アプリ導入で売上を増やす方法|企業が押さえる効果・費用対効果と運用のポイント
業種全般
今やスマートフォンは多くの人にとって“生活の必需品”です。SNSやウェブサイトに加えて、アプリを使って直接お客様に情報を届けることで、売上や集客に大きな変化が生まれる可能性があります。
実際、国内のスマートフォン普及率はますます高まっており、新しいお客様との接点づくりやリピーター獲得のためにも、アプリ導入を“他人事”と考えている余裕はありません。本記事では、店舗ビジネスにおけるアプリ活用の重要性とメリット、導入の際に気をつけたいリスクや運用上のポイント、さらに具体的な売上アップ施策までをわかりやすく解説していきます。
まだアプリ導入に踏み切れていない方でも、「アプリで何ができるの?」「どうやって売上アップにつなげるの?」という素朴な疑問が解消できる内容となっていますので、ぜひ最後まで読んでみてください。
あわせてこの記事では、売上だけでなく利益への貢献をどう測るか、導入にかけた費用をどれくらいの期間で回収できるか、そして離れてしまったお客様を呼び戻すリエンゲージメント配信の考え方まで取り上げます。
アプリは入れれば売れる仕組みではなく、会員を増やし、使われ続けてはじめて数字に表れます。導入の判断材料と、運用して成果につなげる手順を順に確認していきましょう。
スマートフォン普及とアプリ導入の重要性
今の時代、スマートフォンは多くの人にとって欠かせない道具です。日常的にSNSやニュースサイトをチェックしたり、動画を見たり、オンラインショッピングを楽しんだりするのはもちろんのこと、店舗を探す際や予約をするときもスマホが使われています。こうした背景から、ビジネスをする上で「スマホとの相性の良さ」は非常に大切な要素になっています。
特に日本ではスマートフォンの普及率が年々増加しており、総務省の情報通信白書(2024年度)では2024年には、90%を超えるとされています。これは、ほとんどのお客様がスマホを所持していることを意味します。
情報通信白書は毎年更新されており、モバイル端末の保有状況は最新版のデータ集で確認できます(参照:総務省「令和7年版 情報通信白書 データ集」 )。数字を引用する際は、公開年度をあわせて確認しておきましょう。
もし自社専用のアプリがあれば、お客様が“いつでも・どこでも”お店の情報を確認しやすくなります。営業時間外でも次回の予約ができたり、クーポンを受け取ったりできるようになれば、当然、売上アップにもつながるわけです。
また、同業他社との競争が激しくなるほど、何らかの差別化が不可欠になります。スマホ時代の今、アプリをうまく活用している店舗は、そうでない店舗に比べてお客様から「便利なお店」という印象を持たれやすく、リピートしてくれる可能性が高まります。こうした競争力の向上という点でも、アプリ導入は避けて通れない選択肢になりつつあるといえるでしょう。
ただし、保有率が高いことと、自店のアプリを入れてもらえることは別の話です。ホーム画面に置いてもらうには、入れる理由と使い続ける理由の両方が必要になります。会員証やポイントのように来店のたびに開く機能があるかどうかが、その分かれ目です。
関連記事:顧客管理アプリで売上を伸ばす!飲食・小売で今すぐ使えるCRM戦略
関連記事:店舗アプリの導入効果とは?メリット・デメリットと成功事例を解説
アプリ導入がもたらす具体的なメリット
アプリを導入すると、実際にどのようなメリットがあるのか、具体的に考えてみましょう。大きく分けると以下の四つが挙げられます。
(1)場所や時間の制限を超えた接点づくり
通常であれば、店舗に来てもらわないとお客様との接点を持てません。しかしアプリがあれば、お客様がどこにいても情報を届けられます。
たとえば営業時間外であっても、商品情報を見たり、次の予約を入れたりできます。これにより「来店のきっかけ」を増やすことが可能です。
(2)顧客データの活用
アプリを使えば、お客様がどの商品をよく見ているか、いつ来店しているかなど、行動履歴や好みを詳細に把握できます。これらのデータを分析すれば、より効果的なキャンペーンやクーポン配信、季節に合わせた商品提案などが実現しやすくなります。
