店舗アプリの成功事例と主要機能|業種別の活用法と導入の進め方・費用の考え方
業種全般
実店舗の経営にアプリを活用する場合、どんな機能が必要になるのかをあらかじめ明確にしておくことが大切です。すでに自店舗で利用しているシステムとの連携も考えながら、搭載すべき機能を事前に決めたうえで開発を進めましょう。本記事では店舗アプリに必要な主要機能をまとめてご紹介するとともに、実際の導入事例や開発方法の選び方まで詳しく解説します。
事例を読むときに大切なのは、機能の華やかさではなく「何を目的に、どの機能を、どう運用したか」を見ることです。同じ機能でも、会員を増やす導線と配信の設計しだいで結果は大きく変わります。
この記事では事例の紹介に加えて、業種別の活用の型、成功している店舗に共通する進め方、導入前に決めておくこと、費用の見方までまとめています。自店舗に置き換えながら読み進めてみてください。
店舗アプリに必要な主要機能
プッシュ通知で情報をリアルタイムに届けられる
プッシュ通知は店舗アプリの特徴的な機能です。新着情報が発信されればすぐお客様のスマートフォンにポップアップ表示され、機能がONになっていればバイブレーション音も鳴ります。その場で確認できなくてもアプリアイコンに未読バッジが表示されるため見逃されにくいのもポイントです。プッシュ通知ではリアルタイムに配信を行えるだけでなく、あらかじめ予定したタイミングで情報をオートプッシュ配信することも可能です。たとえばアプリ登録日や来店日を基準としたステップアップメッセージの配信を自動化できます。さらにWebサイトがある場合はプッシュ通知から直接リンクを貼ってECサイトへ誘導することもできます。
配信は月に何通までと決めておくと、内容の質を保てます。通知が多すぎると切られてしまい、その後の案内が届かなくなるためです。
ポイント・スタンプカードでリピーターを増やせる
リピーター増加のためにはポイントカードやスタンプカード機能も欠かせません。既存の紙やプラスチック製カードがある場合でも、アプリへデジタル化することでコストメリットが得られ施策の運用コストを下げることができます。データ上でカードを再現するため制作や発行がスピーディーになり、シーズンに合わせたデザイン変更といった柔軟な対応もしやすくなります。アプリでデジタルカードを提示できるようにすれば「財布の中でかさばって見つからない」といった機会損失も防げます。失効間近のポイントがある場合はプッシュ通知と連携して期限を知らせ、すぐに使ってもらうよう誘導することも可能です。
特典に到達するまでの回数は、自店舗の来店サイクルに合わせて決めましょう。月1回の来店が中心の業態で10個集める設計にすると、達成まで1年近くかかり途中で離脱されてしまいます。
関連記事:スタンプカードの作り方|紙・アプリの作成手順からデザインと運用のコツまで解説
クーポン発行で来店や購入を促進できる
クーポン発行も実店舗の集客手法として広く活用されています。ポイントカードやスタンプカードと同様にアプリ上でデジタル化すればコスト削減が可能で、デザイン変更や発行作業も簡略化されます。アプリ上でクーポンを発行するタイミングとしてはインストール直後や購入直後、イベント開始前などが考えられます。インストール直後に豪華なクーポンを用意してもその後の来店へつなげなければ効果は限定的です。そこで来店直後にクーポンを発行するなど定期的に小出しにすることで、リピーター化を促進できます。プッシュ通知と連携させればクーポン発行をすぐに知らせることができ、使用率の向上も狙えます。
会員証・ランク制度で顧客のロイヤリティを高められる
会員証やランク制度はお客様のアップセルやクロスセルを狙う際にも重要な施策です。従来の紙やプラスチック製の会員証をアプリ化すれば発行や運用が簡単になり、他の業務に時間を回しやすくなります。会員証をアプリ経由で提示できるようにすることで利用率を向上させ、購入金額などのデータを会員証バーコードと連携してデータベース管理することも可能です。ランク制度ではランク状況に応じてバッジを表示したり特典を付与したりでき、ランクアップ時にはプッシュ通知で知らせることもできます。ランク数は3個や5個といった管理しやすい範囲に調整し、ランクアップ条件を適正化することが重要です。
関連記事:会員証とは?種類・作り方・アプリ化のメリットと店舗での活用法を解説
EC誘導で実店舗とオンライン販売を連携できる
