飲食店の軽減税率とは?店内飲食とテイクアウトの税率|2027年の引下げとインボイス対応

業種全般
公開日:2019.07.25 更新日:2026.09.18
軽減税率とは?飲食店舗は軽減税率を利用して集客できる?

飲食店では提供形態によって消費税率が異なり、店内飲食には標準税率の10%、テイクアウトには軽減税率の8%が適用されます。2023年10月からはインボイス制度も開始されており、複数税率への対応は飲食店経営において欠かせない課題となっています。本記事では飲食店に関わる軽減税率の仕組みから、インボイス制度への対応ポイント、さらに軽減税率を活かした集客・売上アップの施策までわかりやすく解説します。

さらに2027年4月からは、飲食料品の消費税率が2年間にわたって1%へ引き下げられることが決まっています。店内飲食とテイクアウトの差はこれまで2%でしたが、引下げ期間中は9%まで開くことになります。

差が大きくなるほど、レジでの区分、価格表示、メニューの見せ方の重要性は増していきます。この記事では現行制度の整理に加えて、引下げへの備え、ネットスーパーや宅配の扱い、対策のチェックリストまでまとめています。

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    目次

    飲食店に関わる軽減税率とは

    飲食料品の消費税率を8%に据え置く制度のこと

    軽減税率とは、2019年10月の消費税率10%への引き上げにあわせて導入された制度で、対象品目の税率を8%に据え置くものです。対象となるのは酒類を除く飲食料品と、定期購読契約で提供される新聞(週2回以上発行されるもの)の2品目です。ほとんどの商品には標準税率の10%が適用されますが、この2品目については8%のまま据え置かれるため、消費者の負担が軽減されます。

    ただし軽減税率の適用条件は複雑で、特に飲食料品の場合は対象になるものとそうでないものが細かく分かれています。たとえば販売する飲食料品に対してドライアイスや商品包装で別途サービス料金を設定する場合、そのサービス料金部分は軽減税率の対象外となり10%が適用されます。一方でドライアイスや包装がすでに飲食料品の一部として組み込まれている場合は「一体資産」として飲食料品と一緒に軽減税率が適用されます。ネットショッピングでも同様で、送料を別途請求する場合は送料に10%が適用されますが、商品価格に送料が含まれている場合は一体資産として8%が適用されます。

    一体資産として扱えるかどうかの判定

    食品と食品以外のものをセットにして販売する場合は、一体資産にあたるかどうかで税率が変わります。おもちゃ付きの菓子やカップ入りのギフトセットなどが該当します。

    判定の基準は、税抜きの販売価格が1万円以下であることと、その商品のうち食品が占める価格の割合が3分の2以上であることの2つです。どちらも満たせば全体に軽減税率が適用され、満たさなければ食品以外の部分に標準税率がかかります。

    飲食店でも、グッズ付きの弁当やドリンク付きの物販セットを企画するときに関わってきます。判断に迷う場合は国税庁の資料で確認しておきましょう(参照:国税庁「消費税の軽減税率制度・適格請求書等保存方式(インボイス制度)」  )。

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    2027年4月から飲食料品の消費税率が1%に引き下げられる

    飲食店にとって大きな変更が控えています。令和9年(2027年)4月1日から令和11年(2029年)3月31日までの2年間、軽減税率の対象となっている飲食料品の消費税率が1%(国・地方の合計)に引き下げられます。

    国税庁はリーフレットとQ&Aを公開し、事業者向けの周知を始めています。あわせて、所得に応じた給付と組み合わせて負担を軽くする方針も示されています(参照:内閣官房「飲食料品に係る消費税率の引下げ及び給付付き税額控除について」  )。

    飲食店の提供形態ごとの税率はどうなるか

    引下げの対象は、現在軽減税率が適用されている飲食料品です。外食と酒類は対象から外れるため、店内飲食の税率は変わりません。

    提供の形態

    現在

    2027年4月からの2年間

    店内飲食(外食)

    10%

    10%のまま

    テイクアウト・持ち帰り

    8%

    1%

    宅配・デリバリー

    8%

    1%

    酒類

    10%

    10%のまま

    これまで2%だった差が9%まで開くことになります。同じ商品でも店内と持ち帰りで支払う金額の差が大きくなるため、レジでの確認や価格表示の分かりやすさがこれまで以上に問われます。