結果的に、一人ひとりのニーズに沿ったサービスを提供しやすくなり、リピート率の向上が期待できます。
(3)プッシュ通知による効果的なアプローチ
店舗側からお客様に直接情報を届けられる「プッシュ通知」は、メルマガやSNS投稿よりも開封率が高い傾向にあります。
せっかくお得なセールを行っていても、お客様がそれを知らなければ意味がありません。プッシュ通知を使えば、お得情報や新商品、予約のリマインドなどをリアルタイムで伝えられます。
(4)リピート促進の仕組みづくり
ポイントカードや会員証、スタンプカードなど、紙ベースで運用しているお店は多いと思います。しかしアプリを使えば、デジタルで管理できるため、紛失や忘れ物のリスクがなくなります。
ポイントやスタンプをアプリと連携させることで、よりわかりやすい形でお客様に還元でき、「またお店に行こう」と思ってもらいやすくなります。
関連記事:なぜアプリに誘導するとリピーターが増えるのか?導入メリットと仕組みを解説
関連記事:小売業がアプリを導入すべき理由|売上・リピーターを増やす効果とメリットを徹底解説
アプリが利益に貢献する仕組みと投資回収の考え方
導入を判断するときに必要なのは、売上が増えるかどうかだけではありません。かけた費用に見合う利益が残るかを、あらかじめ試算しておきましょう。
売上ではなく利益で見る
アプリの施策は、クーポンやポイントといった原資を伴うものが中心です。来店数が増えても、値引き分で利益が削られていては意味がありません。
確認したいのは、配った特典の原価を差し引いた後の利益です。クーポン経由の売上から値引き額と原価を引き、月額の利用料まで差し引いた金額で判断しましょう。
LTVと獲得コストを並べて判断する
1人のお客様が1年間に使う金額(LTV)が分かると、投資の上限が見えてきます。年間で2万円使うお客様であれば、獲得と維持に数千円かけても成立します。
アプリの費用は、会員1人あたりに割り戻して考えると比較しやすくなります。月額3万円で会員が1,000人いれば、1人あたり月30円です。この金額を上回る効果があるかどうかが判断の基準になります。
関連記事:アプリでLTVを最大化させる方法とは?自社アプリの活用術を解説
回収までの期間を試算する
導入前に、次の3つの数字を仮置きして試算しておくと、判断がぶれません。
|
試算する項目 |
置いておく数字 |
確認する内容 |
|
会員数の見込み |
月に何人が登録するか |
来店客数のうち何割が登録するか |
|
1人あたりの増加額 |
来店頻度や単価がどれだけ上がるか |
会員と非会員で差が出ているか |
|
かかる費用 |
初期費用と月額、特典の原資 |
何か月で回収できるか |
実際に運用が始まったら、この3つを毎月の実績で置き換えていきます。見込みと実績のずれが分かれば、どこを改善すべきかも自然と見えてきます。
関連記事:アプリ開発の費用相場はいくら?内訳・人月の計算方法とコストを抑える方法を解説
アプリがないことによるリスクと問題点
逆に、アプリを導入していない場合にどんなリスクがあるのかも考えてみましょう。
(1)若年層を中心とした取りこぼし
スマートフォンが当たり前の世代にとっては、わざわざ電話で予約したり、店舗のウェブサイトを検索してクーポンを探したりするのは手間だと感じる人も増えています。
より簡単な方法で予約や購入ができるお店が他にあれば、そちらに流れてしまいがちです。
(2)顧客データ収集の遅れ
店舗でのPOSデータや、ウェブサイトのアクセス解析だけでは、実は十分な情報が集まらないことも多いです。
アプリを通じて細かな行動履歴を収集・分析できないと、どんなキャンペーンが効果的かを判断しにくくなります。結果的に的外れな施策にコストをかけてしまうケースも考えられます。
(3)競合店が先行してしまうリスク
DX(デジタルトランスフォーメーション)が進む今、アプリ導入を急ぐ競合が増えています。後からアプリを導入する場合、開発コストが高くなることや、既にお客様が別店舗のアプリに慣れてしまっているなどの課題が起きる可能性があります。
こうしたリスクを回避し、ビジネスチャンスを逃さないためにも、「アプリはうちにはまだ早い」「大手企業だけの話」と考えず、店舗規模に応じたアプリ導入の方法を検討してみるのが賢明です。
