商業施設のコスト削減はアプリ導入で実現|成功事例8選と費用対効果を解説

商業施設・レジャー施設
公開日:2020.11.11 更新日:2026.08.17
商業施設もアプリを導入した方が良い?成功事例や費用対効果を紹介

自店のアプリ活用は、実店舗を運営する商業施設において、コスト削減と集客・販促効果の両立を可能にする有効な手段です。EC機能を使えば実店舗の外からも売上を補えますし、クーポンやイベント情報、会員証機能などをアプリ内に集約することで、紙媒体や手作業による運用コストを大幅に削減できます。

さらに顧客の利便性向上やリピーター獲得にもつながるため、費用対効果の高い施策として注目されています。商業施設の運営では、印刷費・郵送費・チラシ・DMなどの販促コストが大きな負担となるため、アプリ導入によるコスト削減効果は無視できません。本記事では、商業施設のコスト削減をアプリ導入で実現する方法、発信する5つの情報、既存プロモーションツール6種類、自社アプリ導入の成功事例8選、コスト削減につながる3つの理由まで詳しく解説します。

あわせて、商業施設で発生するコストの内訳、光熱費・人件費・販促費それぞれの削り方、アプリ導入にかかる費用と回収の見積もり方、進めるときの注意点まで取り上げます。「どこから手をつければ効果が大きいのか」「投資に見合うのか」を判断したい運営担当者の方は、参考にしてみてください。

目次

商業施設が抱えるコスト上の課題

固定費と販促費の二重負担が重い

商業施設では、多数の店舗や共用スペースの維持管理、イベント運営、広告・販促活動など、多岐にわたるコストが常に発生します。とくに光熱費や清掃費、人件費といった固定費に加え、季節イベントやキャンペーン運営の費用も重くのしかかります。これらのコストを抑えつつ、来館者やテナントの満足度を維持することが施設運営の重要な課題であり、戦略的なコスト管理の必要性はますます高まっています。

近年はこの負担がさらに重くなっています。電気料金や人件費、資材費が軒並み上昇しており、同じ運営を続けているだけでもコストが膨らむ状況にあるためです。

一方で、共益費をそのままテナントへ転嫁すれば退店リスクが高まります。削るのではなく、同じ成果をより少ない費用で出す仕組みに切り替えるという発想が求められています。

参考までに、一般社団法人日本ショッピングセンター協会の集計では、2025年末時点の全国のSC総数は3,013施設です。施設数が頭打ちとなるなか、限られた商圏で来館者を確保しながらコストを抑える運営力が、これまで以上に問われています。

出典:一般社団法人 日本ショッピングセンター協会「全国のSC数・概況」 https://www.jcsc.or.jp/sc_data/data/overview

商業施設のコストは大きく4つに分けられる

削減の話に入る前に、どこにいくらかかっているのかを整理しておきます。商業施設のコストは、おおむね4つに分けられます。

1つ目が建物と設備の維持にかかる費用です。電気・ガス・水道といった光熱費、空調や昇降機の保守点検費、清掃費、修繕費などが含まれます。金額が大きく、削減余地も見えやすい領域です。

2つ目が人件費です。インフォメーションカウンター、警備、清掃、館内運営スタッフなどの費用で、近年もっとも上昇圧力が強い項目にあたります。

3つ目が販促費です。チラシの印刷・折込費、DMの郵送費、館内POPの制作費、イベント運営費、広告出稿費などが該当します。毎月継続的に発生するため、年間で見ると想像以上の金額になります。

4つ目がシステムや事務にかかる費用です。会員管理システムの利用料、ポイントカードの発行費、各種帳票の処理にかかる工数などが含まれます。

着手する順番は「削減幅」と「取り組みやすさ」で決める

4つの領域すべてに同時に手をつける必要はありません。削減できる金額の大きさと、着手のしやすさの2軸で優先順位をつけると迷わずに進められます。

たとえば設備更新は削減幅が大きい一方、初期投資が数千万円規模になり、意思決定にも時間がかかります。対して販促費のデジタル化は投資額が比較的小さく、施設単独で判断して数か月で動かせます。