    期間が決まっている点への備え

    今回の引下げは2年間の措置とされています。始まるときだけでなく、終わるときにも税率を戻す作業が発生する前提で準備しておきましょう。

    レジやPOSの設定変更が2回必要になること、価格表示やメニュー表を差し替える手間が2回かかることを見込んでおくと、直前に慌てずに済みます。

    税込価格で表示している店舗では、表示の切り替え方法も決めておく必要があります。税率が変わる時期に合わせて価格を見直すのか、税込価格を据え置いて利益で吸収するのかは、早めに方針を固めておきましょう。

    いつ、何を確認すればよいか

    制度の詳細や実務上の取り扱いは、国税庁が公開しているQ&Aで確認できます。仕入れの税率、期をまたぐ取引、返品や値引きの扱いなど、現場で迷いやすい論点がまとめられています。

    あわせて、使用しているPOSレジや受発注システムが新しい税率に対応する時期も、提供元へ早めに確認しておきましょう。対応が間に合わない場合は、入れ替えの検討も必要になります。

    関連記事:飲食店DXとは?メリット・進め方・成功事例とおすすめツールをわかりやすく解説(https://tenpoapp.com/tips/tips-2482/)

    飲食店の税率はどう分かれるのか

    店内飲食は10%でテイクアウトは8%が適用される

    飲食店の場合、店内での飲食は軽減税率の対象とならず標準税率の10%が適用されます。一方でテイクアウトメニューを提供している場合、テイクアウト分には軽減税率の8%が適用されます。たとえば焼肉弁当を販売している食堂の場合、お客様が店内で食べると10%の税率がかかりますが、店頭でテイクアウトとして購入した場合は8%の税率で済みます。またレジ周りで販売している飲料なども持ち帰りであれば軽減税率の対象です。

    飲食料品でも条件によって税率が変わるケースがある

    飲食料品であっても提供形態によって税率が変わるケースがあるため注意が必要です。ケータリングサービスを利用してお客様の自宅で調理・提供する場合は店内飲食と同じく10%が適用されます。また食べ残しを持ち帰るドギーバッグについても、最初から店内飲食として注文したものを途中から持ち帰りに変更する場合は10%のままとなるのが原則です。このように同じ飲食料品でも店内飲食か持ち帰りかによって税率が異なるため、会計時にどちらの税率が適用されるかをお客様にわかりやすく伝えることが飲食店にとって重要な課題となっています。

    税率は注文の時点の意思表示で判定する

    店内飲食か持ち帰りかは、販売する時点でお客様がどちらの意思を示したかで判定します。会計後に気が変わって持ち帰った場合でも、原則として注文時の税率が適用されます。

    そのため、イートインスペースを併設している店舗では、会計の前に「店内でお召し上がりですか」と確認する流れを手順として決めておくことが欠かせません。掲示だけで済ませると、判定の根拠が残らずトラブルにつながります。

    店頭やレジ前に「イートインをご利用の場合はお申し出ください」と掲示しておく方法も、あわせて取り入れておきましょう。

    ネットスーパーや宅配・ECの税率はどう考えるか

    飲食料品をオンラインで販売する場合も、基本の考え方は店頭と同じです。ただし送料や手数料の扱いで迷いやすいため、整理しておきましょう。

    送料を別に請求するかどうかで扱いが変わる

    ネットスーパーやECで飲食料品を販売する場合、商品そのものは軽減税率の対象です。一方で、送料を商品代金とは別に請求すると、その送料は役務の提供にあたるため標準税率が適用されます。

    送料込みの価格として販売していれば、全体を飲食料品の販売として扱えます。価格の設計をどちらにするかで、レジや請求書の表示も変わってくる点に注意しましょう。

    宅配・デリバリーは持ち帰りと同じ扱い

    そばの出前やピザの配達のように、調理した食事を届けるだけの場合は軽減税率の対象です。届けた先で配膳や取り分けなどのサービスを行うケータリングは、対象外となり標準税率が適用されます。

