるので、事前に各サービスの提携メディアや予定掲載枠などを確認しておく必要があります。

    広告を出す前に決めておきたいのが、1インストールあたりいくらまで払えるかという上限です。アプリ経由で得られる1人あたりの利益と比べて、獲得コストが見合っているかを判断できないと、費用だけがふくらんでしまいます。

    はじめから複数の媒体に手を広げるのではなく、想定ユーザーがもっとも多く使っている媒体を1つ選び、そこで数値を確かめてから広げるほうが無駄が出ません。

    Apple Search Ads(ASA)

    iOSアプリの販促を行う際に利用する有料広告です。基本的にはApp Store内で配布するアプリにおいて、検索などのアクションで広告が表示されるように調整できます。Apple端末にしかターゲティングができない欠点はありますが、App StoreのCVRが高いといわれており、一度広告を出せば効率よくアプリの認知度やインストール数を増やせるはずです。ただしプランが2つあり、個人でも使えるApple Search Ads Basicでは細かい設定ができない点に注意が必要です。

    Googleアプリキャンペーン

    Google広告の一環として提供されているサービスです。Google検索エンジンやGoogle Play、YouTubeといったGoogleの関連メディアにアプリインストールなどを目標とした広告を表示できます。AndroidスマホではGoogleサービスを使うケースが多いため、Googleアプリキャンペーンと相性がよいといえます。テキストや画像の組み合わせをアセットとして登録しておけば、Google側でA/Bテストを行い最適な組み合わせが広告で使われるため、広告運用の負担を削減できる点もメリットです。

    Facebookアプリ広告

    Facebookでもアプリ広告を掲載できます。対象はFacebookだけでなくInstagramといった関連メディアも含まれているので、意外と幅広い場所にアプリ広告を掲載できます。Facebookアプリ広告ではプレイアブル広告も掲載可能で、ゲームアプリなど利用しないと実際のイメージが分からないアプリに関しては、プレビューとして簡易的にアプリを広告内で遊べるようにすることでエンゲージメント上昇などが狙えます。

    X広告アプリインストール数キャンペーン

    X(旧Twitter)内にアプリ広告を掲載できるキャンペーンです。主にX内に広告が掲載されるため非利用者には広告が届かないリスクがありますが、Xに多い若年や中年などのユーザー層がアプリの利用対象となっている場合はおすすめです。X公式の説明によるとX利用者は非利用者と比較してオンライン広告からアプリをすぐダウンロードする確率が38%ほど高いとされています。広告はキーワードでのX投稿検索結果やユーザーのタイムラインなどに表示され、内容を確認してすぐダウンロードできるスムーズな動線を実現可能です。

    Yahoo!アプリ訴求広告

    Yahoo!広告でもアプリ用の広告を出稿可能です。基本的にはYahoo!検索エンジンでの検索結果においてアプリが表示されます。ロゴ画像と一緒にアプリ概要や評価などが検索結果上部へ表示されるため、分かりやすく目立ちやすい特徴があります。表示されただけでは課金されず、タップされてアプリの詳細ページへ移動しない限り料金が発生しないため経済的な点もメリットです。ただし最も使われているGoogleの検索エンジンには広告が反映されないため、利用する際は自社アプリの想定ユーザーがYahoo!の検索サービスをどれくらい使っているのか分析してから導入する必要があります。

    オフライン広告で幅広い層に認知を広げる

    オンラインだけでなくオフラインでも広告を出稿できます。ただしアプリ販促においてはあくまで補助的な役割と考えてください。

    マス広告(テレビ・新聞・雑誌・ラジオ)

    テレビや新聞といった各種大衆メディアに広告を発信する方法です。スマートフォンユーザーでない、あるいはあまり使っていないという人にも広告が届くのがメリットです。ただしそもそもスマートフォンをあまり利用していない層がアプリを利用するのは考えにくいため、費用が無駄になってしまうリスクもあります。なるべく広い層にアプリの存在を知ってもらいたい際に利用を検討してみてください。