関連記事:“刺さる通知”で売上アップ!パーソナライズされたアプリ通知の成功法則
企業がアプリを導入するときの進め方
導入を決めたあとに手戻りが起きやすいのは、判断の材料と社内の体制が固まっていない場合です。着手前に次の3点を整理しておきましょう。
導入の判断は会員数と来店頻度から考える
アプリが効果を出しやすいのは、来店を繰り返すお客様がいる業態です。まずは月の来店客数と、そのうち再来店している方の割合を確認してください。
繰り返し来る方が一定数いるなら、アプリで接点を保つ価値は高くなります。反対に一見のお客様が中心であれば、まずは来店の理由づくりから着手するほうが先です。
社内の体制と担当者を先に決める
アプリは作って終わりではなく、配信や特典の設定を続ける必要があります。誰が運用するのか、どれくらいの頻度で確認するのかを、導入前に決めておきましょう。
複数店舗を持つ企業では、本部が配信内容を決めるのか、各店舗に任せるのかも整理しておきます。権限が曖昧だと、配信が止まるか、逆に重なって届いてしまいます。
関連記事:アプリ運用とは?保守との違い・業務内容・費用相場と成果を出す体制づくりを解説
既存のシステムとの連携を確認する
POSレジ、予約システム、既存の会員データベースなど、すでに使っている仕組みと連携できるかは早い段階で確認しましょう。連携できないと二重入力が発生し、現場の負担が増えます。
あわせて、蓄積した顧客データを自社で取り出せるかも確認しておきます。乗り換えの際に引き継げないと、それまでの記録が使えなくなります。
売上アップを目指すための基本戦略
アプリを導入したとしても、ただ作っただけで売上が伸びるわけではありません。
大切なのは「明確な目的」と「段階的な目標設定」、そして「運用による継続的な改善」です。
以下のステップを意識して進めると、アプリが成果を出しやすくなります。
(1)目的と指標(KPI)の設定
まずは「なぜアプリを導入するのか」を明確にしましょう。
新規のお客様を増やしたい
リピーター(常連客)の来店頻度を上げたい
客単価をアップさせたい
問い合わせや予約を減らしてスタッフの業務を効率化したい
これらの目的によって、見るべき指標も変わってきます。例えば、リピーターを増やすことが目的なら、アプリを継続利用している人の割合(継続率)や、再来店回数などが重要な指標になります。
目標とする数字を明確にしたら、定期的にチェックして改善につなげましょう。
追う指標は1つに絞ると判断が早くなります。ダウンロード数だけを見ていると、入れてもらったあと使われていない状態に気づけないため、月に1回以上アプリを開いた人の割合も合わせて確認しましょう。
(2)ターゲットユーザーの選定とペルソナ設計
アプリを導入する際に「どんなお客様にどのように使ってもらいたいか」を考えることは非常に大事です。
たとえば、20~30代の女性が多く来店するカフェなのか、家族連れが中心のレストランなのか、それとも地元の高齢者が常連の小規模スーパーなのかによって、アプリのデザインや機能は変わってきます。
実際のお客様にインタビューを行ったり、アンケートを取ったりしながら、「ペルソナ」(具体的な人物像)を作り込むことで、より的を絞ったアプリ開発・運用が可能になります。
競合分析で見える差別化のヒント
同業他社がどのようなアプリ機能を提供しているのかを調べることも大切です。実際に競合他社のアプリをダウンロードしてみて、「ここは便利」「ここは使いにくい」「こういう機能があったらもっと良いのに」など、ユーザーの目線でチェックしてみましょう。
たとえば、お客様がよく使う機能や便利だと思っている部分は積極的に取り入れ、さらに独自のアイデアを加えると差別化につながります。
一方で、競合が導入している機能があまり活用されていなかったり、評判が良くなかったりするのであれば、それを回避するヒントになります。
「ライバルがやっているからうちもやる」ではなく、「ライバルはこうだから、うちはこうする」という形で明確な戦略を立てましょう。会員ランク制やオリジナルのスタンプカード、カスタマイズできるクーポンなど、ユーザーに「他よりお得だ」と思ってもらえる仕組みを意識すると良いでしょう。
売上向上に直結するアプリ機能とは?