まずは取り組みやすい領域で成果を出し、その削減分を原資にして投資規模の大きい施策へ進む、という順番が現実的です。小さくても数字で成果を示せると、社内やテナントの協力も得やすくなります。

関連記事:小売業のアプリであると便利な機能7選|独自アプリの活用例とメリットを解説

コスト削減で狙える3つの領域

ここからは、削減効果が出やすい3つの領域を順に見ていきます。それぞれ性質が違うため、打ち手の考え方も変わります。

光熱費|空調と照明が消費の中心になる

商業施設の光熱費で大きな比重を占めるのが、空調と照明です。資源エネルギー庁の集計によると、2023年度の業務他部門のエネルギー消費に占める動力・照明用の割合は48%で、最大のシェアとなっています。

出典:資源エネルギー庁「エネルギー動向(2025年6月版)部門別エネルギー消費の動向」 https://www.enecho.meti.go.jp/about/energytrends/202506/html/s-1-2.html

つまり、照明のLED化と空調の運転見直しに手を打つだけでも、光熱費全体に効いてきます。営業時間外の照度を落とす、バックヤードを人感センサーに切り替える、館内の温度設定と外気温をデータで見ながら調整する、といった対応が基本になります。

ただし設備更新は投資額が大きく、回収までに数年かかるケースもあります。運用の見直しで削れる分を先に洗い出してから、更新の是非を検討すると無駄がありません。

人件費|案内・受付業務の省力化から着手する

人件費は削りにくい費目に見えますが、業務そのものを減らす方向であれば手を打てます。人を減らすのではなく、人がやらなくてよい業務をなくすのが省力化の考え方です。

商業施設で工数がかかりやすいのは、インフォメーションでの店舗案内やイベント問い合わせ、ポイントカードの発行や再発行、キャンペーン応募用紙の回収と集計といった定型業務です。

これらはアプリやデジタルサイネージに置き換えられます。フロアガイドと店舗検索をアプリに載せれば案内対応が減り、会員証をデジタル化すれば発行作業そのものがなくなります。抽選応募もアプリ内で完結させれば、用紙の配布・回収・集計の工数を丸ごと削減できます。

販促費|紙媒体のデジタル化がもっとも取り組みやすい

3つの領域のなかで、もっとも早く着手できて効果が見えやすいのが販促費です。設備投資と違って大規模な工事が不要で、施設単独の判断で進められます。

チラシの印刷費と折込費、DMの郵送費、会員証やポイントカードの発行費は、いずれも配布数に比例して増える変動費です。デジタルに移せば、配信数が増えても費用はほとんど変わりません。

さらに、紙では取れなかったデータが手に入るのも大きな違いです。誰がどのクーポンを使い、どのイベントに反応したかが記録されるため、効果の薄い施策を見極めて予算を絞り込めるようになります。

関連記事:デジタル販促にアプリは必要不可欠なのか?アプリがもたらす相乗効果とは

商業施設が発信する主な5つの情報

ショップフロアガイド

商業施設にはアパレルや飲食、小売など、さまざまなジャンルの店が集まっています。その分すべてを一度に把握するのは難しく、何度も来たことのある客でも道に迷ってしまうことがあります。各フロアにどんな店があるかを示すフロアガイドを用意するのは基本で、道を忘れたときも地図を頼りに目的の店へたどり着けるようになります。

フロアガイドをアプリに載せる利点は、紙の館内マップを刷り直す必要がなくなる点にもあります。テナントの入れ替えや改装のたびにマップを作り直していた作業がなくなり、管理画面のデータを差し替えるだけで最新の状態を保てます

インフォメーションで道を尋ねられる回数も減るため、スタッフの対応工数を抑える効果も見込めます。

イベント・キャンペーン情報

集客のためには、客にとって有益な情報を発信することも重要です。イベントやキャンペーン情報の発信は、集客の目玉企画として機能します。具体的には、季節に合わせたイベント(ハロウィンやクリスマスなど)、自動車メーカーとタイアップした試乗イベント、野球球団とのタイアップキャンペーンといった情報が発信されています。