    屋外広告(OOH)

    屋外に看板を設置してアプリ広告を掲載する手法です。現在ではサイネージを使ってスマートフォンのようにディスプレイの内容を動的に変更するDOOHも登場しています。マス広告と同じく幅広い人に広告が認知される可能性があります。人通りの多いところを狙って広告を掲載するのがおすすめですが、こちらもアプリの販促としては利用が難しい面があります。

    その他のプロモーション手法を組み合わせる

    プロモーションとしては、無料でも利用できる方法や広告を利用しない媒体出稿方法もあることを知っておきましょう。

    SNS運用

    自社のアカウントを作ってそこで情報発信を行う手法です。新アプリの紹介をすればコストを抑えてアプリ利用者を増加させることができます。コミュニティの形成やフィードバック、投稿の引用もできるようになるため、共有のフェーズにおいても重要なコンテンツとなります。ただしSNS運用の際にはアプリの想定ユーザーが使っているサービスを選択してアカウントを作成する必要があります。運用に使える人員が少ないケースでは複数のSNSを併用管理するのが大変になるため、最重要のSNSを選択できるよう準備するのが重要です。

    店頭プロモーション

    店頭で声掛けをしてプロモーションを行う方法です。レジ前などでスタッフが声掛けすることで気軽にアプリインストールを促進できたり、店頭広告にQRコードを貼っておいてすぐインストールできるようにしたりといった方法が取れます。店頭に来ている時点である程度自店舗に興味のある顧客であるため、アプリのインストール効率が高いというメリットも得られます。ただし店頭プロモーションだけでアプリ利用者を成長させるのは限界があるので、他の方法と併用してアプリを認知させましょう。

    プレスリリース

    ニュースメディア関係者に情報を広めるためにプレスリリースを発信する方法もあります。プレスリリースへ情報を掲載することで、サービスを見ている関係者が情報を二次拡散してくれる可能性もあります。業界初の機能といった特徴がある場合は、各ニュースメディアに掲載されることを念頭に置いてプレスリリースを掲載してみましょう。プレスリリースを自社メディアにも掲載することで、アプリユーザーへニュース内容に興味を持ってもらいインストールにつなげる方法も取れます。

    既存チャネルからの告知

    すでに接点のある顧客へ知らせる方法も忘れないでください。自社サイトやECサイト、メールマガジン、LINE公式アカウント、レシート、ショップカードなど、すでに自店舗を知っている人が目にする場所は、もっともインストール率が高い導線です。

    新規の認知を広げる広告と違い、こちらは費用がほとんどかかりません。アプリを公開したら、まずは既存チャネルすべてに案内を載せるところから始めるのが効率的です。

    関連記事:O2Oマーケティングとは?意味やメリット、成功事例を徹底解説

    比較・検討フェーズのASO戦略

    アプリストア内エンジン最適化でキーワード検索に対応する

    比較・検討フェーズにおいてはユーザーがさまざまなアプリを見ながら自社アプリをインストールするか決定します。その際必ずアプリの詳細ページは確認するため、アプリストアに関する対策であるASO戦略を意識するのが重要です。Webの検索エンジンと同じようにアプリストアにもキーワード入力を行い結果を表示するエンジンがあり、このアプリストア内エンジンを最適化することがまず重要です。具体的には自社アプリと関連性の高いキーワードをアプリの詳細ページへ入れ込み、関連キーワードで情報がヒットするように調整します。自社アプリがヒットするキーワードは時期やトレンドによっても変わる可能性があるため、順次調整していきましょう。

    キーワードを選ぶ際は、検索されている量だけでなく、自社アプリが実際に上位へ入れる余地があるかも見ておきます。競合の多い一般的な単語ばかり狙っても埋もれてしまうため、業種名や地域名を組み合わせた具体的なキーワードから押さえていくのが定石です。

    アプリ名や説明文にキーワードを詰め込みすぎると、かえって読みにくくなりインストール率が下がります。検索されるための対策と、読んで理解してもらうための表現を両立させる意識が必要です。

