継続率(リテンションレート)とは?計算方法とアプリの継続率を上げる施策を解説
業種全般
アプリの継続率(リテンションレート)は、インストール後にどれだけのユーザーがアプリを使い続けているかを示す指標です。リテンション率とも呼ばれ、アプリ運用の成果を測る上で最も重要なKPIの一つとされています。
しかし、「継続率の計算方法がよくわからない」「自社アプリの継続率が平均と比べて高いのか低いのかわからない」という方も多いのではないでしょうか。
本記事では、アプリの継続率(リテンションレート)の基本的な意味と計算方法から、業界平均の目安、継続率を上げるための具体的な施策までを解説します。アプリの継続率改善に取り組みたい方は、ぜひ参考にしてください。
アプリの継続率(リテンションレート)とは
インストール後に利用を続けているユーザーの割合
アプリの継続率とは、アプリをインストールした後も定期的に利用を続けているユーザーの割合のことです。リテンションレート(リテンション率)とも呼ばれます。
一般的に継続率は、利用開始日から日数が経過するにつれて下がっていきます。たとえば、ある日にアプリをダウンロードしたユーザーが100人いたとすると、10日後には50%、20日後には30%というように継続率は低下していきます。
継続率が低いということは、せっかく獲得したユーザーが早期に離脱していることを意味します。離脱の原因を特定し、アンインストールされる前に対策を打つことが、アプリ運用の重要なポイントです。
また、継続率は顧客満足度とも密接に関係しています。満足度が高ければ利用頻度が増え、利用期間も長くなるため、継続率はアプリの品質を測るバロメーターともいえます。継続率が著しく低い状態が続くと、アプリのサービス自体を見直さなければならない事態にもなりかねないため、早めの対策が重要です。
継続率の計算方法
アプリの継続率は「継続顧客数 ÷ 新規顧客数 × 100」で算出します。計算するためには、まず対象となる期間を定めます。
たとえば計算期間を「6月1日〜6月30日」とし、初日に1万人が登録、最終日に継続利用者が1,000人だった場合、「1,000 ÷ 10,000 × 100 = 10%」となり、この期間の継続率は10%だとわかります。
ここで注意すべきなのは、「何をもって継続とするか」の定義が企業やアプリのジャンルによって異なる点です。たとえば1週間以内に1回でも起動すれば継続とするケースもあれば、毎日起動していないと継続と見なさないケースもあります。自社アプリにとって利益につながる利用頻度を基準にして、継続の定義を明確にしておくことが重要です。
また、キャンペーン直後は新規ユーザーの母数が増えるため、相対的に継続率が低く出ることがあります。逆に、リテンション施策を実施した直後は継続率が高く出る傾向があります。こうした変動要因を踏まえて、定期的に計算・比較するようにしましょう。
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アプリの継続率(リテンション率)の目安と平均値
1日後の継続率は平均26%
アプリの継続率にはジャンルやOSによって差がありますが、Adjust社が公表しているデータ(2022年第1四半期・全ジャンル対象)が参考になります。
インストール翌日(1日後)の継続率平均は26%です(Android:25%、iOS:28%)。つまり、約4人に1人しか翌日にはアプリを開いていないということになります。
ジャンル別では、ソーシャルアプリが32%と平均を上回っています。食事管理アプリやマッチングアプリも比較的高い継続率を示しています。Adjust社は「2日目に継続率が25%を下回るアプリは非常に少ない」とも発表しており、もし2日目で25%を割っている場合は、初回起動時の体験に問題がある可能性が高いと考えられます。初回にユーザーが「使い続けたい」と感じるかどうかが、翌日以降の継続率に直結します。
7日後は12%、30日後は6%が平均
7日後の継続率平均は12%(Android:11%、iOS:13%)です。Androidではソーシャルアプリが17%、iOSでは食事記録アプリが18%と、ジャンルによって差が出ています。最初の1週間でリターゲティング施策を実行するアプリも多いため、この時期の数値にはキャンペーン効果が含まれている点にも留意が必要です。
継続率の分岐点は21日目です。この時点で平均値は7%にまで下がり、ほとんどのユーザーが離脱しています。しかし、その後の30日目の平均値は6%であり、21日目からの低下は緩やかです。