では具体的に、どんな機能をアプリに入れれば売上に貢献しやすくなるのでしょうか。代表的な機能をいくつかご紹介します。
予約や注文機能
24時間いつでも予約ができる
お客様にとっては、「営業時間中に電話しなければいけない」というハードルがなくなるので、気軽に予約を取ってもらいやすくなります。
また、店舗側としても電話対応の負荷が減り、スタッフの時間をほかの業務に回せるメリットがあります。
自動リマインドでキャンセル防止
予約日の前日や数時間前に、アプリからプッシュ通知やメッセージを送ることで、ドタキャンや予約忘れを減らす効果が期待できます。これにより予約枠を無駄にしない運用が可能になります。
履歴の活用でリピート率アップ
以前に予約したメニューや購入した商品を確認できれば、お客様が再度利用するときにスムーズです。リピート予約をしやすいアプリは顧客満足にもつながりやすいです。
ポイント・会員制度
紙のカードを卒業して管理を一本化
「紙のポイントカードを忘れてしまった」「スタンプを押し忘れてしまった」というトラブルが減り、お客様の負担が軽くなります。
期限やランク制を活用
「〇〇円ごとに1ポイント」といったシンプルな仕組みでも良いですが、有効期限を設けたり、会員ランクに応じて特典を変えたりすると、より積極的にポイントを使ってもらいやすくなります。
お得感を可視化
アプリ画面で今どれくらいポイントが溜まっているかが一目でわかるため、「もう少しでポイントが貯まるから」「あと1回使うとランクが上がるから」という心理をうまく後押しできます。
付与率を決めるときは、原資が利益をどれだけ圧迫するかを先に計算しておきましょう。1%の付与でも、年商が大きいほど負担額は無視できません。
パーソナライズされた情報提供
おすすめ商品の提示
過去の購入履歴や予約情報、閲覧した商品データをもとに「あなたに合った商品」を提案すると、お客様は自分の好みをわかってくれているという安心感を覚えます。
特別な日のクーポン
誕生日や記念日に特別クーポンを配信すると、通常よりも高い確率で利用してもらえます。ここで受けた嬉しい体験が、再来店へのモチベーションになるのです。
利用タイミングに応じた提案
お客様の利用時間帯や曜日などの傾向を分析して、「いつもこの時間にご利用いただいている方へおすすめ」といったタイミングに合った提案を行うことも効果的です。
ちょうど良いタイミングで届けられる情報は、お客様にとって価値あるものとして受け止められます。
前回のご利用からの経過をもとにしたご案内
最後の来店や利用から一定期間が経過したお客様に、「そろそろ新しいアイテムはいかがですか?」といった形でリマインドを行う方法もあります。
程よいタイミングでの声かけは、お客様にとって親しみやすく、自然な再来店のきっかけになります。
プッシュ通知の工夫
高すぎる頻度は逆効果
あまりにも頻繁に通知が来ると、「ウザい」と感じられてしまい、アプリを削除されるリスクがあります。内容をきちんと考え、配信する頻度や時間帯に注意を払いましょう。
バリエーションを増やす
セール情報だけでなく、新商品情報や季節限定メニュー、イベント告知、予約リマインドなど、通知内容の幅を広げることで「見る価値のある通知」という印象を与えられます。
月に送る通数を先に決めておくと、内容の質を保てます。配信枠が限られていれば、どの情報に使うかを選ぶようになり、1通あたりの価値が上がります。
関連記事:アプリのプッシュ通知マーケティング|効果を高める活用術とメリットを解説
リリース後の運用施策:顧客との関係を深めるために
アプリをリリースして終わりにしてはいけません。むしろ、リリース後からが本番といえます。
せっかくダウンロードしてもらっても、使われなくなってしまえば意味がありません。