実店舗がECサービスも展開するケースは増えています。非対面で集客ができるECサービスは実店舗への来店を補完する重要な販促経路です。店舗アプリ内にECへの誘導経路を設けることで、実店舗への来店だけでなくECでの購入促進やEC限定クーポンの配布も実現できます。ランク制度がある場合はECでの購入金額もランクアップ条件に加えて統合すると、オムニチャネルが達成されてお客様もスムーズに買い物しやすくなります。誘導方法としてはQRコード読み取りやメニュー・商品紹介画像からの遷移などが考えられます。
ダッシュボード分析で施策の効果を可視化できる
お客様には見えない機能ですが、ダッシュボードを通じた統合的な分析機能も不可欠です。自店舗の課題や集客の成果をデータで収集し施策立案に活用することで、施策の成功確率が上がります。アプリプラットフォームを使う場合はほとんどのケースで分析機能が初めから搭載されており、数値やグラフでパフォーマンスを計測できるほか、重要データのハイライトや売上貢献額、顧客データの詳細確認なども行えます。月次などのタイミングで定期的に分析する習慣をつけるとよいでしょう。最終的にはダッシュボード分析をCRMに活用して顧客管理を常に最適化できる体制を目指すのが理想です。
機能を選ぶ順番を決めておく
機能は多いほど良いわけではありません。使われない機能が並ぶと画面が複雑になり、かえって離脱の原因になります。次の順番で絞り込むと迷いません。
1つ目:来店のたびに必ず開く機能(会員証、ポイント、スタンプ)
2つ目:来店のきっかけをつくる機能(クーポン、プッシュ通知)
3つ目:業態ごとに必要な機能(予約、モバイルオーダー、EC誘導)
4つ目:運用を改善するための機能(分析、セグメント配信)
入れてもらうだけでなく、削除されない状態を保つには1つ目が欠かせません。来店のたびに開く理由がある機能から固めていきましょう。
関連記事:集客アプリとは?店舗の来店数を増やす機能や活用のコツを解説
店舗アプリを活用した集客事例
ユーザー行動を軸にしたマーケティング自動化の事例
店舗アプリによってユーザーの行動をベースとしたマーケティングオートメーション(MA)を実現できます。MAは一人ひとりに合わせたマーケティングを自動化し効率よく回すための重要な技術です。成功事例として「美容室Matthew(マシュー)」では、店内で管理しているカルテ番号と店舗アプリのIDを連携させることでお客様の行動把握を行いました。この紐付けにより次回来店すべきタイミングでクーポンをプッシュ通知したり個別で情報配信したりすることで、集客を成功させています。従来はDMで実行していた施策をアプリでMA化したことで手間・時間・コストが大幅に削減され、お客様からも便利で楽しいと好評を得ています。
紙のチラシからアプリ配信への切り替えで販促コストを削減した事例
店舗アプリを販促ツールとして活用することで、チラシなど紙媒体の発行数を削減できます。印刷や店舗配布の手間が減る分、発行頻度を上げてリアルタイムに情報提供することも可能です。「スーパーマーケット にしてつストア」では従来チラシに大きなコストを投じていましたが、効果が不透明だったためデジタルでチラシを管理できるツールとしてアプリに着目しました。アプリ導入後はチラシ配布日前日にプッシュ通知を配信して開封率30%を達成するなど成果が出ています。さらにスタンプカードがきっかけで月に10回以上来店するお客様が33%を超える結果にもつながりました。
デジタル会員証の活用で来店数を引き上げた事例
店舗アプリを使うことでデジタル会員証を活用しながら来店数を底上げすることが可能です。「カラオケチェーン店 サウンドパーク」では従来別のアプリプラットフォームを利用していましたが、機能やデザイン面に課題がありサービス自体が終了してしまったため「店舗アプリDX版raiten」へリプレースしました。会員証をアプリから設定・発行する方式を基本としたことで、ほぼすべての来店客がアプリを利用する状況を作り来店数の引き上げに成功しています。さらにイベント情報発信後に来店数が増えるという傾向が可視化されたことで、事前に来店数を予測して対応することも可能になりました。
3つの事例に共通する成功の型
業種も規模も違う3つの事例ですが、うまくいっている進め方には共通点があります。
来店のたびに開く理由をつくっている:会員証やスタンプを提示の起点にしている
既存のデータとつないでいる:カルテ番号やPOSと連携して一人ひとりを識別している
配信のタイミングを決めている:来店周期やチラシ配布日など、意味のある日に送っている
結果を数字で確認している:開封率や来店回数の変化を追い、次の判断に使っている
裏を返せば、この4つが欠けているとアプリは使われなくなります。事例を参考にするときは、導入した機能ではなくこの型が再現できるかどうかで判断しましょう。
業種別に見る店舗アプリの活用事例