アプリで配信する場合は、告知のタイミングを設計できるのが強みです。紙の告知は掲出した時点で終わりですが、アプリならイベントの1週間前と前日にプッシュ通知を分けて送るといった組み立てができます。天候や来館状況を見て当日に追加告知を打つ、といった柔軟な運用も可能です。

会員情報

会員制度を用意し、ポイントカードやスタンプカードでインセンティブを付与する施策も一般的です。会員に合わせた情報を提供することで、リピーターの創出にも効果があります。会員限定のイベント情報や、ポイント・スタンプ付与率アップのキャンペーン情報といった内容を流すと効果的でしょう。

会員証をデジタル化すると、発行と再発行にかかる費用と手間がまとめてなくなります。プラスチックカードの調達や在庫管理も不要になり、カウンターでの発行対応も減ります。ランクや有効期限の管理も自動化できるため、更新作業に人手を割く必要がなくなる点も見逃せません。

新店舗情報

商業施設ではさまざまな店舗が新設されます。新規ユーザーを集めて施設全体の売上を伸ばすためにも、新店舗情報の発信は重要です。ネームバリューの高い店舗を誘致できれば、大きな集客効果が見込めるでしょう。発信する際は、どのフロアのどの場所でオープンするのか、カテゴリーは何かなども記載する必要があります。

セール情報

お得な情報に、ユーザーは目がありません。そのためセール情報も定期的に発信する必要があります。たとえばロスリーダー(採算度外視で指定商品を販売して集客を狙う手法)などが集客手法として有名です。さまざまなセールを開催しながらデータを収集し、よりよいセール開催へとつなげていきましょう。

セール情報は、配信先を絞れるかどうかで反応が変わります。全会員へ一斉に送るだけでなく、過去に該当カテゴリの店舗を利用した人へ優先的に届けると、同じ内容でも来館につながりやすくなります。

関連記事:商業施設向けアプリのおすすめ機能7選!集客方法から売上増加までを解説

商業施設の既存プロモーションツール6種類

チラシ

紙に情報を印刷して配布する一般的な方法です。商業施設の場合、新聞折り込みチラシとして配るほか、フロアの指定箇所へ設置する方法も取られています。昔ながらの集客手法で安心感があり、インターネットを使わない人にも情報を発信できます。しかし現在ではインターネットを使わない人のほうが考えにくく、印刷代や紙代を考えるとコストが高くなってしまうのがデメリットです。

メディア(テレビCM・ラジオ)

テレビCMやラジオで広告を打つのも一般的です。地域のテレビ局やラジオで発信すれば、大きなブランディング効果を狙えます。その代わり各メディアへ露出するには、地域限定の投資とはいえ多額のコストがかかります。チラシよりコストがかかる場合も多いので、実行する際はそれなりの予算を確保しておく必要があります。

DM

DM(ダイレクトメール)は、一人ひとりに合わせた内容を発信できるのがメリットです。うまく使えばリピーター創出に大きな効果があります。ただし紙のDMは紙代や印刷代がかかり、届いても見られるとは限りません。メールツールでインターネット配信する場合も、相手に届かなかったり他のメールに埋もれたりと課題が多いのがネックです。

SNS

インターネットが普及した現在では、各SNSも商業施設の集客手法として利用されています。SNSでは客と直接コミュニケーションを取れるため、施設の魅力を伝えられればファンを獲得して効率よくリピーター化できるのがメリットです。ただし炎上のリスクがあるため、運用時は社内ルールを作って発信してください。またXは拡散力が高い、Instagramは写真や動画で情報発信しやすいなど、各SNSの特性を理解しながら使い分ける必要があります。

Webサイト

Webサイトの運用は、多くの商業施設で行われています。インターネット上の顔として、イベントやキャンペーン情報、フロア情報などが提供されています。サイトがあれば、ユーザーはフロアマップを持っていなくてもいつでも情報を確認でき、ポータル的にさまざまな情報を提供できるのもメリットです。ただし制作にはそれなりの時間がかかり、こだわると製作費用もかさみます。スマホに対応したページを作らないと閲覧されない点にも注意してください。

店内POP

店内POPは立体物として人を引きつけます。屋外広告(OOH)と同じように、通る人に商品のセール情報やイベント情報を告知できるのがメリットです。その代わり効果的にするには、人通りの多い場所へ目立つように設置する必要があり、制作物も魅力が出るよう工夫する必要があります。

