チェーンストア企業はスマホを攻略すべし!使いこなせば強力な味方になる。

 

全国展開をしているチェーンストア企業にとって、競争激化の波に勝ち残るための施策としてスマホを活用したコミュニケーションの構築が必要といえます。アベノミクスによってゆるやかな景気回復傾向とあっても、消費税10%を迎えて一般消費者の購買意欲が低下することが懸念材料としてあります。

そこでチェーンストア企業の人材や品質といった現状と課題をしっかりと把握し、「本部」「店舗」「お客様」のコミュニケーションを充実していくためのスマホ活用術をここで紹介していきます。

 

 

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1.チェーンストア企業の現状と課題

 

1-1.店舗数の増加はあるが、販売額と人手不足の現状
日本チェーンストア協会によると、平成30年4月に発表した平成29年度のチェーンストア販売概況では大手56社の総販売額が12兆9343億円となり、前年比-0.3%と微減しました。その前年も-1.6%だったことを踏まえると、堅調とは言い難い現実となります。店舗数は前年と一昨年がほぼ横ばいの約9,300店なのに対し、平成29年は10,045店と約700店舗増えて、前年比+7%と販売額に対して店舗数が増加しています。

正社員・パートの従業員数は466,558人と前年比+2.9%となっており、1店舗当たりの従業員数は前年比で約2人減少しています。売場面積や業態によって従業員数は各店舗異なりますが、単純に従業員よりも出店が増えている傾向なので、人手不足の現状といえるでしょう。

 

1-2.チェーン全体の信頼を損ねないためには本部の管理と店舗の自発的行動が重要
昨今ではパート従業員による不適切動画がSNSに投稿されて炎上騒ぎになることがあり、チェーンストア企業の信頼を損ねる大きな社会問題につながっています。1店舗でも問題が起これば、他のチェーン店にも影響が出ますので、本部と店舗が連携し合って早急な人材育成、コンプライアンスの徹底、品質管理の重要性が問われるでしょう。

チェーンストアではどの店舗であっても、品質やサービスに差異があってはブランドの価値を下げてしまいます。スマホの爆発的普及を受けて、インターネットが身近になり、お店の情報や利用者の口コミ・評価を簡単にネット検索することができます。

お客様が不快に感じたことはすぐにブログなどSNSに投稿される可能性が高まりますので、商品の品質や従業員のサービスに関しては本部の管理徹底が重要と言えるでしょう。ただし、大手チェーンストアでは各店舗に至るまで、詳細を把握するのは難しく、店舗の自発的行動で人材の育成や品質管理をすることが特に重要となります。

チェーンストアを展開している飲食・サービス業の各店舗では、リピーターの確保が集客・売上に直結しますが、お客様が店舗の品質やサービスに不満が生じることで、CS(顧客満足度)が低下し、リピーターが定着しづらくなります。

 

1-3.コミュニケーションの取り方にスマホを用いて課題解決へ
本部がチェーン全体を管理していくために、「本部とお客様」「店舗とお客様」「本部と店舗」の3つの柱を主体にしたコミュニケーションの取り方が大切になっていきます。チェーンストアを運営している企業では、チェーンストアのブランド価値を高めるためにマーケティングを実施しています。しかし、従来からのマーケティング手法に限界を感じている担当者も少なくありません。

総務省の「平成30年版 通信白書」によると、スマホの普及率は若い世代で総じて高く、20代から30代では2017年の時点で90%を超えています。40代でも85%の高水準となっており、今後もこの数字が伸びていくことは推測されます。

また、各店舗でのキャンペーン告知など、利用率の高いスマホを活用することで本部・店舗・お客様間でのコミュニケーションの取り方に改善が期待されます。さらに、本部と店舗間ではスマホを活用することで、情報の共有や人材育成に効率化が見込まれます。このことからも、スマホを用いたコミュニケーションの取り方はチェーンストアにとって今後とも必要になるツールといえるでしょう。

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2.本部とお客様のコミュニケーション

 

2-1.チェーンストア理論では激変する市場のニーズに対応するのが困難
従来のチェーンストア理論では、売り手市場のため、本部が仕入れた商品を各店舗がお客様へ販売するという流れが主流でした。しかし、ライフスタイルの変化に伴い、市場のニーズが激変していくなかで、お客様自身が商品を選ぶ時代となっている買い手市場の中では、どのような商品が売れるのか、注目を集めているのかという情報をスピーディーに調査して分析を行わなければなりません。
お客様との距離が離れている本部ではどのような商品が欲しいというニーズに十分こたえるのが難しいというのが現状でしょう。

お客様が望む商品やサービスを提供するには、同業他社のみだけではなく、従来の成功例を捨てて視野を広げていき、異業種のチェーンストアの動向も把握して商品開発に臨む必要があります

 

2-2.チェーンストアのブランドイメージ向上にはスマホを活用
そこで活躍できるのが利用率の高いスマホです。お客様は求めている商品やサービスを、手持ちのスマホから検索サイトで調べることが容易となっています。チェーンストアのブランドイメージを向上するには、自社の商品やサービスに沿った内容で競合他社のブランドに負けないよう、常に検索結果で上位表示されなければなりません。

総務省の「平成30年版 情報通信白書」によれば、10代から40代のインターネットの利用はスマホが8割を超えており、すでにパソコンよりもスマホがネットの中心といえます。


(出典)総務省HPより

そこでスマホ向けサイトやアプリの開発で、変化しやすい市場の的確な情報収集を急ぎ、他社にないスマホの活用戦術でお客様にアピールする必要があります。たとえば、海外の大手チェーンストアでは、店内の商品探しにお客様の現在地と店内図をカメラ機能とリンクさせているアプリがあります。お客様が欲しい商品をチェーンストアのアプリ内で検索すれば、該当商品の位置がマップに表示され、スマホのカメラでナビゲーションしてくれます。