    飲食店が宅配を始める際は、どこまでを提供内容に含めるかで税率が変わる可能性があります。サービスの範囲を決めるときに、あわせて確認しておきましょう。

    価格の見せ方と表示を統一する

    同じ商品を店頭とオンラインの両方で扱っている場合、税込価格が違って見えることがあります。お客様が混乱しないよう、どちらの価格がいくらなのかを明示しておきましょう。

    2027年の引下げ期間中は差がさらに広がるため、オンラインの商品ページでも税率と税込価格の表示を見直す必要があります。

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    インボイス制度への対応で飲食店が押さえるべきポイント

    適格請求書には税率ごとの消費税額と登録番号の記載が必要になる

    2023年10月からインボイス制度(適格請求書等保存方式)が開始されており、課税事業者が仕入税額控除を受けるためには適格請求書の保存が求められます。適格請求書には軽減税率の対象品目の明示、税率ごとの合計額と消費税額の記載、そして課税事業者としての登録番号の記入が必要です。飲食店では店内飲食の10%とテイクアウトの8%が混在するケースが日常的に発生するため、会計ごとに税率を正しく区分して記載できる体制を整えておくことが不可欠です。

    飲食店は不特定多数のお客様を相手にするため、適格簡易請求書(簡易インボイス)を交付できます。宛名の記載が不要になるなど記載事項が簡略化されるため、レシートでの対応が可能です。

    複数税率に対応したPOSレジや受発注システムの導入が不可欠

    インボイス制度に対応するためには、複数税率を正確に処理できるPOSレジや受発注システムの導入が欠かせません。従来の紙ベースでの管理や旧式のレジでは税率ごとの区分計算が難しく、記載ミスや計算ミスが発生するリスクがあります。現在では複数税率に対応したPOSレジが各社から提供されており、メニューごとに税率を設定しておけば会計時に自動的に税率ごとの小計と消費税額が計算されます。IT導入補助金などの支援制度を活用してシステムを導入するのも有効な選択肢です。

    レジを選ぶときは、税率の追加や変更を自分たちで設定できるかも確認しておきましょう。2027年の引下げとその終了で、設定の変更が2回発生します。

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    飲食店の軽減税率対策チェックリスト

    制度への対応は、いくつかの決めごとを済ませておけば日々の運用に落とし込めます。自店舗の状況を確認してみてください。

    会計まわりで確認すること

    メニューごとに税率が設定されているか

    会計前に店内か持ち帰りかを確認する流れが決まっているか

    レシートに税率ごとの合計額と消費税額、登録番号が出ているか

    税率の変更を自店舗で設定できるか、提供元に依頼が必要か

    表示とメニューで確認すること

    メニュー表に店内価格と持ち帰り価格の両方が書かれているか

    イートインを利用する場合の案内が掲示されているか

    オンラインの商品ページで税込価格と送料の扱いが明記されているか

    価格の見せ方は、税込価格を統一するか、税率ごとに分けて表示するかで印象が変わります。どちらを選ぶかを先に決め、店頭・メニュー・アプリで表記をそろえておきましょう。

    スタッフへの共有で確認すること

    税率が分かれる理由をスタッフ全員が説明できるか

    お客様から質問されたときの答え方が決まっているか

    新しく入ったスタッフに伝える手順が用意されているか

    現場で最も多いのは、会計時の確認漏れです。手順を1枚にまとめてレジの近くに置いておくと、誰が対応しても同じ運用を保てます。

    軽減税率を活かして飲食店の売上を伸ばす施策

    テイクアウトメニューを新規導入・拡充して8%税率の売上を増やす

    飲食店がまず検討したいのがテイクアウトメニューの新規導入や拡充です。店内飲食は10%ですがテイクアウトは8%が適用されるため、テイクアウトメニューの充実は税率面でのお得感を打ち出しながら売上を伸ばせる有効な施策です。これまでテイクアウトメニューを提供していなかった飲食店でも、既存メニューを弁当にして販売するなどの方法で導入が可能です。すでにテイクアウトを提供している飲食店でも、新しいメニューを追加して選択肢を広げればさらなる売上拡大が見込めます。ただしやみくもにテイクアウトメニューを増やしても効果は限定的なため、自店舗のターゲットユーザーを再確認し、ニーズに合ったメニューを開発することが重要です。