既存ツールにかかる費用の目安を押さえる

削減効果を見積もるには、いま何にいくらかけているかを数字で押さえる必要があります。代表的な費目の目安は次のとおりです。

折込チラシは、印刷費と折込費を合わせて1部あたり数円から十数円が相場です。10万部を月2回配布すれば、年間で数百万円規模になります。

DMははがきで1通あたり数十円から百数十円程度、封書ならさらに上がります。会員数が数万人規模の施設では、1回の発送だけで数百万円かかることも珍しくありません。

会員証やポイントカードは、プラスチックカードで1枚あたり数十円から百円前後、これに発行作業の人件費が乗ります。これらを年間で合計すると、多くの施設で数百万円から数千万円になります。まずはこの実額を出しておくと、アプリ導入の判断がしやすくなります。

関連記事:商業施設マーケティングをアプリで革新!情報発信とOMO戦略

商業施設の自社アプリ導入の成功事例8選

ここからは、実際にアプリを導入している商業施設の例を見ていきます。搭載している機能と、それがどんな効果につながっているかに注目すると、自施設に必要な機能の見当がつきやすくなります。

大丸、松坂屋アプリ

株式会社大丸松坂屋百貨店は、「大丸、松坂屋アプリ」を提供中です。アプリを見せるだけでポイントを貯めたり使ったりできる、アプリ会員はカラットを貯めて特別な特典を入手できる、最新情報をリアルタイムでチェックできる、各テナントのクーポンを入手できるといった機能を搭載しています。商業施設に必要な情報を一通りアプリ内で提供しており、アプリを入れることで利便性が向上するようになっているのがポイントです。

イオンお買物アプリ

「イオンお買物アプリ」は、イオンモールをはじめとしてイオングループ各店舗で使えるアプリです。デジタルチラシの閲覧、スタンプを貯めてクーポンへ交換、抽選会への参加で無料クーポン入手といった機能があります。デジタルチラシの活用により、紙代や印刷代を削減できています。購入ごとにスタンプが貯まる仕組みはリピーター増加にも効果があり、頻繁に開催される抽選会で当選すると無料引き換えクーポンが手に入ります。こうしたゲーム感覚のコンテンツも、アプリの起動回数増加や集客に効果があるでしょう。

デジタルチラシへの移行は、印刷費と折込費をそのまま削れる分かりやすい施策です。加えて、掲載内容を当日でも差し替えられるため、天候や在庫の状況に合わせた告知にも対応できます。

POCKET PARCO

ファッションビルとして有名なPARCOは、「POCKET PARCO」アプリを提供しています。QRコード決済でポイントが貯まる、PARCOポイントの残高や有効期限を確認できる、チェックインや館内の移動でコインを取得できる、ファッションやエンタメのコラムが届く、PARCOカードの申し込みからデジタル発行までアプリ内で完結できるなど、多彩な機能があります。お金を使わなくてもチェックインや館内移動でコインが貯まってポイントへ交換でき、気軽に貯められるので集客にも効果的です。コラム配信は長期的なファン増加に、カードの即時発行はユーザビリティの向上に役立っています。

注目したいのは、購入していない来館者にもポイントが貯まる導線を用意している点です。チェックインや館内移動でコインが貯まる仕組みは、買い物をしない日でもアプリを開く理由になり、館内の回遊促進にもつながります。

伊勢丹・三越STOREアプリ

「三越STOREアプリ」と「伊勢丹STOREアプリ」は、三越伊勢丹ホールディングスの各百貨店で使えるアプリです。お気に入り店舗の限定情報やクーポンを取得できる、オンラインストアから商品を選んで購入できる、デジタルチラシを閲覧できるといった機能があります。自分がよく通う店舗の情報やクーポンが効率よく手に入るのがポイントです。EC機能により、近くに伊勢丹がなくてもアプリ内で商品の注文や購入ができるのもメリットになっています。