この機能を使えばお客様は自分で商品を的確に探すことが可能となり、従業員の負担も軽減できるでしょう。近くに従業員がいないとお客様は商品と従業員を同時に探さないといけません。お客様を買い物中にイライラさせてしまい、CSの低下を招いてしまいます。逆に便利な機能を提供することで、競合他社との差異を図ってリピーターの確保になりやすく、このようなお店に興味を持つ人が増えれば、チェーンストアのブランドイメージが上り、この会社で働きたいという優秀な人材の獲得にもつながるでしょう。

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3.店舗とお客様のコミュニケーション

 

3-1.アウトバウンドマーケティングではコストがかかる
お客様に来店意欲を向上させる販促方法では、キャンペーンの実施を促す折り込みチラシ・DM・メルマガといったアウトバウンドマーケティングが主流でした。しかし、これらは一方通行となり、今その情報を欲していない消費者までに送られてしまうので、却って煩わしいと感じてブランドイメージを損ねることもありました。もちろん、送られてきたDMを見て、このお店に行ってみたいと感じる人もいるので、一概にすべてがムダとは言い切れません。しかし、不特定多数の人に送付するのでムダなコストがかかってしまいます。

 

3-2.スマホを活用してコンテンツを提供し、見込み客に見つけてもらう
そこでスマホを活用したインバウンドマーケティングの登場です。インターネットが身近になったことで、ホームページやブログ、SNSを通じてコンテンツを提供し、商品やサービスに興味を持っている見込み客に見つけてもらいます。スマホを活用した販促では、見込み客となる消費者へ向けてSNSを利用したキャンペーン告知、お得なクーポンやノベルティの獲得など、来店意欲を高める施策を実施しやすいのが特徴です。

また、スマホは常に携帯しているものですから、手軽なキャンペーンにも効果が見込めます。たとえば、コンビニで並ぶドリンクにキャンペーンの応募シールが貼られている商品がありますが、よほどその商品を好きでもない限り、必要点数を集めて応募するのは少し面倒に感じるものです。
そこへQRコードからサイトへ飛ぶとすぐに抽選結果が分かるインスタントウィンだと、手軽に応募できてその場で抽選できるというワクワク感を楽しめるため、消費者の購買意欲を高めることが可能といえます。

この考え方はメーカーだけでなく、飲食・サービス業のチェーンストアでも活用でき、ホームページやアプリを訪問するたびにポイントプラスやその場でクーポンの抽選を楽しめるなど、見込み客からお客様へとつながる要素を含んでいます。

 

3-3.情報の横広げにも効果を期待う
さらに、スマホを利用したキャンペーンでは、SNSを通じて興味を持った見込み客のアカウントに広告が表示され、訪問者やフォロワーへ情報の横広げも期待できます。実際にキャンペーンに興味を持った見込み客自身から発信してくれることもありますので、販促にはスマホを活用するのが重要というのがわかります。

実際に店舗を訪れてもらったお客様へは、各店舗からお礼の投稿、フォロワーとしてメッセージを送るなどして、リピーター確保につなげていきましょう。

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本部と店舗のコミュニケーション

 

4-1.電話やメールでは情報の共有がしづらい
従来では本部から各店舗へ情報を伝達するのは電話やメールが主流といえました。大手チェーンストアになると店舗数も多く、本部スタッフが現地まで足を運んで情報を伝えるのは至難の業です。
ただ電話も店舗数分かけないといけませんし、店舗側は営業をしているので、毎回電話で話しが出来るとは限りません。

店内が忙し過ぎる場合や人手不足の現状に陥っているときには電話に出ることすらできない可能性もあります。メールでも既読すらしないこともありますし、本部側の一方通行になってしまい、各店舗の従業員にまで情報が共有できていないケースもあるでしょう。各チェーン店によってサービスに違いが出てしまわないように、情報の共有はしっかりしないといけません。

 

4-2.スマホを活用して情報の共有と人材育成
本部と店舗のコミュニケーションを円滑に行うにはスマホが便利です。スマホを各店舗、従業員に配布し、本部からの重要事項を一斉通知することができます。ただし、いくらお店のスマホとはいえ、店舗の従業員が仕事中に操作している姿をみると、お客様からの印象はよくありません。

そこで全国展開している大手スーパーでは2万本のスマホを約150店舗に配り、マイクとイヤホンで通話可能のアプリを使い、レジ売場混雑時の応援要請や商品の問い合わせ、従業員への各指示に有効活用しています。録音再生機能があるので、情報を伝達しやすいのが特徴といえるでしょう。

また、スマホを活用することで人材育成にもつながります。従業員同士が情報を共有することで、分からないことはその場で確認ができます。店舗での問題点もすぐに発信できるので、従業員同士で相談しながら解決へ導き、モチベーションの維持向上に役立ちます。スマホを用いることで、各店舗が自発的に迅速な行動をとるようになりますので、本部と店舗の円滑なコミュニケーション構築につながるでしょう。

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5.まとめ

 

大手チェーンストアでは店舗数が多いため、各店舗が自発的行動をとる必要があります。チェーンストアのブランドを維持するために人材育成や品質の管理には本部だけでなく各店舗で実施しないといけません。「本部とお客様」「店舗とお客様」「本部と店舗」のコミュニケーションが円滑に図れることでチェーンストアのブランド力が向上し、店舗の集客につながっていきます。

そのためには、スマホを活用することが重要で、激変する市場のニーズに対して的確な情報を収集し、インバウンドマーケティングで見込み客の来店意欲を高め、従業員同士が情報の共有を図り、モチベーションの維持向上に努めるようにしましょう。