    CRO(コンバージョンレート最適化)でインストール率を高める

    CROが最適化されるようにアプリ詳細ページのレイアウトを調整する手法です。アプリ詳細ページはダウンロードボタンだけでなく説明文やスクリーンショット、説明動画などで構成されており、ボタンをタップしてインストールするかは各要素の内容やクオリティにも左右されます。UGCが多数掲載されるレビュー欄でよい評判を増やせるよう、アプリ自体の改善やユーザーの意見フィードバックなどを定期的に行いましょう。各要素を改善し続けることで、アプリ詳細ページを訪れたユーザーのインストール率を着実に高めることができます。

    特に効果が出やすいのが、最初に表示される1〜3枚のスクリーンショットです。多くのユーザーはこの部分だけを見て判断するため、文字を大きく載せてアプリでできることを一目で伝える構成にすると反応が変わります。

    レビューへの対応も欠かせません。低評価がついた際に運営から丁寧な返信があるかどうかは、ほかのユーザーの判断材料になります。使い勝手を改善したタイミングでレビューを依頼する導線を入れておくと、評価を積み上げやすくなります。

    関連記事:ASO対策とは?アプリストア最適化のキーワード設定とダウンロード数を増やすコツを解説

    利用促進フェーズのアプリ内プッシュ通知戦略

    キャンペーンやイベントの効果を最大化する

    インストールが成功した後はなるべくアプリ利用が継続して行われるように調整していきます。継続を促すためには積極的な情報発信が必要で、その最重要となるのがプッシュ通知です。リアルタイム性の高い期間限定のキャンペーンやイベントは、即時プッシュ通知にして配信しましょう。スーパーでたとえると、2日の限定セール直前によいタイミングでチラシが見られたくらいの宣伝効果が得られます。その際参加することでどのようなメリットが得られるのかも併記しておいてください。

    配信のタイミングも成果を左右します。通勤時間帯や昼休み、帰宅後など、スマホを手に取りやすい時間に合わせるだけで開封率は変わります。飲食店なら食事の時間の少し前、小売なら買い物に出かける前といったように、自店舗の来店タイミングから逆算して設計しましょう。

    重要な情報をユーザーにリアルタイムで通知する

    キャンペーンやイベント以外の知っておいたほうがよい情報をリアルタイムに通知できるのもプッシュ通知の強みです。たとえば天気に関係するアプリの場合は、1時間後に周辺で雨が降る可能性があることを知らせてくれるアプリがあります。またポイント有効期限切れといったタイミングで自動で仕込んでおいた通知が発信されてユーザーに気付かせる仕組みもよく利用されています。

    ユーザーにアプリの価値を最大限に感じてもらう

    アプリを利用することで機会損失が防げた、忘れたことを思い出したといったきっかけがあると、アプリを継続利用するメリットが明確になり利用割合が増えるでしょう。たとえばECアプリの場合、カートに入れていた商品を購入し忘れる可能性があります。こういうときは必要なタイミングでカートに商品が入ったままだとプッシュ通知を行い、購入を促進するのがよいでしょう。

    休眠ユーザーの復帰を促す

    アプリがアンインストールされていない場合は、プッシュ通知を継続して発信できます。プッシュ通知を利用してアプリの再起動を促進するメッセージを打って離脱を防止してみてください。たとえば「1か月使っていない方限定!30%引きクーポンプレゼント」といった特典が考えられます。休眠状態にあるユーザーを呼び戻せれば、新規獲得よりも低コストで売上に貢献してもらえる貴重な存在となります。

    復帰を促す通知は、送るタイミングの見極めが肝心です。離脱してから時間が経つほど戻ってきてもらう難易度は上がるため、最後の利用から2〜4週間程度の早い段階で声をかけたほうが反応を取りやすくなります。