東急百貨店アプリ

株式会社東急百貨店は、「東急百貨店アプリ」を提供しています。お気に入り店舗の限定情報やクーポンの取得、ファッションマガジンの閲覧、オンラインストアでの購入など、伊勢丹STOREアプリに似た機能も搭載されています。ファッションマガジン配信といったコンテンツマーケティングをアプリ内で行えば、スマホユーザーに効率よくアプローチでき集客効果が見込めます。EC機能を搭載すれば、実店舗の集客と並行してオンラインの売上もカバーできます。

近鉄百貨店アプリ

「近鉄百貨店アプリ」は、「使った人からトクしてく」をコンセプトにしたアプリです。デジタル会員証で会員証表示やポイント残高確認ができる、情報やクーポンが届く、アプリ利用で「Kマイル」が貯まりクーポンの抽選に参加できるといった機能があります。アプリ限定で情報を閲覧できるようにして特別感へつなげています。Kマイルを貯める際は「次の駅まであと○マイル」と表示され、ゲーム感覚で貯められるようになっているのもポイントです。

進捗を可視化して次の行動を促すのは、紙のカードでは再現しにくい仕組みです。あと少しで到達するという表示があるだけで、もう一度足を運ぶ理由になります。

タカシマヤアプリ

高島屋は「タカシマヤアプリ」を提供しています。タカシマヤポイントカードや提携先のポイントが貯まる、お気に入り店舗を登録すれば最新情報やクーポンが届く、カレンダー形式でイベント情報を掲載しスマホのカレンダーアプリと連携できる、店舗までの所要時間やルート検索ができる、オンラインショッピングサイトへ簡単にアクセスできるといった機能があります。イベント情報をカレンダーで掲載し、スマホのカレンダーアプリと簡単に連携できるのは他の商業施設アプリにはない特徴です。各オンラインショッピングサイトへアクセスできるのも、サイトの流入数増加に効果があるでしょう。

西武・そごう 公式アプリ

「西武・そごう 公式アプリ」は、株式会社そごう・西武の公式アプリです。各店舗のイベント情報を確認できる、独自ポイントの残高を確認できる、GPS機能で付近の店舗を見つけられるといった機能があります。商業施設に必要な機能を搭載しているほか、GPS連携で付近の店舗を見つけられるのも便利です。「付近に西武・そごうがあるみたいだから寄ってみよう」という人も増やせるでしょう。

8つの事例に共通する3つのポイント

取り上げた8つのアプリを並べると、共通している設計が見えてきます。1つ目が、紙で配っていたものをそのままアプリに移している点です。チラシ、会員証、ポイントカード、クーポンといった、発行のたびに費用が発生していたものが軒並みデジタル化されています。

2つ目が、買い物以外にもアプリを開く理由を用意している点です。チェックインでコインが貯まる、コラムが届く、抽選に参加できるといった仕組みで、来館していない日の接点を確保しています。

3つ目が、施設の外でも使える機能を持たせている点です。ECやオンラインストアへの導線を用意することで、来館できないときの売上を取りこぼさない設計になっています。自施設でアプリを検討する際も、この3つを満たせているかを確認すると方向性を外しにくくなります。

関連記事:商業施設こそアプリを活用|競合モールに差をつけてテナントの売上最大化できる方法

関連記事:デジタルスタンプラリーとは?仕組み・メリット・費用・成功事例と企画のコツを解説

商業施設のアプリ導入がコスト削減につながる3つの理由

来店・再来店のフックコンテンツを用意できる

商業施設がアプリを施策に導入すると、来店・再来店のきっかけになるフックコンテンツを用意できます。お得なクーポンを配って集客数を増やすクーポン機能、お得なイベントやセール情報を流す機能、それらをプッシュ通知で知らせて注意を促す機能などです。さらにAPI連携で会員証をデジタル表示する機能、ポイントカードをアプリ内で発行してすぐ使える機能、スタンプ機能やスタンプラリーでリピーターを増やす機能なども搭載できます。アプリはリピーター増加に効果があるため、こうしたフックコンテンツを搭載して集客数を高めましょう。

紙のクーポンと違い、配布後に内容や期限を変更できるのもデジタルならではです。反応が鈍ければ条件を調整して配信し直せるため、刷り直しの費用をかけずに改善を重ねられます。