業態によって、来店の周期も求められる機能も変わります。自店舗に近い業種の型を押さえておくと、導入後の運用がイメージしやすくなります。
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業種 |
来店の周期 |
中心になる機能 |
見る数字 |
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飲食店 |
週〜月に数回 |
クーポン、スタンプ、モバイルオーダー |
2回目の来店率、クーポン利用率 |
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小売・スーパー |
週に数回 |
デジタルチラシ、会員証、ポイント |
来店回数、チラシの開封率 |
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美容室・サロン |
1〜2か月に1回 |
会員証、次回予約、来店周期の通知 |
再来店率、失客からの復活数 |
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整体・クリニック |
数週間に1回 |
予約、回数券、リマインド通知 |
次回予約率、キャンセル率 |
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カラオケ・レジャー |
不定期 |
会員証、イベント告知、クーポン |
会員数、告知後の来店数 |
飲食店:来店の頻度を上げる使い方
飲食店は来店の周期が短いため、日常的に開いてもらえる仕組みが向いています。スタンプや会員証を会計時に必ず提示してもらう流れをつくると、アプリを開く習慣が生まれます。
ランチで来た方に夜だけ使えるクーポンを配るなど、時間帯をまたいだ提案も有効です。新規を増やさずに売上を伸ばせるため、費用対効果が高い打ち手になります。
小売・スーパー:紙の販促をデジタルに置き換える使い方
小売では、チラシの印刷費と配布の手間を減らせることが大きな効果につながります。配布日の前日に通知を送る、特売の対象商品をアプリだけで先に知らせるといった使い方が定番です。
紙をやめるのではなく、紙とアプリを併用しながら比率を変えていく進め方のほうが、既存のお客様を取りこぼしません。
美容室・サロン:来店の周期に合わせて声をかける使い方
来店の間隔が長い業態では、次に来る時期を思い出してもらう仕組みが要になります。前回の施術から一定期間が過ぎた方へ自動で案内を送る設定にしておきましょう。
あわせて、施術の記録を会員情報とひも付けておくと、担当者が替わっても同じ対応ができます。
関連記事:店舗アプリの成功事例を紹介|業種別のモバイルマーケティング術
関連記事:店舗のデジタル集客を成功させる!施策の種類とデジタル広告のコツ
店舗アプリの開発方法と選び方
フルスクラッチは自由度が高いがコストと期間がかかる
フルスクラッチとは1からプログラミングを行ってアプリを開発する方法です。好きな機能を好きなだけ搭載できるため自由度が非常に高く、大規模なアプリや独自性の高い機能を複数搭載したい場合に適しています。一方で開発費用が膨大になることが多く、中小規模の店舗がフルスクラッチで必要な機能を搭載するだけでもかなりのコストがかかるリスクがあります。基本的に外注となるため、業者とコミュニケーションを取りながらイメージ通りのアプリに仕上げる調整も難しいのが現実です。
アプリプラットフォームならコストを抑えてスピーディーに開発できる
アプリプラットフォームは一通りの開発環境と機能が用意されたツールを使って開発する方法で、開発コストを大幅に削減できます。基本機能をすぐに搭載してリリースすることが可能で、短ければ20日から1か月程度でアプリを完成させてリリースできます。中小規模の店舗がアプリ施策をすぐにスタートさせたい場合に向いている開発方法です。カスタマイズ性はフルスクラッチより限られますが、一部プログラミングコードの入力や既存システムとのAPI連携などにより自店舗に合わせた調整も可能です。またドラッグ&ドロップや簡単な要素選択でアプリを開発でき、プログラミング言語の知識がなくても制作できる点も大きなメリットです。
必要な機能がそろいカスタマイズも可能なプラットフォームがおすすめ
総合的に考えると店舗アプリの開発にはプラットフォームがおすすめです。プッシュ通知やポイント・スタンプカード提示、クーポン発行といった基本機能があらかじめ用意されており、テンプレートやパーツを組み合わせてすぐにイメージ通りのアプリを制作できます。リリース後の運用も自動化機能やダッシュボード分析でスムーズに内製が可能です。外注に頼りすぎると自社にノウハウが蓄積されないデメリットがありますが、プラットフォームなら内製体制を整えられるためノウハウも自店舗に残ります。