    プッシュ通知以外の利用促進施策も組み合わせる

    プッシュ通知は強力ですが、これだけに頼ると通知をオフにされた時点で接点が切れてしまいます。通知を開かなかった人にも届く手段を並行して用意しておきましょう。

    アプリを起動したときに表示されるアプリ内メッセージは、その代表格です。通知を切っているユーザーにも確実に見てもらえるため、キャンペーンの告知や新機能の案内に向いています。

    ポイントやスタンプといった仕組みも、それ自体が継続利用を促す装置になります。あと少しで特典に届くという状態をつくれば、通知を送らなくてもユーザーのほうから起動してくれるようになります。

    配信内容を全員同じにしないことも大切です。来店頻度や購入履歴でユーザーを分け、それぞれに合った情報を届けるセグメント配信に切り替えるだけで、反応率は大きく変わります。

    関連記事:プッシュ通知の開封率の平均は?開封率を上げる方法と配信時の注意点を解説

    アプリマーケティングの成果を測るKPI

    施策を打ったら、必ず数値で振り返ります。見るべき指標はフェーズごとに違うため、段階に合わせて追う数字を切り替えるのが基本です。

    獲得フェーズで見る指標

    新規ユーザーを集める段階では、インストール数とその獲得効率を確認します。代表的なのがインストール数(DL数)と、インストール1件あたりの獲得単価であるCPIです。

    広告を使っている場合は、媒体ごとにCPIを比べることで予算配分を判断できます。加えて、アプリストアの詳細ページを見た人のうち何人がインストールしたかを示す転換率を見ておくと、ASOやスクリーンショットの改善余地が分かります。

    継続フェーズで見る指標

    使い続けてもらえているかを測る段階では、アクティブユーザー数(DAU・WAU・MAU)と継続率(リテンションレート)が中心になります。

    インストール数が伸びていても継続率が低ければ、穴の空いたバケツに水を注いでいる状態です。翌日、7日後、30日後といった時点ごとの継続率を追い、どこで離脱が起きているかを特定しましょう。アンインストール数や通知の許諾率も、あわせて確認しておきたい指標です。

    関連記事:継続率(リテンションレート)とは?計算方法とアプリの継続率を上げる施策を解説

    収益フェーズで見る指標

    最終的に売上へつながっているかを測る指標も必要です。ユーザー1人あたりの平均売上を表すARPUや、生涯にわたって生む利益を示すLTVが代表的にあたります。

    実店舗の場合は、アプリ会員とそうでない顧客の来店頻度や客単価を比べると、アプリの貢献度が分かりやすくなります。クーポンの利用率や、通知をきっかけにした来店数も、施策単位の効果を測る材料として役立ちます。

    関連記事:アプリマーケティングのKPIとは?ダウンロード数など主要指標の見方と設定のコツを解説

    アプリマーケティングの成功事例

    実際に成果が出ている事例を見ると、どの施策がどんな効果につながるのかをつかみやすくなります。ここでは業種の異なる3つの例を取り上げます。

    美容室|カルテ番号とアプリIDの連携で来店タイミングを逃さない

    ある美容室では、店内で管理しているカルテ番号と店舗アプリのIDを連携させ、顧客ごとの来店履歴を把握できるようにしました。次に来店してほしいタイミングに合わせてクーポンをプッシュ通知する運用に切り替えたところ、集客につながっています。

    従来はDMで実施していた施策をアプリへ置き換えたことで、手間と時間、印刷や郵送のコストも削減できました。顧客からも便利になったと受け止められており、店舗と顧客の双方に利点が出た例です。

    スーパーマーケット|チラシのデジタル化で開封率30%を達成

    あるスーパーマーケットでは、チラシに大きなコストをかけていたものの効果が見えにくいという課題を抱えていました。そこでチラシをアプリで配信する形に切り替え、配布日の前日にプッシュ通知を送る運用を始めています。

    結果として通知の開封率は30%に達しました。さらにスタンプカード機能をきっかけに、月10回以上来店する顧客が33%を超えるという成果も出ています。

    商業施設|館内情報とクーポンをアプリに集約する

    複数のテナントが入る商業施設では、館内のイベント情報やセール情報が分散しがちです。アプリに情報を集約し、来館者が1つの画面で確認できるようにすることで、目的の店舗以外への回遊を促す動きが生まれます。