コンテンツを集めオムニチャネル化できる

アプリには、コラムでの情報発信、デジタル会員証、ECサイトなどの機能を統合できます。ユーザーに求められる機能をアプリ内ですべて発信できれば、ユーザビリティが向上するでしょう。とくにEC機能は商業施設に求められる機能の1つで、各テナントの商品をアプリ内で購入できるようになれば、実店舗とオンライン両方の売上を伸ばしながらオムニチャネル化を狙えます。

チラシ・会員証発行のコストを削減できる

アプリでプロモーションを行えるようになれば、チラシに必要なコスト、クーポン発行に必要なコスト、会員証発行に必要なコストがデジタル化によってカットされます。結果的にランニングコストが削減され、来店や売上の効果も見込めます。スマホユーザーがパソコンユーザーより増えている現在、商業施設でアプリを使ってプロモーションを行うと、アナログの集客施策より効果が出る場合も多いです。ぜひアプリを作ってプロモーションに活用してみましょう。

削減効果は、発行数が多い施設ほど大きくなります。紙は1部増えるごとに費用が増えますが、アプリは配信数が増えても月額利用料はほとんど変わらないためです。会員数が伸びるほど、1人あたりのコストは下がっていきます。

関連記事:電子チラシ(デジタルチラシ)とは?メリットや効果を最大化する作り方・配信方法

運営スタッフの業務を省力化できる

コスト削減というと費用の話に目が向きがちですが、運営にかかる工数が減ることも実質的なコスト削減にあたります。

チラシを発注する場合、原稿の作成、校正のやり取り、印刷会社との調整、納品後の配布手配といった工程が毎回発生します。アプリに切り替えれば、管理画面でデータを差し替えて配信するだけで完了します。

会員証の発行、キャンペーン応募用紙の集計、フロア案内への対応といった定型業務も同様です。これらを減らせば、スタッフをテナント支援や来館者対応といった付加価値の高い業務に回せます

人手不足が続くなかでは、採用でカバーするより業務そのものを減らすほうが確実です。省力化を目的にアプリを導入する施設が増えているのは、こうした背景があります。

関連記事:店舗アプリの導入効果とは?メリット・デメリットと成功事例を解説

アプリ導入の費用対効果を見積もる方法

導入を社内で通すには、費用と効果を数字で示す必要があります。難しい計算は不要で、次の3つの手順で整理できます。

アプリ導入にかかる費用の内訳

アプリの費用は、初期費用と月額費用に分かれます。初期費用には、アプリの設計・デザイン・開発、アプリストアへの申請、既存システムとの連携作業などが含まれます。アプリプラットフォームを使う場合は数十万円程度、外注開発では数百万円からが目安です。

月額費用には、プラットフォームの利用料、サーバー費用、保守費用が含まれます。プラットフォーム型であれば月額数万円前後から利用でき、店舗数や搭載する機能に応じて変動します。

このほか、運用を担当する人の工数も費用として見ておく必要があります。配信作業そのものは月に数時間程度で済むケースが多いものの、企画や分析まで含めると一定の時間がかかります。

削減できるコストを洗い出して試算する

次に、アプリへ置き換えることでなくなる費用を並べます。押さえておきたいのは、チラシの印刷費と折込費、DMの印刷費と郵送費、会員証・ポイントカードの発行費、館内POPやパンフレットの制作費、応募用紙などの帳票費です。

加えて、これらの手配や集計にかかっていた人件費も忘れずに含めます。紙媒体を半分デジタルへ移すだけでも、年間の販促費は大きく変わります。全廃を前提にせず、まずは移行できる範囲で試算するのが現実的です。

削減額から導入費用を引いた金額が、実質的な効果になります。ここに集客効果による売上増を加えると、より実態に近い数字が出せます。

投資回収の目安と追いかけるべき指標

年間の削減見込み額に対して、初期費用と年間の月額費用を並べると、回収までの期間が出ます。販促費の置き換えが中心であれば、1年前後で回収できる施設が多いのが実情です。

導入後に確認したいのは、アプリのダウンロード数だけではありません。会員証の提示率、クーポンの利用率、プッシュ通知の開封率、そしてアプリ会員とそうでない来館者の来館頻度の差といった指標を見ます。