Adjust社はこの点に注目し、「3週間アプリを継続利用したユーザーは、今後もアプリを利用してくれる可能性が高い」と結論づけています。つまり、最初の3週間をいかに乗り越えてもらうかが、アプリの継続率を左右する最大のポイントです。
店舗アプリの場合、一般的なゲームアプリ等と比べて利用頻度が低い(来店時のみ使う等)ため、単純に上記の平均と比較するのは難しい面もあります。ただし、30日後の継続率が10%以上あれば良好、5%を下回っている場合は改善が必要と考えてよいでしょう。
アプリの継続率確保が重要な理由
収益の安定につながる
アプリは継続的に提供するのが基本となるコンテンツです。獲得したユーザーが離脱せずに使い続けてくれれば、利益を継続的に獲得できます。
特にサブスクリプション型の課金モデルを採用している場合、継続率は直接的に収益に影響します。また、店舗アプリの場合でも、アプリ経由での来店やクーポン利用が継続されることで、安定した売上につながります。いきなり継続率を大幅に改善するのは難しいため、まずは現状の数値を維持し、そこから段階的に改善していくアプローチが現実的です。
新規顧客獲得コストを抑えられる
新規顧客の獲得には広告費やプロモーション費用がかかります。一般的に、新規顧客の獲得コストは既存顧客の維持コストの5倍かかるともいわれています(いわゆる「1:5の法則」)。せっかく獲得したユーザーがすぐに離脱してしまうと、その投資が無駄になります。
継続率を向上させて離脱を減らせば、新規顧客を大量に獲得し続ける必要がなくなります。「バケツに穴が開いた状態で水を汲む」のではなく、まず穴をふさぐ(=継続率を改善する)ことで、獲得コスト全体の効率が改善されます。もちろん新規顧客の獲得は継続的に行う必要がありますが、継続率が高ければ獲得すべき人数の目標を小さく設定できるため、業務全体の負担も軽減されます。
顧客ロイヤリティを高められる
継続率が高い顧客は、リピーターとして定着している可能性が高い顧客層です。他の指標(来店頻度、購買金額など)と組み合わせて分析することで、ロイヤリティの高い顧客を特定できます。
ロイヤリティの高い顧客は、競合にスイッチングするリスクが低く、よい口コミを発信してくれる可能性も高いため、LTV(顧客生涯価値)の向上に大きく貢献します。必要に応じてメールやプッシュ通知でレビュー投稿を促し、口コミの拡散を後押しするのも有効な施策です。
アップセル・クロスセルがしやすくなる
継続的にアプリを利用しているユーザーは、企業とのタッチポイントが多く、追加の提案を受け入れやすい状態にあります。
アップセル(より上位の商品・サービスの購入)やクロスセル(関連商品の購入)を自然な形で提案しやすくなるため、顧客単価の向上につなげることができます。
たとえば、過去の購買履歴から「この商品を買った人はこちらも購入しています」といったレコメンドを表示したり、ランクアップ特典として上位商品の割引を提供したりする施策が考えられます。継続率の高いユーザーを特定し、優先的にアプローチするのが効果的です。
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アプリの継続率(リテンションレート)を上げる5つの施策
1. 初回起動時の体験をスムーズにする
アプリの継続率を最初に下げないためには、起動直後のアクションがスムーズに取れることが重要です。
ログイン時にSNS連携でアカウント登録を簡略化したり、チュートリアルを直感的に進められる設計にしたりすることで、初回起動時の離脱を防ぐことができます。「最初の30秒で価値を感じてもらえるか」がカギです。
店舗アプリの場合、初回ダウンロード特典(ポイント付与やクーポン)をすぐに提示することで、「ダウンロードしてよかった」と感じてもらうのが効果的です。逆に、初回起動時に長い会員登録フォームや不要な情報入力を求めると、「使う前に面倒」と感じられ、そのまま離脱されてしまうリスクがあります。
2. プッシュ通知で適切なタイミングにアプローチする
プッシュ通知は、休眠しかけているユーザーをアプリに呼び戻す強力な手段です。セール情報や新商品の入荷、ポイント有効期限のリマインドなど、ユーザーにとって価値のある情報をタイミングよく届けることで、アプリの再起動を促せます。