    テナント横断でスタンプラリーを実施したり、来館者の属性ごとに配信内容を変えたりと、施設全体で使える施策の幅が広がるのも特徴です。

    事例から見える共通点

    3つの事例に共通しているのは、既存の業務やデータをアプリにつなぎ直している点です。ゼロから新しい取り組みを始めたわけではなく、カルテやチラシ、館内情報といったすでにあるものを置き換えています。

    もう1つの共通点は、配信のタイミングを設計していることです。来店周期や配布日の前日など、ユーザーにとって意味のある瞬間を狙って情報を届けているからこそ、反応につながっています。

    関連記事:店舗アプリの主要機能と導入事例|集客・売上アップにつながる活用術を解説

    アプリマーケティングでつまずきやすい点

    最後に、運用が始まってから課題になりやすい点を整理しておきます。事前に想定しておくだけでも、対処のスピードが変わります。

    インストール数だけを目標にしない

    よくあるのが、ダウンロード数の目標だけを追いかけてしまうケースです。キャンペーンで一時的に数を伸ばせても、その後使われなければ売上には結びつきません。

    インストール数は入口の指標と位置づけ、必ず継続率やアクティブユーザー数とセットで確認しましょう。数だけを追うと、アプリに関心の薄い層まで集めてしまい、結果として継続率を押し下げることもあります。

    通知の出しすぎで離脱を招かない

    情報を届けたい気持ちが先行して、通知の頻度が上がりすぎるのも典型的な失敗です。関係のない通知が続くと、通知オフやアンインストールにつながります。

    週1〜2回程度を目安に、反応データを見ながら調整するのが無難です。セール告知ばかりに偏らせず、ポイント残高の案内や役立つ情報を混ぜることで、開く価値のある通知だと感じてもらえるようになります。

    運用体制と更新頻度を先に決めておく

    アプリはリリースしてからが本番です。更新が止まったアプリはすぐに使われなくなるため、誰が・どのくらいの頻度で・何を配信するのかを公開前に決めておく必要があります。

    担当者が1人だけという体制でも、配信内容のテンプレートと年間の販促カレンダーを用意しておけば運用は回せます。店舗スタッフへの案内方法も含めて、社内の役割分担を整理しておきましょう。

    アプリマーケティングを支える店舗アプリDX版raiten

    店舗アプリDX版raitenであれば公式アプリを最短20日で作成可能であり、プッシュ通知機能も有効活用できます。アプリマーケティング戦略を実行に移す際の基盤として、デジタルポイントカードやクーポン配信、データ分析機能まで一括で利用できるのが特徴です。気になる方はぜひお問い合わせください。

    ノーコードで作れるため、プログラミングの知識がなくても社内で運用を完結できます。配信内容の変更やクーポンの追加も管理画面から即座に反映できるので、思いついた施策をその日のうちに試せます。

    導入から運用までは専任の担当者が伴走し、配信の頻度や内容の相談にも対応しています。累計1,000社以上の導入実績から蓄積したノウハウをもとに、業種に合わせた進め方を提案できるのも強みです。

    まとめ

    今回は公式アプリを浸透させるために必要なアプリマーケティングについて、戦略の立て方やプロモーション施策、成功事例を解説しました。カスタマージャーニーマップをもとに戦略を組み立てることで、効率よくアプリマーケティングを回せるようになります。興味・関心、比較・検討、利用促進という各フェーズに応じた施策を実行することで、認知から継続利用までの導線を確実に構築できるでしょう。アプリマーケティングについて詳しく知りたい方はぜひお問い合わせください。

    あわせて、成果を測るKPIの選び方や、運用でつまずきやすい点も取り上げました。アプリマーケティングは、獲得と継続の両方を回し続ける取り組みです。インストール数だけを追わず、継続率やアクティブユーザー数まで含めて数値を確認しながら、改善を積み重ねていきましょう。

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