継続的にお客様とのコミュニケーションを図りながら、アプリの改善を行っていくことが重要です。以下の施策を参考にしてみてください。
(1)アプリの告知とプロモーション
店頭にQRコードを掲示するのはもちろん、SNSやメルマガでもアプリの存在を積極的に伝えましょう。
初回ダウンロードでドリンク無料券や割引クーポンをプレゼントするなどの特典をつけると、一気にインストール数が伸びる可能性があります。
掲示だけに頼らず、会計時にスタッフから一声かける流れをつくると登録率が大きく変わります。案内の言葉をそろえ、全員が同じ説明をできる状態にしておきましょう。
(2)ユーザーフィードバックの収集
アプリ内で簡単なアンケートを行ったり、問い合わせフォームを設置したりして、お客様の声を定期的に集めます。
App StoreやGoogle Playのレビュー欄もこまめにチェックし、改善点や不満点を素早く把握しましょう。
(3)データ分析と改善
アプリのアクセス解析や、来店頻度・購入金額などのデータを常に確認し、どのタイミングで離脱する人が多いのか、どの機能がよく使われているのかを分析します。
それに基づいて、UI(画面デザイン)の見直しやキャンペーン内容の調整を行いましょう。
(4)休眠ユーザー対策(リエンゲージメント)
しばらく利用のないユーザーに対して、特別クーポンやセール情報をピンポイントで送る施策を「リエンゲージメント」と呼びます。
「久々のご来店をお待ちしています」というメッセージとともに、お得感のあるキャンペーンを提示すると、再来店のきっかけをつくることができます。
リエンゲージメント配信で重要なのはユーザー接点の網羅性
休眠したお客様を呼び戻すとき、プッシュ通知だけに頼ると届く相手が限られます。通知をオフにしている方、アプリを開かなくなった方、すでに削除してしまった方には、そもそも表示されないためです。
そこで必要になるのが、接点を網羅しておくという考え方です。同じ内容を、届く可能性のある経路すべてに用意しておけば、どこかで目に触れる確率が上がります。
プッシュ通知:アプリを開く習慣が残っている方に届く
アプリ内のお知らせ:通知をオフにしていても、開いたときに気づいてもらえる
メールやLINE:アプリを削除した方にも届く可能性が残る
店頭の掲示やレシート:来店した瞬間に伝えられる
郵送のDM:連絡先が分かっていて、金額に見合う相手に絞って送る
すべてを同時に使う必要はありません。休眠の期間に応じて、3か月ならアプリ内とプッシュ、半年ならメールも追加、1年ならDMも検討というように、かける費用を段階的に上げていく設計が現実的です。
配信のあとは、経路ごとに反応を分けて記録しておきましょう。どの経路が効いたのかが分かれば、次回はそこへ費用を寄せられます。
何か月空いたら休眠とみなすかを決めておく
リエンゲージメントを仕組みにするには、休眠の定義が必要です。前回の利用から何か月空いた状態を休眠と呼ぶのかが決まっていないと、配信する相手を選べません。
基準は業態の利用サイクルから決めます。月に数回来店する業態なら2か月、数か月に1度の業態なら半年といった具合です。自店の来店間隔の中央値を出して、その2倍あたりを目安にすると実態に合いやすくなります。
基準が決まれば、該当する方を毎月抽出して案内を送るという運用に落とせます。担当者の感覚に頼らず、同じ手順を続けられる状態にしておきましょう。
(5)ヘビーユーザーへの特別対応
よく利用してくれるお客様には、会員ランクを上げたり限定イベントに招待したりして、特別扱いすることも重要です。
お店の“ファン”になってもらえると、口コミやSNSでの拡散などプラスの波及効果が期待できます。
アプリ導入前に知っておくべき注意点
アプリ導入はメリットが多い一方、いくつかの注意点も存在します。