    2027年の引下げ期間中は、持ち帰りの税率が1%になります。価格の見え方でお得感が伝わりやすくなるため、テイクアウトを強化する店舗にとっては追い風になります。

    あわせて、容器代やオペレーションの負担も計算に入れておきましょう。税率が下がっても、容器代と人手が増えれば利益は残りません。

    POSレジとアプリを連携して各メニューの税率をお客様にわかりやすく表示する

    POSレジと自店舗アプリを連携させて、どのメニューが10%でどのメニューが軽減税率の8%なのかをお客様にはっきりわかるようにすることも効果的な施策です。アプリ上でメニューごとの税率が一目で確認できる仕組みになっていれば、お客様にとっての利便性が高まるだけでなく「この店舗は親切だ」というブランディングにもつながります。税率の計算がわかりにくくて注文をためらってしまうお客様の離脱を防ぐ効果も期待できます。

    アプリであれば、税率が変わるタイミングで表示を一括して差し替えられます。紙のメニュー表を刷り直すより早く、費用もかかりません。

    関連記事:飲食店アプリとは?導入メリット・主要機能・選び方と成功事例を解説

    アプリのモバイルオーダー機能でテイクアウトの利便性を高める

    テイクアウトメニューを導入しても行列や受け取り待ちでお客様を待たせてしまっては顧客満足度の低下につながります。また事前に商品を用意しておくと食材の鮮度が心配という声もあるでしょう。そこで活用したいのが自店舗アプリのモバイルオーダー(持ち帰り事前注文)機能です。モバイルオーダー機能を使えばお客様がアプリから事前に注文し、店舗側は来店のタイミングに合わせてメニューを用意できます。お客様は来店後すぐに注文した商品を受け取れるため待ち時間がなくなり、店舗側も出来たてのメニューを提供できるため双方にメリットがあります。大手チェーンではすでに広く導入されており、中小規模の飲食店でもアプリプラットフォームを活用すれば低コストで実装が可能です。

    注文の時点で店内か持ち帰りかを選んでもらう形にしておけば、税率の判定も注文データとして残せます。会計時の確認漏れを防ぐ仕組みとしても役立ちます。

    関連記事:モバイルオーダーとは?導入メリットと国内事例を徹底解説|仕組み・種類・費用まで

    クーポンや告知で税率の変更を伝える

    税率が変わる時期は、お客様の関心が価格に向きやすいタイミングです。値下げになる部分があるなら、はっきり伝えたほうが来店のきっかけになります。

    アプリのクーポンやプッシュ通知を使えば、持ち帰りメニューの価格が変わることを事前に知らせられます。紙の告知より早く、費用もかかりません。

    関連記事:電子クーポンの作成方法とは?作り方・配布手段・効果を高めるコツまで解説

    関連記事:飲食店の集客効果やリピーターを増加!アプリ活用施策と成功のコツ

    まとめ

    今回は飲食店に関わる軽減税率の仕組みから、インボイス制度への対応ポイント、さらに軽減税率を活かした集客施策までご紹介しました。飲食店では店内飲食10%とテイクアウト8%の複数税率が日常的に発生するため、正確に税率を区分できるPOSレジやシステムの導入が不可欠です。同時にテイクアウトメニューの拡充やアプリのモバイルオーダー機能の活用といった施策を組み合わせることで、軽減税率を上手く活かしながら売上の維持・拡大を図ることができます。

    弊社では店舗アプリDX版 raitenというアプリ制作プラットフォームを提供しており、テイクアウトの事前注文機能など軽減税率対策に対応できる機能をご用意しています。気になる方はぜひお問い合わせください。

    加えて、2027年4月からの2年間は飲食料品の税率が1%に引き下げられます。店内飲食との差が9%まで開くため、レジの設定、価格表示、メニューの見せ方を早めに見直しておきましょう。

    制度の内容は国税庁が公開している資料で確認し、レジやシステムの対応時期は提供元に確認しておくことが準備の第一歩になります。そのうえで、持ち帰りの価格が下がることをどう伝えるかまで決めておけば、変更を集客の機会に変えられます。

    関連記事:店舗集客の成功事例10選|業種別の施策と売上を伸ばすコツを解説

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