ただし、通知の頻度が多すぎると逆効果になり、通知オフやアンインストールにつながります。週1〜2回を目安に、ユーザーの反応データを見ながら配信頻度を調整するのがよいでしょう。配信する内容もセール告知ばかりではなく、ユーザーにとって役立つ情報(新商品情報、ポイント残高のリマインド等)を織り交ぜることで、「通知を開く価値がある」と感じてもらえるようになります。
3. フィードバックを収集してこまめに改善する
ユーザーレビューや問い合わせ、アプリ内アンケートなどからフィードバックを収集し、改善に反映する姿勢が継続率の維持・向上につながります。運営側が気づかなかった不具合や改善要望が見つかることも多く、ユーザーの声を活かした改善はアプリの品質向上に直結します。実際に、ユーザーの要望を反映したアップデートを行い、その旨をプッシュ通知で告知することで、休眠ユーザーの復帰につながるケースもあります。
素早いフィードバック対応には一定の人員が必要です。社内で対応が難しい場合は、外部に保守・管理をアウトソーシングすることも選択肢に入れましょう。
4. 休眠・離脱顧客にフォロー施策を実施する
一定期間アプリを起動していない休眠顧客に対して、自動でフォロー施策を実施することで、離脱を防ぐことができます。
具体的には、1ヶ月以上未起動のユーザーへの自動プッシュ通知、期間限定ポイントの付与、休眠顧客限定のクーポン配信といった施策が効果的です。「あなただけの特別なオファー」という特別感を演出することで、再起動の動機づけになります。
また、アプリ外からのリテンション広告(SNS広告やリターゲティング広告)を活用して、休眠ユーザーとのタッチポイントを確保する方法もあります。コストはかかりますが、一度離脱したユーザーを新規で獲得するよりも効率的なケースが多いため、予算の範囲内で試してみる価値があります。
5. 分析・自動化ツールを活用する
継続率を分析し、施策を自動化できるツールを導入することで、効率的な継続率改善が可能になります。
MA(マーケティングオートメーション)ツールでは、CRM機能で顧客との関係状態を把握した上で、セグメントに合ったメールやプッシュ通知を自動配信できます。ホットな顧客へのアプローチも、休眠顧客の掘り起こしも、ツールを活用すれば少ない人員で実行可能です。
アプリが成長してデータ量が増えると、手動での分析や施策実行には限界があります。早い段階からツール導入を検討しておくのがおすすめです。
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継続率を下げてしまうアプリの特徴
初回の手間が多すぎるアプリ
チュートリアルや初期設定の段階で、不要な会員登録や多すぎる情報入力を求めるアプリは、初回起動時の離脱率が高くなります。ユーザーは「まず使ってみたい」と思っているのに、使い始める前にハードルを感じてしまうためです。
初期設定は最小限にし、利用しながら段階的に情報を入力してもらう設計が理想的です。
通知が多すぎる・更新が少なすぎるアプリ
プッシュ通知やリテンション施策の頻度が多すぎると、ユーザーに「しつこい」と感じられ、通知オフやアンインストールにつながります。逆に、アップデートやコンテンツ更新がほとんどないアプリは、新鮮さを失い「もう使わなくていい」と判断されてしまいます。
通知は週1〜2回を目安にユーザーの反応を見ながら調整し、コンテンツは最低でも月1回は更新するようにしましょう。バグや不具合が放置されたままのアプリも離脱率が高くなるため、ユーザーからの不具合報告には迅速に対応することが大切です。継続率は定期的に計算し、解約率など他の指標と組み合わせて問題の早期発見に努めることも重要です。
まとめ
本記事では、アプリの継続率(リテンションレート)の意味と計算方法、業界平均の目安、継続率確保が重要な理由、そして継続率を上げるための5つの施策を解説しました。
継続率の平均値は、1日後26%、7日後12%、30日後6%であり、最初の3週間を乗り越えたユーザーは長期的に利用を続ける可能性が高いとされています。
継続率を改善するためには、初回体験の最適化、プッシュ通知の活用、フィードバック対応、休眠顧客へのフォロー、ツールの活用という5つの施策を組み合わせることが効果的です。まずは自社アプリの現在の継続率を計算し、平均値と比較するところから始めてみてください。
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この記事を監修した人
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