費用は初期だけでなく続く分まで確認する
比較するときに見落としやすいのが、リリース後にかかり続ける費用です。初期費用だけで判断せず、次の項目をそろえて確認しましょう。
初期費用:制作費、デザイン費、初期設定の費用
月額費用:利用料、保守、サポートの範囲
運用の費用:ポイントやクーポンの原資、配信にかかる費用
将来の費用:OSの更新への対応、機能の追加にかかる費用
これらを会員1人あたりに割り戻すと、他の販促手段と同じものさしで比べられます。月額3万円で会員が1,000人いれば1人あたり月30円、この金額を上回る効果が出ているかで判断しましょう。
関連記事:アプリ開発の費用相場はいくら?内訳・人月の計算方法とコストを抑える方法を解説
関連記事:店舗アプリのメリット・デメリット|導入効果と成功のポイント
お店にアプリを導入するときの進め方
導入でつまずく原因の多くは、機能の選定ではなく準備と運用にあります。着手する前に決めておきたいことを整理しておきましょう。
導入前に決めておく3つのこと
目的:新規を増やすのか、来店頻度を上げるのか、業務を減らすのか
担当者:誰が配信や特典の設定を行い、どの頻度で確認するのか
会員を増やす導線:いつ、どの場面で、どんな言葉で案内するのか
とくに3つ目が結果を左右します。掲示だけに頼る店舗と、会計時にひと声かける店舗では登録率が大きく変わるためです。案内の言葉をそろえ、スタッフ全員が同じ説明をできる状態にしておきましょう。
関連記事:アプリ開発の手順と企画の考え方|仕様変更の注意点や成功のコツ
公開してから3か月の動かし方
最初の3か月で会員がどれだけ集まるかが、その後の運用を決めます。公開日に合わせて店頭の案内を用意し、既存のお客様から順に登録を進めていきましょう。
1か月目は登録の案内に集中し、2か月目からクーポンやスタンプの運用を始め、3か月目に数字を振り返って配信の内容と頻度を調整する。この流れで進めると、現場の負担を抑えながら定着させられます。
関連記事:アプリ運用とは?保守との違い・業務内容・費用相場と成果を出す体制づくりを解説
よくあるつまずきと対策
登録が伸びない:案内する場面が決まっていない。会計時の声かけを手順に組み込む
使われなくなる:来店のたびに開く理由がない。会員証やスタンプを提示の起点にする
通知が読まれない:配信が多すぎる。月の通数を決め、内容を絞る
効果が分からない:見る数字が決まっていない。会員の来店頻度と利用率を毎月確認する
いずれも大がかりな改修は必要ありません。運用の決めごとを変えるだけで改善できる部分がほとんどです。
店舗アプリDX版raitenで集客を強化しよう
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まとめ
今回は店舗アプリに必要な基本機能や集客事例、開発方法の選び方をご紹介しました。店舗アプリには業種にかかわらず、プッシュ通知やポイント・スタンプカード提示、ダッシュボード分析といった機能が必要です。店舗アプリは自店舗のデジタル改革にも大きく影響するツールですので、単なるデジタル施策の実行にとどまらず将来的にはデジタル基盤で経営ができるようアプリを活用してみてください。店舗アプリの導入について気になる方はぜひお問い合わせください。
なお、中堅・中小企業のデジタル化については、経済産業省が取り組みの進め方と企業の事例をまとめた資料を公開しています(参照:経済産業省「中堅・中小企業等向けDX推進の手引き」 )。業種を問わず参考になる内容がまとまっています。中小企業白書でもDXの取り組み状況が分析されています(参照:中小企業庁「2024年版 中小企業白書 第7節 DX」 )。
最後に整理すると、機能は「来店のたびに開く理由」から選び、事例は導入した機能ではなく運用の型を真似る。そして公開後3か月で会員を集め、数字を見ながら配信を調整していく、という順番になります。
アプリは作った時点ではまだ何も生みません。使われる状態をつくるところまでを含めて計画し、自店舗のデジタル基盤に育てていきましょう。
この記事を監修した人
店舗アプリ公式。累計1,000社以上の導入実績を誇る店舗アプリ構築プラットフォーム。 単なる集客に留まらず、リピーター創出による売上最大化を得意としている。
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