紙媒体の削減額とこれらの数値をセットで報告できるようにしておくと、翌年の予算交渉でも根拠を示しやすくなります。

関連記事:アプリ開発にはIT補助金を使おう!利用できる補助金一覧と注意点まとめ

アプリでコスト削減を進めるときの注意点

最後に、進めるうえで押さえておきたい点を整理します。順番を誤ると、削減どころか負担が増えることもあります。

紙媒体をいきなり全廃しない

販促費を削りたいあまり、アプリの公開と同時に紙をやめてしまうのは避けたいところです。アプリが浸透する前に紙をなくすと、これまで届いていた層への接点が消えます

まずは併用期間を設け、アプリの登録者数が一定の水準に達してから紙の発行部数を段階的に落としていく進め方が安全です。紙で告知する内容に「詳細はアプリで」という導線を入れておけば、併用期間そのものが移行のきっかけになります。

テナントを巻き込む体制をつくる

商業施設のアプリは、テナントの協力があって初めて機能します。クーポンの登録やイベント情報の提供をテナント側に依頼する以上、参加するメリットを具体的に示す必要があります

テナント別のクーポン利用実績や、アプリ経由の送客数を数字で共有すると協力を得やすくなります。登録作業が負担にならないよう、入力項目を絞った簡単な手順を用意しておくことも大切です。説明会やマニュアルの整備も、公開前に済ませておきたい準備です。

店頭にインストール導線を用意する

アプリは来館者のスマホに入って初めて価値が出ます。公開しただけでは登録は伸びません

館内の主要動線に二次元コードのサインを設置する、インフォメーションで案内する、初回登録限定のクーポンを用意する、テナントのレジで一言声をかけてもらうなど、複数の導線を同時に走らせましょう。

登録手順が複雑だと途中で離脱されます。入力項目は最小限に絞り、その場で数十秒で終わる設計にしておくことが重要です。

関連記事:店舗アプリの主要機能と導入事例|集客・売上アップにつながる活用術を解説

商業施設のコスト削減なら店舗アプリDX版raiten

販促のデジタル化で運用コストを抑えられる

商業施設のコスト削減と集客強化を両立させたい方には、「店舗アプリDX版raiten」がおすすめです。プッシュ通知の発信、クーポン配信、デジタルポイントカード、データ分析、初心者向けデザインによるアプリ作成といった機能を、低コストで実装できます。紙のチラシや会員証、ポイントカードをデジタル化することで、印刷費・郵送費・運用コストを大幅に削減できるため、商業施設のコスト削減施策としても効果的です。商業施設のプロモーションに悩んでいる方は、ぜひお問い合わせください。

ノーコードで作成できるため、専門知識がなくても施設側で運用を完結できます。フロアガイドやイベント情報の更新も管理画面から即座に反映できるので、テナントの入れ替えや急な変更にもその日のうちに対応できます。

導入から運用までは専任の担当者が伴走し、配信の内容や頻度の相談にも対応しています。累計1,000社以上の実績をもとに、施設の規模に合わせた進め方を提案できるのも強みです。

まとめ

本記事では、商業施設のコスト削減をアプリ導入で実現する方法を中心に、発信する5つの情報、既存プロモーションツール6種類、自社アプリ導入の成功事例8選、コスト削減につながる3つの理由について解説しました。商業施設でもアプリを活用すれば、効率のよいマーケティングが実現します。EC機能を搭載すれば実店舗に行かずとも商品を購入できるので、売上確保にもつながるでしょう。アプリにはさまざまな機能を搭載できるため、ユーザーに必要な機能を事前に確認して取り入れる工夫が大切です。商業施設のプロモーションやコスト削減に悩んでいる方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

あわせて、コストの内訳と着手する順番、既存の販促費の目安、導入費用と回収の見積もり方、進めるときの注意点も取り上げました。コスト削減とは、削ることではなく、同じ成果を少ない費用で出す仕組みに切り替えることです。まずは年間の販促費を実額で洗い出し、どこまでデジタルへ移せるかを確認するところから始めてみてください。

関連記事:集客アプリとは?店舗の来店数を増やす機能や活用のコツを解説

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