大きくはコスト面とセキュリティ面、そして継続的な運用体制です。
(1)コストと開発方式の選択
アプリ開発には少なくない費用がかかります。フルオーダーメイドで高機能なアプリを作ると、初期費用やメンテナンス費用が大きくなる場合があります。
一方で、既存のプラットフォームやテンプレートを活用するなど、予算や必要最低限の機能を見極めて開発する方法もあります。
(2)段階的なリリースが賢い
最初からすべての機能を盛り込むのではなく、必須機能を中心にリリースして、ユーザーフィードバックを得ながら拡張していく方法がコストパフォーマンスの面でもおすすめです。
(3)セキュリティとプライバシー
アプリでお客様のデータを扱う以上、セキュリティ対策は必須です。通信を暗号化する、適切なパスワード管理システムを整える、定期的にアプリのアップデートを行うなど、地道なメンテナンスが欠かせません。
万一データ漏洩などが起こった場合には、お店の信用に大きなダメージを与える恐れがあります。
技術面の対策に加えて、個人情報の取り扱いについても確認が必要です。取得する項目と利用目的を明示し、同意を得たうえで使うことが法律で求められています(参照:個人情報保護委員会「個人情報保護法等」 )。
プライバシーポリシーは、アプリ内からいつでも読める場所に置いておきましょう。外部の事業者にデータの管理を委託する場合は、委託先の管理体制も確認しておく必要があります。
(4)ストアの評価管理
App StoreやGoogle Playでのレビューは、アプリを導入するか迷っている人にとって重要な判断材料です。
低評価やネガティブなコメントを放置せず、迅速に対応し改善策を打ち出すことでユーザーからの信頼を維持しましょう。
(5)使いやすいUI・UXの設計
どんなに素晴らしい機能を入れても、操作が複雑すぎたりデザインがごちゃついていると、結局お客様は使わなくなってしまいます。特に、幅広い年代の方が使う可能性のある店舗アプリでは、文字の大きさやボタンの押しやすさなどの配慮が欠かせません。
UI(ユーザーインターフェース)やUX(ユーザーエクスペリエンス)をシンプルに、かつ直感的に操作できるように心がけましょう。
まとめ
店舗アプリは、単なる宣伝ツールではなく、お客様とのコミュニケーションを深め、売上を伸ばすための強力な手段です。スマートフォンが当たり前になった今、アプリを通じた情報発信や予約管理、ポイント施策、パーソナライズなどは、競合他社との差別化や顧客満足度の向上に大きく貢献してくれます。
また、セキュリティやプライバシー保護にも細心の注意を払い、安心して使ってもらえるアプリであることをアピールすることで、お客様との信頼関係を強固にできます。
アプリ導入は“経営戦略の一環”として考えるべきものです。
コストや手間をかけても、うまく運用することで得られる効果はとても大きなものになります。
これからの時代、新しい顧客接点の創出や既存顧客のリピート促進を目指すうえで、アプリはまさに「最適解」のひとつといえるでしょう。
進め方を整理すると、来店頻度から導入の是非を判断し、利益ベースで回収の見込みを立て、会員を増やす導線を現場でつくり、使われ続けるように配信と特典を調整していく、という順番になります。
数字を毎月確認し、見込みとのずれを埋めていくことが、成果につながる唯一の近道です。まずは自店の来店客数と再来店率を数えるところから始めてみてください。
関連記事:店舗集客の成功事例10選|業種別の施策と売上を伸ばすコツを解説
この記事を監修した人
店舗アプリ公式。累計1,000社以上の導入実績を誇る店舗アプリ構築プラットフォーム。 単なる集客に留まらず、リピーター創出による売上最大化を得意としている。
>>運営メディアトップへ